車をローンで購入する際にチェックしておきたいのが金利です。
金利はどうやって決まるのでしょうか。
この記事では、車を購入するときの金利の相場について解説しています。
返済額のシミュレーションやローンの選び方についても解説しているので、車をローンで購入しようと考えている方は参考にしてください。
金利の基礎知識
自動車ローンの金利とは何を意味する言葉なのでしょうか。
車を購入する前に知っておきたい金利の基礎知識について解説します。
金利とは
自動車ローンの金利とは、自動車を購入するための借入金額(元金)に対する利息や利子を計算するための割合のことです。
1年あたりの利率に対して%(パーセンテージ)で表記されるのが一般的になります。
金利の割合を決定するのは借入先の金融機関や信販会社です。
金利が高ければ高いほど総支払額が多くなってしまうため、利息の支払いを抑えたいならできるだけ金利の低い自動車ローンを申し込みましょう。
金利の種類
自動車ローンの金利は固定金利と変動金利の2種類です。
それぞれの特徴についてわかりやすく解説します。
固定金利
固定金利は返済期間中に金利が変わらないタイプのローンです。
固定金利を選択するメリット・デメリットは下記の表を確認してください。
固定金利のメリット | 固定金利のデメリット |
・景気の変動による金利上昇リスクがない
・毎月の返済額が変わらない |
・金利が高い時期に申し込むと損をする
・変動金利と比べると金利が高め |
毎月の返済額が決まっているため、返済計画を立てやすいのが特徴です。
市場金利が低い時期にローンを組めば金利は低いままになりますが、高い時期に組んでしまうと高い金利を支払い続けることになります。
変動金利
変動金利は数年ごとに金利が見直されるタイプのローンです。
変動金利を選択するメリット・デメリットは下記の表を確認してください。
変動金利のメリット | 変動金利のデメリット |
・固定金利よりも利率が低い
・金利が下がると金利も低くなる |
・金利が上昇する可能性がある
・返済計画を立てにくい |
変動金利は固定金利よりも利率が低いことが特徴です。
市場金利に合わせて金利が変動するため、好景気の場合は返済途中から毎月の返済額が上がってしまう可能性もあります。
返済金額が変動するため、返済計画が立てにくいといえるでしょう。
金利の幅
自動車ローンに限ったことではありませんが、ローンには最低金利と最高金利が設定されています。
適用金利は自由に選ぶことができません。
金利はローンの審査によって決定されるため、最高金利が適用されてしまう可能性があることを把握しておきましょう。
自動車ローンの金利相場
自動車ローンの金利はローンの種類によって異なります。
ローンの種類ごとの特徴や相場をチェックしていきましょう。
銀行系マイカーローンの場合
金融機関や信用機関などの銀行が提供しているマイカローンの金利相場は1%〜4%です。
他のマイカーローンと比べると金利は低めですが、審査が厳しい傾向にあります。
銀行系のマイカーローンは車両代金だけでなく、オプションの購入費用や車検費用の支払い
にも利用可能です。
銀行系マイカーローンは金利負担をなるべく低く抑えたい方に向いています。
銀行からお金を借りる形になるため、車の所有権を使用者本人にすることができるでしょう。
信販会社系ディーラーローンの場合
ディーラーが提携している信販会社が提供しているディーラーローンの金利相場は4%〜8%です。
銀行系マイカーローンと比較すると金利は高めですが、銀行系マイカーローンよりも審査に通りやすくなっています。
使徒が車両代金やオプション購入費用のみとなっているため、自由度は低いです。
信販会社系ディーラーローンは、車の購入費用をすべてローンで支払いたい人に向いています。
ただし車の所有権は信販会社になるため、返済できなくなった場合は車を失う可能性があることを把握しておきましょう。
残価設定型クレジットの場合
残価設定型クレジットはディーラーローンの一種で、金利相場は4%〜6%です。
購入時に残価(下取り価格)が設定されるため、フルローンのディーラーローンよりも借入総額を抑えることができます。
残価設定型クレジットでは車をディーラーに返却せずに、新たなローンを組むか一括返済を選ぶことも可能です。
残価設定ローンは月々の返済金額を抑えたい方に向いています。
ただし、走行距離や車両の状態に取り決めがあるので、返却時に問題がある場合は追加料金を請求される可能性があることを理解しておきましょう。
販売店の自社ローンの場合
中古車販売店が提供している自社ローンの金利相場は15%前後です。
他のローンの審査に落ちている場合でも審査に通りやすいですが、他の自動車ローンと比べても金利が非常に高くなっています。
販売店独自の基準で審査を行うのが特徴です。
販売店の自社ローンは、他に組める自動車ローンがない場合に向いています。
自社ローンによっては連帯保証人を用意する必要があることを心得ておきましょう。
自動車ローンの返済額をシミュレーション
毎月の返済額は計算式で算出することが可能です。
自動車ローンの返済額を金利ごとにシミュレーションしていきます。
返済額の計算式
自動車ローンの月々の返済額は、以下の計算式で求めることができます。
- ・利息=借入金額×金利×返済年数÷2
・総支払額=借入金額+利息の合計
・月々の返済額=総支払額÷支払回数
月々の返済額は返済期間や頭金、ボーナス払いの有無などの要素によって変動するため、この計算式で算出できるのはあくまでも概算額であることを理解しておきましょう。
返済額のシミュレーション
では実際にマイカーローンを組んだ場合の返済額を算出していきます。
借入条件は次のとおりです。
- ・借入金額:300万円
・借入期間:5年
・頭金・ボーナス払い:なし
金利ごとに返済額を比較してみましょう。
金利 | 月々の支払額 | 総支払額 |
1% | 51,282円 | 307万6920円 |
2% | 52,584円 | 315万5040円 |
5% | 56,614円 | 339万6840円 |
15% | 71,370円 | 428万2200円 |
シミュレーション結果から、金利の違いによって月々の支払額に約2万円、総支払額は最大121万円もの違いがあることが判明しました。
金利の相場から銀行系のマイカーローンか、信販会社系のディーラーローンを選ぶのが無難といえます。
車の購入後はローンの返済だけでなく、車の維持費用もかかります。
事前に返済額をシミュレーションして生活に影響の少ない返済計画を立てましょう。
ローンを選ぶときにチェックするポイント
マイカーローンはどこが良いのでしょうか。
ローンを選ぶ際にチェックしておくべきポイントを解説します。
可能な限り見積りをとって比較
自動車ローンの見積もりを複数とれば、総支払額を比較することが可能です。
一口に銀行系マイカーローンと言っても、全国大手の銀行と地方銀行では金利負担が異なります。
申し込み方法によって金利が下がるサービスを提供している金融機関もあるので、最低でも2社以上にローンの見積もりを依頼しましょう。
金利の上限
銀行でも信販会社でも金利に幅を設けていることが多いです。
適用される金利は審査によって決まるため、ローンを比較するときは金利の下限の低さではなく上限の低さに注目してください。
審査結果によっては上限金利が適用される場合もあるため、無理なく支払っていける金利の上限を選択しましょう。
保証料や手数料の金額
保証料や手数料の有無もローンを決める上では重要な要素のひとつです。
保証料は連帯保証人なしでローンを契約する場合に支払う必要があり、相場は借入金額の1%になります。
事務手数料や振り込み手数料、繰上げ返済手数料などの各種手数料は銀行や信販会社によって無料としている場合や数千円かかる場合があるので確認が必要です。
また、保証料や手数料は金利に含まれている場合と、別に支払う必要がある場合があります。
保証料や手数料は少額ですが積み重なれば大きな金額になるので、忘れずに確認しておくことが大切です。
支払い回数
毎月の支払額を抑えたいなら、支払い回数が多い自動車ローンを選択するのがおすすめです。
金融機関や信販会社によって選べる支払い回数は異なりますが、少ない場合で6回多い場合で72回まで増やせます。
ただし支払い回数を多くすると毎月の返済額は少なくできますが、返済期間が長くなると金利の負担が重くなって総支払額が増えてしまうことを理解しておきましょう。
返済方式
自動車ローンには元利均等返済と元金均等返済のふたつの返済方式があります。
それぞれの違いについては、下記の比較表をご確認ください。
返済方式 | 元利均等返済 | 元金均等返済 |
月々の返済額 | 一定 | 一定ではない |
元金と利息の合計額 | 都度調整される | 元金は均等に分割 利息は残高に応じて算出 |
メリット | 支払い計画が立てやすい | 総支払利息が少ない |
デメリット | 総支払額が多くなる | 返済開始時の負担が大きい |
元利均等返済は毎月の返済額を同じにできるので、長期の返済計画が立てやすいのが特徴です。
一方元金均等返済は元金が減りやすいため、当初の返済負担は大きいですが元利均等返済よりも支払う利息を少なくできます。
どちらの返済方式が向いているのか、それぞれの特徴を比較して検討すると良いでしょう。
保証人の有無
自動車ローンを申し込むときは、保証人が必要とされているケースと保証人不要のケースがあります。
ディーラーローンの場合は信販会社が車の所有者となるため、保証人を用意する必要はありません。
銀行系マイカーローンは本人が審査基準を満たしていれば、保証人は不要です。
ただし支払い能力が低いと判断された場合は保証人を求められる可能性があります。
保証人を用意できる場合は問題ありませんが、できない場合は借入金額を減らすなどの対策が必要です。
金利が低い自動車ローンを申し込む場合の注意点
金利の低い自動車ローンを選べば、総支払額の負担を軽減することが可能です。
低金利の自動車ローンを申し込む場合の注意点について解説します。
審査が厳しい
低金利の自動車ローンの審査は大変厳しいです。
審査では下記の項目がチェックされます。
- ・勤続年数
・勤務先
・健康状態
・所有資産
・年収
支払い能力が高くても信用情報に問題がある場合は落ちる可能性が高いです。
審査の基準は借入先によって異なるため、同じ条件でも審査に通らない場合と通る場合があります。
金利の低い自動車ローンに落ちてしまった場合は、他の自動車ローンに申し込んでみましょう。
対象者が限定されている場合がある
自動車ローンによっては申し込み対象者に条件を定めている場合があります。
金融機関では、口座の給与振り込み指定が必要なケースが多いです。
信用金庫では特定地域に居住していることを条件としている場合もあります。
条件を満たしていない場合は、申し込むことができない自動車ローンがあることを把握しておきましょう。
最低金利が適用されない可能性がある
金利には上限と下限の幅が設定されていますが、下限が適用される確率は低いです。
適用される金利は審査結果に左右されます。
金利の低さだけでローンを選んでしまうと、上限の金利が適用されて利子の負担が重くなってしまう可能性があるので注意してください。
維持費も考慮しなければならない
車の購入後は毎月のローン支払いだけでなく、維持費用の負担も増えます。
ローンの借入金額を決めるときは、車のメンテナンス費用や車検費用、燃料費や税金などの維持費の負担も考慮することが大切です。
車を所有するために必要な支出を計算して、生活に支障がない返済計画を立てましょう。
まとめ
今回は車をローンで購入する場合に重要な金利について詳しく解説しました。
金利が1%でも違えば月々の返済額や総返済額の負担が大きく変わります。
自動車ローンの種類によって平均金利やメリット・デメリットが変動するため、どのローンが自分に合っているのかを総合的に判断することが大切です。
無理のない返済計画を立てるために、返済額はあらかじめシミュレーションしておきましょう