車の購入で軽自動車を検討しているが、手続きについてよく知らないので不安があるという方はいませんか。
本記事では車購入の完全ガイド【軽自動車編】と題して、車選び方のポイントや購入に必要な書類、手続きの流れなどを解説しています。
後悔しないためのポイントや「買ってはいけない軽自動車」についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
購入前に知っておきたい、軽自動車の基礎知識
軽自動車の購入について紹介する前に、どういった車が軽自動車と呼ばれるのか解説していきます。
軽自動車とよばれる車の条件は、以下のとおりです。
- 排気量:660cc以下
全長:3.4m以下
全幅:1.48m以下
全高:2.0m以下
また軽自動車の定員は、4人までです。
仮に5人で乗ってしまうと、道路交通法違反で罰則が適用されます。
車の購入で軽自動車が選ばれる理由
次に、車の購入で軽自動車が選ばれる理由を解説していきます。
コンパクトで運転しやすい
選ばれる理由のひとつめは、コンパクトで運転しやすい点です。
車両のサイズが抑えられているため、取り回しの良さが感じられやすい傾向です。
普通自動車と比較して、狭い場所にも対応しやすくなります。
維持費を抑えられる
維持費が抑えられる点も、軽自動車ならではの魅力といえます。
車を購入した後も、常に必要になるのが車検・メンテナンスにかかる維持費です。
納めるべき税金や任意保険料、車を走らせるガソリン代も含まれます。
普通自動車と比べると軽自動車の維持費は低く抑えられるため、コストパフォーマンスに優れているとの評価です。
かわいいデザインが多い
軽自動車はサイズの小ささを活かして、かわいらしく仕上げたデザインが多くみられます。
そのため女性からの人気が高く、外観・内装ともにファッショナブルな仕様を好むユーザーに選ばれている傾向です。
燃費が良い車種も多い
燃費の良さを求めるユーザーにも、軽自動車は選ばれています。
車体のサイズが小さく重量も大きくならないため、一般的に燃費効率の高い車が揃うからです。
短距離の燃費性能が優秀で、街乗りタイプの車を探している方にもチェックされています。
軽自動車の購入に注意点はある?
車を購入する際は、魅力的なポイントだけでなく、気になる点にも目を向ける慎重さが必要です。
ここでは軽自動車の購入で意識しておきたい、3つの注意点について解説します。
風の影響を受けやすい
コンパクトな点が軽自動車の魅力ですが、別の見方をすれば風の影響を受けやすいといえます。
風の強い荒天の日に車を走らせると、風に煽られてハンドル操作を誤ってしまう恐れもあるので注意が必要です。
車体の軽さを考えれば、たとえ風が強くなくともスピードの出し過ぎや急ハンドルは控えるべきでしょう。
思うような加速ができないこともある
軽自動車の排気量が660ccまでという点を踏まえると、加速が弱いと感じる場面も想定できます。
乗員や積載量が多い・坂道走行・高速道路での合流などです。
日常的な街乗りシーンで気になることは少ないですが、スピードが上がりきるまでの時間で不満に思うユーザーもいるでしょう。
軽自動車の加速性能に不安を感じる場合は、ターボエンジン搭載車の検討をおすすめします。
ユーザーによっては窮屈に感じる可能性も
軽自動車の居住空間を考えたとき、ユーザーによっては窮屈に感じる恐れもあります。
軽自動車の車両サイズから、キャビンスペースにもある程度の制限が生じてしまうからです。
車購入時に問題がなかったとしても、ライフスタイルの変化により感じ方が変わってしまう場合もあります。
居住性が気になる方は、最初から室内空間が広い車種を購入する、ライフイベントに合わせて車を買い替える、などの対策を検討してみましょう。
軽自動車の購入で後悔しないためには
車の購入で後悔しないためには、どういった点に気を付ければ良いのでしょうか?
ここでは軽自動車の購入を決断する前に、押さえておきたいポイントを紹介します。
家族と相談する
ファミリーカーとして軽自動車を購入する場合は、事前に家族と相談して決断しましょう。
ファミリー向けの軽自動車には、買い物・レジャー・家族の送迎など、用途に合わせてさまざまな機能が搭載されています。
外観や燃費性能も含めて、使用目的に合致した車種を選択する必要があります。
個人の意見だけを反映させて商談を進めると、後悔するきっかけにもなり得るので注意しておきましょう。
格安車の場合は慎重に検討する
車の購入費用はなるべく抑えたいと考えてしまいますが、選択の候補が格安車の場合は慎重に検討しましょう。
格安車の購入を決断するなら、価格が抑えられている理由を理解しておかなければなりません。
年式・走行距離・事故歴・修理歴など、確認すべきポイントは複数あります。
業者側に求める車の条件をしっかり伝えておけば、格安車が提示されても落ち着いて検討できるでしょう。
いずれにしても車の寿命や安全性にも関わる部分のため、しっかりと確認する必要があります。
こちらの記事では実際に車を購入し、後悔してしまったケースを紹介しています。
今回ご紹介した内容も踏まえ、こちらの記事をみることで、後悔しない車購入に繋げることができるでしょう。
是非一度読んでみてください。
費用を抑えたいならお得に購入できる時期を狙う
購入価格で後悔したくない場合は、少しでも車をお得に購入できる時期を狙ってみてください。
車をお得に購入できる時期とは、販売業者が特に売上を気にする3月と9月(決算時期)です。
決算時期に近い販売業者はできるだけ車を購入してほしいと考えるため、通常よりも高い値引きで交渉に応じてくれる可能性があります。
また、キャンペーンや特別セールが行われやすい7月と12月(ボーナス時期)もおすすめですので、ぜひ狙ってみましょう。
軽自動車を購入する際の一般的な流れ
車の購入をスムーズに進めたい場合は、手続きの流れについて理解しておくことも必要です。
ここからは、軽自動車を購入する際の一般的な流れを解説していきます。
①予算を決めて購入車種を絞る
最初の手順は、予算を決めて購入車種を絞ることです。
まずは購入する車の使用目的を明確にします。
続いて求める条件をピックアップし、それぞれに優先度を設定しましょう。
予算を念頭に置きつつ、優先度の高い条件に合う軽自動車を見つけ出します。
②どこで購入するかを決める
購入したい車種が決定したら、どこで購入するかを決めます。
価格を重視するなら販売店、サポートの充実度で選ぶならディーラーがおすすめです。
購入する車の専門的な技術力を求めるなら、信頼性の高いディーラーを選びましょう。
希望する車がまだ定まっておらず、メーカーを超えて車種を選びたいという場合は、取り扱い範囲の広い販売店が適しています。
③実車に触れてみて問題がないか確認する
実際に店舗へ訪れて、目的の車を確認します。
当該車種が想定している使用目的に合っているか、試乗してみて判断しましょう。
全体的なデザインや乗り心地、内装や装備の使い勝手など、写真や文章では分からない部分をしっかりと確認します。
④見積もりを依頼して総額を確認する
ここまでのステップを終えたら、業者に見積もりを依頼しましょう。
見積書には車両価格以外に法定費用と代行費用が含まれていて、業者の比較材料にも使えます。
購入にかかる費用については、ここより後の部分で解説しているので、参考にしてみてください。
⑤書類を用意して購入契約を完了させる
見積書の内容に納得できたら、書類を用意して購入契約を進めます。
書類のほとんどは業者側が用意してくれるケースも多いですが、住民票や車庫証明などは自身で準備しなければなりません。
最終的に条件をまとめた契約書にサインしたら、軽自動車の購入契約は完了です。
⑥支払い手続きを完了させる
購入契約が済んだら、支払い手続きを完了させましょう。
支払い方法は、現金やローンなどさまざまです。
自身の状況に合った、無理のない手段を選択してください。
⑦納車日を待つ
ここまできたら、納車日を待つだけです。
新車なら1か月、中古車なら2週間程度を目安として待ちましょう。
車種の人気、店舗の忙しさ、オプションの有無で、実際の納車期間は変動します。
軽自動車の購入で用意すべき書類
ここでは、軽自動車の購入で用意すべき書類を解説します。
事前に用意できる書類を早めに入手しておくと、購入手続きもスムーズに進むでしょう。
住民票
住民票は、本人確認のために用意します。
有効なのは、発行日が3か月以内のものです。
役所の窓口、照明サービスコーナー、コンビニのマルチコピー機などで取得しましょう。
自動車検査証(車検証)
自動車検査証(車検証)は、業者側が用意してくれます。
新車購入時に、軽自動車検査協会から交付される書類です。
軽自動車の車検証も、令和6年1月より電子化が開始されています。
自賠責保険証
自賠責保険証は車の購入時に加入が義務付けられている、自賠責保険の証明書です。
発行には手続きが必要ですが、ほとんどのケースで業者側に代行してもらえます。
委任状
検査登録事務所への届け出や、名義変更の手続きを代行してもらうための書類です。
委任状自体は業者側が用意してくれますので、教えてもらいながら必要な情報を記載しましょう。
車庫証明(地域によって異なる)
軽自動車を購入する場合、基本的に車庫証明の提出は不要です。
ただし、地域によって「保管場所の届け出」を求められることがあります。
普通自動車の車庫証明と同様に、警察署にて手続きが可能です。
印鑑は原則不要
軽自動車を購入する際に用意すべき書類においては、原則印鑑を必要としません。
これまでは名義人変更の手続きで認印が必要でしたが、令和3年1月より押印は廃止されています。
一方で業者側との契約書や、ローン手続きの段階では印鑑が必要になることもあるので、注意しておきましょう。
車の購入にかかる費用【軽自動車編】
軽自動車の購入にかかる費用は、どのようなものが含まれるのでしょうか。
見積書にも記載される費用の内訳について解説していきます。
車両代金
車両本体の購入に必要な代金です。
本体価格と選択したオプションによって、求められる金額が変動します。
法定費用(法律で決められた費用)
法定費用とは法律で定められた費用のことで、購入先がどこであっても支払う金額は同一です。
法定費用に含まれる代金は、以下のとおりです。
軽自動車税種別割
軽自動車税種別割は軽自動車の所有者に課せられる税金で、金額は一律10,800円です。
毎年発生するもので、4月1日時点で車検証に記載された所有者に支払い義務があります。
年度内に購入すると翌年の4月まで税金が発生しないため、4月2日に登録することでほぼ1年分の節約が可能です。
「グリーン化特例」により環境性能に優れた車は減税措置を受けられますが、適用されるのは新車購入の翌年となるので、車の購入にかかる費用には影響しません。
自動車重量税
自動車重量税は、車の用途・重量・経過年数によって、課税される金額が変動する税金です。
ただし軽自動車の場合は一律の金額となっていて、自家用なら1年間で3,300円を納めます。
納付するタイミングは新規検査と継続検査(車検)のときで、最初は3年分、次からは2年分と、次の検査時期までをまとめて納付するシステムです。
環境性能に優れた車は「エコカー減税」により、自動車重量税の減税措置を受けられます。
環境性能割
車の購入時に課せられる税金で、自動車取得税が廃止された後に導入されました。
軽自動車の場合、環境性能基準により非課税・1%・2%の3段階が設けられています。
自賠責保険料
車の購入時に加入しなければならない、自賠責保険の保険料です。
未加入のまま公道を走ると、法律で処罰されます。
軽自動車だと新車購入時に24,010円(37か月分)、以降の継続検査(車検)で17,540円(24か月分)支払うのが一般的です。
リサイクル料
自動車を廃棄したときに発生する、フロン類・エアバッグ類・シュレッダーダストの処理などに使われる費用で、新車購入時に支払うものです。
料金は車種やグレードにより変動しますが、6,000円〜18,000円程度を納めます。
中古車として売却した場合は、買取価格にプラスしてリサイクル料金相当額が返還されます。
消費税
車両代金にかかる税金です。
金額は見積書に明記されています。
代行費用(購入先で異なる費用)
代行費用は、車の購入先で異なる代金です。
各種手続きの代行を依頼したときに発生する費用で、自身で手続きが可能な項目は節約もできます。
車両登録代行費用
車両登録代行費用は、車両の登録・ナンバープレートの取得手続きを代行してもらうための費用です。
具体的な金額は依頼先によって異なりますが、10,000円〜30,000円程度の支払いを求められます。
自身で手続きができる場合、3,000円程度に抑えることが可能です。
車庫証明書代行費用
車庫証明を警察署で交付してもらう手続きの代行費用です。
軽自動車だと車庫証明は不要ですが、保管場所の届け出が必要なケースもあります。
費用の相場は5,000円〜15,000円程度と言われていますが、自身で手続きを進めれば500円〜600円程度に抑えることが可能です。
納車費用
希望する納車場所まで、車両を運んでもらうための費用です。
具体的な金額は車を運ぶ距離によって変動しますが、5,000円〜30,000円程度が目安といわれています。
自分で販売店まで受け取りにいけば、納車費用を削減できる場合もあります。
希望ナンバー代行費用
希望ナンバーを取得するために必要な手続き全般を、業者に依頼するときに求められる費用です。
5,000円〜10,000円程度を目安と考えておきましょう。
軽自動車にかかる年間の維持費を解説
続いて軽自動車にかかる年間の維持費を解説します。
軽自動車税
毎年4月1日に軽自動車税を納めます。
2015年4月1日以降に登録された車の場合、10,800円が必要です。
2015年3月31日以前に登録された車だと7,200円を納めます。
金額は一律です。
任意保険の保険料
自賠責保険では補償されない部分をカバーするために、車の所有者が任意で加入する保険の保険料です。
保険料の金額は、補償の内容・年齢・事故歴・地域など、さまざまな要因で決定されます。
統計で見ると、軽自動車向けの任意保険料は3ナンバーの普通自動車と比べて、23,000円ほど安い傾向です。
車検費用
新車購入から3年経過、その後は2年経過ごとに、軽自動車は車検を受けなければなりません。
かかる費用には、車検基本料・自動車重量税・自賠責保険料などが含まれます。
車検をどこに依頼するかで具体的な金額が変わってきますが、2年経過後の車検で軽自動車は約66,000円かかる想定です。
ガソリン代
維持費として常に必要になるのがガソリン代です。
軽自動車の車両サイズは小さいので、普通自動車と比べるとガソリン代も安く抑えられる傾向にあります。
メンテナンス代
車の状態を良好に保つためのメンテナンス代も、軽自動車にかかる年間の維持費に含まれます。
ここで想定しているメンテナンス代には、洗車・ワックス・オイル交換・ウォッシャー液交換、などが含まれます。
軽自動車のように車両サイズが小さいと、消耗品関係の使用料も少なく済む傾向です。
駐車場代
年間の維持費には駐車場代も含まれますが、軽自動車だから安く抑えられるということはありません。
具体的な金額は、それぞれの駐車状況によって変わるでしょう。
こんな軽自動車は購入前に要チェック!
最後に、購入前に要チェックしてほしい軽自動車の特徴を紹介します。
購入した後に後悔することのないよう、以下の内容をしっかりと理解しておいてください。
用途に合っていないボディタイプ
軽自動車には以下のように6つのボディタイプがあり、それぞれ異なる特徴を持っています。
ボディタイプ | 主な特徴 |
セダン(スタンダード) | 安価・燃費が良い |
ハイト | 室内空間が広い |
スーパーハイト | ハイトより車高が高い・室内空間が広い |
SUV | 走破性が高い |
ワンボックス | 軽自動車トップの室内空間・積載量が多い |
スポーツ | 2名定員のスポーツカータイプ |
使用目的ではなく、人気の高さや外観の好みで選んでしまうと、後悔する恐れがあります。
年式が10年以上前の中古車
年式が10年以上前の中古車は故障の恐れがあり、安全面でのリスクをはらんでいます。
いくら安価であってもすぐに走れなくなっては、購入する意味もなくなるでしょう。
古い年式の車だと、今では当たり前の安全機能を積んでいない可能性もあります。
リセールバリューが高い傾向にある中古車
リセールバリューとは、再販売するときの価値を指す言葉です。
リセールバリューが高い傾向にある中古車は、新車と大差ない価格で売られているケースが見られます。
価格が近いのなら中古車を購入せずに、新車の購入を検討したほうが良いといえます。
まとめ
軽自動車の人気は高く、実際に多くのユーザーから選ばれている背景があります。
普通自動車と比べて購入に必要な書類も少なく、購入にかかる費用・年間の維持費も安く抑えられる傾向です。
購入の流れさえ理解しておけば、契約が完了するまでスムーズに進められるでしょう。
本記事の内容を参考にして、後悔のない納得がいく軽自動車を購入を実現してください。