「リフレクターをカスタムしたいけど、車検に通らなくなる?」
「すでにカスタムしちゃったけど、不適合車だったらどうしよう」
このような疑問や不安をお持ちではありませんか?
車検を何度も受けるのは時間も費用もかかり手間なので、一度で終わらせたいものです。
リフレクターとは、反射板のことを指します。
車やバイクの車両の後ろに取り付け、存在を知らせるためのものです。
結論からお伝えすると、カスタムは可能ですが車検基準が定められており、基準から外れると車検に通りません。
以降では、軽自動車・普通自動車、トラック、バイクの、リフレクターにおける車検基準を解説します。
本記事を読むことでリフレクターの保安基準を知り、ご自身で変更を加えても車検に通る状態にできるようになります。
ぜひ最後まで目を通しておきましょう。
軽自動車・普通自動車のリフレクターの車検基準は?
軽自動車・普通自動車のリフレクターの車検基準を解説します。
リフレクターの役割
リフレクターの役割は、車がいることを知らせることと、サイズを知らせることです。
夜間は車の存在感やサイズがわかりにくくなるため、リフレクターは必須装備となっています。
夜間、ヘッドライトやブレーキランプなどで存在感を出すことは可能ですが、エンジン停車中はライトやランプ類はつきません。
リフレクターは車のライトに反射するため、つけておくことでライトやランプがなくても存在感を出せます。
このような役割があるため、カラーや形状などの保安基準が定められています。
リフレクターは、前方(ヘッドライト付近など)・後方(ブレーキランプ付近・ナンバープレート付近など)、側方(ドアなど)につけられます。
なお、側方はリムジンのような全長が6mを超える車種につけなければならず、一般的な車の取り付けは義務化されていません。
以降で詳しく基準を紹介します。
車検基準1.形状
リフレクターの車検基準のひとつに形状があります。
決められている形状は、一般的な自動車は取り付け位置が異なっても同じ基準です。
ただし、被牽引自動車のみ異なっています。
一般的な自動車の場合、前方・後方・側方問わず丸の形や正方形、長方形であればOKです。
文字になっていたり、三角形だったりすると車検に通りません。
ただし、文字であってもO、I、U、8といった単純な形状の場合は、アルファベットや数字に類似していても車検に通ります。
タンクローリーやセミトレーラーといった被牽引自動車は、後方は正立正三角形を選ぶと決まっています。
前方・側方は、一般的な自動車と同様、丸の形や正方形、長方形であればOKです。
車検基準2.カラー
2つ目にご紹介するリフレクターの車検基準は「カラー」です。
カラーは、取り付け位置によって異なるため、間違えないように注意が必要です。
具体的には、前方に取り付けているリフレクターは白色、後方の場合は赤色、側方は橙色と決まっています。
ひとつでもカラーが異なると車検に通らないため、ご自身で取り付ける際は場所を間違えないように気をつけましょう。
車検基準3.反射の度合い
3つ目にご紹介する基準は「反射の度合い」です。
なお、後方に取り付けるリフレクターのみに適用されます。
具体的にいうと「夜間に後方150mから前照灯で照射しても、反射光を照射位置から確認できること」とされています。
反射が鈍いと車両を認知しづらくなり事故を招く恐れがあるため、車検に通りません。
反射しすぎていると感じるくらいでも問題ないので、しっかりと反射させられるものを取り付けましょう。
車検基準4.サイズ
4つ目にご紹介する車検基準は「サイズ」です。
サイズは、どの位置に取り付けるリフレクターも10平方センチメートル以上と決められています。
10平方メートルにも満たないサイズは反射しても目立ちにくく、リフレクターを取り付ける意味がありません。
大きさの外袋や外箱にサイズが表記されていない場合でも、適合製品などと表記されていれば問題ないでしょう。
車検基準5.取り付け位置
最後にご紹介する車検基準は「取り付け位置」です。
上縁の高さや下縁の高さは、前方・後方・側方のどの箇所においても同じですが、前方だけ最外縁も決められています。
基準は、前方・後方・側方問わず、上縁の高さが地上1.5m以下、下縁の高さが地上0.25m以上です。
ただし、前方に取り付けるリフレクターは最外縁の基準があり、自動車の最外側から400mm以内となっています。
軽自動車・普通自動車の車検が通らないリフレクターの状態
軽自動車・普通自動車の車検が通らないリフレクターの状態を解説します。
LEDにカスタムすると車検に通らない
リフレクターをおしゃれにカスタムしたいと考えLEDにすると、車検に通りません。
リフレクターは反射板であり、ヘッドライトのように自らが光ることで役目を果たせるものではないためです。
近年、カスタムパーツとして幅広い商品が販売されており、LED化されたリフレクターも登場しています。
しかし、反射できないものはリフレクターの役目を全うできないため、車検と事故の観点から使用するのは避ける方が良いでしょう。
破損・強く汚れている場合は車検に通らない
リフレクターが欠けたりヒビ割れたりしていると車検に通りません。
加えて、ひどく汚れている場合も不適合となります。
その理由は、反射度合いが低下する恐れがあるためです。
特に汚れは高い確率で反射度合いが落ちるため、安全な車両状態ではないと判断されます。
車検を受ける前に、必ず欠けや割れ、汚れがないかチェックしましょう。
トラックのリフレクターの車検基準は?
次にトラックのリフレクターの車検基準をお伝えします。
カスタムしたい方、もしくはすでにカスタムしている方は、車検前にチェックできるよう、項目ごとの基準を覚えておきましょう。
車検基準1.形状
トラックに取り付けられるリフレクターの形状は、前方・後方・側方問わず丸の形や正方形、長方形だと車検に通ります。
三角形は車検に通らないため、使用しないでください。
ただし、大型トラックの後方に取り付ける場合は長方形のみOKです。
まちがえて三角形のリフレクターを取り付けると不適合になるため注意してください。
車検基準2.カラー
トラックに取り付けられるリフレクターのカラーは取り付け場所によって異なります。
前方に取り付けられるのは白色、後方に取り付けられるのは赤色、側方につけられるのは橙色です。
ただし、大型トラックの後方に取り付けられるのは、黄色・赤色・45±5°の角度のしま模様と、種類に幅があります。
車検基準3.反射の度合い
トラックに取り付けられるリフレクターの反射度合いも、車検基準のひとつです。
「夜間に前方150mから前照灯で照射しても、反射光を確認できるものを付けること」と決まっています。
なお、基準として「10㎠以上であること」としています。
また、大型トラックの後方に取り付けられる反射度合いの基準として「昼間に後方150mの位置から反射部の赤色を確認できるものを取り付けること」と決まっています、
車検基準4.サイズ
サイズで保安基準が定められているのは、大型トラックの後方に付けるリフレクターのみです。
昼間に後方150mの位置から反射部の赤色を確認できるものを取り付ければ車検に通ります。
車検基準5.取り付け位置
リフレクターの取り付け位置は、前方・後方・側方で異なります。
前方に取り付ける際は反射部の上縁の高さが地上1.5m以下、下縁の高さが地上0.25m以上に加え、最外縁は自動車の最外側から400mm
以内が基準です。
後方と側方に取り付ける際は、反射部の上縁の高さが1.5m以下、下縁の高さが地上0.25m以上となっています。
バイクのリフレクターの車検基準は?
バイクのリフレクターにも、車検基準が定められています。
基準化されているのは、カラー、サイズ、取り付け位置の3つです。
車検基準1.カラー
バイクのリフレクターのカラーは赤色のみが認められます。
クリアや青色、黄色、白色などは車検に通りません。
LEDリフレクターも出回っていますが、こちらも車検には通らないため付けないようにしましょう。
車検基準2.サイズ
バイクに取り付けられるリフレクターのサイズは10平方センチメートル以上と決まっています。
10平方センチメートルよりも小さいものは車検に通らないため、できるだけ目立つ大きなサイズのリフレクターを探しましょう。
車検基準3.取り付け位置
バイクに取り付けるリフレクターの位置は、中心点が地上から1.5m(150cm)以下にあり、下部の縁部分は地上から0.25m(25cm)以上にあることと決まっています。
なお、過度に手前に出した位置に取り付けたり、奥の位置に取り付けたりするのも車検に通らないため気をつけましょう。
リフレクターを外すと車検に通らず違反になることも
排気量を問わず、リフレクターを外すと車検に通らないだけでなく、違反扱いの該当です。
警察に検挙されると整備不良に該当するため、二輪車は違反点数1点と罰金6000円が課せられます。
原付バイクであっても同様で、違反点数1点と罰金5000円が課せられ、外しての走行はしていけないと「道路運送車両法」で決まっています。
サイドリフレクターの法改正で義務化された
もともと、バイクのサイドリフレクターは装備する必要はありませんでした。
しかし、2023年9月以降に受注されるバイクは法改正の対象となり、サイドリフレクターの義務化が決まりました。
なお、海外のバイクでは標準装備されており、サイドリフレクターの重要性は世界的に高まっていると考えられます。
義務化に伴い、サイドリフレクターの取り外しや基準外に該当する製品の取り付けは、違反の対象となり車検にも通りません。
なお、2023年9月以前の車両については義務化ではないため、この限りではありません。
車検依頼できる業者と費用
車検を依頼できる業者と費用について解説します。
どこにお願いすればいいのかわからないと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
車検依頼先
車検を依頼できる業者は以下のとおりです。
- ・ディーラー
・車検専門店
・整備工場
・ガソリンスタンド
・バイク・カー用品店
では、特徴やメリット・デメリットを一つずつ解説します。
ディーラー
ディーラーとは、車両メーカーが店舗をもち車両を販売している店です。
販売だけでなく、車検や法定点検などのアフターフォローの対応も行っています。
丁寧に細やかに点検できるほか、メーカーの純正部品を取り扱っているのが特徴です。
修理や車検による部品交換にしても品質が高いため心強いですが、費用は充実していることやスキルが高い分、費用は高めです。
車検専門店
車検専門店とは、自社整備工場を持っている業者です。
車検を専門としているため検査に慣れており、手際が良くスピーディーです。
事前予約と見積もりを完了させておけば、当日中に検査を終わらせてくれるメリットもあります。
交換が必要となった場合、純正パーツや社外品のパーツまで取り寄せて使用してくれるため、予算調整がしやすい傾向にあります。
整備工場
整備工場は民間の認定工場または指定工場のことです。
ディーラーで整備士として働いていた方や、大手カー用品店の整備士として働いていた経歴を持つスタッフが多くいます。
そのため、技術や知識もしっかりあり安心できるでしょう。
ただし、ディーラーのように基準化されスキルにばらつきないようにしているところは少ないです。
よって、技術や知識にばらつきが生じやすいのがデメリットです。
費用はディーラーよりもリーズナブルなため、検討しやすいでしょう。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドの場合は、すべてのところで車検受付しているわけではありません。
加えて、自社工場を持っていることは珍しく、別の提携工場で検査を行うことになります。
よって、仲介手数料がかかることがあります。
パーツ交換が必要となった場合、純正と社外品どちらも取り寄せが基本的に可能となるため、費用を抑えやすいでしょう。
バイク・カー用品店
ガソリンスタンドのように、車検を受付して別の提携工場で検査する傾向にあります。
パーツ交換が必要となった場合、純正パーツと社外品どちらでも取り寄せできますが、基本的に社内で取り扱っているものを積極的に使います。
具体的には、オイルやワイパーといった店舗に陳列している商品です。
自動車・バイク・トラックの車検費用
自動車・バイク・トラックの車検費用の目安をお伝えします。
用意しておく予算を考える際の参考にしてください。
自動車の車検費用の目安
自動車にかかる車検費用は、軽自動車が60,000円〜90,000円、普通自動車が80,000円〜140,000円が相場です。
クレジットの分割払いで支払ってもそれほど負担がないくらいの金額となっています。
バイクの車検費用の目安
バイクの車検はディーラーに依頼するのが一般的となっており、40,000円〜60,000円が相場です。
クレジット支払いも可能ですが、しっかりと貯金すれば一括で支払えるくらいの金額です。
トラックの車検費用の目安
トラックの車検にかかる費用は、大型の場合200,000円〜、中型の場合は150,000円〜、小型の場合は100,000円〜が目安です。
費用が高額になるため、しっかりと貯金しておく必要があります。
ユーザー車検で行う方法もある
ユーザー車検とは、ご自身で車検場へ行き、申請から検査までご自身で行う方法です。
工賃がかからないため費用を最も抑えやすいのがメリットです。
一般的に14日前から予約ができ、普通車はインターネット、軽自動車はインターネットもしくは電話で予約します。
ユーザー車検は慣れていないと不合格になりやすい
費用を抑えやすくお財布に優しい検査方法ですが、整備知識や整備技術が必要です。
慣れていない方は検査がうまくできておらず、不合格になりやすいため注意しなければなりません。
しかし、不合格となった場合、当日中であれば再検査は2回まで無料となりますが、後日に回す場合は再び検査費用を支払う必要があります。
加えて、2週間以内に再検査する場合は不適合の対象パーツのみで良いですが、2週間を超えると最初から検査をやり直すこととなります。
まとめ
リフレクターの車検項目は、自動車、トラック、バイクで異なります。
ただし、サイズとカラー、取り付け位置はどの車両においても基準が設けられています。
基準に合わない製品を使うと車検に通らなかったり、外すと違反になったりするため取り扱いには注意が必要です。