快適な車内環境を保つためにはエアコンが欠かせません。
しかし、車を運転していると冷たい空気が流れなかったり、エアコンが効かなくなったりすることもあります。
車のエアコンが故障してしまうと、自分で修理が難しく専門業者に依頼する必要があります。
車のエアコンの修理費用はいくらぐらいかかるのでしょうか。
この記事では、車のエアコンの修理費用の相場と修理を依頼する際のポイントについて解説します。
よくある車のエアコンの故障原因
車のエアコンが効かなかったり、動作しなかったりする場合はどのような原因があるのでしょうか。
ここでは、車のエアコンが効かないときに試すことと、車のエアコンの故障原因について詳しく解説します。
車のエアコンが効かないときに試すこと
車のエアコンが効かない場合、故障ではなく単純に効くまでに時間がかかっている場合があります。
そのため、まずはエアコンを内気循環モードに設定し、温度を最低にして風量を最大にしましょう。
真夏に長時間直射日光が当たると車内は非常に高温になり、エアコンが効き始めるまでに時間が必要です。
この方法を試すことで、故障しているのか、あるいは単に高温のために冷却が追い付かないだけなのかを判断できます。
車のエアコンの故障原因
車のエアコンの故障は、主に以下の7つの原因が挙げられます。
車のエアコンの故障原因
- ・ガス漏れ・ガスの不足
・冷却水が少ない
・コンプレッサーの故障
・サーモスタットの故障
・ファンモーター(ブロアモーター)の故障
・フィルターの劣化
・エバポレーター(熱交換器)の故障
それぞれ詳しく解説します。
ガス漏れ・ガスの不足
車のエアコンが効かない場合、エアコンガスが漏れていたり、不足していたりする可能性が高いです。
エアコンガスはエアコンシステム内で熱を吸収し、車内を冷やす役割を果たします。
劣化や振動によりガス漏れや不足が生じると、エアコンは冷たい空気を十分に送ることができません。
冷たい風ではなくただの風だけが流れる場合が多いです。
冷却水が少ない
車のエンジンやエアコンシステムには、効率的に温度調節を行うために適切な量の冷却水が必要です。
そのため、冷却水が不足すると車内の空調システムがうまく機能しなくなることがあります。
特に、暖房を使用する際、エンジンからの熱を車内に供給するために冷却水が必要です。
その量が不足していると、熱交換の効率が悪くなり車内が十分に暖まらない可能性があります。
冷却水が不足している場合は補充して、必要であれば新しい冷却水に交換することが推奨されています。
交換作業は比較的簡単で、費用も高くないため早めに対処することが大切です。
コンプレッサーの故障
車のエアコンシステムの心臓部であるコンプレッサーが故障すると、エアコン全体が停止します。
コンプレッサーはエアコンガスを圧縮し、車内に冷たい空気を供給する役割を担っています。
コンプレッサーが故障しているかどうかを見極めるのは困難なため、近くの専門業者に依頼してチェックしてもらいましょう。
サーモスタットの故障
サーモスタットは温度を調整するための重要な装置で、壊れてしまうとエアコンの温度調整に影響を与えます。
正常に機能しないサーモスタットは、エアコンが冷たい空気を適切に制御できなくなる原因です。
また、エアコンだけではなくエンジンにも支障をきたす可能性もがあるので、なるべく早く修理あるいは交換をしましょう。
ファンモーター(ブロアモーター)の故障
ファンモーターはエアコンの風を作り出す装置で、故障してしまうと風が出ません。
エアコンをつけて「カラカラ」「カンカン」などの異音がすると故障している可能性が高いです。
ファンモーターの故障は、車内の快適性を大きく損なうため、早めに対処しましょう。
フィルターの劣化
エアコンフィルターが劣化していたり、汚れていたりするとエアコンの効きが著しく悪くなります。
また、エアコンフィルターの汚れは車内の異臭の原因です。
カビやホコリが原因でアレルギーやぜんそくを誘発する恐れがあるため、定期的に交換しましょう。
エバポレーター(熱交換器)の故障
エバポレーターは、取り組んだ空気を冷却する部品です。
エバポレーターが故障すると、エアコンの冷却能力が大幅に低下します。
また、エバポレーター自体にほこりが溜まると、異臭や腐食して壊れてしまい、エアコンガスの漏れを引き起こす可能性も高いです。
洗浄するだけであれば費用を安く抑えられますが、交換が必要な場合は高額になることがあります。
車のエアコンの修理費用相場
車のエアコン修理相場は部品によってさまざまです。
ここでは、部品別の修理費用の相場を詳しく解説します。
車のエアコンの修理費用相場
部品別の車のエアコンの修理費用の相場は以下のとおりです。
修理内容 | 修理費用の相場 |
ガス漏れ・ガス補充 | 5,000円〜15,000円 |
冷却水の補充 | 2,000円〜5,000円 |
サーモスタットの修理 | 10,000円〜20,000円 |
ファンモーター(ブロアモーター)の修理 | 15,000円〜30,000円 |
フィルターの交換 | 2,000円〜5,000円 |
エバポレーター(熱交換器)の洗浄・交換 | 20,000円〜50,000円 |
それぞれの修理費用の相場について詳しくみていきましょう。
ガス漏れ・ガス補充の修理費用相場
エアコンガスを補充する相場は、5,000円から15,000円です。
定期的に車に乗る方であれば、2年〜3年に1度のガス補充が推奨されています。
ガスが漏れている場合は、放置するとエアコンシステム全体に悪影響を及ぼす可能性があるため、早めに補充や点検をしてもらいましょう。
冷却水の補充の費用相場
冷却水の補充の費用相場は、約2,000円から5,000円程度です。
冷却水の補充は難しい作業ではないので自分で補充ができます。
夏場の高温時や長距離の運転前には、冷却水の量を確認し適切なメンテナンスを行うことが重要です。
コンプレッサーの修理費用の相場
コンプレッサーの修理費用の相場は30,000円から100,000円程度です。
コンプレッサーは機種によって金額が大きく異なりますが、他の部品の修理や交換と比べて高額になる傾向があります。
中古パーツなどをうまく使用することで費用を抑えることも可能です。
サーモスタットの修理費用の相場
サーモスタットの修理費用の相場は10,000円から20,000円程度です。
エンジンのオーバーヒートやエアコンの効きが悪いと感じた時は、サーモスタットの点検が必要になります。
ファンモーター(ブロアモーター)の修理費用の相場
ファンモーター(ブロアモーター)の修理費用の相場は15,000円から30,000円が相場です。
風量が明らかに低下したりファンから異音がする場合は、ファンモーターに問題がある可能性があるため、速やかに専門業者に相談しましょう。
フィルターの交換費用の相場
フィルターの交換費用の相場は2,000円から5,000円程度です。
カー用品店やネットで購入ができ自分での交換も可能ですが、不安な場合は専門業者に依頼しましょう。
エバポレーター(熱交換器)の洗浄・交換の相場
エバポレーターの洗浄・交換の費用相場は、洗浄が約10,000円で交換が約50,000円程度です。
車検やメンテナンス時に点検されることが多く、必要に応じて洗浄または交換が推奨されます。
定期的なメンテナンスで快適な車内環境を維持しましょう。
状況次第では乗り換えの方が良い可能性も
状況次第では、修理費用を支払うよりも車を乗り換える方が良い選択となる場合があります。
特に以下の3つのどれかに当てはまれば、新しい車に乗り換えた方が良いでしょう。
状況次第で代乗り換えの方が良い場合
- ・故障している部品が多い
・新車登録をした日から7年以上経過している
・10年以上同じ車に乗り続けている・走行距離が多い
それぞれ詳しく解説します。
故障している部品が多い
車のエアコン以外にも複数の箇所で故障している場合、修理費用が車の価値を上回る可能性があります。
特に、エンジンやトランスミッションなど、重要な部品の交換が必要な場合は新車の購入費用と同じくらいの費用が必要になることもあります。
そういった場合、長期的にみれば、修理費よりも新車購入の方がお得な選択の場合が多いです。
新車登録をした日から7年以上経過している
新車登録から7年以上経過すると、3回目の車検を迎えるため乗り換える方が多いです。
実際に、一般社団法人日本自動車工業会の乗用車市場動向調査では、車の保有期間が平均して約7年という結果も出ています。
7年を超えると、車のエアコンに関わる部品の故障リスクが高まり、修理費用が高くなる傾向にあります。
このため、新車登録から7年が経過した時点で車の状態を見直し、乗り換えを検討するのは良い判断といえるでしょう。
10年以上同じ車に乗り続けている・走行距離が多い
10年以上同じ車に乗り続けている、もしくは走行距離が多い場合は、部品の摩耗や故障リスクが高いです。
これは、多くの部品が経年劣化により、性能が低下していることを意味します。
さらに、市場に出回る部品が少なくなり、修理やメンテナンスが困難になる場合もあるでしょう。
古い車は安全性にも影響を及ぼすため、新しい車へ乗り換えることで安全で快適なドライビングが可能です。
乗り換えは経済的になるだけではなく、安全性を向上させるためにも重要な選択肢となります。
車の乗り換えを検討するときにおすすめなのは一括査定を利用することです。
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そのうえ車販売店のみならず解体業者や貿易会社とも連携しているため、大掛かりな修理が必要な車などにも対応が可能です。
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車を高く売りたいと思っている方は、CTN一括査定をぜひご利用ください。
車のエアコンの修理はどこに依頼すれば良い?
車のエアコンの修理は以下の業者に依頼しましょう。
車のエアコンの修理を依頼する業者
- ・ディーラー
・カー用品店
・ガソリンスタンド
・整備工場
・自動車電装業者/li>
それぞれの業者について詳しく解説します。
ディーラー
ディーラーは、エアコン修理以外にも一番信頼できる業者です。
購入したメーカーに特化した知識と技術を持つため、エアコンの複雑なトラブルも正確に診断して適切な修理を行ってもらえます。
また、純正部品を使用するため品質と安全性が高く長期的な安心感があります。
ただし、他の業者と比較して修理費用が高い傾向なので、コスト重視の方は他の業者を選ぶと良いでしょう。
カー用品店
カー用品店では、エアコン関連のトラブルやメンテナンスを対応してもらえる業者です。
エアコンガスの補充やフィルター交換など、基本的なサービスを提供しており、コストパフォーマンスに優れています。
しかし、複雑な故障や専門的な修理が必要な場合は対応が難しいこともあるため、専門的な業者へ依頼する必要があります。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドでは、エアコンのチェックやガスの補充など、基本的なサービスが受けられます。
急なトラブルや小さな不具合の修理に適しており、手軽に利用できる点が魅力です。
ただし、設備や技術面での限界があるため、専門的な修理が必要な場合は専門業者へ依頼しましょう。
整備工場
整備工場は、幅広い車種とトラブルに対応可能なエアコン修理の専門家です。
高度な技術力を持つ整備士が在籍しており、複雑な故障も的確に診断し、修理を行います。
ただし、サービスの質や対応力など好評によって異なるため、信頼と実績のある整備工場を見つけることが大切です。
自動車電装業者
自動車電装業者は、エアコンを含む車の電装品の修理に特化した専門業者です。
エアコンの電子制御に関するトラブルや複雑な故障に対して高い専門性と技術力があります。
さらに他の業者で修理が困難な故障も、自動車電装業者なら修理できる可能性も高いです。
専門的な診断機器を使用するため、精密な修理が求められる場合に適した業者になります。
車のエアコンの修理期間
車のエアコン修理の期間は、故障している部品や故障の具合によって大きく異なります。
簡単なガス補充やフィルター交換ならば数時間程度で終わることが多いです。
部品交換が必要な場合、在庫があれば数日で修理が完了します。
しかし、在庫がなく部品を取り寄せる必要がある場合は、1週間以上かかることもあります。
そのため、修理の見積もりを取る際には修理期間についても確認することが重要です。
車のエアコンの故障を放置しておくと起こるリスク
車のエアコンが故障しているときにすぐに対処をせず放置しておくことでエアコンだけではなく、そのほかの部品にも影響を及ぼすおそれがあります。
そうなると必然的にほかの部品も交換や修理をしなければならないので、当初よりも費用がさらにかさんでしまいます。
また、修理の時間が長引いてしまうというリスクもあるため、車のエアコンの故障がみられた場合は早急に対処しなければなりません。
まとめ
車のエアコンの故障は、さまざまな部品の不具合によって引き起こされることが多いです。
不快な臭い、冷却効果の低下、異音が発生するなど、少しでも違和感を感じた場合は、速やかに専門業者にみてもらいましょう。
早期発見と修理によって、大きなトラブルや高額な修理費用を避けることができます。
しかし、場合によっては修理費用が高額になることもあります。
そのため、新しい車への乗り換えを検討するのもひとつの選択肢です。
常にエアコンの状態を良好に保つために、定期的なメンテナンスと早めの対応を心がけましょう。