車のルーフはドアやバンパーなどの場所と比べると、比較的傷やへこみなどはできにくい傾向ですが、車のルーフにもへこみや傷が生じることもあります。
車のルーフにへこみや傷が生じた場合には、どのくらいの修理費用がかかるのか気になる方もいるでしょう。
そこで本記事では、車のルーフの修理費用や依頼先をご紹介します。
車のルーフの修理費用でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
車のルーフに不具合が生じる原因
ここでは、車のルーフに不具合が生じる原因を症状別に解説します。
へこみの原因
車のルーフにへこみができる原因は、多数考えられます。
たとえば、積雪地域でよく見られる屋根から落ちた雪、子供がイタズラで飛ばしたボール、ガレージのシャッターなどがあります。
傷の原因
車のルーフに傷ができる原因は、さまざまです。
たとえば、走行中に対向車や前方の車から飛んでくる石や、木の実などの落下物、寒冷地域でよく見られるヒョウなどが考えられます。
サビの原因
車のルーフにサビができる原因は、基本的に塗装の下の鋼板部分から発生することが多いです。
また、このサビを放置しておくとさらに広がってしまいます。
塗装剥がれの原因
車のルーフの塗装剥がれの原因は、紫外線の影響や大気中の汚れ、雨、異音デポジット汚れなどがあげられます。
大きな傷ができた場合には塗装剥がれが起こることもありますが、自然現象による原因がほとんどです。
車のルーフの修理依頼先
ここでは、車のルーフの修理依頼先の対応している修理内容やメリット、デメリットについてご紹介します。
自分に合った修理依頼先を選びましょう。
ディーラー
ディーラーでは、メーカー指定の修理方法や塗料を使用して直してくれるため、難易度の高い修理もでき、比較的レベルの高い出来栄えを期待できます。
また、メーカーの正規店ということで、信頼度も高く、安心して任せられるでしょう。
ただし、ディーラーは万一部品の交換となった場合に純正品との交換にしか対応していない点には注意が必要です。
純正品しか取り扱っていないため部品代が高くなり、技術力も考慮すると工賃もかかります。
整備店
整備店とは、主に自動車整備を行っている修理工場です。
車のルーフ修理は板金塗装の修理に該当するため、自社では行わず板金塗装を行う修理工場へ外注委託することが多い傾向にあります。
ディーラーに比べると費用を抑えられるうえに、修理期間が短いのがメリットです。
一方で、技術力に大きな幅があるため、口コミや評価を見てきちんと選ぶ必要があります。
板金業者
板金業者は、車のルーフの傷、へこみ修理を行っています。
ディーラーと比べて工賃を抑えられるうえに、予算や交換部品についての要望に柔軟に対応してくれるのがメリットです。
一方で、技術力にバラツキがあるため、口コミや評価をきちんと調べる必要があります。
カーショップ
カーショップはカー用品を販売しているお店ですが、修理にも対応している店舗があります。
部品交換が必要な場合には、中古部品や社外品など豊富な部品から選ぶことができるため部品代を抑えられるうえに、ディーラーや板金業者よりも工賃が安いのが特徴です。
一方で、軽微な傷やへこみの修理や消耗品の交換などの簡単な作業のみに対応しているため、損傷がひどい場合には対応してもらえないことがあります。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドでも、車のルーフの傷やへこみの修理に対応している店舗があります。
給油や洗車などのついでに修理を依頼できるのが便利です。
また、カーショップと同様に費用も安く抑えることができます。
ただし、ガソリンスタンドも店舗によっては軽微な修理や消耗品交換などの簡単な作業しか対応していない可能性があるため、事前の確認が必要です。
車のルーフの修理・交換費用
ここでは、車のルーフの修理・交換費用について解説します。
へこみの修理費用
車のルーフのへこみができた場合の修理費用は、以下のとおりです。
作業内容 | 費用 |
付属品の脱着 | 5,000円~15,000円 |
へこみの修理 | 10,000円~25,000円 |
部分塗装 | 3万円~5万円 |
車のルーフにへこみができた場合に伴う作業も含めて、総額で5万〜10万円程度の費用がかかります。
ただし、へこみの程度によっては塗装が必要なかったりと、安く済むこともあるでしょう。
傷の修理費用
車の傷のへこみができた場合の修理費用は、以下のとおりです。
作業内容 | 費用 |
傷の修理 | 5,000~1万円程度 |
部分塗装 | 3万~5万円程度 |
10㎝程度の傷の場合は、35,000〜6万円程度が相場です。
ただし、10㎝を超える傷については、さらに費用が高くなる可能性があります。
サビの修理費用
車のルーフのサビができた場合の修理費用は、以下のとおりです。
作業内容 | 費用 |
表面的なサビの修理 | 5,000~20,000円程度 |
穴が空いているサビの修理 | 3万円~5万円程度 |
部分塗装 | 3万円~5万程度 |
サビの修理費用の相場は、表面的なサビの場合は35,000〜7万円程度、穴が空いているサビの場合は6万円〜10万円程度です。
ただし、塗装内部で発生したサビやそのサビによる穴の修理は、メーカー保証の対象となるため、保証期間内であれば無償または安く修理をしてもらえるでしょう。
塗装剥がれの修理費用
車のルーフの塗装剥がれは、塗装面の大きさはもちろん、色の種類によって大きく値段が変わります。
たとえば、線傷の修復を伴う板金塗装費用の相場は57,200円〜70,400円程度です。
ルーフの交換費用
車のルーフの損傷がひどい場合は、修理ではなく交換になることもあります。
車のルーフの交換にかかる費用の相場は、10万円〜100万円程度です。
車種や車のサイズによって費用に大きな差があるため、具体的な費用は業者に相談しないと予想するのは難しいでしょう。
保険を使うことはできる?
車のルーフの修理や交換費用が高額になる場合は、保険を使えないかと考える方もいるでしょう。
ここでは、車のルーフに保険を使用できるか解説します。
へこみの原因によっては保険の使用が可能
車のルーフの修理は、原因によっては車両保険を使用できます。
修理代が高額な場合でも、保険金を利用して直せるため安心できるでしょう。
保険が使用可能な原因
車両保険には「一般型」と「エコノミー型」がありますが、それぞれの保険適用可否は以下のとおりです。
原因 | 一般型 | エコノミー型 |
落雪・ヒョウ | 〇 | 〇 |
シャッター | 〇 | × |
飛び石 | 〇 | 〇 |
落下物 | 〇 | 〇 |
イタズラ | 〇 | 〇 |
基本的にエコノミー型は、一般型よりも補償範囲が少ないのが一般的ですが、エコノミー型でも対応しているものが多くなっています。
ただし、ドライバー自身に過失がある場合には、補償対象にならないことがほとんどです。
保険を使用前に等級の確認をすることがおすすめ
車のルーフの修理で車両保険を利用した場合、事故を伴わない修理は1等級、事故を伴う修理の場合は3等級下がります。
等級が下がると保険料が上がるため、注意しなければなりません。
車両保険は、修理などで保険を使用すると翌年から等級が下がり、保険料が上がり、使わなかった場合は等級が上がり、保険料が下がっていく仕組みです。
たとえば、大きな木の実が車のルーフにあたり、へこんだ場合に保険を利用すると、1等級下がります。
現在の保険料が保険加入時に設定されている6等級で保険料が3万円だった場合、翌年から5等級になり、保険料は3万4,000円となります。
一方で、保険を使わずに自己負担で支払った場合は、翌年から7等級に上がり、保険料は2万5,000円です。
車のルーフを修理する際の注意点
ここでは、車のルーフを修理する際の注意点を解説します。
リセールバリューが下がる可能性がある
車のルーフの修理内容によっては、リセールバリューが下がる可能性があります。
修理内容別に解説します。
ルーフパネルを交換の場合
ルーフパネルは、外板パネルであると同時にフレームの一部として扱われます。
そのため、傷やへこみなど何らかの原因によって、ルーフパネルを交換した場合は、修復歴車とみなされ、リセールバリューは大きく下がります。
ルーフパネルの交換以外の場合
ルーフパネルの交換以外でも、修復歴車とみなされることがあります。
ルーフパネルはフレームの「センターピラー」「フロントピラー」という部分に溶接して取り付けられているため、状況によってはルーフパネルの損傷は小さくとも、フレーム部分が損傷する可能性もあるのです。
センターピラーやフロントピラーは車の骨格となるフレーム部分で安全性にも関わるため、損傷した時点でリセールバリューは大きく下がります。
また、ルーフパネルは外側のアウターパネルと内側のインナーパネルで構成されているため、ルーフパネル自体を交換していなくとも、インナーパネルが損傷し、修理をした場合も修復歴車となります。
板金修理の場合
ルーフパネルの板金修理は、修復歴車とはみなされないため、リセールバリューにはそれほど問題はありません。
たとえば、アウターパネルのみに傷やへこみが生じた場合は、板金修理に該当します。
オープンカーのルーフの場合
オープンカーのルーフパネルは交換した場合でも、例外的に修復歴車とはみなされません。
オープンカーは、ルーフのない車や開閉が可能な車のことです。
オープンカーのルーフには、布などのやわらかい素材でできたソフトトップと、金属や樹脂でできたハードトップがあります。
どちらも一般的にルーフが強固に接着されておらず、フレームとはみなされないため、リセールバリューにはそれほど問題ありません。
修理費用が高額になる可能性がある
車のルーフの修理は数万円〜10万円近く、交換の場合は100万円程度かかり、高額な費用がかかります。
金額によっては車を手放して新しい車に乗り換えた方が安く済むかもしれません。
その場合は、中古車買取業者よりも廃車買取業者の方が比較的高値で買い取ってくれる傾向にあります。
修理できない可能性がある
見た目にはそれほど大きなダメージに見えなくとも、ルーフパネルの内部構造や溶接部分に変形が見られる場合は、修理ができません。
そのため、ルーフパネルの交換が必要となり、高額な修理費用がかかることもあります。
車のルーフを自分で直す方法
ここでは、車のルーフを自分で直す方法をご紹介します。
ドライヤーや熱湯を使用する方法
ドライヤーや熱湯を使用した修理方法は、へこみを直すのに効果的です。
- ①へこみが生じている箇所の汚れをクロスなどで取り除く
②へこみ部分にまんべんなくドライヤーをあてる
③温めた部分に冷却スプレーを吹き付ける
④1~3の作業を繰り返す
これを何度か繰り返しているうちに、元通りに近い状態まで修復することができるでしょう。
修理キットを使用する方法
修理キットとは、カー用品店で販売されている、吸盤のようなへこみ修理のアイテムです。
吸盤で外側からへこんでいる部分を引っ張り上げる簡単な方法です。
ただし、軽微なへこみしか対応できないためご注意ください。
パテを使用する方法
車のへこみには、パテを利用して直すことも可能です。
パテをへこみ部分に埋め込み、平らになるまで研磨することで直せます。
きれいな仕上がりが期待できますが、高い技術力が必要で失敗するリスクも高いというデメリットもあります。
また、パテの密着性を高めるため、洗車や脱脂などの作業もするため、手間や時間がかかるため、プロに任せるのがおすすめです。
自分で塗装する方法
自分で塗装するのも1つの手です。
ただし、ルーフはAピラーやCピラーにつながっているため、塗装の見切りを付ける部分をぼかして塗装する必要があります。
ぼかし要塗料も販売されていますが、市販の塗料はプロが使用するものよりも耐久性が劣ります。
また、車高の高い車種であれば、足場も必要になったり、色ムラができやすく難易度が高かったりと、ある程度の塗装経験がないと難しいでしょう。
車のルーフの修理をしないという選択肢もある?
ここでは、車のルーフの修理をしないという選択肢はあるのかを解説します。
修理費用は高額になる傾向がある
前述したように、修理費用は非常に高額になります。
修理でも数万〜10万円近く、交換の場合には100万円程度かかるといわれています。
損傷の程度や修理・交換費用によっては乗り換えの検討も
修理費用が高額である場合、車の年式や状態によっては直して乗るのは損してしまうかもしれません。
修理しても長い期間乗ることができないだろうと予想される場合には、廃車買取業者に廃車を依頼し、新しい車へ乗り換えるのがおすすめです。
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