車を安全に運転するうえで、テールランプ・ブレーキランプは非常に重要な役割を果たします。
しかし、長く使っているとランプが切れたり、接触不良が発生することもあるのです。
そのような場合、適切な対処が求められますが、具体的にどのようなどこに修理を依頼すれば良いのでしょうか。
この記事では、車のテールランプ・ブレーキランプの修理を依頼する場所や自分で交換する方法を解説します。
また、修理費用などについても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
テールランプ・ブレーキランプとは
テールランプ・ブレーキランプは、車の後方に取り付けられている非常に重要なランプです。
ここでは、それぞれのランプについて詳しくみていきましょう。
テールランプとブレーキランプとの違い
車に詳しくない方であれば、テールランプとブレーキランプを同じランプと認識している場合があります。
しかし、このふたつのランプは全く異なるランプです。
それぞれどのようなランプなのでしょうか。
テールランプ
テールランプは、ヘッドライトと連動しており、ヘッドライトが点灯している間、常に点灯しています。
近年では、ブレーキランプと一体型タイプのものが多く、ブレーキランプを踏むことでさらに明るくなる仕組みです。
テールランプの役割は、夜間や悪天候下での車の存在を後続車や歩行者に知らせることです。
赤色光を放ち、車両が前方に進んでいることを示すと同時に、後方から接近する車両に対して自車の位置を認識させます。
ブレーキランプ
ブレーキランプは、自動車の後部に配置され、ドライバーがブレーキペダルを踏み込むと点灯します。
ブレーキランプは、ストップランプまたは「制動灯ともいい、エンジンが停止状態でもブレーキペダルを踏めば点灯する設計になっています。
ブレーキランプの役割は、車両が減速または停止する意図を後続車に伝え、追突事故を防ぐことです。
道路運送車両の保安基準では、ブレーキランプは以下の条件が定められています。
- ・昼間に後方 100m の距離から点灯を確認できるもの
・照射光線は、他の交通を妨げないもの
・光源が 15W 以上 60W 以下
・照明部の大きさが 20cm2以上
・灯光の色は赤色のもの
などが定められています。
テールランプが点かないまま走行するとどうなる?
もし、テールランプ・ブレーキランプが点かないまま走行すると「整備不良 尾灯」や「整備不良 制動灯」という罰則が課せられ、罰則金は、車種によって異なります。
整備不良 尾灯の場合(テールランプ)
車種 | 罰金 | 違反点数 |
大型車等 | 9,000円 | 1点 |
普通車 | 7,000円 | 1点 |
二輪車 | 6,000円 | 1点 |
原付 | 5,000円 | 1点 |
整備不良 制動灯の場合(ブレーキランプ)
車種 | 罰金 | 違反点数 |
大型車等 | 12,000円 | 2点 |
普通車 | 9,000円 | 2点 |
二輪車 | 7,000円 | 2点 |
原付 | 6,000円 | 2点 |
ランプは片方だけ切れていても整備不良とみなされるため、点かない場合や切れた場合は速やかに交換しましょう。
テールランプ・ブレーキランプの交換時期
急にランプが切れないように、テールランプ・ブレーキランプは定期的に交換することが大切です。
ランプの交換時期は、使用しているバルブの種類によって大きく異なります。
白熱球のバルブを使用している場合は、3年〜5年が交換の目安です。
また、LEDバルブを使用している場合、耐久性が長いため10〜15年程度までは交換の必要がないとされています。
近年の車両では、新車の段階でLEDランプが純正装備されていることが多く、白熱球に比べて寿命が長く、買い替えるまでランプの交換が不要なケースがあります。
しかし、LEDランプであっても永遠に持つわけではなく、寿命が来れば交換が必要です。
寿命のランプは、点灯しなくなるだけでなく、光量が低下することもあります。
ランプの明るさが低下したり、点灯しなくなったりしたら、交換時期のサインと考えて良いでしょう。
テールランプ・ブレーキランプが切れていると車検に通らない
テールランプ・ブレーキランプが切れていると車検に通りません。
車検は、自動車が国が定める一連の保安基準を満たしているかどうかを確認するための検査です。
この検査では、自動車の安全性や環境基準の適合性を総合的に評価します。
テールランプやブレーキランプは、車両の後方からの視認性を高め、安全な運転環境を保持するうえで重要な役割です。
そのため、これらのランプが正常に機能していない場合は、保安基準を満たしていないと見なされて車検に通らないのです。
故障?テールランプ・ブレーキランプが点かない2つの原因
テールランプ・ブレーキランプは急に点かなくなることが多いです。
その原因は、主に以下の2つが挙げられます。
テールランプ・ブレーキランプが点かない2つの原因
- ・フィラメントが切れている
・接触不良が起きている
それぞれ詳しくみていきましょう。
フィラメントが切れている
白熱電球のテールランプやブレーキランプの内部にはフィラメント(線状の金属)があります。
電流がフィラメントを通ることで発光し、ランプが点灯します。
しかし、長期間の使用によりフィラメントは徐々に摩耗し、最終的には切れてしまうことがあります。
このフィラメントが切れた場合、ランプは全く点灯しません。
接触不良が起きている
ランプが点かないもう1つの原因は、ランプと電源との間の接触不良です。
これは、電球のソケットや配線の老朽化、汚れ、さびなどが原因で起こります。
特に、車の後部は汚れがたまりやすい場所であるため、接触部分が腐食しやすいです。
接触不良の場合、電球自体が壊れていなくても電流が適切に流れず、ランプが点灯しないことが発生します。
車のテールランプ・ブレーキランプが点かない時はどこに修理を依頼すれば良い?
車のテールランプ・ブレーキランプが点かなくなると、修理や交換をどこに依頼すれば良いのか迷う方も少なくありません。
テールランプ・ブレーキランプが点かなくなると、修理や交換は以下の4つの業者で行うことが可能です。
テールランプ・ブレーキランプの修理や交換を依頼できる業者
- ・カーディーラー
・整備工場
・カー用品店
・ガソリンスタンド
それぞれ詳しくみていきましょう。
カーディーラー
カーディーラーは、購入した車のメーカーに特化したサービスを行っています。
修理屋交換にはメーカー純正の部品を使用して行われるため、非常に質の高いサービスを受けることが可能です。
また、メーカーの専門知識を持っているため、ランプが点かない根本的な原因を正確に診断し、迅速に修理することができます。
他の問題が発生している場合でも、そのまま点検・修理してもらえるのも大きなメリットでしょう。
ただし、カーディーラーは、他の業者と比べてコストが高くなる可能性がある点には注意が必要です。
整備工場
整備工場は、車全般に関する幅広い修理やメンテナンスを行っています。
さまざまなメーカーの車に対応しているのが大きなメリットです。
専門の技術を持ったメカニックがいるため、複雑な故障が原因でランプが点かない場合でも、質の高い診断と修理が期待できます。
また、価格がカーディーラーよりも低いケースが多く、コストパフォーマンスに優れています。
ただし、使用する部品が純正品でない場合があるため、純正部品にこだわる方は事前に確認が必要です。
カー用品店
カー用品店は、ランプ交換などの簡単な作業から、車内アクセサリーの取り付けまで幅広いサービスを提供しています。
手軽に利用できる点が大きなメリットで、自分で修理できる方は部品だけ購入しすることで工賃をかけずに費用を抑えることも可能です。
ただし、専門的な技術が必要な作業や、高級車などは対応していないこともあるので、事前に確認しておくことが大切です。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドは、急なトラブルに対して迅速に対処できる点が大きな魅力です。
特に、日常的に利用しているガソリンスタンドであれば、簡単な相談から修理依頼まで気軽に行えます。
しかし、ガソリンスタンドでは扱っている部品の種類が限られていています。
そのため、特殊なランプや特定の車種の部品が必要な場合は、事前に問い合わせるか他の修理店を利用しましょう。
テールランプ・ブレーキランプは自分で交換できる
テールランプ・ブレーキランプは自分で交換することができます。
ここでは、それぞれのランプを自分で交換する方法と手順、注意点について解説します。
テールランプを自分で交換する方法と手順
テールランプを自分で交換する方法と手順は以下のとおりです。
- ①手順1.テールランプのカバーを開ける
②手順2.バルブを抜く
③手順3.バルブを新しいものに交換する
④手順4.バルブの点灯を確認する
⑤手順5.元に戻す
まずは、トランクやリヤゲートを開け、テールランプのカバーを取り外します。
ネジで固定されているタイプや、はめ込みタイプがありますが、内張り剥がしを使って外すことが可能です。
また、バルブはコネクターと共に回して引き抜き、新しいものに交換します。
エンジンを始動し、で点灯を確認しましょう。
最後にカバーを元に戻して作業完了です。
不明点がある場合や点かない場合は、説明書を読んだり、ディーラーに問い合わせててアドバイスをもらいましょう。
ブレーキランプを自分で交換する方法と手順
続いて、ブレーキランプを自分で交換する方法と手順についてみていきましょう。
ブレーキランプを自分で交換する方法と手順
- ①手順1.ブレーキランプのカバーを止めているネジを外す
②手順2.カバーを外す
③手順3.電球を取り、新しい電球を取り付ける
④手順4.ブレーキペダルを踏み、ブレーキランプが点灯することを確認する
⑤手順5.カバーをつけ、ネジ止めする
ブレーキランプの交換方法は、テールランプとほとんど同じです。
まずは、ブレーキランプのランプカバーを固定しているネジを外してカバーを取り外します。
古い電球をソケットから外し、新しい電球に交換します。
その後、ブレーキペダルを踏んでランプが正しく点灯するか確認し、問題がなければカバーを再度取り付けてネジを締めましょう。
必要な工具はドライバー内張り剥がしで、作業時間も10分程度と短いです。
ただし、高級車や古い車の場合は難しい作業が必要になることもあるので、傷をつけないためにも業者に依頼すると良いでしょう。
テールランプ・ブレーキランプを自分で交換する際の注意点
テールランプ・ブレーキランプの交換はドライバー自身が行うことができる比較的簡単な作業です。
しかし、この作業を安全にかつ正確に行うためには、以下の注意点を抑えることが大切になります。
テールランプ・ブレーキランプを自分で交換する際の注意点
- ・接触不良の場合もあるのでつくか確認
・車種に応じて適切な工具が必要
それぞれみていきましょう。
接触不良の場合もあるのでつくか確認
新しいランプに交換しても点灯しない場合、単にランプが不良品である可能性もありますが、多くの場合は接触不良が原因です。
接触不良は、バルブホルダーの接触問題や配線の断線やアース不良など、さまざまな要因が考えられます。
ランプが点かない、チラつく、または片側だけが機能しないといった問題があれば、まずは接触部や配線のチェックを行ってください。
特に、バルブホルダー内の水分侵入による錆や、ソケットとバルブの接触不良はよくある問題です。
これらを解決するには、接触部を綺麗にしたり、接続をしっかりと確認することが重要です。
しかし、電気系統のトラブルは専門的な知識が必要な場合が多く、簡単に解決できないこともあります。
そのため、業者に依頼して確認してもらいましょう。
車種に応じて適切な工具が必要
テールランプ・ブレーキランプの交換作業には、ドライバーや内張剥がしなど基本的な工具が必要になります。
しかし、車種によっては特殊な工具を必要とすることもあるのです。
たとえば、ランプカバーを外すために特殊なクリップリムーバーが必要になる場合があります。
間違えた工具を使用すると、ランプや車体にダメージを与えてしまう可能性があるため、事前に車の取扱説明書を確認し、必要な工具で作業をしましょう。
テールランプの修理の費用はいくら?
ここでは、自分で交換する場合と業者に依頼する場合の修理費用についてみていきましょう。
自分で交換する場合
自分でテールランプ・ブレーキランプを交換する場合に必要な費用は、バルブの代金です。
バルブの種類や車種によって価格は異なるものの、一般的なハロゲンバルブであれば数百円から、LEDタイプでは数千円程度が目安となります。
自分で交換する場合のメリットは、工賃が不要であることです。
これにより交換にかかる費用を大幅に抑えることができます。
業者に依頼する場合
一方、専門業者にテールランプ・ブレーキランプの交換を依頼する場合、バルブの代金に加えて、工賃が必要です。
工賃は地域や業者によって異なりますが、一般的には1000〜2,000円が目安です。
ただし、ディーラーでのバルブ購入は定価に近い価格であることが多いため、費用が高くなることがあります。
また、作業にかかる時間は短いものの、予約が必要な場合や混雑している時間帯では待ち時間が発生する可能性があるため、事前に予約することが重要です。
まとめ
ブレーキランプ・テールランプは、車を安全に運転するうえで非常に重要なランプです。
特にブレーキランプが機能しないと、後続車に減速を伝えることができず、追突事故のリスクを高める可能性があります。
また、ランプ切れは交通違反となるだけでなく、他のドライバーにとっての不安や危険の原因です。
安全なドライブ、そして楽しいカーライフを送るためにも、ランプの不具合に気づいた際には速やかに対応しましょう。