
スポーツカーらしい流麗なデザインと走りで人気の日産フェアレディZ。
しかし「燃費が悪い」という声も多く、購入を迷う人も多いのではないでしょうか。
本記事では、フェアレディZの現行モデルと歴代モデルのカタログ燃費と実燃費を徹底比較し、「燃費が悪い」と言われる理由を詳しく解説します。
さらに、維持費や燃費を少しでも改善するためのポイントも紹介します。
フェアレディZの購入を後悔したくない方は、ぜひ最後までご覧ください。
フェアレディZのスペックと特徴
- ・車体サイズ(全長×全幅×全高):4,380mm×1,845mm×1,315mm
・室内サイズ(全長×全幅×全高):975mm×1,495mm×1,065mm
・車両総重量:1,680~1,730kg
・エンジン:V型6気筒ハイオク
・駆動方式:2WD
・総排気量:3,000cc
・燃費(WLTCモード):9.5〜10.2km/L
日産「フェアレディZ」は、1969年の誕生以来50年以上にわたり愛され続ける日本を代表するスポーツカーです。
現行モデルは伝統のロングノーズ・ショートデッキを受け継ぎつつ、3.0L V6ツインターボエンジンを搭載し、最大405psを発揮します。
FR駆動による軽快な走りと鋭いレスポンスが魅力です。
洗練されたデザインと高い走行性能で、国内外のファンを魅了し続けています。
グレードは4つ
フェアレディZのグレードは、以下の4つから選択できます。
・スタンダードモデルの「フェアレディZ」
・ミドルグレードの「フェアレディZ Version S」(MT(マニュアル)設定のみ)
・ミドルグレードの「フェアレディZ Version T」(AT(オートマ)設定のみ)
・上位グレードの「フェアレディZ Version ST」
それぞれエクステリアやインテリア、機能面などに違いがあります。
また、次に詳しく紹介しますが、ミドルグレードの2つはMTとATから選択でき、こちらも少し仕様が異なります。
トランスミッションは2種類
フェアレディZは、2種類のトランスミッションから選べるところも特徴の1つです。
スタンダードモデルの「フェアレディZ」と、上位グレードの「フェアレディZ Version ST」は、MTとATのどちらかが選択できます。
ミドルグレードの「Version S」と「Version T」に関しては、どちらか一方しか選択できません。
2つのミドルグレードは仕様が少し異なり、Version Sは走行性能を重視した装備、Version Tは豪華さを重視した装備が特徴となっています。
走行性能と乗り心地について
フェアレディZは、操る楽しさと快適さを両立した足回りが特徴です。
フロントにダブルウィッシュボーン式、リアにマルチリンク式サスペンションを組み合わせることで、俊敏なハンドリングとしなやかな乗り心地を両立します。
スポーティでありながら、日常走行でも心地よいドライブが楽しめます。
高性能モデル「NISMO」
フェアレディZには、高性能モデルとして発売された「NISMO」があります。
NISMOは日産が手がけるパフォーマンスモデルで、専用の装備や機能が豊富に備えられているところが特徴です。
以下に、一例として装備品をいくつか紹介します。
- エクステリア
・専用フロントグリル
・専用フロントバンパー/リヤバンパー
・専用フェンダーモール
・専用サイドシルプロテクター
・専用リヤスポイラー
・専用サスペンションインテリア
・専用チューニングのRECARO製スポーツシート
・専用本革&アルカンターラ巻ステアリング(レッドセンターマーク、レッドステッチ付)
・専用車速感応式電動パワーステアリング機能面
・トランスミッション:変速レスポンスと耐久性を向上
・ブレーキ:NISMO専用ブレーキシステム
・ドライブモード:NISMO専用「SPORT+」モードを含む3種類
エクステリアやインテリアはもちろん、走行性能も格段にアップしており、まさにフェアレディの最上位グレードと呼ぶにふさわしいモデルです。
現行フェアレディZ RZ34型の燃費
ここからは、本題であるフェアレディZの詳しい燃費を紹介していきます。
フェアレディZは、2022年に登場した「RZ34型」が現行モデルです。
カタログ燃費と実燃費は、次のとおりです。
カタログ燃費
まず、カタログ燃費は以下の数値となっています。
- フェアレディZ
・6速MT:9.5km/L
・9速AT:10.2km/LフェアレディZ Version S
・6速MT:9.5km/L
・9速AT:-フェアレディZ Version T
・6速MT:-
・9速AT:10.2km/LフェアレディZ Version ST
・6速MT:9.5km/L
・9速AT:10.2km/LフェアレディZ NISMO
・6速MT:-
・9速AT:9.2km/L
ご覧のように、グレードによる燃費の違いはありませんが、MTがATかで少し数値が異なります。
実燃費
次に、実燃費も見ていきましょう。
- フェアレディZ
・6速MT:8.56km/L
・9速AT:9.99km/LフェアレディZ Version S
・6速MT:8.56km/L
・9速AT:-フェアレディZ Version T
・6速MT:-
・9速AT:9.99km/LフェアレディZ Version ST
・6速MT:8.56km/L
・9速AT:9.99km/LフェアレディZ NISMO
・6速MT:-
・9速AT:-
カタログ燃費と比較すると、6速MTで約1.0km/L、9速ATで約0.2km/Lと、ほとんど変わらない数値であることがわかりました。
NISMOに関しては数値が確認できませんでしたが、ほかのモデルを参考にすると8.9km/L程度であると予想されます。
実燃費はカタログ燃費より2〜3割程度低くなるのが一般的ですが、フェアレディZの場合はそれを考慮しても、優れた燃費性能であることがわかります。
歴代フェアレディZのカタログ燃費と実燃費
フェアレディZは、誕生から5回のモデルチェンジを繰り返しており、現在までに豊富なモデルが発売されてきました。
購入を検討している方の中には、歴代モデルを選択したいと考えている方もいると思います。
ここからは、歴代フェアレディZの燃費を詳しく見ていきましょう。
初代 S30型(1969年〜1978年)のカタログ燃費と実燃費
初代S30型が発売された当初のカタログ燃費は、15km/Lとなっていました。
そして、実燃費は6〜7km/L程度と言われています。
しかし、こちらの数値は現在の測定方法と大きく異なる可能性があるため、正確とはいえません。
また、初代モデルは馬力を上げるためにエンジンを入れ替える方が多く、その結果、メーカーが想定した燃費よりも悪化している可能性があります。
2代目 S130型(1978年~1983年)のカタログ燃費と実燃費
2代目S130型は、スポーツカーからワンランク上のスポーツモデルへと進化したモデルです。
詳しい燃費の記載はありませんでしたが、5速MTで10.2km/L(10モード)を実現したとされています。
ただし、初代と同様に現在の測定方法と大きく異なる可能性があるため、現在の燃費数値とは大きく異なっている可能性があります。
3代目 Z31型(1983年~1989年)のカタログ燃費と実燃費
3代目Z31型の燃費は、次の表のとおりです。
- 3.0L 5速MT
・カタログ燃費(10・15モード):8.3km/L
・実燃費:6.65km/L3.0L 4速AT
・カタログ燃費(10・15モード):7.6km/L
・実燃費:-2.0L 5速MTターボ
・カタログ燃費(10・15モード):10.4km/L
・実燃費:-2.0L 4速ATターボ
・カタログ燃費(10・15モード):8.0〜9.5km/L
・実燃費:-
3代目フェアレディは、2つの排気量とターボエンジンを展開していました。
カタログ燃費は全体で7.6〜10.4km/Lとなっています。
実燃費に関しては、3.0L 5速MTしか記載がありませんでしたが、6.65km/Lとなっています。
4代目 Z32型(1989年~2000年)のカタログ燃費と実燃費
4代目Z32型の燃費は、次の表のとおりです。
- 3.0L 5速MTハイオクターボ
・カタログ燃費(10・15モード):7.0〜8.2km/L
・実燃費:-3.0L 4速ATハイオクターボ
・カタログ燃費(10・15モード):6.4〜7.5km/L
・実燃費:5.76km/L3.0L 5速MTハイオク
・カタログ燃費(10・15モード):7.6〜8.7km/L
・実燃費:-3.0L 4速ATハイオク
・カタログ燃費(10・15モード):6.9〜8.0km/L
・実燃費:-
4代目フィアレディZから、燃料がハイオクのモデルがラインナップされ始めました。
カタログ燃費は全体で6.4〜8.7km/Lとなっており、実燃費では3.0L 5速MTハイオクのみとなりますが、5.76km/Lとなっています。
3代目と比較すると、やや低下した数値となっています。
5代目 Z33型(2002年~2008年)のカタログ燃費と実燃費
5代目Z33型の燃費は、次の表のとおりです。
- 3.5L 6速MTハイオク
・カタログ燃費(10・15モード):9.7km/L
・実燃費:8.25km/L3.5L 5速ATハイオク
・カタログ燃費(10・15モード):9.0km/L
・実燃費:7.80km/L
5代目からは排気量が3.5Lに変わり、エンジンが6速MTと5速ATにバージョンアップされました。
カタログ燃費は全体で、9.0〜9.7km/Lとなっています。
実燃費は7.80〜8.25km/Lと、5代目モデルから燃費性能がワンランク上がっていることがわかります。
なお、5代目から「NISMO」がラインナップされ始めましたが、詳しい燃費の記載はありませんでした。
6代目 Z34型(2008年~2022年)のカタログ燃費と実燃費
6代目Z34型の燃費は、次の表のとおりです。
- 3.7L 6速MTハイオク(NISMO)
・カタログ燃費(10・15モード):8.4〜9.1km/L(JC08モード)
・実燃費:9.05km/L3.7L 7速ATハイオク(NISMO)
・カタログ燃費(10・15モード):8.6〜9.2km/L(JC08モード)
・実燃費:5.28km/L
6代目からは、排気量が0.2Lアップの3.7Lになり、ATのみ7速にバージョンアップされました。
カタログ燃費は、通常タイプで9.4〜9.8km/L、NISMOが8.4〜9.2km/Lとなっています。
実燃費に関しては、3.7L 6速MTハイオクのNISMOがカタログ燃費と同等の数値となっていますが、そのほかのエンジンタイプは3.0km/ L前後数値が下がっています。
フェアレディZとライバル車の燃費を比較
フェアレディZを検討する方の中には、そのほかの車の燃費が気になる方も多いでしょう。
ここでは、ライバル車を3車種あげて、それぞれの燃費を比較していきます。
【トヨタ】スープラ
トヨタのスープラの燃費は、次のとおりです。
- スープラ
・3.0L 6速MT:11.1km/L
・2.0L 8速AT:12.2〜14.5km/L
・3.0L 9速AT:-フェアレディZ
・3.0L 6速MT:9.5km/L
・2.0L 8速AT:-
・3.0L 9速AT:10.2km/L
スープラのエンジンは、3.0L6速MTと2.0L8速ATをラインナップしています。
燃費を比較すると、スープラのほうが優れていることがわかります。
【日産】GT-R
日産のGT-Rの燃費は、次のとおりです。
- GT-R
・3.8L 6速MT・AT:7.8km/L
・3.0L 6速MT:-
・3.0L 9速AT:-フェアレディZ
・3.8L 6速MT・AT:-
・3.0L 6速MT:9.5km/L
・3.0L 9速AT:10.2km/L
GT-Rのエンジンは、排気量3.8LとGT-R専用のデュアルクラッチトランスミッションが採用されています。
燃費を比較すると、排気量がGT-Rのほうが多いことから、フェアレディのほうが数値は優れています。
【マツダ】ロードスター
マツダのロードスターの燃費は、次のとおりです。
- ロードスター
・1.5L 6速MT:16.8km/L
・1.5L 6速AT:17.2km/L
・3.0L 6速MT:-
・3.0L 9速AT:-フェアレディZ
・1.5L 6速MT:-
・1.5L 6速AT:-
・3.0L 6速MT:9.5km/L
・3.0L 9速AT:10.2km/L
ロードスターのエンジンは、排気量1.5Lの6速MTと6速ATが採用されています。
燃費を比較すると、排気量が違うこともあって、数値はロードスターのほうが優れています。
フェアレディZの燃費が悪いと言われる理由と改善させるコツ
ここまで紹介してきたように、フェアレディZの燃費は、決して良いとは言えない数値です。
実際に所有しているユーザーからも「燃費が悪い」と言われることも多く、その理由を知りたい方も多いでしょう。
ここでは、フェアレディZの燃費が悪いと言われる理由と改善させるコツを紹介していきます。
エンジン性能や排気量が高いため
フェアレディZの燃費が悪い理由は、スピード重視による排気量の多さやエンジン性能が原因です。
フェアレディZのエンジンには、V型6気筒3.0Lエンジンを採用しています。
最大出力は405PS、最大トルクは475Nmという優れたエンジン性能を発揮してくれ、0-100km/h加速性能は約4.5秒と、同クラスのスポーツカーと比較しても速い分類です。
そのため、高性能エンジンによる力強い走りを実現する一方で、エネルギー効率は犠牲となり、結果的に燃費数値が低くなる傾向があります。
スポーツカーで比べると優れている
フェアレディZと同等のスポーツカーとで比較すると、実はそこまで悪い数値とはいえません。
実際には、同クラスのスポーツカーと比べてもフェアレディZの燃費は平均的な水準で、ハイパフォーマンスモデルとしては十分に優れたバランスを保っています。
燃費を改善させる方法
フェアレディZの燃費は悪いと言われますが、実際の燃費は運転の仕方やメンテナンス状況によっても左右されます。
具体的な燃費を改善させる方法として、以下の3つを行うと良いとされています。
・アクセルはゆっくり踏む
・定期的なメンテナンスを実施する
・アイドリングはやめる
これらを実施して燃費を改善するとよいでしょう。
フェアレディZの価格や維持費
フェアレディZの車両価格や維持費についても押さえておきましょう。
フェアレディZの新車価格
- フェアレディZ
・6速MT:5,497,800円
・9速AT:5,497,800円フェアレディZ Version S
・6速MT:6,347,000円
・9速AT:-フェアレディZ Version T
・6速MT:-
・9速AT:5,959,800円フェアレディZ Version ST
・6速MT:6,759,500円
・9速AT:6,759,500円フェアレディZ NISMO
・6速MT:-
・9速AT:9,352,200円
フェアレディZの中古車価格
- ・6速MT:858,000〜36,600,000円
・9速AT:500,000〜17,240,000円
フェアレディZの維持費
- 燃料費(1L/170円):166,667〜178,947円
自動車税(1年):50,000円
車検費用(1年):52,000円程度
自賠責保険(12ヶ月):8,825円
合計:277,492〜289,772円
※燃料費は170円、1年10,000kmで計算
※自賠責保険は24ヶ月を1年分にして計算
新型フェアレディZの最新情報
北米にある日産では、2025年9月に新しいモデルのフェアレディZが発売開始されました。
大きな特徴として、4代目「Z32型」を彷彿させる「ヘリテージエディション」が設定されました。
ヘンリーエディションは、往年のZ32を思わせるクラシカルな装いが特徴です。
ボディサイドにはブロンズの「TWIN TURBO」ロゴが入り、専用のカーボン製リアスポイラーを装着。
19インチのRAYS製ブロンズホイールとミッドナイトパープルのボディカラーが、懐かしさと現代的な存在感を融合させています。
気になる燃費については現在わかりませんが、今後発表されると予想されます。
まとめ
本記事では、フェアレディZの現行モデルから歴代モデルまでの燃費を詳しく紹介し、ライバル車との比較や「燃費が悪い」と言われる理由について解説しました。
フェアレディZは燃費効率よりも「走る楽しさ」を優先したモデルです。
高出力エンジンが生み出す加速性能や、駆け抜けるような感覚は、ほかの車では味わえない魅力です。
日常の移動だけでなく、走る喜びを感じたい人にとって、燃費以上の満足感を与えてくれるスポーツカーといえるでしょう。





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