
日産が誇るピュアスポーツカー「フェアレディ Z」は、歴代モデルの伝統を受け継ぎながらも進化を続けてきた人気モデルです。
圧倒的なパワーと高い走行性能を兼ね備え、スタイリッシュなデザインも多くのファンを惹きつけています。
フェアレディ Z購入を検討する際に気になるのが、ボディサイズや室内空間、そしてライバル車との違いという方も多いのではないでしょうか。
本記事ではフェアレディ Zの特徴やサイズを詳しく解説し、歴代モデルやライバル車との比較も紹介します。
フェアレディ Zの特徴
フェアレディ Zは1969年の誕生以来、50年以上にわたり世界中で愛されてきた日産スポーツカーです。
誕生当初から「手の届く本格スポーツカー」というコンセプトを掲げ、北米市場を中心に大きな成功を収めました。
現行モデルでもその理念は息づいており、伝統と最新技術を融合させた一台として、多くのファンを惹きつけています。
ここでは、フェアレディ Zの特徴を紹介します。
日産が誇るスポーツカー
初代フェアレディ Zが登場したのは1969年です。
既存のエンジンやトランスミッションを工夫して流用し、コストを抑えつつ本格的な走りを実現したことで一躍人気を獲得しました。
その背景には、米国日産の社長だった片山豊氏が「世界中にスポーツカーの楽しさを広めたい」と考えた想いがあります。
アメリカ市場を中心に大ヒットを記録し、以降、Zは「手の届くスポーツカー」の代名詞となりました。
ネーミングの由来もユニークで、「フェアレディ」は当時の社長が感銘を受けた舞台『マイ・フェア・レディ』に由来し、「Z」は究極を意味するとともに、日本の開発陣に送られたZ旗から取られたといわれています。
歴代モデルを引き継いだデザイン
現行フェアレディ Zは、歴代モデルのDNAを強く受け継いでいます。
フロントの丸みを帯びたヘッドライトは、初代S30型をオマージュしたデザインとなっています。
リアの横一文字に伸びるテールランプは、90年代を代表するZ32型を彷彿とさせます。
このように過去の名車を思わせるディテールを盛り込みながらも、現代的にブラッシュアップされたスタイルは、誰が見ても「新しいZ」と分かる仕上がりです。
伝統と革新を融合させたデザインは、多くのファンにとって懐かしさと新鮮さを同時に感じさせる魅力となっています。
機能的なデザイン
インテリアにおいても、フェアレディ Zは歴代モデルを意識した造形が散りばめられています。
特徴的な3連メーターは、初代S30をモチーフにしたもので、ドライバーに走行中の情報を直感的に伝えます。
また、スポーツモード時にはタコメーターを中心に据えた表示へと切り替わり、必要な情報を瞬時に確認できる機能的なデザインとなっています。
視認性の高さとスポーツカーらしい演出を両立し、走りに集中できるコックピットを実現している点は、現行モデルならではの進化といえるでしょう。
圧倒的なパワー
フェアレディ Zの大きな魅力のひとつは、その圧倒的な動力性能です。
搭載される3.0L V6ツインターボエンジンは405PSもの最高出力を誇り、レスポンスの鋭い加速と力強さを発揮します。
しかし単にパワフルなだけではなく、「ドライバーとクルマが一体となる感覚」を重視した開発思想に基づき、扱いやすさと安心感を両立させているのも特徴です。
高剛性のボディ、しなやかに動くサスペンション、緻密に制御されるトランスミッションが組み合わさり、まるで「ダンスパートナー」と息を合わせるかのようにドライブを楽しめます。
高い走行性能を支えるサスペンション
フェアレディ Zの走行性能を陰で支えるのが、入念に作り込まれた足回りです。
まず、フロントボディとリアクロスメンバーのねじり剛性を高めることで、操縦安定性が向上し、振動やノイズを低減しています。
さらに、フロントにはハイキャスターサスペンションを採用し、直進時の安定性や修正舵の少なさを実現しています。
加えて、モノチューブダンパーの搭載によってタイヤの接地性を高め、スポーツ走行時でも高いグリップ力を発揮します。
フェアレディ Zのサイズ
ここでは、フェアレディ Zのボディサイズや室内空間、荷室容量、そして取り回しのしやすさについて詳しく見ていきます。
ボディサイズ
フェアレディ Zのボディサイズは、全長4,380mm×全幅1,845mm×全高1,315mmとなっています。
歴代Zの伝統ともいえる「ロングノーズ&ショートデッキ」を色濃く残したフォルムは、1969年に登場した初代S30型を現代的に解釈したデザインです。
先代モデルと比較すると、ノーズ部分がよりシャープで薄型になり、エレガントさとスポーティーさを兼ね備えた外観へと進化しました。
これは冷却システムの効率化によって実現されたもので、エンジンルームに十分な空気を送り込みつつも、コンパクトで洗練されたプロポーションを成立させています。
その結果、迫力と美しさを両立したデザインが完成しました。
室内サイズ
フェアレディ Zの室内寸法は、長さ975mm×幅1,495mm×高さ1,065mmです。
先代モデル(室内長990mm×幅1,495mm×高さ1,090mm)と比べると、わずかに室内長と高さが小さくなっています。
しかし、低く構えたスタイルの中でも十分な居住空間を確保しており、ドライバー中心に設計されたコックピット感覚を味わえます
幅は変わらず1,495mmと横方向には余裕があり、包まれるような安心感を持ちながらも操作性を損なわない仕上がりです。
スポーツカーとしてはコンパクトな空間ですが、そのぶん運転への集中力を高め、ドライバーとクルマの一体感を際立たせています。
荷室サイズ
スポーツカーは「荷物が積みにくい」という印象を持たれがちですが、フェアレディ Zは実用性も考慮されています。
ラゲッジ容量は241Lと、スポーツクーペとしては十分な広さを備えています。
たとえば9インチ以内のゴルフバッグであれば2本積載できるスペースがあり、日常の買い物や軽い旅行であれば不便を感じることはないでしょう。
さらに、全グレードに電磁式バックドアオープナーを標準装備しており、荷物の出し入れもスムーズです。
容量こそミニバンやSUVには及びませんが、スポーツカーとしては実用性が高く、1人や2人でのアウトドアやドライブ旅行にも活躍するラゲッジスペースとなっています。
取り回しやすさ(最小回転半径)
フェアレディ Zの最小回転半径は5.2mと、このクラスのスポーツカーとしては比較的優秀な数値です。
ボディサイズがワイドでありながらも取り回しがしやすく、街中での駐車や狭い道路での走行でも安心感があります。
ライバル車と比較しても小回り性能は高く、普段のドライブシーンでも使いやすさを実感できるでしょう。
迫力あるデザインと高い走行性能に加え、扱いやすさまで兼ね備えている点が、現行フェアレディ Zの大きな魅力といえます。
歴代フェアレディ Zのサイズ比較
フェアレディ Zは1969年に誕生して以来、半世紀以上にわたって日産を代表するスポーツカーとして進化を続けてきました。
世代ごとにボディサイズやパワーユニット、足回りの構成は大きく変わってきましたが、「手の届くスポーツカー」という基本コンセプトは一貫しています。
ここでは、初代から6代目まで歴代フェアレディ Zのサイズを紹介します。
初代
初代フェアレディ Zは、全長4,115mm×全幅1,630mm×全高1,285mmと、コンパクトで軽快なプロポーションが特徴でした。
ホイールベースは2,305mmと短く、車両重量はわずか995kgです。
L20型直列6気筒OHCエンジン(1,998cc)は最高出力130psを発揮し、当時としては高性能ながらも手頃な価格で提供されたことが大ヒットの要因でした。
足回りは前後とも独立懸架のストラット式で、スポーツカーらしい操縦性を備えていました。
まさに「庶民が手にできるスポーツカー」として、世界的な成功を収めた原点のモデルです。
2代目
2代目はボディサイズが拡大され、全長4,620mm×全幅1,690mm×全高1,305mmと、初代に比べて大柄になりました。
ホイールベースも2,520mmへ延長され、室内空間や安定性が向上しています。
L28E型直列6気筒OHCエンジン(2,753cc)は155psを発揮し、より余裕ある走りが可能です。
足回りはフロントがストラット、リアはセミトレーリングアーム独立懸架に変更され、乗り心地と操縦安定性のバランスを高めています。
車両重量は1,300kgと増加しましたが、高速巡航性能が強化され、グランドツアラー的な性格を色濃くしました。
3代目
3代目Z31は、1983年に登場したモデルで、直線的でエッジの効いたスタイルが大きな特徴でした。
全長4,615mm×全幅1,690mm×全高1,345mm、ホイールベース2,525mmというサイズは、先代に比べさらに拡大されています。
車両重量は約1,400kgと増加しましたが、そのぶん高速巡航時の安定性や快適性が向上しました。
最高出力はグレードによって200psを超えるスペックを誇り、パワフルで余裕のある走りを実現しました。
北米市場を強く意識したラグジュアリー性と迫力あるデザインにより、Zは本格的なグランドツアラーへと進化した世代といえるでしょう。
4代目
4代目Z32は、全長4,310mm×全幅1,790mm×全高1,250mmと、低くワイドなプロポーションが特徴です。
ホイールベースは2,450mmで、トレッドは前1,495mm/後1,535mmと大幅に拡大されました。
エンジンはVG30DE型V6 DOHC 2,960ccを搭載し、230psを発揮しています。
足回りには前後ともマルチリンク式を採用し、走行性能は飛躍的に進化しました。
洗練されたデザインとハイパワーを備えたZ32は、国産スポーツカーの象徴的存在となり、海外でも高い人気を誇りました。
5代目
21世紀に登場したZ33は、Zを再び現代的なスポーツカーとして蘇らせました。
ボディサイズは全長4,310mm×全幅1,815mm×全高1,315mmで、ホイールベースは2,650mmと余裕のあるサイズです。
エンジンはVQ35DE型3.5L V6を搭載し、最高出力280ps、最大トルク37.0kgmを発揮しました。
前後マルチリンク式サスペンションに加え、大径18インチタイヤを装着し、パワフルな走りと安定感を両立しています。
6代目
6代目Z34は全長4,250mm×全幅1,845mm×全高1,315mmと、先代より全長を短縮しつつも全幅を拡大し、よりワイド&ローのスポーツカーらしいスタイルを強調しました。
ホイールベースは2,550mmとZ33より100mm短く、軽快なハンドリングを実現しています。
エンジンはVQ37VHR型3.7L V6を搭載し、最高出力336ps、最大トルク37.2kgmを発揮しました。
足回りはフロントにダブルウィッシュボーン、リアにマルチリンクを採用し、スポーツ性能を高次元で磨き上げています。
19インチのワイドタイヤと高剛性ボディによって、高速域での安定感とコーナリング性能が際立つモデルです。
フェアレディ Zとライバル車とのボディサイズ比較
ここでは、フェアレディ Zとライバルとされるトヨタ GRスープラ、そしてポルシェ 718ケイマンのサイズを比較していきましょう。
トヨタ GRスープラ
トヨタ GRスープラは、フェアレディ Zと非常に近いサイズ感を持つライバルです。
ボディサイズは全長4,380mm×全幅1,865mm×全高1,290mmで、ホイールベースは2,470mm、6気筒モデルの重量は約1,530kgとなっています。
両車を比較すると、全長はほぼ同等ですが、スープラの方が全幅が20mm広く、逆にホイールベースはZの方が80mm長い設計です。
つまり、スープラはワイドで俊敏な印象を、フェアレディ Zは安定感のある直進性能を意識したサイズといえるでしょう。
デザイン面ではどちらもロングノーズ&ショートデッキを強調しており、まさに国産スポーツカーの双璧を成す存在です。
ポルシェ 718ケイマン
ポルシェ 718ケイマンも、フェアレディ Zとサイズが非常に近い欧州ライバルです。
ケイマンのサイズは全長4,405mm×全幅1,800mm×全高1,295mm、ホイールベースは2,475mmで、車両重量は1,390kg(ベースグレード)になります。
両車を比較すると、全長はケイマンが25mm長い程度でほぼ同じです。
しかし全幅はZが45mm広く、逆に重量はケイマンが230kgも軽くなっています。
軽さを武器に俊敏な走りを実現するケイマンに対し、Zはワイドボディと重量感を活かした安定性のある走りが特徴です。
全高はケイマンが20mm低く、より低重心を意識したスタイルですが、実用性の面ではZがやや余裕あるスペースを備えています。
両車とも大型ハッチゲートを備えており、スポーツカーでありながら日常使いの利便性も確保しています。
まとめ
本記事ではフェアレディ Zの特徴やサイズを解説し、歴代モデルやライバル車との比較も紹介しました。
フェアレディ Zは、伝統的なロングノーズ&ショートデッキを受け継ぎながら、最新の技術とデザインで進化したスポーツカーです。
ボディサイズは全長4,380mmと扱いやすく、最小回転半径5.2mで街中でも取り回しは良好です。
室内や荷室はスポーツカーらしくタイトながらも、必要十分なスペースを確保しています。
ライバル車と比べても遜色ない性能と実用性を持ち、走る楽しさと日常の使いやすさを兼ね備えた1台といえるでしょう。





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