
GRヤリスは、トヨタがモータースポーツ直系の技術を注ぎ込んだスポーツモデルで、走りの性能に注目が集まります。
しかし、日常利用を考えると「燃費」が気になる方も多いでしょう。
本記事では、各グレードごとの燃費性能を紹介するとともに、ライバル車との比較などを紹介します。
さらに、GRヤリスの燃費を少しでも向上させるコツも解説しているので、GRヤリスの購入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
GRヤリスの魅力とは?
GRヤリスは、トヨタが世界ラリー選手権(WRC)で勝つために専用設計した特別なモデルです。
コンパクトカー「ヤリス」をベースにしながらも、外観・内装・走行性能に至るまで独自の進化を遂げています。
ここでは、GRヤリスの魅力について詳しく解説します。
細部までこだわり抜いたデザイン
GRヤリスのデザインは、単なるスタイリングにとどまらず「勝つため」に追求されたものです。
フロントフェイスでは、大型のロアグリルが存在感を放ち、内部にはスチールメッシュを採用しています。
これにより冷却効率と耐久性を確保しつつ、無駄のない精悍な表情を演出します。
さらに、バンパーサイドに設けられた開口部やサブラジエーター、排熱用アウトレットにより、ブレーキやエンジンの熱対策も万全です。
足回りには鍛造アルミホイールと高性能スポーツタイヤを採用し、俊敏なハンドリングを可能にしました。
リヤデザインにも空力を意識した工夫が施され、テールランプやランプ類を高い位置に集約することで、競技時の耐久性を確保します。
速さと耐久性を両立したデザインは、まさに競技車両のDNAを宿しています。
ドライバーファーストのコックピット
GRヤリスのコックピットは、レーシングドライバーからのフィードバックを反映し、操作性と視認性に優れたレイアウトが徹底されています。
メーターやディスプレイ位置を低く配置することで視界を確保し、センターディスプレイはわずかに運転席側へ傾けるなど、運転に必要な情報を自然な姿勢で確認できる工夫が施されています。
また、ペダル配置やフットレスト位置も緻密に調整され、ドライビングポジションを容易に最適化することが可能です。
シート形状は長時間の運転でも体をしっかり支え、スポーツ走行時には抜群のホールド感を発揮します。
これらの設計はすべて、運転に集中し、マシンと一体になるための「ドライバーファースト」の哲学から生まれています。
非常に高い走行性能
GRヤリスが他のコンパクトカーと一線を画す最大の理由は、その圧倒的な走行性能にあります。
搭載される1.6L 直列3気筒ターボエンジンは、軽量設計と高剛性化を徹底することで、排気量を超えたパワーとレスポンスを実現しました。
アルミダイカスト製シリンダーブロックや専用のボルト設計により、軽量でありながら高出力を発揮する仕様となっています。
さらに注目すべきは、新開発の「GR-DAT(Direct Automatic Transmission)」です。
8速ATが搭載され、ステアリングやアクセル操作に集中しながらも、最適なギアで加速できるよう設計されています。
加えて「サーキットモード」を選択すれば、エンジンレスポンスや駆動配分がスポーツ走行用に最適化され、プロ仕様のドライビングフィールを感じられるでしょう。
公道からサーキットまで、幅広いシーンで高次元のパフォーマンスを発揮するのがGRヤリスの真骨頂です。
先進の安全性能
スポーツカーであっても、安全性は軽視されていません。
GRヤリスにはトヨタの最新予防安全システム「Toyota Safety Sense」が搭載されており(RCのみオプション設定)、多彩な支援機能が備わっています。
プリクラッシュセーフティは歩行者や自転車も検知し、衝突回避や被害軽減をサポートします。
レーントレーシングアシストは高速道路での走行中に車線を維持し、ドライバーの負担を軽減します。
さらにレーダークルーズコントロールによって長距離ドライブも快適で、ロードサインアシストが標識情報を知らせてくれるなど、安心感を高める仕組みが整っています。
これにより、スポーツ走行を楽しむ場面だけでなく、普段の街乗りや長距離移動でも安心して運転できるのがGRヤリスの大きな魅力です。
【グレード別】GRヤリスの燃費
GRヤリスのラインアップは「RZ」「RZ High performance」「RC」を軸に、特別仕様車やエアロパッケージ仕様まで幅広く展開しています。
基本的な燃費性能はグレードによって大きく変わりません。
主にトランスミッションの違いによって差が生じます。
6速MT仕様ではWLTCモードで12.4km/L、8速AT仕様では10.8km/Lとなっています。
ここでは各グレードの特徴を詳しくみていきましょう。
RCの燃費
RCは、モータースポーツ参戦を前提に設計されたベースグレードで、余計な装備を削ぎ落とすことで軽量化を徹底しています。
車両重量はシリーズ最軽量の部類に入り、6速MT仕様ではWLTCモードで12.4km/Lです。
軽快な操作感と燃費効率を両立しています。
一方で、8速AT仕様では重量が増すため、燃費は10.8km/Lにとどまります。
MTは効率とダイレクト感、ATは快適性と操作性の高さが特徴です。
競技ベースとしての純粋な性能を求めるユーザーにはMT、普段の街乗りも重視する方にはATが向いています。
RC + Aero performance packageの燃費
RCに「Aero performance package」を組み合わせた仕様は、冷却性能と空力性能をさらに高めた本格仕様です。
ダクト付きアルミフードやフェンダーダクト、可変式リヤウイングなど6種類の専用装備を搭載することで、走行時の安定性や放熱効率を向上しています。
サーキット走行や高速域でのパフォーマンスを大幅に強化し、よりレーシングカーに近い特性を備えています。
RZの燃費
RZはGRヤリスの主力モデルで、スポーツ走行と日常走行の両方に対応できる万能グレードです。
RCと同じく、6速MT仕様では12.4km/Lの燃費を記録し、軽量なボディとターボエンジンのバランスが光ります。
8速AT仕様では重量が増えることで10.8km/Lとなりますが、ギア制御の最適化により快適性や扱いやすさが大幅に向上します。
街乗りからロングドライブ、そしてスポーツ走行まで幅広く楽しめる点が魅力で、日常の利便性を重視する人にも安心しておすすめできるグレードです。
RZ“High performance”の燃費
RZをベースに、冷却性能や駆動系を強化したのが「RZ“High performance”」です。
サーキットや高速走行など過酷な環境下での安定性を追求しているため、重量は標準RZより増しています。
燃費は6速MTで12.4km/L、8速ATで10.8km/Lと同じカタログ値ながら、実際には標準RZよりも数値が低下する傾向にあります。
とはいえ、燃費効率よりも高い出力と安定感を重視するドライバーにとっては、このグレードの魅力は十分に際立っています。
燃費以上に「攻めの走り」を求めるユーザーに適した仕様です。
RZ“High performance” + Aero performance packageの燃費
RZ“High performance”に「Aero performance package」を組み合わせたモデルです。
冷却性と空力性能を極限まで高めた究極のモデルで、ダクト付きアルミフードや可変式リヤウイングなどを備え、サーキット走行時の安定感と放熱性能を最大限に引き上げています。
燃費は6速MTで12.4km/L、8速ATで10.8km/Lとカタログ上は他のグレードと同水準を維持しています。
追加装備による重量増があっても高い性能と安定性を確保しながら、この燃費性能をしっかりと維持している点が魅力です。
燃費効率を優先するユーザーには向きませんが、GRヤリスの性能を限界まで体感したい方にとっては、唯一無二のモデルといえるでしょう。
GRヤリスとライバル車との燃費比較
ここでは、同じコンパクトスポーツカテゴリーで人気の高いスズキ「スイフトスポーツ」と、世界的に評価の高いホットハッチ「フォルクスワーゲン GTI」を取り上げ、燃費を比較してみましょう。
スイフトスポーツとの燃費比較
スズキ「スイフトスポーツ」は、軽量化を徹底した設計が魅力で、車両重量は6MTで970kg、AT仕様でも990kgという軽さを実現しています。
搭載される1.4L直列4気筒ターボエンジンは、最高出力140ps・最大トルク230Nmを発揮し、コンパクトながらパワフルな走りを楽しめます。
燃費はWLTCモードで6MTが17.6km/L、6ATが16.6km/Lと、同クラスのスポーツカーの中でもトップクラスの効率を誇ります。
一方のGRヤリスは、6MTで12.4km/L、8ATで10.8km/Lとスイフトスポーツに比べると燃費では劣ります。
燃費性能ではスイフトスポーツが上ですが、圧倒的なパワーとトラクション性能を重視するならGRヤリスに軍配が上がるといえるでしょう。
フォルクスワーゲン GTIとの燃費比較
フォルクスワーゲン「GTI」は、2.0L直列4気筒ターボエンジンを搭載した世界的に人気のホットハッチです。
最高出力は245ps前後に設定されており、日常の扱いやすさとスポーツ走行を両立する完成度の高さが特徴です。
燃費はWLTCモードで12.7〜12.8km/Lと公表されており、排気量やパワーを考慮すると効率的な数値を示しています。
比較すると、GRヤリスの6MT(12.4km/L)はGTIとほぼ同等の燃費性能を持ち、8AT(10.8km/L)はやや劣るものの十分に実用的な燃費効率です。
両車は燃費の差こそ大きくありませんが、GRヤリスはフルタイム4WDによる高い走破性を備えているのに対し、GTIはFFの軽快な走りと高効率を売りにしているのが特徴です。
GRヤリスの燃費を少しでも向上させるコツ
ここでは、GRヤリスの燃費を少しでも向上させるコツをいくつか紹介します。
ゆっくりアクセルを踏み込む
燃費が悪化する大きな原因の1つは、急発進や急加速です。
信号待ちや渋滞でのストップ&ゴーを繰り返すとエンジンに負担がかかり、余計な燃料を消費してしまいます。
発進時にはアクセルをゆっくり踏み込み、スムーズに加速することを意識するだけでも燃費は改善します。
また、混雑した道路を避けることも重要です。
出発前に渋滞情報を確認すれば、余計な停車や加速を減らせるため、燃費の改善だけでなく安全運転にもつながります。
さらに、ヘッドアップディスプレイなどの運転支援機能を活用することで、スピードや燃費を意識しやすくなり、自然と効率の良い運転を心がけられるでしょう。
一定の速度で走る
燃費を良くするためには、可能な限り一定の速度を保つことが大切です。
追い越しや急加速のたびにアクセルを大きく踏み込むと燃料を多く消費してしまいます。
無理に追い越すのではなく、交通の流れに合わせて安定した速度を維持する方が結果的に燃費効率は高くなります。
また、高速道路や幹線道路では定速走行を意識すると効果的です。
法定速度を守りながら走行することは、安全面はもちろん、燃費改善にも直結します。
GRヤリスの高出力エンジンを無理に使い切るのではなく、状況に合わせた落ち着いた走行が、燃費向上と快適なドライブを両立させるポイントです。
エアコンの温度は適温にする
快適な車内環境を保つためにエアコンは欠かせませんが、冷やしすぎや暖めすぎは燃費を大きく悪化させます。
特に夏や冬は、エアコンがフル稼働しやすく、その分エンジン負担が増えて燃料消費が増加します。
室温は適度に保ち、必要以上の冷暖房を避けることが大切です。
最近の車には自動調整機能が搭載されているため、自分で細かく調整するのが難しい場合はオートモードを活用するのも効果的です。
快適さを保ちながら燃費を改善するためには「適温を意識して使う」ことが何よりのコツといえるでしょう。
メンテナンスを怠らない
運転方法だけでなく、日常的なメンテナンスも燃費性能を左右します。
タイヤの空気圧が不足していると転がり抵抗が増し、燃料の消費量が大きくなります。
また、エンジンオイルの劣化は燃焼効率を悪くする原因となり、結果として燃費も低下します。
こうした点検は自分でできる部分もありますが、不安な場合や細部まで確認したい場合は、法定点検やディーラーのメンテナンスを利用すると安心です。
点検を怠らなければ、燃費改善に加えて大きなトラブルを未然に防ぐことができ、長期的に見てもコスト削減につながります。
常に車を良好な状態に保つことが、燃費向上の最も確実な方法といえるでしょう。
まとめ
本記事では、GRヤリスの燃費性能やライバル車との比較、少しでも燃費を向上させるコツを紹介しましたl。
GRヤリスは、本格的なスポーツモデルでありながら、6速MTで12.4km/L、8速ATで10.8km/Lという実用的な燃費性能を備えています。
さらに、アクセル操作や速度維持、適切なエアコン使用、定期的なメンテナンスといった工夫を取り入れることで、燃費を少しでも良くすることが可能です。
燃費と走行性能の両立を求めるドライバーにとって、GRヤリスは日常使いからスポーツ走行まで幅広く応えてくれる頼もしい存在といえるでしょう。





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