
「ジープ」は、軍用車両としてのルーツを持ち、圧倒的な悪路走破性と唯一無二のデザインで世界中のドライバーを魅了してきました。
現在ではラングラーやレネゲード、グランドチェロキーなど多彩なラインナップが展開されており、街乗りからアウトドアまで幅広いシーンに対応しています。
そんなジープを検討する際に気になるのが燃費性能ではないでしょうか。
本記事では、ジープの車種別燃費を紹介するとともに、燃費効率を上げる方法についても解説します。
ジープの特徴
ここでは、ジープならではの特徴をみていきましょう。
元々軍用車両として使われていた車
ジープのルーツは、第二次世界大戦中にアメリカ軍が求めた「どんな状況でも走れる車」を開発するというミッションにあります。
戦場では、地雷を踏んでタイヤを損傷しても走り続けられる堅牢さや、工具を車内に積んでおけば現場で簡易修理ができる整備性が求められていました。
こうした厳しい条件をクリアするために生まれたジープは、まさに軍用車両の中でも際立った信頼性を誇りました。
その精神は現代の市販モデルにも息づいており、悪路やアウトドアシーンでの強靭さに直結しています。
圧倒的な悪路走破性
ジープの最大の強みは、他のSUVを凌駕する悪路走破性です。
そもそも誕生のきっかけは、1940年にアメリカ陸軍が全米の自動車メーカーへ依頼した「軽量偵察車」開発計画でした。
この要請に応じたのがフォード社、アメリカン・バンタム社、そしてウィリス・オーバーランド社であり、翌年に完成した「Willys MB」が初代ジープの礎となります。
Willysは砂漠や山岳地帯だけでなく、タイヤを付け替えることで鉄道の線路上を走行できるほどの多用途性を発揮しました。
その圧倒的な耐久性と走破性により、ジープは「兵士の相棒」として戦場で活躍し、戦後は市販車として一般ユーザーに広まっていったのです。
唯一無二のデザイン
ジープの存在感を際立たせているのが、その独特なデザインです。
丸型ヘッドライトや縦に7本入ったスロットグリルは、ジープを象徴するアイコンとして長年受け継がれています。
さらに、ハードトップの脱着機能やスクエアなボディラインは、実用性と遊び心を両立させています。
インテリア面でも改良が進み、レザーやウッドパネルを取り入れるなど、ラグジュアリーSUVとしての高級感も感じることが可能です。
広々としたラゲッジルームも備えており、アウトドア用品や大型の荷物を積み込む際にも活躍します。
この「機能性とデザイン性の融合」こそが、ジープが時代を超えて愛され続ける理由といえるでしょう。
豊富なラインナップ
ここでは、ジープの主要モデルを紹介します。
ラングラーやレネゲードといった本格派から、存在感あふれるグランドチェロキーや7人乗りのコマンダーまで、多彩な選択肢が揃っています。
アウトドアを重視する人も、日常で使いやすいSUVを求める人も、自分に合ったジープを見つけられるでしょう。
ジープ ラングラー
ジープの代名詞ともいえる「ラングラー」は、険しいオフロードで真価を発揮する伝統的なモデルです。
深雪や岩場、急斜面といったシーンでも十分なトルクを発揮し、どんな道でも走破できる性能を備えています。
モデル名の“Wrangler”は「カウボーイ」を意味し、大地を駆け抜ける力強さを象徴しています。1
987年に初代が誕生し、日本市場には2018年に導入された現行4代目が展開中です。
近年のマイナーチェンジで装備やデザインも進化し、アウトドア派から厚い支持を集めています。
グレードは「Unlimited Sport」「Unlimited Sahara」「Unlimited Rubicon」の3タイプが用意され、用途に応じた選択が可能です。
ジープ レネゲード
2015年に登場した「レネゲード」は、ジープらしい4WD性能をコンパクトなボディに凝縮したクロスオーバーSUVです。
市街地での扱いやすさとアウトドア対応力を兼ね備え、幅広いシーンで活躍します。
搭載される直列4気筒マルチエアターボエンジンはレスポンスが良く、軽快なドライブフィールを実現します。
さらに、前面衝突警報やアダプティブクルーズコントロールなど最新の安全機能も備えており、安心感も十分です。
コンパクトながらジープの魅力を味わえる入門モデルとして、多くのユーザーに選ばれています。
ジープ グランドチェロキー
グランドチェロキーは、ジープの中でもラグジュアリー性と力強さを兼ね備えたフラッグシップ的存在です。
初代は1974年に登場し、現在は5代目が販売されています。
外観はセブンスロットグリルとLEDライトを備え、堂々とした存在感と洗練されたデザインを両立しています。
インテリアには8.4インチタッチモニターや上質な革素材が採用され、長距離ドライブでも快適に過ごせます。
高級感と悪路走破性を両立する一台として、家族での利用からアウトドアまで幅広いシーンで活躍するモデルです。
ジープ コンパス
ジープの中でも扱いやすさに定評のあるコンパスは、日常の街乗りからちょっとしたアウトドアまでこなせるコンパクトクロスオーバーSUVです。
搭載される2.4Lタイガーシャークマルチエアエンジンはスムーズな加速を生み出し、ジープアクティブドライブが状況に応じて駆動方式を自動切替することで安定した走りを実現します。
また、ヒルスタートアシストやヒルディセントコントロールといった走行補助機能も装備しています。
これにより山道や傾斜のある場面でも安心感を持って運転でき、日常とアウトドアの両立を求めるユーザーに人気です。
ジープ コマンダー
かつてフラッグシップモデルとして登場したコマンダーの名は、2021年に7人乗りSUVとして復活しました。
初代は堅牢なラダーフレーム構造を持ち短命に終わりましたが、新型はミドルクラスSUVとして実用性を重視しています。
外観はグランドチェロキー譲りの迫力あるデザインを持ちながら、日本市場でも扱いやすいサイズに調整されています。
3列シートの快適な室内空間と最新装備により、ファミリー向けSUVとしても魅力的な選択肢となっています。
【車種別】ジープの燃費
ここでは、ジープの主要ラインナップごとの燃費性能を紹介します。
ジープ ラングラーの燃費
ジープの象徴的存在であるラングラーは、力強い走りを優先した設計のため、燃費性能は控えめです。
WLTCモード燃費は「アンリミテッド フリーダム エディションII 4WD」で10.0km/Lとなっています。
排気量の大きなエンジンと重量級ボディを搭載しているため、街乗りでは燃料消費が多くなる傾向があります。
その一方で、オフロードでの走破力やタフさは群を抜いており、燃費以上に冒険心を満たす一台として支持を集めています。
ジープ レネゲードの燃費
ラインナップの中で最も燃費性能に優れているのが「レネゲード」です。
特に「アルティチュード eハイブリッド」では、WLTCモード燃費が17.7km/Lを記録しています。
ジープの四駆性能を継承しつつも、コンパクトなボディサイズと電動技術の組み合わせにより、日常使いでも効率的な走行が可能です。
市街地走行やロングドライブでも扱いやすく、燃費と実用性のバランスを重視する方におすすめのモデルといえるでしょう。
ジープ グランドチェロキーの燃費
高級SUVとしての存在感を誇るグランドチェロキーは、快適性やパワフルな走りを重視しているため燃費は控えめです。
30thアニバーサリー エディション 4WDでは、WLTCモード燃費が10.4km/Lとなっています。
重量級のボディと高出力エンジンを組み合わせているため燃費数値は低いものの、その分、安定感ある走りと上質な室内空間を実現しています。
燃費よりもラグジュアリーなSUV体験を求める人に適したモデルです。
ジープ コンパスの燃費
コンパクトクロスオーバーSUVの「コンパス」は、街乗りでの取り回しやすさとSUVらしい力強さを兼ね備えています。
「ロンジチュード」グレードでのWLTCモード燃費は11.8km/Lとされ、ジープの中では比較的扱いやすい数値です。
ヒルスタートアシストやアクティブドライブシステムといった装備により、燃費効率を損なわず快適に走れるのもポイントです。
通勤や買い物など日常ユースと、軽めのアウトドアを両立したい人に向いています。
ジープ コマンダーの燃費
7人乗りSUVとして登場したコマンダーは、広い室内空間を備えつつも、燃費性能でも一定の評価を得ています。
ロンジチュード ディーゼルターボではWLTCモード燃費が14.7km/Lと、ミドルサイズSUVとしては燃費効率は良いです。
ディーゼルならではのトルクフルな走りと、長距離での燃費効率の良さが魅力です。
家族での旅行やレジャーを想定したロングドライブでも、比較的燃料コストを抑えられる点が特徴といえるでしょう。
ジープの燃費を向上させる4つの方法
ジープは力強い走破性や存在感あるデザインが魅力ですが、その分燃費が気になるという方も多いでしょう。
ここでは、ジープの燃費を向上させる4つの方法を紹介します。
アクセルワークを意識する
ジープを運転すると、力強いトルクに惹かれてついアクセルを踏み込みたくなる場面も多いかもしれません。
しかし、急加速や不要なアクセル操作は燃料消費を増やす大きな要因です。
特にラングラーのように低速から力を発揮できるモデルは、ゆっくりとアクセルを踏むだけで十分に加速が可能です。
急な操作を控えて穏やかに加速することで、燃費効率が改善されるだけでなく、同乗者にとっても快適なドライブとなります。
部品交換を怠らない
燃費を良く保つには、定期的な点検や部品交換が欠かせません。
たとえば、エアフィルターが汚れていると吸気効率が低下し、エンジンが余計な負荷を抱えて燃料を多く消費してしまいます。
フィルターを清掃・交換するだけで燃焼効率は大きく改善します。
また、エンジンオイルを定期的に交換することも非常に重要です。
汚れたオイルでは摩擦抵抗が増し、結果として燃費が悪化してしまうからです。
電装系やバッテリー容量も適正化することで、無駄な電力消費を抑えられます。
タイヤの空気圧をチェックする
意外に見落とされがちなのがタイヤの空気圧管理です。
空気圧が低すぎると転がり抵抗が増え、走行に余分なエネルギーを必要とするため、燃費が悪くなります。
一方で高すぎてもグリップ力が低下し、ブレーキ性能の悪化やタイヤ摩耗につながるため注意が必要です。
適正な空気圧を維持することが最も大切であり、定期的な点検が推奨されます。
また、必要以上に大きなホイールやタイヤを装着すると重量が増えて燃費が落ちるため、車に合ったサイズを選ぶこともポイントです。
エコドライブモードを利用する
近年のジープには複数の走行モードが備わっており、その中に「エコドライブモード」があります。
このモードではエンジン出力や空調の効率を調整し、燃料消費を最小限に抑えるよう制御されます。
レネゲードなどに搭載されるモードを活用すれば、市街地走行や渋滞時の燃費改善に効果的です。
一方で、スポーツモードやオフロードモードは走行性能を優先するため、燃費効率は下がる傾向にあります。
普段の街乗りではエコモードを選び、必要に応じて他のモードを使い分けることで効率的な走行が実現します。
まとめ
本記事では、ジープの車種別燃費を紹介するとともに、燃費効率を上げる方法についても解説しました。
ジープは、力強いオフロード性能と独自のデザイン性で世界中のファンを魅了するSUVブランドです。
一般的には燃費よりも走破性やタフさを重視したモデルが多いですが、レネゲードのようなコンパクトSUVやプラグインハイブリッドモデルなど、燃費性能に配慮したモデルも展開しています。
そのため、アウトドア走行を楽しみたい方はもちろん、普段使いにおいてもバランスの取れた車種を選ぶことが可能です。
ぜひ本記事を参考に、自分のライフスタイルに合ったジープに乗ってみてください。





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