ジムニーはその個性的なデザインと高い走破性で根強い人気を誇りますが、「燃費が悪い」との声もよく聞かれます。
この記事では、ジムニーの実燃費や燃費が悪いと言われる理由、ライバル車との比較まで詳しく解説します。
ジムニーを購入候補にしている方は、購入後に後悔しないためにもぜひ最後までご覧ください。
【現行】ジムニーの燃費
さっそく本題であるジムニーの燃費を紹介していきます。
グレード | カタログ燃費(WLTCモード) | |
---|---|---|
5速MT | 4速AT | |
XG | 16.6km/L | 14.3km/L |
XL | 16.6km/L | 14.3km/L |
XC | 16.6km/L | 14.3km/L |
ジムニーは3つのグレードと異なるトランスミッションから選択できますが、全グレード同じ燃費性能となっています。
ジムニーの実燃費は?
実燃費についても確認していきましょう。
現行ジムニーの実燃費は次のとおりです。
グレード | 実燃費 |
---|---|
XG / XL / XC | 13.0〜14.0km/L |
カタログ燃費の14.3〜16.6km/Lと比較すると、ほとんど数値は変わらないことが分かります。
【旧型モデル】ジムニーの燃費
ジムニーは現在までに3回のモデルチェンジを繰り返しています。
その中の2代目から3代目までの燃費性能は、以下のとおりです。
グレード | カタログ燃費(10・15モード) | |
---|---|---|
5速MT | 4速AT(2代目は3速AT) | |
2代目 | 15.8km/L | 14.0km/L |
3代目 | 16.4〜16.6km/L | 14.3〜14.8km/L |
現行モデルと比較しても、そこまで大きな差はみられません。
また、モデルによっては旧型ほうが燃費性能がよいものもあります。
ジムニーとライバル車との燃費を比較
ジムニーの燃費を調査している方の中には、他の車種とどれくらい差があるのか気になる方も少なくないでしょう。
そこで、ここではジムニーの燃費がライバル車と比べてどの位置にあるのかを分かりやすく見ていきます。
【スズキ】ジムニー シエラ
ジムニー シエラは、ジムニーの乗用車タイプの車で、ジムニーともよく比較されます。
排気量も1.5Lと優れており、軽自動車にあたるジムニーよりも加速性能が優れています。
ジムニー シエラとの燃費比較は、次のとおりです。
グレード | 燃費 | |
---|---|---|
5速MT | 4速AT | |
ジムニー シエラ | 15.4km/L | 14.3km/L |
ジムニー | 16.6km/L | 14.3km/L |
ジムニーとジムニー シエラを比較すると、4速ATは同車とも同じ数値でした。
しかし、5速MTに関してはジムニー シエラのほうが低い数値となっており、排気量が増えることで燃費性能も少し低くなっていると考えられます。
【スズキ】ハスラー
ハスラーとの燃費比較は、次のとおりです。
エンジンの種類 | ハスラー | ジムニー | |
---|---|---|---|
ガソリン車 | 2WD | 25.0km/L (ターボ:22.6km/L) |
18.3〜18.4km/L |
4WD | 23.4km/L (ターボ:20.8km/L) |
||
ハイブリッド車 | 2WD | 25.0km/L (ターボ:22.6km/L) |
– |
4WD | 23.4km/L (ターボ:20.8km/L) |
– |
ハスラーと比較すると、ジムニーよりも2.5〜7.0km/Lほど高い、20.0km/L以上の燃費であることが分かりました。
これは、ハスラーが軽自動車であることや、ハイブリッドシステムを導入していることに由来していると考えられます。
【ダイハツ】タフト
タフトとの燃費比較は、次のとおりです。
エンジンの種類 | タフト | ジムニー | |
---|---|---|---|
ガソリン車 | 2WD | 21.4km/L (ターボ:21.3km/L) |
18.3〜18.4km/L |
4WD | 21.1km/L |
タフトと比較すると、ジムニーよりも燃費性能は優れていますが、その差は3km/L程度なので、そこまで大きな差ではありません。
タフトはジムニーと同様に軽自動車ではありますが、車両総重量がジムニーのほうが200kg程度重くなっているため、その分燃費性能も劣っていると思われます。
ジムニーの燃費はなぜ悪いと言われるのか?
ここまで、ジムニーの燃費を現行、旧型、そしてライバル車と比較してきましたが、平均的な燃費数値ではあるものの、ほかのモデルと比較すると低い傾向であることが分かります。
では、なぜジムニーの燃費は悪いと言われているのでしょうか。
ここでは、その理由を詳しく紹介していきます。
車体が重いから
ジムニーの車体は、「ラダーフレーム構造」と呼ばれる設計を取り入れています。
ラダーフレーム構造は、耐久性に優れており、悪路走行する車としてはぴったりな構造となっている反面、車体が重くなりやすいというデメリットもあります。
実際にライバル車と比較しても、ジムニーのほうが200kg程度重くなっています。
重い車を動かすためには、それだけ燃料が必要となりますので、自然に燃費も低くなってしまうのです。
4WDを採用しているから
ジムニーはすべてのグレードで「パートタイム4WD」を採用しています。
パートタイム4WDは、使用状況に合わせてレバーやスイッチで駆動方式の切り替えができるところが特徴です。
普段使いで2WDを使用し、路面状況や環境に合わせて4WDを使用できるメリットはありますが、普段から4WDを使用する場合は燃費が悪くなります。
また、駆動方式が切り替えられるといっても、基本的に4WD車は取り付けるパーツが増えますので、車体が2WD車よりも重くなります。そのため、重さの分、燃費も悪くなってしまいます。
トランスミッションにCVTを搭載していないから
一般的な車であれば、「CVT(無段変速機)」と呼ばれる、滑らかな加速と優れた燃費性能が特徴のトランスミッションを採用しています。
しかし、ジムニーの場合は、一昔前の「5速MT」と「4速AT」を採用しています。
これらのトランスミッションは、スムーズなギアチェンジが行えないことでロスが発生し、エンジンから伝わる動力の一部が熱として使用されるため、燃費が悪化しやすい特徴があります。
また、CVTより重量があるため、より燃費が低下してしまうのです。
悪路走行を重視した設計だから
ジムニーのエンジンは、悪路でも走行しやすいように低速時に大きな力を発揮できるように設計されています。
これは、見方によっては加速性能が高いとも取れますが、燃費の観点からするとあまりよくありません。
そのため、街乗りといった進む・止まるが多い道では燃費効率が悪くなりがちです。
反対に坂道やぬかるんだ道といった、低速時にパワーを発揮してほしい場面では、力強い味方になってくれます。
ジムニーの燃費を向上させる5つのポイント
ここまで紹介してきたように、ジムニーは走破性に優れた反面、燃費性能が低くなりやすい車です。
しかし、普段の運転習慣や車両の使い方を見直すだけで燃費の向上が期待でき、結果的にガソリン代を抑えることができます。
ここでは、燃費改善に役立つ具体的な5つのポイントを紹介します。
急発進・急加速に気をつける
車を動かす際に特に燃料を使用すると言われているのが、発進時や加速時です。
発進時や加速時は、アクセルを踏み込むことで燃料が使用され、強く踏み込むほどその量は増えてしまいます。
そのため、発進や加速する際は、ゆっくりアクセルを踏むことを意識することが大切です。
2WDをメインに使用する
ジムニーの駆動方式は、2WDと4WDを手動で切り替えられる「パートタイム4WD」を採用しています。
2WDと4WDでは、4WDを使用したほうが燃費効率は悪くなりますので、普段使いの際は2WDを使用するのがおすすめです。
反対に、坂道や悪路を走行する際は4WDに切り替えたほうが走りやすくなり、結果的に燃費を抑えられるでしょう。
定期的にメンテナンスをする
車の燃費性能は、エンジン周りの状態によって大きく変わってきます。
特にバッテリーやエンジンオイルは、燃費と大きく関わってきますので、定期的なチェックや交換が必要です。
なお、それぞれの交換時期は、バッテリーは約2〜3年、エンジンオイルが走行距離3,000〜5,000km程度もしくは3〜6ヶ月程度を目安とするとよいでしょう。
タイヤの空気圧を適正に保つ
燃費性能は、エンジンの性能以外にタイヤの空気圧も関係してきます。
タイヤの空気圧は走行中の振動により少しずつ減少してきますが、少ないまま走行してしまうと、タイヤの転がり抵抗が増えて燃費の悪化に繋がります。
そのため、1ヶ月に1回程度は空気圧をチェックするのをおすすめします。
空気圧チェックはガソリンスタンドやカーショップなどで行え、注入方法もスタッフに聞けば教えてもらえますので、定期的に行いましょう。
過度なエアコンの使用に注意する
車の燃費は、エンジンを付けたり、走行したりする以外に、エアコンの使用によっても変わってきます。
特に夏場や冬場はエアコンを稼働する機会が増えるため、過度な使用を控えることが大切です。
夏場は車内が熱くなりやすいので、先に窓を開け、外気を入れ替えてからエアコンを付けるのがポイントです。
逆に冬場はエンジンが温まらないと冷たい風しか来ませんので、しばらく走行させたあとにエアコンをつけるとよいでしょう。
燃費以外のジムニーの魅力
ジムニーは、日常からアウトドアまで幅広く対応できる実用性や、デザイン性など、多数の魅力があります。
ここからは、燃費以外でジムニーが支持されるポイントを詳しく見ていきましょう。
ジムニーのスペック
まず、ジムニーのスペックを紹介します。
車体サイズ(全長×全幅×全高) | 3,395 × 1,475 × 1,725mm | ||
エンジン | 660cc 直列3気筒ターボエンジン | ||
駆動方式 | 4WD | ||
トランスミッション | 5速MT / 4速AT | ||
燃費(WLTCモード) | 5速MT:16.6km/L 4速AT:14.3km/L |
||
最小回転半径 | 4.8m |
デザインがかっこいい
ジムニーのデザインは、無骨でスクエアなフォルムと丸型ヘッドライトが織りなす独自の存在感が特徴です。
軽自動車ながら本格クロカンらしい力強さを感じさせ、街中やアウトドアなど、どこで使用しても映えるかっこいいデザインが魅力です。
さらにインテリアは水平基調でシンプルにまとめられ、操作性を重視した機能美が際立ちます。
悪路走行が得意
燃費の項目でも触れましたが、ジムニーは低速時にパワーを発揮してくれる構造のため、悪路走行が非常に得意です。
また、パートタイム4WDを利用して四輪走行に切り替えることで、タイヤすべてにしっかりと力が伝わり、砂利道や雪道、ぬかるみといった路面でも安定した走りを実現します。
軽自動車ながら本格派SUVのようなオフロード性能を持つところは、ジムニーならではの大きな魅力と言えるでしょう。
コンパクトなのに使い勝手がよい
ジムニーはコンパクトサイズなので、狭い道での走行や駐車時などでも取り回ししやすく、都市部や郊外に限らず運転しやすい車です。
また、軽自動車ながら積載性も優れており、アウトドアやレジャーといった趣味で使用する際にも活躍できます。
そのため、日常使いから休日のアクティブシーンまで幅広く対応できる、万能な1台と言えるでしょう。
運転席からの視認性も高い
ジムニーは、一般的な軽自動車と高さを比較すると、全高と最低地上高とともに10cm程度高めに設計されています。
また、Aピラーやドアミラーの位置と角度が調整されており、運転席からの死角を減らすことに成功しています。
これらにより、運転席からの視認性が非常に高くなり、運転時の安全性も期待できるでしょう。
リセールバリューが高い
ジムニーは、リセールバリューが高いことでも好評があります。
具体的には、購入から5年経過しても残価率が100%を切らないグレードも存在するほどです。
このリセールバリューの高さから、燃費性能は低くてもコストパフォーマンスのよい車として手に入れるユーザーも多数います。
ジムニーの価格
ジムニーの燃費を調べている方の中には、同時に価格も知りたいと思っている方も多いでしょう。
ここでは、新車価格や中古車価格について詳しく見ていきましょう。
ジムニーの新車価格
ジムニーの新車価格は、次のとおりです。
グレード | トランスミッション | 価格 |
XG | 5速MT | 1,654,400円 |
4速AT | 1,753,400円 | |
XL | 5速MT | 1,780,900円 |
4速AT | 1,879,900円 | |
XC | 5速MT | 1,903,000円 |
4速AT | 2,002,000円 |
ジムニーの新車価格は、ほとんどのグレードが100万円代となっており、手に入れやすい価格帯と言えます。
ジムニーの中古車価格
ジムニーの中古車価格は、次のとおりです。
トランスミッション | 価格 |
5速MT | 340,000〜4,500,000円 |
4速AT | 190,000〜4,500,000円 |
中古車になると価格の幅が広がりますが、新車価格より高い車両も存在します。
ジムニーを燃費で選ぶなら新車がおすすめ
ジムニーを購入する際に、「燃費で選ぶなら新車がよいのか、それとも中古車か」で迷ったら、新車購入をおすすめします。
なぜなら、現時点で燃費がもっとも優れているのは現行ジムニーだからです。
実際の燃費性能は旧型と比較しても大きな差はないかもしれませんが、それでも長く使用すると現行のほうが燃費によるメリットが大きいのも事実です。
また、リセールバリューのことを考えても新車を購入したほうが、結果的に得するケースが多くなるでしょう。
2025年4月に発売されたジムニー ノマドの燃費もチェックしよう!
ジムニーは、乗用車として登場した「ジムニー シエラ」のほかに、2025年4月に「ジムニー ノマド」が登場しました。
ジムニー ノマドは、従来のジムニーの3ドアが5ドア仕様となり、全長や室内長が大幅にサイズアップしています。
これにより後部座席の空間が広がり、後席の快適性が上がり、収納スペースも拡大されました。
気になる燃費は、5速MTで14.9km/L、4速ATで13.6km/L(WLTC)と、ボディサイズがジムニーやジムニー シエラよりもサイズアップすることで、少し低めの数値となっています。
とはいえ、悪路走行性能やパートタイム4WDはしっかりと受け継がれていますので、より実用性が向上した車と言えます。
まとめ
この記事では、ジムニーの燃費を現行・旧型モデル、ライバル車と詳しく比較し、燃費が悪いと言われる理由や、燃費を向上させるポイント、燃費以外の魅力について紹介しました。
ジムニーは燃費だけを見ると他の軽自動車より劣る面もありますが、それ以上に優れた走破性やデザイン性、そして使い勝手の良さがあります。
街乗りからアウトドアまで幅広く活躍できるため、単なる移動手段を超えて、日常と趣味の両方を豊かにしてくれる存在と言えるでしょう。
総合的に考えれば、ジムニーは長く付き合いたくなる魅力ある1台と言えます。