軽自動車は、普通自動車と比べると維持費が安いといわれており、維持費を重視して軽自動車を選ぶ方もいるでしょう。
維持費の中には、ガソリン代や税金のほかに車検費用も含まれます。
軽自動車も普通自動車と同じように、基本的に新車登録から3年、初回以降は2年ごとに車検を受けなければなりません。
本記事では、軽自動車の車検費用の相場や普通車との差額、金額を抑える方法について解説します。
軽自動車の車検費用について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
軽自動車の車検費用はいくら?
ここでは、軽自動車の車検費用の相場や、普通自動車との金額の差についてご紹介します。
車検費用の内訳
車検費用の内訳は、法定費用・車検基本料・部品交換費用です。
それぞれの費用について解説します。
法定費用
法定費用には、自動車重量税・自賠責保険料・印紙代が含まれています。
法定費用は車両重量や年式、環境性能などの条件に応じて国によって決められており、どの業者で車検を受けても値段は変わりません。
軽自動車の自動車重量税は、次回の車検までの2年分をまとめて納税しますが、費用は以下のとおりです。
エコカー | 5,000円 |
エコカー対象外(初年度登録から13年未満) | 6,600円 |
エコカー対象外(13年経過) | 8,200円 |
エコカー対象外(18年経過) | 8,800円 |
自賠責保険料も、次回までの車検とまとめて24ヶ月契約とし、車検を受けるごとに更新するのが一般的です。
軽自動車の自賠責保険料は沖縄県を除く離島以外の地域では、17,540円と決められています。
印紙代は以下の表のとおりです。
自動車検査登録印紙 | 自動車審査証紙 | |
持込検査(認証工場) | 1,800円 | 400円 |
保安基準適合証の提出
(指定工場) |
1,400円
(オンライン:1,200円) |
400円 |
ただし、年度によって設定額が変動するため、車検を受ける年の最新情報を確認してください。
車検基本料
車検基本料とは24ヶ月法定点検料金や検査代行手数料、保安確認検査料などの検査や点検にかかる費用で、代車費用が含まれることもあります。
車検基本料は、車検を受ける業者によって値段が異なるのが特徴です。
その代わりに、含まれる整備やサービス内容も異なるため、複数の業者に見積もりを提示してもらい、車検を受ける業者を決めると良いでしょう。
部品交換費用
部品交換費用とは、点検の結果、部品の交換が必要になった場合の部品代と工賃です。
部品交換費用も車検を受ける業者によって異なり、車の状態によっても変動します。
一般的に、ディーラーで車検を受けると高額になりやすく、カー用品店や中古車販売店は費用を抑えられる傾向にあります。
それぞれの業者の特徴は、後述しています。
普通自動車との費用の差
普通自動車よりも軽自動車のほうが、車検費用は抑えられるといいますが、どのくらいの金額差があるのか気になる方もいるでしょう。
普通自動車と軽自動車の車検費用の費用の差を、以下の表にまとめたのでご覧ください。(エコカーを除く。)
費用(普通自動車) | 費用(軽自動車) | ||
法定費用 | 自動車重量税 | 車によって異なる | 6,600円~8,800円 |
自賠責保険料 | 20,010円 | 19,730円 | |
印紙代 | 1,800円・2,300円 | 1,800円・2,200円 | |
車検基本料 | ディーラー | 70,000円~100,000円 | 60,000円~80,000円 |
カー用品店 | 15,000円~45,000円 | 10,000円~40,000円 | |
民間の整備工場 | 30,000円~80,000円 | 25,000円~70,000円 | |
ガソリンスタンド | 15,000円~35,000円 | 15,000円~35,000円 | |
部品交換代 | 車によって異なる | 車によって異なる | 車によって異なる |
なお、車検基本料の相場は目安のため、参考程度にお考えください。
自動車重量税は車種によって異なりますが、普通自動車の2年分の自動車重量税は、以下のとおりです。(エコカーを除く。)
車両重量 | エコカー以外(13年未満) | エコカー以外(13年経過) | エコカー以外(18年経過) |
0.5t | 8,200円 | 11,400円 | 12,600円 |
~1t | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 |
~1.5t | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 |
~2t | 32,800円 | 45,600円 | 50,400円 |
~2.5t | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 |
~3t | 49,200円 | 68,400円 | 75,600円 |
軽自動車が最大でも1万円を切るのに対し、普通自動車は最大で7万5,000円以上もするため、自動車重量税は金額差が大きいといえます。
車検費用の合計金額は、2〜3万円程度軽自動車の方が安くなります。
軽自動車の車検費用の支払いは現金のみ?
軽自動車の車検費用は基本的には現金払いですが、クレジットカード支払いが可能な店舗もあります。
しかし、クレジットカード払いに対応している店舗でも全額払えない可能性があり、特に車検費用に含まれる法定費用は、クレジットカード支払いできないケースがほとんどです。
なぜなら、法定費用は国や保険会社に支払われる費用のため、業者への利益が含まれていないからです。
クレジットカードの手数料を業者側が負担しなければいけないため、現金支払いを求められるケースがほとんどです。
そのため、クレジットカードで支払うつもりでも、念のため現金も用意していきましょう。
なお、クレジットカードの支払いの可否は、公式サイトや店頭でアナウンスしていることがほとんどのため、車検に行く前に確認しておくと安心です。
軽自動車の車検依頼先と特徴
法定費用は業者に関係なく決められていますが、車検基本料は業者によって異なります。
そのため、金額とサービス内容などを比較し、慎重に業者を選ぶことが大切です。
軽自動車の車検依頼先は、以下のとおりです。
- ・ディーラー
・車検専門店
・ガソリンスタンド
・整備工場、中古車販売店
・軽自動車検査協会
それぞれの特徴について、ご紹介します。
ディーラー
ディーラーは自社の車を取り扱う専門家であるため、知識や経験が豊富です。
高品質なサービスを提供しており、依頼人も安心して任せられるでしょう。
また、整備保証が付いてくるため、将来的なことを考慮すると安心できるのが魅力です。
一方で、部品交換がある場合は純正品を利用するため、費用が高額になる傾向にあります。
費用が高くなっても安心感や保証、アフターサービスなどの充実度を重視する場合は、ディーラーを選びましょう。
車検専門店
車検専門店は、車検サービスに特化した業務を行っている業者です。
幅広いメーカーや車種に対応しておりに、車検基本料を安価に設定している業者が多い傾向にあります。
検査スピードが早く、整備内容は予算に応じて多様なメニューが用意されています。
たとえば、最低限の修理・交換のみを行うコースや、不具合が発生しそうな箇所を中心に点検するコースなど、さまざまです。
予算やニーズに応じて、複数の選択肢が用意されている点がメリットです。
ただし、車検専門店のため、予防目的の部品交換などの整備は積極的に行っていない点には、注意が必要です。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドでも車検を行っている場合があり、給油や洗車ついでに車検の見積もりを取ることができます。
普段からガソリンを入れに行ったり、洗車を行ったりする際に見積もりを依頼できるため、利用しやすいのがメリットです。
また、車検基本料もお手頃な価格に設定されており営業時間が長いことからスケジュールが立てやすく、ガソリン代の割引きや洗車サービスなどの特典を受けられることもあります。
ただし、工場を持たない場合は別の場所で整備や車検を行うため、日数がかかってしまうかもしれません。
指定整備工場を保有していれば、短期間で対応している場合もあるため、事前に期間は確認しておきましょう。
また、車検を専門に扱っていないケースもあり店舗によってサービス内容に差が生じるため、口コミや評価などをあらかじめ調べるなど、店舗は慎重に選びましょう。
整備工場・中古車販売店
整備工場や中古車販売店は、少人数体制の店舗が多いため、整備士に相談しやすい点がメリットです。
細かい要望があったり疑問が生じたりした場合でも、その場で確認しやすいでしょう。
ただし、店舗によって車検基本料やサービス内容、技術力にばらつきがあるため、慎重に選ぶ必要があります。
信頼できる業者を見つけるためには、口コミやオンラインでの評価を確認するのが効果的です。
また、事前に見積もりを複数取ることで、費用面でも比較がしやすくなります。
軽自動車検査協会
軽自動車検査協会に持ち込んで、自分で車検を行う方法もあります。
ディーラーやカー用品店などの業者に車検を代行せず、自分で車検を行うことをユーザー車検といいます。
ユーザー車検は法定費用のみで実施できるため、大幅に費用を抑えられる点がメリットです。
しかし、軽自動車検査協会は土日祝と年末年始が休みで、平日しか対応しておらず、業務受付時間は8時45分~11時45分・13時00分~16時00分と限られています。
平日の日中に仕事をしている場合は、スケジュール調整が難しいでしょう。
さらに、ユーザー車検は事前に必要な書類を用意するほかに、点検や整備状況も自分で行わなければいけません。
車の知識や経験がない方にはハードルが高いため、プロに依頼するほうがよいでしょう。
車検費用を抑える方法
車検費用は高額になりやすいため、できる限り費用を抑えたいと考える方も多くいるでしょう。
車検費用を抑える方法は、以下のとおりです。
- ・複数の業者に見積もりを取る
・定期的にメンテナンスを行う
・部品交換は中古・リビルト部品にする
・新車登録から10年以上経過している場合は乗り換えを検討する
それぞれの方法について、解説します。
複数の業者に見積もりを取る
1つ目の方法は、複数の業者に見積もりを取ることです。
法定費用以外は、業者によって料金が異なるため、車検にかかる費用を抑えられる場合があります。
そのため、車検の見積もりは1社だけでなく、複数の業者から取ることをおすすめします。
また、車検の依頼先を決める際には車検の合計金額だけでなく、整備やサービス内容も比較して決めるようにしましょう。
定期的にメンテナンスする
2つ目の方法は、定期的にメンテナンスをすることです。
定期的にメンテナンスをすることで、車検時に発生する部品交換代を抑えることが可能です。
たとえば、エンジンオイル交換や、ウインカー・バッテリーなどの消耗品を定期的に点検し交換しておけば、車検時に大きな費用がかかるのを防げます。
また、日頃から運転の仕方も気を付けるのも重要なポイントです。
急ブレーキや急発進の頻度が高いと、あらゆる部品に負荷がかかり、部品の劣化や消耗が進みます。
そのため、日頃からゆっくりとしたブレーキ・発進を心がけ、部品の交換頻度を避けましょう。
部品交換は中古・リビルト部品にする
3つ目の方法は、部品交換は中古やリビルド品にすることです。
部品交換をする際に新品や純正品を使用せず、中古やリビルド部品を使用することで、車検費用を抑えられます。
リビルド部品とは、以前は他の車に使用されていたものの、分解や洗浄、消耗部品の交換を経て検査を受けた部品です。
中古部品より値段はやや高くなりますが、きとんと点検し消耗部品も交換されている点が利点です。
新品や純正品にこだわりがなく、費用を抑えたい方は検討してみましょう。
新車登録から10年以上経過している場合は乗り換えを検討する
新車登録から10年以上経過している車は、乗り換えを検討するのも1つの方法です。
10年を超えると、部品の劣化や消耗で故障のリスクが高まるからです。
車検のたびに部品交換を繰り返すと、相場より高くなるかもしれません。
新型の車に乗り換えることでエコカー減税の恩恵を受けられたり、燃費が向上してガソリン代を抑えられたりする場合があります。
よって、新車登録から10年以上経過している場合は、車検に通さず乗り換えることも検討してみましょう。
まとめ
軽自動車は普通自動車よりも維持費が安価であり、車検費用も安く済むことがほとんどです。
車の状態や初年度登録からの年数によっても異なりますが、普通自動車と比較すると、車検費用は合計で2万円~3万円程度の差が開きます。
軽自動車の車検依頼先はディ―ラ―や車検専門店、ガソリンスタンドなど、さまざまです。
ただし、依頼先によって車検にかかる費用の総額が異なるため、複数社から見積もりを取ることをおすすめします。
また、自分で車検を行うユーザー車検も選択肢の1つですが、車の知識がない方には難しいでしょう。
軽自動車の車検費用を抑えるには、定期的にメンテナンスを実施したり、中古品やリビルド部品を利用する方法があります。
そして、多くの部品交換が必要になり、車検費用の相場よりも高くなる場合は、乗り換えを検討しても良いでしょう。