国内トップクラスの販売台数を誇るホンダのN-BOX。
ファミリー層や日常使いを重視する方に人気ですが、「燃費が悪いのでは?」といったユーザーからの声も耳にします。
この記事では、N-BOXの詳しい燃費数値からライバル車との比較を詳しく紹介します。
燃費をよくする方法や維持費も紹介するので、N-BOXの詳しい燃費を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
ホンダのN-BOXはどんな車?
ホンダから発売されている「N-BOX」は、軽自動車ながらも広々とした室内サイズが人気の車です。
2011年12月に初代が登場し、その後フルモデルチェンジを2回、マイナーチェンジや一部改良を18回繰り返し、3代目である現行モデルは2023年10月に発売されています。
ここでは、燃費数値を紹介する前にスペックや特徴について紹介していきます。
N-BOXのスペックと特徴
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,790〜1,815mm | |
室内サイズ(全長×全幅×全高) | 2,125mm×1,350mm×1,400mm | |
ホイールベース | 2,520mm | |
エンジン | 水冷直列3気筒 | |
排気量 | 660cc | |
駆動方式 | 2WD・4WD | |
燃費(JC08モード) | 20.2〜21.6km/L |
ホンダのN-BOXは、ボディの全高が1,790〜1,815mm、室内の全高が1,400mmという、高さが人気の軽自動車です。
ホイールベースは2,520mmと大きめの長さになっており、加えてエンジンルームの効率的な設計により、大人4人が乗車しても快適に過ごせる室内空間となっています。
室内は子どもが立って移動できるほどのサイズ感で、さらに後部ドアにスライドドアを採用することで、子どもを持つファミリーに特に支持されています。
N-BOXは3つのタイプがある
N-BOXには、大きく分けて3つのタイプが用意されています。
- ・ベーシックモデルの「標準ボディ」
・エアロパーツ搭載の「カスタム」
・SUVのような見た目「ジョイ」
それぞれデザインが大きく異なるところが特徴です。
標準ボディは誰もが手に取りやすい見た目が特徴で、カスタムはエアロパーツを搭載したことでスポーティなデザインとなっています。
ジョイはSUVのような見た目とチェック柄の内装が魅力です。
なお、カスタムとジョイモデルのみターボ車が選択できます。
現行N-BOXの燃費はどのくらい?
ここからは、本題であるN-BOXの燃費数値を見ていきましょう。
まずは、現行モデルの詳しい燃費を確認していきます。
新型N-BOXのカタログ燃費
カタログ燃費は、次のとおりです。
グレード | カタログ燃費(WLTCモード) | ||
2WD | 4WD(E-Four) | ||
N-BOX 標準ボディ |
– | 21.6km/L | 19.4km/L |
N-BOX ジョイ |
ジョイ | 21.3km/L | 19.3km/L |
ターボ車 | 20.2km/L | 18.4km/L | |
N-BOX カスタム |
カスタム | 21.5km/L | 19.4km/L |
ターボ車 | 20.3km/L | 18.4km/L |
全体で見ると、どのグレードも20.0km/L程度の燃費となっています。
通常タイプは、どのグレードもそこまで大きな差は見られず、ターボ車に関しても同じ燃費数値でした。
新型N-BOXの実燃費
新型モデルの実燃費についても見ていきましょう。
燃費調査サイト「e燃費」によると、以下の結果が出ています。
グレード | 実燃費 | ||
2WD | 4WD(E-Four) | ||
N-BOX 標準ボディ |
– | 15.05km/L | 13.05km/L |
N-BOX ジョイ |
ジョイ | 15.05km/L | 13.05km/L |
ターボ車 | 14.63km/L | 14.68km/L | |
N-BOX カスタム |
カスタム | 15.05km/L | 13.05km/L |
ターボ車 | 14.63km/L | 14.68km/L |
実燃費を全体的に見ると、14.5〜15.0km/L程度となっており、カタログ燃費より3.5〜5.0km/L低い数値となっています。
また、通常タイプとターボ車では、グレードそれぞれ同じ数値となっています。
旧型N-BOXの燃費はどのくらい?
N-BOXの燃費を調査している方は、旧型モデルと比較したい方も多いと思います。
ここでは、2011年に登場した初代と、2017年に登場した2代目の詳しい燃費数値を紹介していきます。
旧型N-BOXのカタログ燃費
まず、カタログ燃費が次のとおりです。
グレード | カタログ燃費(JC08モード) | ||
2WD | 4WD(E-Four) | ||
初代 | – | 24.4〜25.6km/L | 23.8〜24.8km/L |
ターボ車 | 22.6〜23.8km/L | 21.0〜21.8km/L | |
2代目 | – | 27.0km/L | 25.4km/L |
ターボ車 | 25.0〜25.6km/L | 23.4km/L |
旧型モデルを比較すると、やはり2代目モデルのほうが高い燃費数値となっています。
とはいえ、それぞれ2.0km/L程度の差ですので、大きく向上したとは言えないでしょう。
現行モデルと比べると、燃費数値の測り方が異なるため単純比較にはなりませんが、通常JC08モードのほうが高い数値であることを考慮しても、そこまで大きく変わらないと言えるでしょう。
旧型N-BOXの実燃費
次に、旧型モデルの実燃費を見ていきましょう。
グレード | 実燃費 | ||
2WD | 4WD(E-Four) | ||
初代 | – | 14.28km/L | 17.16km/L |
ターボ車 | 12.89km/L | 10.48km/L | |
2代目 | – | 15.93km/L | – |
ターボ車 | 14.32〜14.38km/L | – |
旧型モデルの実燃費では、初代と2代目とともにカタログ燃費と比較すると、大きく下がる結果となっています。
また、初代の通常タイプは2WDよりも4WDのほうが優れた数値が記録されています。
N-BOXのとライバル車の燃費を比較
N-BOXの燃費を調査している方は、ライバル車との比較も知りたいポイントだと思います。
以下に、ライバル車である3車種との比較を紹介しますので、参考にしてください。
エンジン・駆動方式 | スペーシア | タント | デリカミニ | N-BOX |
通常タイプ・2WD | 23.9〜25.1km/L | 21.9〜22.7km/L | 20.9km/L | 21.3〜21.6km/L |
通常タイプ・4WD | 22.4km/L | 21.4km/L | 19.0km/L | 19.3〜19.4km/L |
ターボ・2WD | 21.9km/L | 21.2km/L | 19.2km/L | 20.2〜20.3km/L |
ターボ・4WD | 19.8km/L | 19.6km/L | 17.5km/L | 18.4km/L |
4車種を比較するとスペーシアがもっとも燃費が優れており、次いでタント、N-BOX、デリカミニの順番となっています。
とはいえ、どの車も大きな差はないので、運転次第で変わってくると言えるでしょう。
N-BOXの燃費を良くする方法
一つ前の章で紹介したように、N-BOXの燃費はライバル車と比べても、そこまで大きな差はなく、運転の仕方やメンテナンス状況によって変わってきます。
では、燃費をよくするためには、どのような方法があるのでしょうか。
以下に、5つの方法を紹介しますので、ぜひ取り入れてみてください。
省エネ運転を心がける
N-BOXの燃費を良くするためには、まず省エネドライブを意識しましょう。
省エネドライブを意識すれば、無駄な燃料消費を防ぎつつ、車にとってもよい影響が与えられます。
具体的な方法は、以下のとおりです。
発進時はゆっくりアクセルを踏む
加速時もゆっくりアクセルを踏む
減速時はなるべくエンジンブレーキを活用する
アイドリングストップを活用する
反対に運転時の急発進や急アクセル、急ブレーキは、燃費を悪化させてしまう原因となりますので、焦らずゆっくりを意識して運転することが大切です。
日頃のメンテナンスを行う
メンテナンスをしない車は、本来できるはずの性能を発揮できなくなりますので、燃費が悪化してしまう可能性があります。
そのため、日頃のメンテナンスを行うことが重要です。
特にエンジンオイルやエアフィルターは、劣化してくるとエンジンに負担がかかりやすくなるため、定期的にチェック・交換しておきましょう。
使わない荷物は降ろす
車の燃費は、車両重量が重いほど悪くなってくるため、使用していない荷物があれば降ろしておくことをおすすめします。
N-BOXは、収納スペースが広いため、ついつい荷物をそのままにしがちです。
特にアウトドアやゴルフなど重い荷物を積み込むことの多い方は、できるだけ降ろすようにしましょう。
定期的にタイヤの空気圧をチェックする
車の燃費は、タイヤの空気圧によっても影響してきます。
通常、タイヤの空気圧は走行するほど抜けていき、適正空気圧より低くなると、タイヤの表面積が広くなり、地面との抵抗が大きくなるため燃費も悪くなります。
空気圧のチェックは1ヶ月に1度程度でよいとされていますので、燃料を入れるついでに行うなど、定期的に確認しましょう。
エアコンの使い方にも注意する
車のエアコンは燃料を使用して稼働するため、走行中に使用すると、燃費が悪化しやすくなります。
特に過度な温度設定は、燃費を大きく低下させる要因となります。
使用がダメというわけではありませんが、過度な温度設定を避け、適切な使い方をすれば燃費も抑えられ、余計な燃料消費を防ぎつつ快適に過ごせるでしょう。
N-BOXの価格と維持費はどのくらい?
N-BOXの燃費が知りたい方は、車両価格や維持費も知っておくべきポイントです。
ここで詳しく紹介していますので、購入する際の参考にしてください。
N-BOXの新車価格
グレード | 新車価格 | ||
2WD | 4WD(E-Four) | ||
N-BOX | 標準ボディ | 1,739,100〜1,898,600円 | 1,872,200〜2,031,700円 |
N-BOX | ジョイ | 1,899,700円 | 2,032,800円 |
ターボ車 | 2,108,700〜2,191,200円 | 2,241,800〜2,324,300円 | |
N-BOX | カスタム | 1,923,900〜2,229,700円 | 2,057,000〜2,362,800円 |
ターボ車 | 2,129,600〜2,341,900円 | 2,262,700〜2,475,000円 |
新車価格は安価なモデルで170万円台、高価なモデルで240万円台となっています。
N-BOXは、モノトーンやツートーンといったデザインも豊富にあるため、種類によっても価格が異なってきます。
N-BOXの中古車価格
グレード | 中古車価格 | ||
2WD | 4WD(E-Four) | ||
N-BOX 標準ボディ | 80,000〜2,898,000円 | 158,000〜2,898,000円 | |
N-BOX ジョイ | 1,559,000〜3,893,000円 | 1,790,000〜2,750,000円 | |
N-BOX カスタム | 160,000〜2,850,000円 | 150,000〜2,740,000円 |
中古車であれば、通常のN-BOXとN-BOXカスタムのみ数万円から15万円程度で購入できるモデルもありました。
ただし安いモデルは、年式が古いものや、走行距離が20万キロに近いものなど、車両状態が良好なものばかりではありませんので、よく考えてから判断しましょう。
N-BOXの維持費
燃料費(1L/170円) | 78,704〜92,391円 | |
自動車税(1年) | 10,800円 | |
車検費用(1年) | 31,500円 | |
自賠責保険(12ヶ月) | 19,730円 | |
合計 | 140,734〜154,421円 |
※免税は含まれていません。
※燃料費は170円、1年10,000kmで計算
※自賠責保険は24ヶ月を1年分にして計算
N-BOXの1年間にかかる維持費は、およそ140,734〜154,421円となっています。
燃料費のみ2WDか4WDのどちらを選ぶかによって異なってきますが、そのほかの項目に関しては同じ金額となります。
N-BOXは燃費以上に魅力が多い
N-BOXは、軽自動車らしい燃費が特徴となっていますが、それ以上に魅力が詰まった車です。
ここからは、N-BOXの具体的な魅力を6つ紹介していきます。
軽なのに室内空間が広い
冒頭でも紹介しましたが、N-BOXはそのほかの軽自動車と比べて高さがある車です。
室内高は1,400mmあり、子どもであれば立って移動できるほどの高さを誇っています。
また、ホイールベースも2,520mmと軽自動車の中で最大級の長さとなっており、大人が座っても余裕のある空間が確保されています。
取り回しが良く運転しやすい
N=BOXは、軽自動車らしい取り回しの良さも魅力です。
最小回転半径は4.5mと小さいと言える設計で、カーブはもちろん、狭い道の走行や駐車時も楽に行えます。
さらに、ハンドル操作も軽めに設定されているので、長時間の運転でも疲れにくいところが魅力となっています。
安定した走行と充実した安全装備
N-BOXは軽スーパーハイトワゴンながらも走行の安定感が高く、日常の街乗りから高速走行まで安心感のあるドライブを提供してくれます。
操舵への反応もスムーズで、取り回しの良さと安定性を両立している点が魅力です。
さらに、安全装備には「Honda SENSING」を全車標準搭載し、衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能など多彩な先進安全装備を備えています。
室内の快適性も高い
N-BOXの室内は水平基調のデザインが特徴で、トップの高さが低めに設定されていることから小柄であっても前方が見えやすい設計です。
操作レバーやエアコンのスイッチも、操作しやすいように高い位置に備えられています。
シートのクッション性も優れているので快適性も優れています。
しかし、後部座席の高さのみ低めに設計されているので、身長の高い方は注意が必要です。
荷室も広く積み込みもしやすい
N-BOXは、バックドアからの荷物の出し入れもスムーズに行えます。
通常、軽自動車の燃料タンクは、後部座席下あたりに位置しており、その結果荷室サイズが小さめになりがちです。
しかし、N-BOXは前席下あたりに燃料タンクを持ってくることで、荷室の床を低くし、荷物の出し入れが楽にできます。
デザインは親しみやすさがある
N-BOXのデザインは、誰もが選びやすい親しみやすさがあるところが特徴です。
シンプルなカラーはもちろん、軽らしい可愛いフォルムは、どの年代でも選びやすいでしょう。
また、モノトーンやツートーンを含めた豊富なカラーを選択できるところも魅力で、自分にぴったりの1台を見つけやすい車と言えます。
まとめ
この記事では、ホンダのN-BOXの燃費数値を現行・旧型で詳しく紹介し、ライバル車との比較や燃費向上のポイント、維持費などを解説してきました。
N-BOXは、軽自動車でありながら室内空間の広さや快適性に優れ、さらに燃費性能も高いバランスの取れた1台です。
日常の買い物から家族での長距離ドライブまで、幅広いシーンで経済的に活躍できるのが魅力といえるでしょう。
購入を検討している方は、本記事を参考に自分に合った1台を見つけてください。