軽自動車を含め自動車の購入にかかる費用は、車両本体価格だけではありません。
軽自動車の新車購入には諸経費がかかります。
しかし、諸経費といっても何が含まれるのか分からないという方もいるでしょう。
そこで本記事では、軽自動車の新車購入にかかる諸経費の内訳、抑える方法などをご紹介します。
軽自動車の新車購入にかかる諸経費でお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。
自動車購入における「諸費用」とは
自動車購入は、販売諸費用、預かり法定費用、税金、保険料などさまざまな項目に分けられ、それぞれ費用が発生します。
まず、自動車購入には車両本体価格、オプション費用、ボディカラー費用などがかかりますが、それらとは別でかかる費用のことを「諸費用」といいます。
諸費用は大きく分けて「法定費用」と「代行費用」のふたつに分けられます。
軽自動車の新車購入にかかる諸費用➀「法定費用」
ここでは、軽自動車の新車購入にかかる諸経費の「法定費用」について解説します。
法律で定められた費用で、軽自動車の新車購入にかかる法定費用の内訳は以下のとおりです。
- ・軽自動車税
・自動車重量税
・環境性能割
・消費税
・自賠責保険料
・リサイクル料金
それぞれ解説します。
軽自動車税
軽自動車税は、軽自動車を所有するすべてのユーザーが納付しなければならない税金です。
普通自動車の税金とは異なり、軽自動車税は一律で10,800円と決まっています。
軽自動車税は毎年4月1日時点で軽自動車を所有するユーザーに課せられるため、4月2日以降に購入した場合は初年度は支払う必要がありません。
また、2021年4月1日〜2023年3月31日に購入した軽自動車で、グリーン化特例が適用される車種は減税対象です。
自動車重量税
自動車重量税は、自動車の重量に応じて課せられる税金です。
軽自動車の場合は、エコカーが年間2,500円、それ以外は年間3,300円と決まっています。
新車購入時に初回の車検までの自動車重量税を支払い、それ以降は車検の度に次回の車検までの税金を払う仕組みです。
また、2023年4月30日までに購入した車で、エコカー減税が適用される車種は減税対象になります。
環境性能割
環境性能割は、自動車を取得した際に課せられる税金です。
かつて課せられていた取得税に代わる税金で、車の環境負荷に応じて税率が異なります。
軽自動車の環境性能割は、2021年12月31日までが非課税〜取得価格の1%、2022年1月1日以降が非課税〜取得価格の2%です。
消費税
車の購入にも消費税がかかります。
車両本体価格だけでなく、付属品やオプションも消費税の対象です。
消費税の税率は、2024年11月現在一律で10%と定められています。
自賠責保険料
自賠責保険料は、法律で加入が義務付けられている自動車保険です。
加入していないと公道を走行できません。
車検と同時に自賠責保険を更新する方が多く、次回の車検までの期間に応じた加入月数分を支払います。
たとえば、24ヶ月が19,730円、36ヶ月は26,760円です。
リサイクル料金
リサイクル料金は、新車購入時に支払うことが義務付けられている、廃車処分で必要な費用です。
料金は車種によって異なりますが、軽自動車は6,000円〜10,000円程度かかります。
軽自動車の新車購入にかかる諸費用②「代行費用」
ここでは、軽自動車の新車購入にかかる諸経費の「代行費用」について解説します。
車のさまざまな手続きを販売店に代行してもらう際に必要な費用で、軽自動車の新車購入にかかる代行費用の内訳は以下のとおりです。
- ・検査登録手続費用
・車両届出手数料
・車庫届出手数料
・納車費用
・希望ナンバー代行費用
・任意保険料
・下取り費用
それぞれ解説します。
検査登録手続費用
検査登録手続費用は、自動車の登録をする際に必要な費用です。
軽自動車の場合は手数料として10,000円〜30,000円程度で、軽自動車検査協会で検査や登録を行います。
自分で行う場合には、3,000円程度に抑えられますが、書類の用意や仮ナンバーの取得などざまざまな手続きに時間も手間もかかるため、販売店やディーラーに依頼するのが一般的です。
車両届出手数料
車両届出手数料は、ナンバープレートを取得する際に必要な費用です。
販売店やディーラーに代行してもらう場合は10,000円〜30,000円程度かかり、軽自動車検査協会で手続きを行います。
自分で行う場合は1,100円〜1,400円に抑えられますが、検査の予約、臨時ナンバーの取得、車両の持ち込みや書類の用意などを行うため、非常に時間も手間もかかります。
車庫届出手数料
軽自動車は、一般的に車庫証明を取得する必要はありませんが、地域によっては管轄の警察署で車庫届け出を行わなければなりません。
販売店やディーラーに代行してもらう場合には手数料として10,000円〜20,000円程度かかりますが、自分で行う場合は500円〜600円程度に抑えられます。
納車費用
納車費用は、販売店から納車場所まで車を運ぶための費用です。
金額は販売店からの距離によって異なりますが、目安は5,000円〜30,000円程度とされています。
自分で店舗へ取りに行く場合は、納車費用はかかりません。
希望ナンバー代行費用
希望ナンバー代行手数料は、好きなナンバーのナンバープレートを取得する際に必要な費用です。
販売店やディーラーに代行してもらう場合は、手数料として5,000円〜10,000円程度かかります。
自分で行う場合は、希望ナンバーの種類によって料金が異なり、黄色ナンバーの希望ナンバーは4,500円、白ナンバーの希望ナンバーは12,000円〜14,000円程度です。
自分で行う場合には、管轄の地域の希望ナンバー予約センターに連絡またはインターネットからの申し込みをします。
任意保険料
任意保険は、義務である自賠責保険とは別で加入する保険です。
自身が契約する内容によって補償範囲は異なり、車種や年齢、契約内容により料金は変動します。
下取り費用
下取り費用は、ディーラーに下取り査定を依頼する際にかかる費用です。
中古買取業者などは無料で査定してもらえるところが多いですが、ディーラーでは5,000円~10,000円程度査定料がかかることがあります。
自動車に関わる税金が減税・増税になるケース
ここでは、自動車に関わる税金が減税・増税になるケースをご紹介します。
エコカー減税
エコカー減税とは、環境性能の高い車の自動車重量税と環境性能割が軽減される措置です。
エコカー減税の対象となる車は、電気自動車、燃料電池自動車、ハイブリッド車などがあります。
2026年4月30日までを対象としており、2024年1月〜2026年4月末までの減税となる割合は以下のとおりです。
なお、減税となる割合は、2030年燃費基準に対する達成率により設定されています。
期間 | エコカー減税 | ハイブリッド車・ガソリン車・ディーゼル車 | 電気自動車等 |
2024年1月~2025年4月末 | 2030年度燃費基準+60%達成車 | 軽減なし | 免税 |
2030年度燃費基準+70%達成車 | 25%減税 | ||
2030年度燃費基準+75%達成車 | 25%減税 | ||
2030年度燃費基準+80%達成車 | 50%減税 | ||
2030年度燃費基準+90%達成車 | 免税 | ||
2030年度燃費基準+100%達成車 | 免税 | ||
2030年度燃費基準+120%達成車 | 免税(初回車検含む) | ||
2030年度燃費基準+125%達成車 | 免税(初回車検含む) | ||
2025年5月~2026年4月末 | 2030年度燃費基準+60%達成車 | 軽減なし | 免税 |
2030年度燃費基準+70%達成車 | 軽減なし | ||
2030年度燃費基準+75%達成車 | 本則税率 | ||
2030年度燃費基準+80%達成車 | 25%減税 | ||
2030年度燃費基準+90%達成車 | 50%減税 | ||
2030年度燃費基準+100%達成車 | 免税 | ||
2030年度燃費基準+120%達成車 | |||
2030年度燃費基準+125%達成車 |
グリーン化特例
グリーン化特例は、環境性能が優れた車の軽自動車税が軽減され、環境性能の悪い車は増税される措置です。
エコカー減税とよく似ていますが、減税される税金の区分が異なります。
グリーン化特例適用期間中に新車登録を行った場合は、登録を行った翌年度の自動車税が減税対象となります。
2026年3月31日までを対象としており、2024年1月〜2026年3月末までの減税となる割合は以下のとおりです。
なお、減税となる割合は、2030年燃費基準に対する達成率により設定されています。
グリーン化特例 | |
2030年度燃費基準+70%達成車 | 約50%減税(営業用乗用車のみ対象) |
2030年度燃費基準+90%達成車 | 約25%減税(営業用乗用車のみ対象) |
車を購入する上でかかる税金についてはこちらでも詳しく紹介しているので併せてご覧ください。
軽自動車の諸経費を抑える方法
軽自動車の諸経費を抑える方法は以下のとおりです。
- ・エコカーを選択する
・値引きしてもらいやすい時期を狙う
・金利の低いローンを選ぶ
・低燃費の車を購入する
・カーリースを利用する
それぞれの方法を解説します。
諸経費の車両価格の割合
軽自動車の諸経費の車両価格の割合は、一般的に新車が5%〜10%、中古車が10〜20%程度です。
ただし、車種や購入方法によって割合は変動します。
軽自動車は、普通自動車と比較して諸経費が安い傾向にあります。
また、中古車は新車に比べて車両価格が安いため、諸経費が占める割合も高くなります。
車の購入予算を検討する際は、車両価格だけでなく、諸経費も含めて考えるようにしましょう。
エコカーを選択する
エコカーを選択すると、車種によってはエコカー減税の対象となり、購入時の自動車重量税や環境性能割が減税されます。
中には、購入時だけで20,000円以上の減税となる可能性もあります。
また、購入時だけでなく、毎年の税金やガソリン代が安くなる可能性もあり、維持費も抑えられるでしょう。
なお、エコカー減税の対象となる自動車重量税の割合には段階があるため、販売店に確認すると安心です。
値引きしてもらいやすい時期を狙う
値引きしてもらいやすい時期を狙うと、軽自動車の諸経費を抑えられる可能性があります。
値引きしてもらいやすい時期は、決算期である3月、9月、ボーナスシーズン、モデルチェンジ前です。
決算期は売上ノルマを達成するために大幅に値下げしてもらえたり、ボーナスシーズンはキャンペーンやセールがよく実施されていたりします。
また、モデルチェンジ前は、旧型モデルを売り切ることに注力するため安くなることがあります。
4月前後に購入を予定している場合は、4月2日以降に購入すると税金の支払いを節約可能です。
金利の低いローンを選ぶ
ローンで購入する場合は、金利の低いローンを選びましょう。
一般的に、銀行や販売店のマイカーローンはディーラーローンよりも高い傾向にあります。
金利の低さ以外に、キャンペーンやウェブ割引きを行っていることがあるため、チェックしておきましょう。
低燃費の車を購入する
低燃費の車を購入すると、ガソリン代が節約できるだけでなく、エコカーの場合は自動車重量税が安くなります。
日常的に車に乗る方や長距離運転する方など、使用頻度が高い場合には、維持費のコストダウンにつながるためおすすめです。
カーリースを利用する
軽自動車を購入するのではなく、カーリースを利用するのもひとつの手段です。
カーリースは初期費用が不要な上に、維持費や各種税金、車検代などがすべて月額料金に含まれています。
各種税金などの発生都度に合わせてまとまった出費が発生することもなく、家計管理がしやすいためおすすめです。
まとめ
軽自動車の諸経費は、大きく分けると法定費用と代行費用の2種類です。
エコカー減税やグリーン化特例を利用することで、諸経費を安く抑えられる可能性があります。
また、販売店やディーラーに代行してもらわず、自分で手続きを行うことで諸経費を抑えることも可能です。
このように工夫をして、軽自動車の新車購入にかかる諸経費を節約しましょう。