車購入の際に下取りを行うのは一般的ですが、どのようなプロセスを経て契約が完了するのかご存知でしょうか?
下取りに関する知識が足りないことで、手続きが円滑に進まなかったり、価格の面で損をしたりするのではないかと不安になってしまうかもしれません。
そこで本記事では、新車を購入したときの下取りがどのように行われるのか解説しています。
下取りのメリットや注意点、値引きアップ術も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
新車購入の前に押さえておきたい「下取り」「買取」の違い
新車を購入する際に悩みがちなのが、これまで乗ってきた車の処理です。
「下取り」とは別に「買取」を依頼する方法もあります。
まずは、新車購入の前に押さえておきたい「下取り」と「買取」の違いを解説します。
下取りとは
下取りとは、これまで乗ってきた車を売却し、これから購入する車の費用に充当する手段です。
下取りを選ぶメリットについては後述していますが、魅力的なポイントが複数あります。
下取りが行われるケースとして多いのは、主にディーラーでの新車購入時です。
買取とは
買取とは、これまで乗ってきた車を買取業者に売却し、車両代金を得る手段です。
買取価格の変動要素も多いため、売却するタイミングが重要なポイントだといえます。
買取で得られた代金は必ずしも新車購入に充てる必要はなく、自由に使うことが可能です。
新車購入の手続きとは別で進める形になるため、負担が大きく手間がかかる点が気になる方もいます。
新車購入で下取りを依頼するメリット
ここからは新車購入で下取りを依頼するメリットに焦点を当てて解説していきます。
主な項目を4つ挙げていますが、どれも見逃せない内容です。
新車に乗り換えるまでの手間を軽減できる
下取りは新車購入の手続きとセットで行えるため、乗り換えるまでの手間をかなり軽減できます。
必要な書類の準備や実際の手続きなど、ほとんど業者側が代行してくれるためです。
本人はあまり動く必要がないため、売却や購入の手続きを進める間も、時間を有効に使えます。
車のない状態が生まれにくい
下取りの場合、これまで乗ってきた車を納車される直前まで利用できます。
納車と引き取りのスケジュールを合わせやすく、車のない状態が生まれにくいこともひとつの利点です。
見積もりには有効期限があるため、納車までの時間が長引いた場合は、先に引き取られる可能性もあります。
値段交渉がしやすくなる
売却と購入の相手が同一のため、値段交渉がしやすくなる点もメリットと言えます。
業者側はどちらの価格も把握しているので、こちらの要望に対して柔軟に対応してくれる傾向です。
下取り価格の交渉によって新車価格が変動していくのが分かりやすいため、購入者側も満足感を覚えやすい効果があります。
古い車でも査定額が出やすい
下取りのケースでは、古い車でも査定額が出やすい傾向にあります。
なぜなら古い車に値段を付けてでも、業者側は新車を販売する利益を重視するからです。
ただし自走できない車だと拒否されるケースもあるので、どんな車でも下取りしてもらえるわけでない点は理解しておきましょう。
下取りから納車までの流れと必要書類
続いて、下取りから納車までの流れを解説していきます。
必要な書類についても合わせて解説していますので、準備する際の参考にしてみてください。
①予算を決めて購入車種を絞る
最初に予算を決めて、それから購入車種を絞りましょう。
そして、予算は下取りを見越して設定しましょう。
購入車種は街乗りやレジャーなど、使用目的を明確にしてから選択するのがポイントです。
乗り心地・走行性能・積載性など、どこを優先したいのか書き出してみると、車種選びもスムーズに進みます。
②実車を確認して見積もりを依頼する
次に販売店を訪れて実車を確認し、問題ないようなら見積もりを依頼します。
この時点で、下取り価格の見積もりも依頼しましょう。
予算に少し届かないようなら、下取り価格の交渉をしてみても問題ありません。
新車購入の見積もりもしっかりチェックして、不明点を確認しながら疑問を残さないよう商談を進めてください。
③下取りする車を査定してもらう
実際の下取り価格を決定するために、下取車を査定してもらいます。
下取車を査定してもらう時期も価格に影響してくるので、念頭に置いておきましょう。
具体的な時期については、記事後半の「下取りを含んだ新車購入の値引きアップ術」で紹介していますので、チェックしてみてください。
さらに、こちらの記事では下取りの査定基準を紹介しているので、併せてみておくことでさらに差礼価格のアップができるかもしれません。
ぜひ一度ご確認ください。
④書類を用意して契約を進める
ここから書類を用意して、実際に契約を進める段階に入ります。
購入者側が用意する書類もあるため、事前に準備しておくと契約が円滑に進むのでおすすめです。
すべての契約書に同意したら、下取りおよび新車購入の手続きは完了です。
必要な書類は一覧にして最後にまとめていますので、確認してみてください。
⑤支払い手続きを完了させる
契約が済んだら、任意の方法で支払い手続きを完了させます。
現金かローンの2択になるケースが多いですが、ローンにもさまざまな種類があるので事前の確認が必要です。
自身の状況に合わせて、適切な支払い方法を選択しましょう。
⑥納車と同時に下取りする車を引き渡す
納車と同時に下取りする車を引き渡して、下取りから納車までの流れは完了です。
納車と下取りのスケジュールは調整可能ですが、一度の対応で済むため、同日にしておくほうが良いでしょう。
下取りが先になってしまった場合は、代車を手配してもらうことで納車日まで対応できます。
ただし代車を損傷してしまうと、費用を請求される恐れもあるので注意しておきましょう。
契約時に必要な書類一覧
契約時に必要な書類を一覧にしてまとめました。
普通自動車の下取り手続き書類 | 普通自動車の購入手続き書類 | 軽自動車の下取り手続き書類 | 軽自動車の購入手続き書類 |
・印鑑証明書
・実印 ・委任状 ・自動車検査証(車検証) ・自賠責保険証明書 ・自動車税納税証明書 ・自動車リサイクル券 ・譲渡証明書 |
・印鑑証明書
・実印 ・車庫証明書 ・委任状 ・自動車検査証(車検証) ・自賠責保険証明書 |
・印鑑
・自動車検査証(車検証) ・自賠責保険証 ・軽自動車税納税証 明書 ・自動車リサイクル券 |
・住民票
・自動車検査証(車検証) ・自賠責保険証 ・委任状 ・車庫証明(地域によって異なる) |
軽自動車の下取りでは委任状が不要、印鑑は認印で構いません。
軽自動車の購入では、印鑑は原則不要です。
新車購入で下取りを依頼する際に気にしておきたいポイント
ここでは新車購入で下取りを依頼する際に、気にしておきたいポイントを解説します。
メリットばかりに目がいきそうですが、以下の点も理解しておきましょう。
付加価値があっても高い査定額は出にくい
ディーラーでの下取りは、付加価値があっても高い査定額は出にくい傾向にあります。
ここでいう付加価値のある車とは、さまざまなパーツを後付けしたカスタムカーのことです。
ディーラーは基本的に中古車市場のノウハウが少なく、カスタムカーの評価を苦手とするため査定額はあまり上昇しません。
また自社メーカー以外の車を販売するのも苦手としているので、下取りが他社メーカーの車だと下取り価格も上がりづらくなります。
下取り金額はすべて新車の購入費用に充てられる
下取り金額は、すべて新車の購入費用に充てられることを、再度理解しておきましょう。
買取とは異なり、売却で得たお金の使途は自由ではありません。
ローンが残っていないか確認する
下取り予定の車にローンが残っていた場合、そのままでは下取りできないので注意が必要です。
まずローンを完済しないと名義変更ができず、下取りの手続きも進みません。
現金での一括返済が難しいときは、下取り代金をローン返済に充てることもできます。
残ったローンを返済するために、新たなローンを契約する・新車購入のローンに上乗せする、といった対策も可能です。
下取り価格を確認する際の注意点
ディーラーで手続きを進める前に、下取り価格を確認したいと考える方もいるのではないでしょうか?
そこで下取り価格を確認する際に、意識しておきたい注意点を解説していきます。
ちなみにディーラーが下取り価格を決定するときに目安とするのは、新車業界・中古車業界における適正査定の普及を目指した「中古自動車査定制度」です。
査定基準は「車両本体」「装備品」「商品価値」の大枠3つで分類され、ここからさらに細分化した項目を加減点式でチェックします。
見積もりを2種類依頼して確認する
下取り価格を確認する際の注意点ですが、ひとつは新車の見積もりを2種類(下取りあり・下取りなし)依頼して確認することです。
2種類の見積もりを比較することで、下取り車にどれだけ値段が付いたのか明確に理解できます。
さらに下取り予定車のメーカーと異なったディーラーでも、下取りを受け付けてもらえるケースに注目してみましょう。
異なったメーカーの下取り価格を見ることが、価格の適正度や再交渉のきっかけを知ることにも繋がります。
下取り車の買取相場を参考にする
下取り車の買取相場を知っておけば、提示された価格の適正具合がある程度判断できるでしょう。
下取り車の買取相場を知る方法は、以下で解説します。
車の下取り相場を調べる方法
車の下取り相場を調べるにあたって、すぐに取り組める方法を3つ紹介します。
大手買取サイトの実績を確認する
下取り相場を調べる方法として最初に挙げられるのは、大手買取サイトの実績を確認することです。
大手買取サイトであれば幅広い車種を取り扱っているため、下取り予定の車に近い条件の買取価格を確認できます。
ディーラーの下取りシミュレーションを利用する
ディーラーのWebサイトで、下取りシミュレーションが利用できます。
他メーカーの車種も選択できるため、簡単に下取り価格の調査が可能です。
ただし大まかな価格しか分からない上に、買取価格が低い傾向にあるディーラーの値であるため、参考程度として見ておくのがおすすめといえます。
一括査定サービスを利用する
一括査定サービスとは、文字どおり複数の買取業者に査定を依頼するサービスです。
CTN車一括査定を利用すれば大手から地域密着型まで、600社以上の提携業者に査定が依頼できます。
一括査定サイトの利用料や手数料は無料です。
自動車業界14年以上の実績があるため、安心して車を売却できます。
紹介数は高価買取店3社のみなので、営業電話が何件もかかってくる心配はありません。
CTNのネットワークにより、全国どこに住んでいても対応できます。
一括査定サイトを利用した車の売却を検討している方には、CTN車一括査定がおすすめです。
下取りを含んだ新車購入の値引きアップ術
最後に下取りを含んだ新車購入の値引きアップ術を紹介します。
特に難しい内容ではないため、気軽にチャレンジしてみてください。
値引き額がアップしやすい時期を狙う
ディーラーや販売店にとって、もっとも車を販売したいと考える時期を狙う方法です。
その時期とは決算期である3月と9月、キャンペーンや特別セールが増加するボーナス時期を指します。
この期間は多少値引き率をアップしても新車の販売を優先するため、値引き交渉も成功しやすい傾向です。
下取り額アップよりも値引き額アップを狙う
車の購入価格で交渉するなら、下取り額アップよりも値引き額アップを狙いましょう。
同じ値引き率で交渉が成功したとすれば、消費税の課税対象が減少する値引き額アップのほうがお得です。
どちらでも交渉が可能なケースなら、値引き額アップを優先してみてください。
値引きが難しいなら下取り価格のアップを交渉する
値引きが難しいとなった時点から、下取り価格のアップを交渉しましょう。
ディーラーの一部には、下取り価格をアップして値引きとする考えもあるため、値引きよりも下取り価格の交渉がよりうまくいきやすいという声も散見されます。
下取り価格のアップを目指して、値引きと同様の効果を狙うのもひとつの手です。
まとめ
新車購入時に下取りを依頼する場合は、メリットや気になる点をしっかり理解して、実際の行動へ移すようにしましょう。
自身の状況によっては、下取りよりも買取のほうがお得になるケースもあります。
下取りから納車までの流れを押さえた上で、しかるべきタイミングでディーラーとの交渉に臨めば、満足のいく結果が得られやすい傾向です。
本記事で紹介した値引きアップ術も参考にして、自分にとって損のない下取りを実現させてください。