買い替えにより中古車を購入する時にはさまざまな書類を用意する必要がありますが、売却時には納税証明書が必要です。
破損や紛失などの事情により、納税証明書が用意できない場合はどうすれば良いのでしょうか。
この記事では、納税証明書がない場合の対処法や再発行の方法について解説しています。
納税証明書以外に必要な書類についても解説しているので、中古車の購入を検討している方は参考にしてください。
納税証明書に関する基礎知識
そもそも納税証明書とはどのような書類なのでしょうか。
提出が必要なケースや必要ないケースについても解説します。
納税証明書とは
自動車税が支払い済みであることを証明できる書類のことです。
金融機関やコンビニなどの窓口で自動車税を納付するタイミングで交付されます。
正式には自動車税(種別割)納税証明書とよびます。
自動車税は毎年4月1日時点で車を所有するすべての人に課せられる税金です。
普通自動車の税額は排気量によって変動しますが、軽自動車の場合は一律で18,000円になります。
自動車税の納税証明書は提出を求められる場面があるので、紛失しないように保管しておくことが大切です。
車を売却する場合は必要
所有している車を売却する場合は、車の買取業者から納税証明書の提出が求められます。
なぜなら、万が一自動車税の滞納があった場合売却後のトラブルに発展してしまうからです。
また、納税証明書の提出により車検の有効期限が残っていることも証明できます。
車検まで有効期限が残っている車はプラス査定になるため、査定額のアップが期待できるでしょう。
なくても車検は受けられる
2015年3月までは車検の際に納税証明書を提出する必要がありましたが、同年4月以降は提出を省略できるようになりました。
国土交通省と各都道府県の納税事務所がオンラインで自動車税の納付を確認できるようになったからです。
ただし、納税証明書の提出が必要とされる例外的なケースもあります。
車検時に提出が必要なケース
車検の際に納税証明書が必要になるケースは、次のとおりです。
- ・引越しによりナンバー変更があった場合
・軽自動車の場合
・自動車税を滞納している場合
・自動車税を納めたばかりの場合
引越しにより、税金を納めた都道府県と自動車登録されている都道府県が異なる場合は納税証明書の提出が必要になります。
また、自動車税の納税証明書の提出が省略できるのは普通自動車のみで、軽自動車は省略できません。
自動車税の滞納や延滞金が未納がある場合も提出が必要です。
自動車税の納税データが反映されるまで10日程度の日数がかかるため、納税してから10日以上経過していない場合は納税証明書を用意する必要があります。
中古車購入時は再発行が必要な場合もある
中古車を購入する場合、前の所有者が自動車税を納付していれば販売店が納税証明書を交付してくれます。
しかし販売店が交付してくれない場合は、自分で再発行の手続きをしなければなりません。
中古車の名義変更が完了していない場合は、名義変更を済ませてから納税証明書を再発行してください。
納税証明書の取得方法
自動車税の納付期限は5月31日までが原則です。
ここでは、自動車税の納付方法によって異なる納税証明書の取得方法を解説します。
窓口で現金納付した場合
自動車税を現金で納付できる場所は、次のとおりです。
- ・コンビニ
・金融機関
・郵便局
・自動車税管理事務所
窓口で自動車税を納付した場合は、納税通知書の右側についている納税証明書に領収済み印が押印されます。
窓口で現金納付した場合は、その場で納税証明書を交付してもらうことが可能です。
キャッシュレス決済で納付した場合
スマートフォンやパソコンからキャッシュレス決済で納付すれば、窓口まで出向く必要はありません。
自動車税の支払いに対応しているキャッシュレス決済の種類は、次のとおりです。
- ・クレジットカード
・Pay-easy(ペイジー)
・スマートフォン決済(PayPayなど)
キャッシュレス決済を選択した場合は、納税証明書の交付を受けることができません。
運輸支局で自動車税の納付が確認できるまでは1か月程度かかります。
車検の期日が迫っている場合は、手間がかかりますが窓口でキャッシュレス納付を行ってください。
納税証明書を再発行手続きについて
納税証明書がない場合は再発行が可能です。
手続きの内容について詳しく解説します。
再発行手続きができる場所
普通自動車の納税証明書の再発行手続きは、次の場所で行うことが可能です。
- ・管轄の自動車税事務所
・管轄の運輸支局内にある自動車税管理事務所
軽自動車の場合は、各総合支庁の税務担当課で手続きが行えます。
普通自動車と軽自動車では発行できる場所が異なるため、間違えないように注意しましょう。
いずれの場所でも手続きができるのは平日の8時30分から17時までです。
自治体によっては郵送に対応している場合もあるので、平日に時間を作るのが難しい方は問い合わせてください。
再発行に必要な書類
再発行手続きには、次の書類の提出が必要です。
- ・自動車検査証(原本)
・身分証明書(運転免許証やマイナンバーカード)
・納税証明書交付請求書
交付請求書は申請場所で手に入れることができます。
請求書を作成する際に印鑑(認印でも可)が必要になるので忘れないようにしましょう。
再発行に必要な書類は都道府県によっても異なります。
必要書類についてわからないことがある場合は、事前に問い合わせておくと安心です。
再発行手続きの手順
自動車税納税証明書の再発行手続きの手順は、次のとおりです。
- ①必要書類を用意する
②窓口で交付請求書を取得する
③必要書類を提出する
④納税証明書が交付される
自治体によっては身分証明書の確認と車体情報の確認が行われます。
代理人が再発行手続きを行う場合は、委任状と代理人の身分証明書が必要です。
窓口が混雑していなければ、再発行手続きは15分程度で完了します。
再発行手続きの手数料
納税証明書には車検用と一般用があります。
車検用の納税証明書の手数料は無料ですが、車検以外の用途に使用される一般用は手数料が必要です。
普通自動車の場合は400円、軽自動車の場合は200円〜300円かかります。
手数料は都道府県や年度によっても変わるため、多めに用意しておくと安心です。
買い替えで中古車を売却する時に必要な書類
車の買い替えで必要になるのは、納税証明書だけではありません。
納税証明書以外で提出が求められる書類を紹介します。
自動車検査証
自動車検査証は、保安基準に適合していることを証明する書類です。
車検を受けた後に交付してもらえます。
自動車を運転する際に携行する義務があるため、ダッシュボードの中に保管されているケースが多いです。
売却の際にはコピーではなく原本を用意します。
印鑑証明書
印鑑証明書は、市区町村役場に実印が登録されていることを公的に認める書類です。
正式には印鑑登録証明書と呼びます。
印鑑証明は車を売却する契約手続きを行うための重要な書類です。
印鑑証明書と自動車検査証に記載されている住所は一致していなければなりません。
実印の登録が済んでいない場合は、早めに手続きをしておきましょう。
自賠責保険証明書
自賠責保険証明書は、自賠責保険に加入していることを証明する書類です。
公道を走行する車やバイクには、法律によって自賠責保険に加入することが義務づけられています。
自賠責保険証明書にも携行義務があるため、自動車検査証と同様にダッシュボードの中に保管されていることが多いです。
自賠責保険についてはこちらでも詳しく説明しています。
リサイクル券
リサイクル券は新車を購入する際にリサイクル料金を支払ったことを証明する書類です。
車を売却するときにはリサイクル券が求められます。
この書類も自動車検査証と一緒に保管されているのが一般的です。
リサイクル券は紛失してしまうと再発行ができません。
ただし自動車リサイクル料金の預託状況を印刷すれば、リサイクル券の代わりとして使用できます。
委任状
車の売却手続きを業者や代理人に委託する場合は、第三者に手続きを委託したことを証明する委任状が必要です。
委任状は業者が用意してくれる場合もありますが、国土交通省のホームページからダウンロードすることも可能です。
委任状が作成できたら記入内容に間違いがないか、業者の担当者に確認してもらいましょう。
譲渡証明書
譲渡証明書は、車の所有権を次の所有者に移すために必要な書類です。
国土交通省のホームページからダウンロードできます。
譲渡証明書は手書きでも問題ありませんが、間違いがないように正しく作成してください。
必要事項を記入した後は忘れずに実印を押印しましょう。
必要な書類は状況により異なる
車の買い替えに必要な書類は、売却する場合と購入する場合で異なります。
車種によっても違いがあるので、不備がないように確認しておきましょう。
普通自動車を売却する場合
普通自動車を売却する場合に必要な書類は、次のとおりです。
- ・自動車検査証
・印鑑証明書
・自賠責保険証明書
・自動車税納税証明書
・リサイクル券
・譲渡証明書
自動車検査証と印鑑証明書に記載されている住所が異なる場合は、住民票を用意する必要があります。
中古の普通自動車を購入する場合
普通自動車を中古で購入する場合に必要な書類は、次のとおりです。
- ・自動車検査証
・印鑑証明書
・車庫証明書
・委任状
・自賠責保険証明書
委任状と自動車検査証、自賠責保険証明書は中古車販売店が用意します。
軽自動車を売却する場合
軽自動車の売却に必要な書類は、次のとおりです。
- ・自動車検査証
・住民票のコピー
・自賠責保険証明書
・軽自動車税納税証明書
・リサイクル券
普通自動車を購入する場合は委任状と譲渡証明書が必要ですが、軽自動車の場合は不要となります。
中古の軽自動車を売却する場合
軽自動車を売却する際に必要な書類は、次のとおりです。
- ・自動車検査証
・住民票のコピー
・委任状
・自賠責保険証明書
・車庫証明書
普通自動車の場合と同様に、委任状と自動車検査証、自賠責保険証明書は中古車販売店が用意してくれます。
中古車を購入するために必要書類を準備するときの注意点
最後に、中古車購入で必要書類を用意するときに知っておきたい注意点を解説します。
有効期限を確認しておく
市区町村の役場で発行できる書類には法律上の有効期限がありませんが、販売店では必要書類として使用できる有効期限を定めています。
車を購入する際に必要な書類の有効期限は、次のとおりです。
- ・住民票:発行後3か月以内
・印鑑証明書:発行後3か月以内
・車庫証明書:発行後1か月以内
取得時期が早すぎると期限が切れてしまう可能性があるので、提出日を考慮した上で書類を取得しましょう。
代行手数料を確認しておく
自動車の販売業者に書類の準備や手続きの代行を依頼した場合は手数料がかかります。
代行手数料の相場は、次のとおりです。
- ・検査登録:30,000円〜50,000円
・納車整備:20,000円〜50,000円
・車庫証明:10,000円〜20,000円
遠方の業者に依頼する場合は、陸送費用がかかります。
依頼する手続きの内容によっては手数料が高額になるため、事前に金額を確認しておきましょう。
ローンを利用する場合は必要書類が増える
中古車を購入するためにローンを利用する場合は、収入証明書や資金の使徒を証明する書類(購入予定車の見積書)が必要です。
書類に不備があるとローンの審査が受けられなくなってしまうので、必要な書類は余裕を持って準備しておきましょう。
任意保険の加入や切り替えを忘れない
中古車を購入した後に任意保険への加入や切り替えを行う場合にも自動車検査証が必要です。
加入や切り替えを忘れてしまうと、万が一事故が発生した場合の負担が大きくなります。
保険会社に相談して納車後にすぐ加入できる準備を整えておきましょう。
まとめ
今回は、中古車の購入時や売却時に必要な納税証明書がない場合の再発行手続きについて解説しました。
納税証明書が必要な場合は手間や料金はかかりますが、基本的にはいつでも再発行が可能です。
車検では提出を省略できる場合もあるので、自分がどのケースに該当するかを確認しておきましょう。
車の買い替えではさまざまな書類を用意する必要があります。
書類によっては有効期限が設定されているので、取得時期を考慮しながら準備を進めてください。