ブラックリストとは信用情報に金融トラブルの記録が残り、ローンやクレジットの審査が厳しくなる状態を指します。
しかし「自社ローンなら審査に通りやすい」と聞いたことがあるかもしれません。
本記事ではブラックリストに載っている場合でも、自社ローンならば利用可能かどうかを詳しく解説していきます。
車を購入したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
ブラックリストに載っていても自社ローンを組める?
ブラックリストに載っていても、自社ローンを利用できる可能性はあります。
実際に、信用情報に傷がある方でも自社ローンであれば審査に通過したケースは珍しくありません。
自社ローンは販売店が独自に審査基準を設けているため、一般の銀行ローンやディーラーローンに比べて柔軟な対応が期待できます。
ただし販売店によって対応が異なるため、すべての販売店で審査に通るとは限りません。
また申し込む際は保証人や頭金の用意が求められる場合があるため、事前に確認して自分の状況に合った販売店を選びましょう。
ブラックリストとは
そもそも、ブラックリストとは何かを詳しく知らない方もいるかもしれません。
ブラックリストの概要や掲載される条件、また起こりうる影響などを確認しておきましょう。
信用情報機関に事故情報が記録されること
ブラックリストとは、信用情報機関に金融トラブルの情報が記録されている状態を指します。
たとえば過去の借金の支払い遅延や滞納、債務整理や自己破産といった情報が「事故情報」として登録されます。
ただし「ブラックリスト」という特定のリストが存在するわけではありません。
信用情報機関が管理するデータベース内に、個人の信用情報が記録されることを表現した言葉です。
ブラックリストに掲載される条件
ブラックリストは、以下の条件に該当すると掲載される可能性があります。
まず、借金の支払い遅延や滞納が挙げられます。
クレジットカードの利用代金やローンの返済を長期間(一般的に2~3カ月以上)滞納すると、信用情報機関に延滞情報が登録されます。
次に、債務整理を実施した場合です。
自己破産や任意整理、個人再生などの手続きを行うのも、ブラックリストに掲載される理由のひとつです。
また、クレジットカードのショッピング枠を不正に利用して現金化する行為も規約違反とされ、信用情報にネガティブな影響を与えます。
さらに携帯の利用料金を滞納した場合も、ブラックリストに載る原因となります。
信用情報を良好に保つためにも、計画的な返済と適切な契約履行を心掛けることが重要です。
ブラックリストに載ることで起こる影響
ブラックリストに載ることで、さまざまな金融サービスの利用が制限されるようになります。
基本的に、新たな借り入れや契約は困難になることを理解しておきましょう。
また、クレジットカードの新規発行や住宅ローン、自動車ローンなどの契約ができなくなる場合もあります。
さらにローンや奨学金の保証人になれないケースも多く、信用情報が回復するまでは多くの制約が生じます。
このようにブラックリストに載ると金融サービスに大きな影響を及ぼすため、注意しましょう。
ブラックリストが消えるまでの期間
ブラックリストの情報は永久に残るわけではなく、5年~7年経過すると消去されます。
上記の期間が経過すると信用情報機関から事故情報が削除され、信用情報が回復する仕組みです。
ブラックリストの情報は5年~7年で削除されることを把握しておき、再スタートの準備を進めましょう。
ブラックリストに掲載されているか自分で調べられる?
ブラックリストに掲載されているかどうかは、信用情報機関に開示請求をすることで調べることができます。
日本には下記のとおり3つの信用情報機関があり、開示する際の手数料は異なります。
機関名 | 主な加盟業者 | 手数料 |
---|---|---|
CIC(株式会社シー・アイ・シー) | ・クレジットカード会社 ・携帯電話会社 ・信販会社 |
インターネット:500円 郵送:1,500円 |
JICC(株式会社日本信用情報機構) | ・クレジットカード会社 ・携帯電話会社 ・消費者金融 |
スマホ(データ受け取り):1,000円 郵送:1,300円 |
KSC(全国銀行個人信用情報センター) | ・銀行 ・信用金庫 ・信用保証協会 |
インターネット:1,000円 郵送:1,800円 |
これらの機関に対して開示請求を行うことで、自分の信用情報を確認することが可能です。
手数料はかかりますが、開示請求は各機関のウェブサイトや郵送で手続きできます。
自身の信用状況を把握することで今後の対策を立てやすくなるため、ブラックリストに掲載されているか確認したい場合は、信用情報機関に開示請求を行うことを検討しましょう。
ブラックリストに載っていても利用できる自社ローンとは?
ブラックリストに掲載されている期間は基本的にローン審査に通過するのは難しくなりますが、自社ローンであれば利用できる可能性があります。
自社ローンの仕組みについて確認しておきましょう。
販売店と直接契約を結ぶ仕組み
自社ローンは販売店と購入者が直接契約を結ぶ仕組みであり、一般的なローンとは異なる審査基準が採用されています。
この仕組みは「自社割賦」と呼ばれ、購入者の返済先は金融機関や信販会社ではなく、販売店自身となります。
販売店が独自の基準で審査を行うため、過去に金融事故歴がある方でも審査に通る可能性が高いのが大きなメリットです。
これにより、ブラックリストに載っている方でも車を購入できるチャンスが広がります。
一方で、すべての販売店がこの仕組みを採用しているわけではありません。
一部の販売店では信販会社を仲介している場合もあり、その場合は信用情報が照会されるため審査基準が厳しくなることがあります。
事前に販売店の契約形態や審査基準を確認して自分の状況に合った店舗を選ぶことで、スムーズに契約を進められるでしょう。
信用情報は照会されないことが多い
自社ローンでは信販会社と提携せず、中古車販売店が独自の基準で審査を行うのが一般的です。
そのため、信用情報が照会されないケースが多く、過去の金融事故歴がある場合でも審査に通る可能性が残されています。
信用情報を照会せずに審査される仕組みの自社ローンは、ブラックリストに登録されている方や金融機関のローン審査が通りにくい方にとって車を購入するための重要な選択肢となるでしょう。
金利は発生しない
基本的に自社ローンでは、金利は発生しません。
なぜなら自社ローンを提供している中古車販売店は貸金業者ではないため、金利を設定して利益を得ることは違法だからです。
その代わりに、手数料や保証料として10%~20%程度を上乗せするのが一般的であり、オートローンと比べると総返済額が高くなる傾向があります。
しかし自社ローンは信用情報を厳しく審査されないため、通常の審査に落ちた人でも利用しやすいのは大きなメリットでしょう。
自社ローンを利用する際は金利が発生しない仕組みを理解しつつ、手数料や総返済額をよく確認しましょう。
ブラックリストに載った人が自社ローン利用前にしておきたいこと
審査に通過しやすい自社ローンですが、なかには落ちてしまう場合もあります。
ここではブラックリストに載っている人が審査通過率を高められるよう、利用する前にしておきたいことを解説します。
他社からの借り入れを完済する
もしも他社から借り入れがある場合は、完済しておくのが望ましいといえます。
ローンを完済することで返済比率を下げて月々の支出を減らすことができれば、審査に通る可能性が高まるからです。
反対に滞納しているローンがある状態では、販売店は購入者を未払いリスクが高いと判断し、審査に否定的な結果を出す場合があります。
また複数の借り入れを抱えている状態では返済能力に不安があると見なされることが多く、販売店からの信頼を得にくくなります。
借入を整理することで販売店に対して計画的な返済能力を示すことができ、自社ローンを利用できるかもしれません。
無理のない範囲で、借入を整理することが重要です。
頭金や保証人の準備をしておく
頭金や保証人を準備することは、自社ローンの審査をスムーズに進めるための有効な手段です。
頭金を準備することで借入金額を減らし、月々の返済額を軽減できます。
これにより無理のない返済計画を提示できるため、販売店からの信頼を得やすくなります。
また保証人を立てると、万が一返済が滞った場合でも保証人が補填できるため、販売店は未払いリスクを軽減することが可能です。
そのため、購入者本人がブラックリストに掲載されていたり、収入が不安定だったりしても柔軟に対応してもらえる可能性があります。
ただし、保証人には場合によって返済義務が生じるため、依頼する際にはリスクをしっかり説明して了承を得ることが重要です。
また、販売店によっては頭金や保証人が必須条件となっている場合もあるため、事前に条件を確認して計画的に準備を進めましょう。
現在の収入に見合った借入額を設定する
自社ローンを利用する際は、現在の収入に見合った借入額を設定するのもポイントです。
総返済額が収入に対して大きすぎると、返済能力を疑われて審査が通らない可能性が高まるため、無理のない範囲で購入する車を選ぶことが重要です。
たとえば、軽自動車やグレードを落とした車を選ぶのも良いでしょう。
また、購入する車両を変更したことで審査に通過した事例も多く見られます。
販売店は購入者の返済計画が現実的かどうかを慎重に評価するため、無理のある選定は避けたほうが賢明です。
無理なく返済を続けるためにも、販売店と相談しながら現実的な計画を立てましょう。
正確な情報を申告する
自社ローンの審査を進めるうえで、正確な情報を申告することは非常に重要です。
自社ローンは販売店と購入者が直接契約を結ぶ仕組みのため、購入者が信頼できる人物であるかどうかが重視されます。
もしも虚偽の情報を提供すると販売店の信頼を損ねて審査に落ちるだけでなく、今後の契約にも影響を及ぼす可能性があるため注意しましょう。
一方で正直に現状を説明すれば、申込者の状況に応じて柔軟に対応してもらえることがあります。
たとえば、収入が少なくても安定している場合や保証人を立てる意思があることを伝えることで、審査に通過したケースも見られます。
信頼関係を築くことは、自社ローンをスムーズに進めるうえで不可欠です。
販売店との良好な関係を保つためにも正確で誠実な情報を提供して、互いに安心して契約を進められるようにしましょう。
仮審査に申し込む
自社ローンを利用する際は、まず仮審査に申し込むのがおすすめです。
仮審査は本審査に比べて手続きが簡単で、審査結果が早く分かるため事前準備として有効です。
仮審査では主に現在の収入や勤務状況など、基本的な情報をもとに審査が行われます。
インターネットで簡単に申し込める販売店も多く、早くて数分から数時間で結果が通知される場合もあります。
自分が購入予定の車両に対して審査に通るかどうかを事前に確認できるため、購入計画を具体的に進める際に役立つでしょう。
ただし、仮審査に通過した場合でも正式な本審査で落ちる可能性がある点には注意が必要です。
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自己破産や債務整理の経験がある方やブラックリストに登録されている方でも、販売店を迅速に見つけられる仕組みが特徴です。
たった20秒で最大5社に審査依頼できるため、自社ローン取扱店を探す手間を省けます。
ローン審査に通らず車の購入を諦めていた方は、ぜひ審査依頼をしてみましょう。
まとめ
ブラックリストに載っている方でも、自社ローンを利用して車を購入できる可能性があります。
なぜなら自社ローンが販売店と直接契約を結ぶ仕組みであり、信用情報を照会しないケースが多いためです。
自社ローンでは過去の金融事故歴よりも現在の収入状況や返済能力が重視されるため、安定した収入があれば審査に通る場合も珍しくありません。
しかし販売店ごとに審査基準が異なるため、絶対に通過するとは限らない点に注意しましょう。
審査に備えるためには事前に滞納しているローンを完済したり、頭金や保証人を用意したりするのが有効です。
ブラックリストに載っている場合でも、自社ローンを選択肢のひとつにすると良いでしょう。