トヨタ・プリウスは、世界的にハイブリッドカーの代名詞として知られ、優れた燃費性能と先進技術で高い評価を受けています。
最新モデルではデザインや快適性も大きく進化し、街乗りから長距離ドライブまで幅広く対応できる一台です。
では、その気になる燃費は一体どのくらいなのでしょうか。
この記事では、プリウスの特徴や魅力を押さえつつ、グレードごとの燃費性能や歴代モデルの進化、さらにはライバル車との比較まで詳しく解説します。
燃費を重視して車選びを検討する方は、ぜひ参考にしてください。
プリウスの特徴と魅力
まずは、プリウスの特徴と魅力について詳しく見ていきましょう。
プリウスの基本情報
現行の5代目プリウスは、トヨタが誇る最新のハイブリッドカーで、ミドルサイズセダンとして世界中で高い評価を受けています。
グレード展開は大きく6種類あり、プラグインハイブリッド(PHEV)には高性能装備をそなえた「Z」と、実用性を重視した「G」の2タイプが設定されています。
ハイブリッド車では、2.0Lエンジンを搭載する「Z」「G」の上位グレードに加え、1.8Lを搭載した法人向け「X」、サブスクリプション専用の「U」もラインナップされています。
駆動方式はPHEVが2WD、HEVは2WDとE-Four(電気式4WD)の選択肢があり、いずれも乗車定員は5名です。
ボディサイズは全長4,600mm、全幅1,780mmと共通で、全高のみU・Xが1,420mmと10mm低めに設定されています。
最小回転半径はZ・Gが5.4m、U・Xが5.3mで取り回しも良好。セダンながら運転のしやすさが光ります。
プリウスの魅力
現行の5代目プリウスには、以下のような魅力と特徴があります。
- ・スタイリッシュなデザイン
・快適な走行性能
・優れた燃費性能
・高い安全性能
・豊富な快適機能
ここでは、それぞれの魅力や特徴を詳しく解説します。
スタイリッシュなデザイン
最新プリウスは、エコカーのイメージを一新するスタイリッシュな造形が特徴です。
モノフォルムシルエットを継承しつつ、低重心化によって安定感を強調しています。
フロントにはハンマーヘッドデザインを採用し、精悍で未来的な印象を与えます。
さらに大径19インチタイヤが迫力を生み、リアの一文字型ランプが先進性を際立たせています。
外装色には新色の「アッシュ」と「マスタード」が追加され、選択肢も豊富です。
快適な走行性能
プリウスは低燃費だけでなく、乗る楽しさを意識した走行性能も進化しました。
空力性能を高めたフロントとリアの造形が風の流れを整え、静粛性と操縦安定性を両立しています。
TNGAプラットフォーム(第二世代)と高剛性ボディによって、ハンドリングの正確さと快適な乗り心地を実現しています。
新世代ハイブリッドシステムはアクセル操作に素早く反応し、力強く滑らかな加速が可能です。
PHEVでは電動走行を主体としつつ、必要に応じてエンジンが加わるため長距離走行でも安心です。
燃費効率と走る楽しさを兼ね備えた次世代モデルといえるでしょう。
優れた燃費性能
プリウスといえば燃費性能の高さが代名詞であり、新型もその期待を裏切りません。
ハイブリッドモデルでは30km/Lに迫る数値を記録し、ガソリン消費を大幅に抑えることが可能です。
さらにPHEVモデルでは日常的な移動のほとんどを電気走行でまかない、ガソリンをほとんど使わずに済む使い方もできます。
通勤や買い物など短距離では電気で、長距離ではエンジンを活用することで、燃費面と利便性の両立が可能です。
高い安全性能
プリウスは安全装備も充実しており、全車に「Toyota Safety Sense」が標準搭載されています。
「Toyota Safety Sense」とは、衝突回避支援のプリクラッシュセーフティや、車線維持を助けるレーントレーシングアシスト、レーダークルーズコントロールなどを含む安全予防パッケージです。
駐車支援システム「トヨタチームメイト[アドバンストパーク]」では、ステアリングやアクセル操作を自動制御し、誰でも安心して駐車可能です。
安全性と利便性の両立で、あらゆるシーンに対応できる一台となっています。
豊富な快適機能
プリウスには、豊富な快適機能が搭載されています。
特に、利便性を高めるコネクティッド機能もプリウスの魅力です。
Zグレードには12.3インチディスプレイを搭載し、T-Connect契約によりセンター通信型ナビを5年間無料で利用可能です。
駐車場の空き状況や施設情報をリアルタイムで確認できるため、外出先で重宝します。
また、音声操作「Hey,トヨタ」でナビ検索やエアコン操作が可能になり、車内Wi-Fiも利用可能です。
さらにスマホアプリ「My TOYOTA+」では、離れた場所から施錠確認やエアコン操作が行えます。
デジタル技術と連携することで、ドライブをより快適で安心なものにしてくれるのが新型プリウスの大きな進化です。
グレード別プリウスの燃費
ここでは、グレード別プリウスの燃費を紹介します。
項目 | PHEV Z | PHEV G | Z | G | U | X |
---|---|---|---|---|---|---|
パワートレーン | 2.0L PHEV | 2.0L PHEV | 2.0L HEV | 2.0L HEV | 1.8L HEV | 1.8L HEV |
駆動方式 | 2WD | 2WD/E-Four | 2WD/E-Four | 2WD/E-Four | 2WD/E-Four | 2WD/E-Four |
WLTCモード | 26.0km/L | 26.0km/L | 28.6km/L[26.7] | 28.6km/L[26.7] | 32.6km/L[30.7] | 32.6km/L[30.7] |
市街地モード | 23.7km/L | 23.7km/L | 26.0km/L[23.4] | 26.0km/L[23.4] | 29.9km/L[27.6] | 29.9km/L[27.6] |
郊外モード | 28.7km/L | 28.7km/L | 31.1km/L[29.3] | 31.1km/L[29.3] | 37.3km/L[34.9] | 37.3km/L[34.9] |
高速道路モード | 25.5km/L | 25.5km/L | 28.2km/L[26.8] | 28.2km/L[26.8] | 31.2km/L[29.8] | 31.2km/L[29.8] |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
PHEV Z
最上位のPHEV Zは、快適装備と高性能を兼ね備えたプラグインハイブリッドです。
WLTCモードで26.0km/L、市街地では23.7km/Lを記録。普段の通勤や買い物程度ならEV走行でカバーできるため、ガソリンをほとんど消費しません。
大容量バッテリーによる静粛性と滑らかな加速も魅力で、維持費削減と走行性能を両立したプレミアムな選択肢となっています。
PHEV G
PHEV Gは、価格と燃費性能のバランスが魅力のプラグインハイブリッドです。
WLTCモード28.6km/L[E-Four:26.7km/L]と効率的で、市街地・高速ともに安定した燃費性能を誇ります。
日常生活の大半をEV走行でこなし、長距離ではエンジンがサポートするため安心感も高いのが特徴です。
上位Zに比べてコストを抑えながら、燃費性能を重視するユーザーに最適なモデルと言えるでしょう。
Z
Zは、最新プリウスの魅力を集約した上級グレードです。
WLTCモードで32.6km/L[E-Four:30.7km/L]と優れた燃費を達成しています。
郊外では37.3km/Lと、シリーズ随一の高効率を示します。
走行性能や快適装備も充実しており、燃費だけでなく総合的な満足度を求める方におすすめです。
上質さと経済性を兼ね備え、ファミリーユースから長距離ドライブまで幅広く活躍できる一台となっています。
G
Gは、実用性と燃費性能のバランスに優れた標準的なグレードです。
WLTCモード32.6km/L[E-Four:30.7km/L]と、Zと同等の低燃費を実現しています。
市街地や高速でも安定した数値を示し、普段使いから旅行まで安心して利用できます。
Zより装備を絞ることで価格を抑えており、コストパフォーマンスを重視するユーザーに最適です。
燃費性能をしっかり確保しながらも、手に届きやすいグレードとなっています。
U
サブスクリプション専用のUは、1.8Lエンジンを搭載した燃費重視のグレードです。
WLTCモードで32.6km/L[E-Four:30.7km/L]と高効率を誇り、郊外走行では37.3km/Lに達します。
装備はシンプルですが、KINTO契約により維持費込みで利用できるため、経済性を求める層に人気です。
最新プリウスの燃費性能を気軽に体感でき、コストを重視する若年層や法人利用にもおすすめです。
X
法人向けのXは、業務利用を意識して開発された1.8Lハイブリッドモデルです。
燃費性能はUと同等で、WLTCモード32.6km/L[E-Four:30.7km/L]を実現しています。
市街地・高速・郊外すべてで安定した燃費を示すため、走行距離が多い業務用途でも燃料コストを抑えられます。
装備は必要最低限ながら、環境性能と経済性のバランスに優れ、企業のエコフリート導入や公用車としても活用しやすい一台です。
歴代プリウスの燃費性能
プリウスは1997年に世界初の量産ハイブリッドカーとして登場して以来、世代を重ねるごとに燃費性能と快適性を進化させてきました。
ここでは、初代から4代目までの燃費性能と特徴を振り返り、現行モデルとの違いや進化の過程を詳しく見ていきましょう。
4代目プリウス(50系)
2015年に発売された4代目プリウスは、静粛性と快適性の向上が大きな特徴でした。
WLTCモードで25.4〜32.1km/Lを記録し、現行モデルと比べても遜色のない燃費性能を誇ります。
遮音・吸音材を随所に採用し、エンジンルームや室内の静粛性を高めた点は特筆すべきポイントです。
また、TNGAプラットフォームにより走行安定性が向上し、環境性能と運転のしやすさを両立しました。
燃費性能に加え、快適性と静粛性を重視した完成度の高いモデルといえます。
3代目プリウス(30系)
2009年に登場した3代目プリウスは、ハイブリッドカーの普及を一気に加速させたモデルです。
燃費はJC08モードで29.6〜32.6km/Lを達成し、当時のエコカー市場をリードしました。
2代目で課題となっていた高速走行時やエアコン使用時の燃費低下を改善し、より実用的な燃費性能を確立した点が特徴です。
エンジンやモーターに新機構を導入することで燃費効率と走行性能のバランスを向上させています。
日常利用から長距離ドライブまで幅広く対応できる万能な一台として、多くのユーザーに支持されました。
2代目プリウス(20系)
2003年に発売された2代目プリウスは、「THSⅡ(トヨタハイブリッドシステムⅡ)」を搭載し、出力と燃費性能の両立を実現しました。
10・15モード燃費では最大35.5km/Lという、当時の世界トップクラスの数値を達成していました。
また、カタログ燃費は29.6km/Lと高い水準を示していました。
軽量化や制御系の改良により、環境性能を高めつつ快適な走行も可能です。
S・Gといった基本グレードに加え、走行性能を強化したTOURING selectionも設定され、多様なニーズに対応しました。燃費性能を次の段階へと進化させたモデルです。
初代プリウス(10系)
1997年に世界初の量産ハイブリッドカーとして誕生した初代プリウスは、21世紀の自動車社会を先取りする存在でした。
搭載された「THS(トヨタハイブリッドシステム)」は、モーターのアシストでガソリン消費を抑え、カタログ燃費29.0km/L、実燃費でも20km/L前後を記録しました。
当時のガソリン車と比べて燃費効率は約2倍、CO₂排出量も半減するという画期的な成果を実現していたのです。
外部充電不要のシステムを採用し、通常走行で発電・充電を行う仕組みも革新的です。
環境性能と実用性を両立させ、ハイブリッド時代の幕開けを告げた記念すべきモデルといえるでしょう。
プリウスのライバル車との燃費比較
プリウスは低燃費車の代名詞と言えますが、ライバル車との比較を行うことで、その優位性や特徴がより明確になります。
ここでは、ホンダ・インサイト、トヨタ・アクア、ホンダ・シビックと比較し、燃費性能の違いを確認してみましょう。
インサイト
現行のホンダ・インサイトは、1.5Lエンジンと2モーターハイブリッドシステムを組み合わせた上質なセダンです。
WLTCモードの燃費は約28.4km/Lで、プリウス(Zグレード:28.6km/L[E-Four:26.7km/L])とほぼ同等の水準を実現しています。
実燃費では状況によりプリウスがやや有利ですが、インサイトは静粛性や質感の高いインテリアが強み。
燃費性能だけでなく、走行快適性や高級感を求めるユーザーに支持されています。
アクア
トヨタのアクアは、プリウスよりコンパクトで車両重量も軽く、トップクラスの燃費性能を誇ります。
最新モデルのZグレードではWLTCモード33.6km/Lと、プリウスZ(28.6km/L)より約5km/L高い数値を記録しています。
特に市街地走行ではプリウスを大きく上回る燃費を示し、短距離移動や街乗りを重視する人に有利です。
一方でプリウスはサイズや走行安定性に優れており、ボディサイズや利便性などの違いが選択基準となるでしょう。
シビック
ホンダ・シビックの燃費性能は15.3〜24.2km/Lと、プリウスの30km/L超えの数値には及びません。
しかし、その分パワフルな加速や走行安定性を重視した設計が特徴です。
燃費効率だけを優先するならプリウスに軍配が上がりますが、走りの楽しさやスポーティなデザインを求めるユーザーにとってはシビックが魅力的な選択肢となります。
燃費と走行性能のどちらを重視するかによって、両車の評価は大きく変わるといえるでしょう。
まとめ
プリウスは世代ごとに進化を遂げ、現行モデルでは低燃費に加え、安全性や快適性も兼ね備えています。
グレードによって燃費性能は異なりますが、いずれも日常から長距離まで経済的に走行できるのが魅力です。
ライバル車と比較しても高い水準を維持しており、環境にも家計にも優しい一台といえるでしょう。
ぜひプリウスに乗って、経済的なカーライフを実現してください。