
商用車として根強い人気を誇るトヨタのプロボックス。
積載性と耐久性に優れ、最近ではその広い荷室を活かしてアウトドアやレジャー用途で使用する人も増えています。
そんなプロボックスを検討している方のなかには、「燃費って実際どうなの?」「ガソリン車とハイブリッド車、どちらが自分に合うの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
本記事では、プロボックスの詳しい燃費数値をはじめ、ガソリンとハイブリッドとの比較やおすすめグレードまでを詳しく解説します。
プロボックスの燃費を知り、購入の判断をしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
プロボックスの基本情報
プロボックスの詳しい燃費を紹介する前に、プロボックスとはどのような車なのかを紹介していきます。
スペックや特徴、サクシードとの違いを確認していきましょう。
プロボックスのスペックと特徴
| ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,245×1,690×1,525mm | |
| 荷室サイズ(荷室長×荷室幅×荷室高) | 2名時 | 1,810×1,420×935mm |
| 5名時 | 1,040×1,415×935mm | |
| 車両総重量 | 1,090kg~1,170kg | |
| エンジン | 直列4気筒ガソリン 直列4気筒ハイブリッド |
|
| 駆動方式 | 2WD・4WD | |
| 総排気量 | 1,300cc・1,500cc | |
トヨタ・プロボックスは、2002年に登場した実用性の高い商用バンです。
コンパクトながらも広い荷室を備え、最大400kgの積載が可能です。
街中でも扱いやすいサイズと低燃費性能で、多くの方から支持されています。
2018年からはハイブリッドモデルも追加され、環境性能と経済性を両立。
耐久性にも優れ、仕事だけでなくレジャー用途にも活躍する万能車です。
サクシードとの違いは?
サクシードは、2002年7月に誕生した商用バンです。
もともと、プロボックスの兄弟車として開発されたのですが、2014年のマイナーチェンジにより、プロボックスと統一されました。
そのため、両車にほとんど違いはありません。
しかし、統一される以前のモデルとは、以下のポイントが異なっています。
- ・ボディサイズ
・荷室サイズ
・エクステリア
・インテリア
・エンジン・排気量 など
とはいえ、兄弟車として誕生していることから、わずかな違いと言ってよいでしょう。
現行プロボックスのカタログ燃費と実燃費
ここからは、本題であるプロボックスの燃費を詳しく紹介していきます。
ガソリン車とハイブリッド車に分けて紹介していきますので、一緒に確認していきましょう。
ガソリン車のカタログ燃費と実燃費
ガソリン車の燃費は、次のとおりです。
| グレード・駆動方式 | カタログ燃費 | 実燃費 | ||
| ガソリン | 1.3L G | 2WD | 16.6km/L | – |
| 1.5L F | 2WD | 17.2km/L | 10.69km/L | |
| 4WD | 14.6km/L | 14.83km/L | ||
| 1.5L G | 2WD | 17.2km/L | 10.69km/L | |
| 4WD | 14.6km/L | 14.83km/L | ||
※WLTCモード
ガソリン車のカタログ燃費は、全体で14.6〜17.2km/Lとなっています。
グレードによって排気量が異なることや、駆動方式の違いから燃費は異なってきます。
実燃費に関しては、1.5Lの2WDのみカタログ燃費より約6.5km/L低下していますが、1.5Lの4WDに関しては大きな差が見られませんでした。
ハイブリッド車のカタログ燃費と実燃費
ハイブリッド車の燃費は、次のとおりです。
| グレード | カタログ燃費 | 実燃費 | |
| ハイブリッド | GX | 22.6km/L | 18.72km/L |
| GL | 22.6km/L | 18.72km/L | |
| F | 22.6km/L | 18.72km/L |
※すべて2WD
ハイブリッド車のカタログ燃費は、すべて22.6km/Lと、グレードによる違いはありません。
実燃費は、通常カタログ燃費より2〜3割程度低くなりますが、プロボックスのハイブリッドは2割を切る数値となっているので、優れた性能と言ってよいでしょう。
先代プロボックスのカタログ燃費と実燃費
プロボックスには、2002年7月に発売された先代モデルがあります。
ここでは、先代モデルの詳しい燃費を見ていきましょう。
先代プロボックスのカタログ燃費と実燃費
先代モデルのエンジンは、1.3Lと1.5Lのガソリンがあり、それぞれMT(ミッション)とAT(オートマ)から選択できます。
また、駆動方式も2WDと4WDから選択でき、豊富なモデルから選べるところが特徴です。
詳しい燃費は、以下のとおりです。
| 排気量・トランスミッション ・駆動方式 |
カタログ燃費 | 実燃費 | ||
| ガソリン | 1.3L AT | 2WD | 16.0km/L | 6.99km/L |
| 1.3L MT | 2WD | 17.4km/L | – | |
| 1.5L AT | 2WD | 15.8km/L | 7.66km/L | |
| 1.5L MT | 2WD | 17.0km/L | 10.69km/L | |
| 1.5L AT | 4WD | 14.0km/L | – | |
| 1.5L MT | 4WD | 16.2km/L | 10.92km/L | |
※すべて10・15モード
※測定方法が10・15モードと呼ばれる方法で算出しているため、現行モデルのWLTCモードと比べると、少し数値が高くなっています
先代モデルのカタログ燃費は、全体で見ると14.0〜17.4km/Lとなっています。
ATとMTでは、MTのほうが高い数値であることが分かります。
実燃費に関しては、全体で3.5〜6割低い数値となるため、決してよい性能とは言えないでしょう。
プロボックスの先代にはディーゼルモデルもある
実は、先代プロボックスにはディーゼルモデルも発売されていました。
ディーゼルの燃費は、次のとおりです。
| 排気量・トランスミッション ・駆動方式 |
カタログ燃費 | 実燃費 | ||
| ディーゼル | 1.4L MT | 2WD | 23.0km/L | 22.16km/L |
ディーゼルモデルのエンジンは、1.4L2WDのMT車のみ選択可能です。
カタログ燃費は23.0km/Lと高い数値となっており、実燃費に関しても22.16km/Lと、カタログ燃費と大きな差が見られませんでした。
通常、ディーゼル車はガソリン車よりも燃費がよいこともありますが、20.0km/Lを超えるのは優れた燃費性能であると言えるでしょう。
プロボックスとライバル車との燃費を比較
プロボックスを検討している方は、ライバル車との比較は重要なポイントです。
以下に似た車を3つ紹介しますので、参考にしてください。
【トヨタ】サクシード
トヨタのサクシードの燃費は、次のとおりです。
| エンジンの種類 | サクシード | プロボックス | |
| ガソリン | 2WD | (19.6km/L) 【18.2km/L】 |
16.6〜17.2km/L |
| 4WD | (15.8km/L) 【15.8km/L】 |
14.6km/L | |
| ハイブリッド | 2WD | 22.6km/L | 22.6km/L |
| 4WD | – | – | |
※()はJC08モード
※【】は2014年以前のモデル(JC08モード)
サクシードの燃費は、2WDで18.0〜19.0km/L前後、4WDで15.8km/Lとなっています。
燃費の比較は測定方法が異なるため、正確ではありませんが、JC08モードがWLTCモードよりも高い数値になることから、そこまで大きな差ではないと言えるでしょう。
【マツダ】ファミリアバン
マツダのファミリアバンの燃費は、次のとおりです。
| エンジンの種類 | ファミリアバン | プロボックス | |
| ガソリン | 2WD | 17.2km/L | 16.6〜17.2km/L |
| 4WD | 14.6km/L | 14.6km/L | |
| ハイブリッド | 2WD | 22.6km/L | 22.6km/L |
| 4WD | – | – | |
ファミリアバンは、もともとプロボックスをベースにして開発されたOEM供給車です。
そのため、エンジンはプロボックスと同じですが、1.3Lはありません。
燃費を比較すると、OEM供給車であることから数値はすべて同じとなっています。
なお、ファミリアバンは2023年12月で生産終了しています。
【日産】NV150AD
日産のNV150ADの燃費は、次のとおりです。
| エンジンの種類 | NV150AD | プロボックス | |
| ガソリン | 2WD | 17.4km/L | 16.6〜17.2km/L |
| 4WD | 13.0km/L | 14.6km/L | |
| ハイブリッド | 2WD | – | 22.6km/L |
| 4WD | – | – | |
NV150ADのエンジンは、2WDが1.5Lガソリン、4WDが1.6Lガソリンの設定です。
燃費を比較すると、2WDの数値はほとんど同じですが、4WDは排気量の違いから、NV150ADのほうが低い数値となっています。
なお、NV150ADは2025年11月に生産終了予定となっています。
プロボックスの燃費を向上させる3つのコツ
プロボックスの燃費は、モデルによって20.0km/Lを超える優れた燃費性能がありますが、使い方次第では燃費を悪化させる可能性があります。
ここでは、プロボックスの燃費を向上させる3つのコツを紹介していきます。
緩やかにアクセルを踏む
走行時の急なアクセルは、燃料消費を加速させます。
そのため、アクセルを踏む際はゆっくり進むことを意識しながら行うことが大切です。
特に発進時や加速時は、緩やかにアクセルを踏むことで、燃費を大きく改善できるでしょう。
タイヤの空気圧を適正にする
タイヤの空気圧は、燃費と大きく関係しています。
通常、タイヤの空気圧が減ってくると、地面との接地面が広がり抵抗が大きくなるため、エンジンの負荷が増えて余計な燃料を消費してしまいます。
タイヤの空気圧チェックは1ヶ月に1回程度でよいとされていますので、ガソリンを入れる際や出かける前などに確認しましょう。
必要のない荷物は降ろす
燃費は、車に載せる荷物の量によっても燃費は左右されます。
特にプロボックスは、大量の荷物を載せられることから、そのままにしてしまう方も少なくありませんが、燃費には悪影響です。
めんどくさいと感じるかもしれませんが、荷物を降ろすことをクセづけてしまえば、余計な燃料を減らさなくて済みます。
プロボックスの価格と維持費
プロボックスの燃費を調べている方は、車両価格や維持費といった費用も気になるところだと思います。
以下に具体的な金額を紹介しますので、購入する際の参考にしてください。
プロボックスの新車価格
| グレード | エンジン | 駆動方式 | 車体価格(税込) |
| G | ガソリン車 | 1.3L 2WD | 1,529,000円 |
| 1.5L 2WD | 1,708,000円 | ||
| 1.5L 4WD | 1,870,000円 | ||
| GX | ハイブリッド車 | 1.5L 2WD | 1,828,000円 |
| GL | ハイブリッド車 | 1.5L 2WD | 2,000,000円 |
| F | ガソリン車 | 1.5L 2WD | 1,777,000円 |
| 1.5L 4WD | 1,939,000円 | ||
| ハイブリッド車 | 1.5L 2WD | 2,052,000円 |
プロボックスの中古車価格
| エンジンタイプ | 中古車価格 | ||
| 2WD | 4WD | ||
| ガソリン | 499,000〜3,661,000円 | 498,000〜4,400,000円 | |
| ハイブリッド | 800,000〜3,790,000円 | – | |
プロボックスの維持費
| 項目 | ガソリン車 | ハイブリッド車 |
| 燃料費(1L/170円) | 98,837〜116,438円 | 75,221円 |
| 自動車税(1年) | 14,300円 | |
| 車検費用(1年) ※車検費用+重量税+自賠責保険+印紙代 |
54,150円程度 | |
| 合計 | 167,287〜184,888円 | 143,671円 |
プロボックスの魅力
プロボックスの燃費は魅力の一つですが、そのほかにも豊富な魅力があります。
ここでは、燃費以外のプロボックスの魅力を4つ紹介していきます。
大量の荷物が積み込める積載力
プロボックスの最大の特徴と言えるのが、大量の荷物を積み込める積載力です。
| 乗車人数 | 荷室長×荷室幅×荷室高(mm) | 荷室容量 | |
| ガソリン車 | 2名時 | 1,810×1,420×935 | 400kg |
| 5名時 | 1,040×1,415×935 | 250kg | |
| ハイブリッド車 | 2名時 | 1,810×1,420×935 | 350kg |
| 5名時 | 1,040×1,415×935 | 200kg |
グレードにもよりますが、荷室には最大400kgまで積み込めるほどの容量を誇ります。
また、荷室長は最大1,810mmもあり、長さのある荷物も載せられます。
走行性能が優れている
プロボックスは「公道最強」と呼ばれるほどの走行性能があります。
ガソリン車は、どちらの排気量も低燃費かつ低排出ガスを実現しており、安定した走行や乗り心地を感じられます。
また、4WDでは坂道や路面状況の悪い道でも、安定した走行が可能です。
ハイブリッドに関しては、エンジンにモーターが加わることで、低燃費でスムーズな加速を実現。
さらに「エコドライブモード」や「EVドライブモード」など、路面状況に合わせた走行モードが選択できます。
手に入れやすい価格帯
プロボックスを所有しているユーザーには、お求めになりやすい価格帯である理由から、手に入れた方も数多くいます。
安いグレードで150万円台から手に入れられるのは、大きな魅力です。
また、維持費もそこまでかからないので、お財布に優しい車両と言えるでしょう。
運転者に嬉しい快適装備が充実
プロボックスは、もともと商用として開発されてきたことから、運転席周りの装備品が充実しています。
例えば、さまざまなものを置ける「マルチホルダー」や、小物や飲み物を置ける「センタートレイ」、PC操作や食事に便利な「インパネテーブル」などが備えられています。
そのほかにも、乗る方の身体に合わせて調整できる「シート上下アジャスター」も搭載されており、リラックスして過ごせる装備品が満載です。
プロボックスを燃費で選ぶならどのグレードがおすすめ?
プロボックスの購入を検討している方は、いくつかあるグレードの選択に悩む方も多いと思います。
燃費だけでお伝えすると、もっともおすすめなのが「ハイブリッドFグレード」です。
ハイブリッドモデルは、すべてのグレードで22.6km/Lという優れた燃費性能を誇り、実燃費でも18.72km/Lを記録しています。
また、最上位グレードにあたるFはもっとも装備品が備えられているので、燃料を抑えながら快適性も高められています。
価格は高くなってしまいますが、安いグレードと比較すると50万円程度の差ですので、長く乗ることを考えれば燃費の良さで十分に元が取れると言えるでしょう。
まとめ
本記事では、プロボックスの詳しい燃費数値を現行と先代モデルに分けて紹介し、ライバル車との比較や車両価格、維持費についても言及しました。
現行モデルのプロボックスは、ガソリン車・ハイブリッド車ともに優れた燃費性能を発揮し、さまざまなシーンで高い評価を得ています。
また、プロボックスは積載性・耐久性・価格の面でも優れており、総合的なコストパフォーマンスが非常に高い車といえます。
燃費を重視しつつ、ビジネスにもレジャーにも幅広く活用できる車を探している方は、ぜひトヨタのプロボックスを検討してみてください。





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