車検証とは、乗っている車が保安基準に適合していることを証明する書類です。
公道を走行する際には車検証を所持していることが義務付けられており、不携帯の場合は違反となります。
なお、車検証はコピーを携帯して運転していたとしても、原本がないと罰則の対象です。
そのため、もし車検証を紛失してしまった場合には、すみやかに再発行の申請を行わなければなりません。
そこで本記事では、車検証の再発行方法や費用・期間・必要書類について解説します。
車検証の再発行でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
車検証を再発行しないとどうなる?
公道走行時に必須の車検証ですが、運転前に車内に保管されているか、毎回チェックする方はほとんどいないでしょう。
そのため、知らない間に車検証を紛失していることもあるかもしれません。
何かの理由で車内から車検証を取り出した際に戻すのを忘れて、そのまま紛失してしまった場合もあるでしょう。
どのような理由があっても、車検証を紛失したと気づいた時点ですぐに対応しなければ、さまざまな問題が発生します。
車検証を再発行しないと発生する問題は、以下のとおりです。
- ・道路運送車両法違反となる
・さまざまな手続きが行えない
・悪用される恐れがある
それぞれの問題について解説します。
道路運送車両法違反となる
車検証は公道を走行する際に、車内に保管することが義務付けられています。
もしも所持せずに運転をしてしまうと、道路運送車両法66条違反となり、50万円以下の罰金が科せられます。
また、通常車検証と共に保管しておく自賠責保険証も、携帯していなければ自動車損害賠償保障法8条の違反となり、50万円以下の罰金が科せられます。
不要な出費を避けるためにも、車内に保管されているか確認しておきましょう。
さまざまな手続きが行えない
車検証がなければ、以下の手続きが行えません。
- ・自動車保険への加入
・車の名義変更
・一時抹消登録の手続き
・永久抹消登録の手続き
・転居時の駐車場契約手続き
・会社への入社手続き
・カーフェリーへの乗船
・車検の更新
車検証がなければ、車検を受けられないため気を付けてください。
さらに、抹消登録の手続きが行えない場合は、現在乗っていない車であっても廃車手続きができません。
自動車税の支払いが発生し、無駄に費用がかかるため気を付けましょう。
悪用される恐れがある
車上荒らしなどで車検証を紛失してしまった場合には、悪用される恐れがあり危険です。
特に車を所有している方の氏名や住所が記載されているため、個人情報は避けなければいけません。
もしも盗難により車検証を紛失した場合には、被害届を警察に出しておきましょう。
被害届には、被害に遭った日時や場所を記載する必要があるため、あらかじめ情報を整理しておくとスムーズです。
車検証を再発行するときの必要書類
車検証の再発行をするには、まずは必要書類を揃えることから始めましょう。
ただし、普通自動車と軽自動車では車検証再発行に必要な書類が異なるため、注意が必要です。
ここでは、車検証の再発行に必要なものを紹介します。
普通自動車
普通自動車の車検証再発行に必要な書類は、以下のとおりです。
- ・自動車検査証再交付申請書
・手数料納付書
・理由書
・本人確認書類
自動車検査証再交付申請書は、運輸支局の窓口で配布または、運輸支局のウェブサイトからダウンロードすることもできます。
事前にダウンロードして記入しておくと、当日の手続きがスムーズになるためおすすめです。
ただし、電子機器で読み取るため文字がかすんでいたり、しわや汚れがあったりすると再記入しなければならないため、記入後は丁寧に保管しましょう。
手数料納付書は運輸支局の窓口で入手し、350円分の印紙を貼り付けて提出します。
理由書は、自動車検査証再交付申請書に再発行する理由が記入してあれば、必要ありません。
理由書も窓口で配布、または国土交通省のウェブサイトからダウンロードが可能なため、事前に用意しておくとよいでしょう。
本人確認書類は運転免許証や健康保険証、パスポートなど、本人であることを証明できるものを提示しましょう。
また、車検証の再発行手続きを自分で行わず、代行業者に依頼する場合は委任状が必要です。
委任状は、運輸支局のホームページからダウンロードできます。
軽自動車
軽自動車の車検証再発行に必要な書類は、以下のとおりです。
- ・自動車検査証再交付申請書
・車検再発行手数料
自動車検査証再交付申請書は、軽自動車検査協会の窓口で配布または、ウェブサイトからダウンロードもできます。
申請手数料は、普通自動車と同じく350円です。
また、軽自動車の車検証再発行手続きも普通自動車と同様に、代理人に任せることができます。
車検証の再発行を車の所有者本人以外が行う場合には、申請依頼書が必要です。
しかし、普通自動車の場合と異なり申請依頼書が代わりとなるため、委任状を別で用意する必要はありません。
申請依頼書は、軽自動車検査協会のホームページからダウンロードできるので、チェックしてみてください。
車検証の再発行にかかる時間・費用
ここでは、車検証の再発行にかかる時間や費用について解説します。
再発行にかかる時間
車検証再発行にかかる時間は、窓口の混雑状況に変動しますが、一般的には30分〜60分程度です。
ただし、窓口で申請をして車検証の再交付を受けるまでの時間であり、当日に書類を記入したり誤りがあったりすると、さらに時間を要します。
また、必要書類を揃える手間や時間も考慮しなければいけません。
窓口の受付時間は平日の限られた時間しか営業していないため、早めにスケジュールを立てて手続きしましょう。
再発行にかかる費用
車検証の再発行にかかる費用は、普通自動車も軽自動車も同様で印紙代の350円です。
ただし、自分で車検証再発行の手続きを行わずディーラーや業者などに依頼する場合は、代行料が別途で必要になります。
費用は業者によって異なりますが、およそ1万円程度と安いとはいえません。
しかし、平日に手続きができない人にとっては便利な方法のため、検討してみるとよいでしょう。
なお、業者によっては2万円以上などの高額な代行料を請求されるケースもあるため、事前に確認しておくと安心です。
車検証を再発行する方法
車検証を再発行するには、自分で行う方法とディーラーや専門の代行業者などに手続きを依頼する方法の2種類があります。
それぞれの申請方法や窓口について理解することで、自分に合った方法を選ぶことが可能です。
ここでは、車検証を再発行する方法を解説するのでご覧ください。
自分で行う場合
車検証を再発行できる場所は、以下のとおりです。
再発行先 | |
普通自動車 | 運輸支局 |
軽自動車 | 軽自動車検査協会 |
地域によって営業時間が異なりますが、運輸支局も軽自動車検査協会も、月曜日から金曜日の午前8時45分~11時45分、13時~16時までです。
なお、毎年12月29日から1月3日は年末年始のため、営業していません。
車検証の再発行を自分で行う場合は、必要書類を揃えて当日に申請場所へ行きます。
購入した収入印紙を手数料納付書に貼り付けて、持参した書類と一緒に窓口に提出すれば申請完了です。
番号や名前を呼ばれたら、新しい車検証が交付されます。
ここでは、自分で再発行する場合のメリット・デメリットをそれぞれ紹介します。
メリット
車検証の再発行を自分で行うメリットは、業者に依頼するよりも費用が抑えられることです。
業者に依頼すると手数料や代行費用がかかる場合がありますが、自分で行う場合は車検再発行手数料の350円で済みます。
コストを抑えたい方や、日中に時間が取れる方には、おすすめの方法です。
デメリット
車検証の再発行を自分で行うデメリットは、手間や時間がかかることです。
前述のとおり、営業時間は平日の限られた時間となっているため、仕事でいけない方もいるでしょう。
また、車検証の再発行は自動車を使用のしている本拠地を管轄する運輸支局、自動車検査登録事務所で行わなければなりません。
引っ越しをした場合は新しい住所を管轄する運輸支局、または軽自動車検査協会で手続きをするため、住所を確認しておきましょう。
手続きを依頼する場合
車検証の再発行手続きを依頼する場合は、申請に関する手続きはすべて業者が行います。
普通自動車の場合は、必要書類に加えて委任状を忘れずに用意しましょう。
業者によっては、手続きの代行は受けつけていない可能性もあるため、あらかじめ確認してください。
ここでは、手続きを依頼する場合のメリット・デメリットをそれぞれ紹介します。
メリット
手続きを依頼するメリットは、手間や時間を軽減できることです。
車検再発行手続きが行えるのは基本的に平日のため、土日祝にしか時間が取れない方に向いています。
さらに、必要な書類を用意すれば、煩雑な手続きを依頼できるのもメリットです。
デメリット
手続きを依頼すると、車検再発行手数料のほかに代行手数料がかかるのがデメリットです。
代行手数料は業者によって異なりますが、数万円程度かかるのが一般的です。
再発行した車検証は郵送で受け取れる?
車検証の再発行手続きは、郵送では行っていません。
直接、運輸支局や軽自動車検査協会に出向いて、本人が行う必要があります。
もし仕事などで自分で再発行手続きを行えない場合は、業者や代理人に手続きを依頼することも可能です。
その場合には、委任状または申請依頼書を用意しましょう。
車検証と一緒に自賠責保険証も再発行したい場合は?
自賠責保険証も再発行が可能なため、紛失した際にはすぐに再発行手続きを行いましょう。
車検証と同様に、公道を走行する際には携帯することが法律で義務付けられているからです。
また、自賠責保険証には車台番号、保険期間、契約者の氏名・住所、保険会社名などが記載されているため、悪用される危険性もあります。
車検証と一緒に車内に保管する人も多いですが、紛失に気づいた場合は、万が一のトラブルに備えて早めに再発行することをおすすめします。
ここでは、車検証と一緒に自賠責保険証も再発行したい場合の方法や必要なもの、期間や費用について解説します。
再発行方法
自賠責保険証の再発行は、代行業者に依頼することができないため、自分で行わなければなりません。
自賠責保険証の再発行する場合は、加入している保険会社に、自賠責保険証を再発行してほしい旨を自分で連絡しましょう。
その際に、車体番号やナンバープレートに記載されている車両番号があれば、手続きがスムーズに進みます。
また、保険会社や車体番号などがわからない場合は、直近で車検を受けた業者に問い合わせると確認できます。
ただし、車検を受けた業者が保険会社に自賠責保険証の再発行依頼はできないため、注意してください。
必要なもの
自賠責保険証の再発行に必要な書類は、保険会社によって異なることがありますが、一般的には以下のとおりです。
- ・本人確認書類
・印鑑
・再発行申請書
本人確認書類は運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなどが有効なため持参してください。
印鑑はシャチハタは認められていないため、ご注意ください。
再発行申請書は、保険会社のウェブサイトなどからダウンロードできるので、事前に記入しておくとよいでしょう。
期間や費用
自賠責保険証の再発行にかかる期間は、一般的に1週間~2週間程度です。
必要書類がそろっている場合は、直接保険会社の窓口に行くと即日再発行されるケースもあるため、急いでいる方はおすすめの方法です。
再発行にかかる費用は、基本的に無料に設定している保険会社がほとんどですが、あらかじめ確認しておくと安心です。
まとめ
車検証は、車が国の保安基準を満たしていることを証明する重要な書類です。
公道を走行する際には、所持しておくことが義務付けられているため、気を付けてください。
もしも、車検証不携帯で公道を走行した場合は、道路運送車両法違反となり、50万円以下の罰金が科せられます。
また、車検証の再発行をしなければ、車検の更新や名義変更、抹消登録手続きなど、さまざまな手続きが行えず不便です。
紛失してしまった場合には、すみやかに再発行手続きを行いましょう。
車検証を再発行は自分で行う方法だけでなく、代理人に依頼する方法もあります。
特に手続きができる窓口は平日の日中しか営業していないため、自分で再発行する時間が取れない方は、代行業者を利用するなどして再発行しましょう。