車を運転していて、他人の車にぶつけてしまった場合、20万円もの修理代金が発生することもあります。
そこで、保険を使うべきか、自腹で支払うべきか悩む方も多いでしょう。
この記事では、帰宅後に行うべき手続きと、20万円の修理代金における保険活用の詳細を解説します。
また、相手の保険会社とのやりとりについても分かりやすく説明します。
- ・20万の修理代金で保険を使うべきか知りたい
・保険会社とやり取りする流れを知りたい
・保険を使用しない場合の注意点を知りたい
上記のような方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
車両保険の特徴
車両保険は、契約車両自身が損害を受けた場合に補償を受けられる自動車保険です。
任意で加入するもので、契約内容によって補償内容が異なります。
それでは、車両保険と対物保険の特徴や違いについてみていきましょう。
車両保険とは?
車両保険は、契約車両自身が損害を受けた場合に補償を受けられる自動車保険です。
任意で加入するもので、契約内容によって補償内容が異なります。
主な補償内容は以下の通りです。
- ・事故による損害
・盗難
・自然災害
・いたずら
・落下物
・飛び石
自損事故や相手がわからない事故でも補償を受けられるというメリットがある一方で、保険料金が高いことや免責額があることがデメリットとして挙げられます。
車両保険は、以下のような方におすすめです。
- ・新車を購入した方
・運転に自信がない方
・損事故のリスクが高い方
・盗難のリスクが高い地域に住んでいる方
対物保険との違い
対物保険とは、自動車事故によって他人の財物に損害を与えた場合に、法律上の損害賠償責任を補償する自動車保険です。
補償対象となる財物は次の通りです。
- ・相手方の車家屋
・ガードレール
・電柱
・その他、他人の所有する物
・対物保険の補償内容
対物保険は、自動車保険の中でも最も重要な補償のひとつです。
自動車事故によって他人の車や物に損害を与えてしまうと、多額の損害賠償責任を負う可能性があります。
対物保険で補償される内容は以下の通りです。
- ・相手の修理費用
・相手の損害賠償金
・相手の休業損害
・相手の精神的損害
対物保険に加入しておけば、万が一事故を起こしてしまった場合でも、保険金によって損害賠償責任を支払うことができます。
しかし、すべてのものに対して補償される訳ではありません。
- ・故意または重大な過失によって生じた損害
・地震、噴火、津波、台風、洪水、高潮等による損害
・戦争、内乱、暴動等による損害
・核燃料物質等による損害
・契約者や被保険者自身の財物に生じた損害
・金銭、貴金属、宝石、美術品等、特別の価値を有する物
・ペット
・精神的損害
・休業損害
・契約者や被保険者に係る損害
上記の損害に関しては、対物保険で補償されないため注意してください。
車を修理に出す前に!事故を起こしたら必ずやるべきこと3選
車を運転していて事故を起こしてしまった場合、どうすれば良いのかわからず慌ててしまうでしょう。
修理にかかる費用を保険でまかなうためには、事故状況の記録が必要になります。
冷静に状況を把握し、適切な対応をすることが重要です。
ここでは、事故を起こした場合に必ずやるべきことの4つをご紹介します。
- ・警察への連絡
・相手との情報交換
・事故状況の記録
・相手への謝罪連絡
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
警察への連絡
人身事故や物損事故に関わらず、必ず警察へ連絡しましょう。
軽い接触事故だからといって、連絡を放棄すると道路交通法違反となり、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が課せられる可能性があります。
また、保険請求代金の請求には、「事故証明書」の取得が必要です。
そのため、相手がその場から居なくなってしまった場合でも、必ず警察に連絡するようにしましょう。
警察への連絡時に伝える情報は次のとおりです。
- ・事故日
・事故場所
・事故状況
・相手方の車両情報
・人身被害の有無
見た目では外傷がない事故でも、内部が損傷している可能性もあるため、後から不良が起きてしまうこともあるでしょう。
そういったリスクを未然に防ぐためにも、必ず110番をするようにしてください。
相手との情報交換
相手がいる場合は、必ず以下の情報を交換しましょう。
- ・氏名
・住所
・電話番号
・自動車保険会社名
・車種や色
・ナンバー
事故の後気が動転していると、話した内容を忘れてしまうかもしれません。
必ず形に残るものに情報をメモする必要があります。
相手が手書きでメモに書いてくれた場合は、名前の読み仮名なども確認しておきましょう。
事故状況の記録
事故状況を記録することで、事故原因の特定や保険金請求に役立ちます。
保険金請求の際、保険会社に連絡すると、担当者が変わる度に何度も事故状況を聞かれることがあるため、事故情報の記録はしておく方が良いでしょう。
記録しておきたい事故情報に関しては以下になります。
- ・事故日時
・事故場所
・事故状況
・相手方の車両情報
・人身被害の有無
・現場の状況
・目撃者の情報
事故現場の状況は、写真や動画で記録しておきましょう。
車に傷がついた場合は、傷の状態もわかりやすいように斜視を撮っておくと、後々のトラブルを避けられます。
ドライブレコーダーが搭載されている場合は、映像も保存しておきましょう。
相手への謝罪連絡
自分の非で事故を起こしてしまった場合は、相手へ誠意をもって謝罪しましょう。
謝罪連絡は、示談交渉にも影響します。
また、電話だけではなく、菓子折りなどを持って直接謝罪するのが望ましいです。
一度連絡をして謝罪に伺いたいと伝えてみてください。
もし、相手方から「来られるのは迷惑だ」と言われてしまった場合は、無理に謝罪に行かずに電話で丁寧に謝罪をしましょう。
事故の状況や原因を説明し、謝罪することが重要です。
車の保険会社へ連絡
事故を起こした場合は保険の使用有無に関わらず、保険会社への連絡が必要です。
- ・自分が加入している保険会社
・相手が加入している保険会社
それぞれの流れや伝える内容を解説していきます。
自身の保険会社への連絡
事故発生後、速やかに自身の保険会社へ連絡しましょう。
その際に以下の情報を伝える必要があります。
- ・氏名
・契約者番号
・車体番号
・ナンバー
事故状況を証明できる書類があれば、準備しておきましょう。
現場の情報を記録したものや写真が役立ちます。
また、電話連絡の場合に伝えるべき内容は次の通りです。
- ・事故発生日時
・事故場所
・事故状況
・相手方の車両情報
・人身被害の有無
インターネット連絡の場合は、保険会社のホームページから事故受付フォームに必要事項を入力してください。
また、自身の保険会社への連絡は、保険金請求をするかどうかに関係なく必要です。
その判断は後からでもできるので、事故状況を連絡する方が先決です。
また、保険会社に連絡をいれると営業時間に、事故担当者より折り返しの連絡がきます。
担当者に再度同じ内容を伝える必要があるため、事故状況を記録したものなどは失くさずに保管しておきましょう。
相手の保険会社への連絡
事故の過失割合がどちらにもある場合、相手保険会社への連絡は不要です。
この場合、保険会社同士で示談交渉をしてくれます。
相手保険会社から連絡があった場合は、自分の情報や事故状況を正確に伝えるようにしましょう。
過失が自分だけにある場合は、相手保険会社ではなく自分の保険会社のみで補償対応をすることになります。
20万の修理代金における保険活用のメリット・デメリット
自動車事故で修理代金が発生した場合、保険を使うかどうか悩む方も多いでしょう。
ここでは、修理代金の総額が20万円だった場合を例に、保険を使うメリットとデメリット、そして判断ポイントについて解説します。
自腹で払う場合
自腹で修理代金を支払うメリットは、等級が下がることを防ぎ保険料が上がらないことです。
しかし、20万円というまとまった金額を支払う必要があるため、経済的な負担が大きくなる点はデメリットだといえるでしょう。
保険を使う場合
保険を使うメリットは、修理代金を自己負担せずに済むことです。
しかし、保険を使うと等級ダウンし、翌年度以降の保険料が上がる点がデメリットだといえます。
また、免責金額分の費用は自己負担となるため注意が必要です。
保険を使うべきか判断するポイント
保険を使うべきかどうかは、以下のポイントを参考にして判断しましょう。
- ・修理代金
・免責金額
・等級
・翌年度以降の保険料
・経済的な状況
修理代金が免責金額よりも高額であれば、保険を使う方が経済的負担は軽くなります。
また、等級が低い場合は、等級ダウンによる保険料の増加額は小さくなります。
経済的な状況や翌年度以降の保険料も考慮し、総合的に判断しましょう。
保険会社に相談して、アドバイスを受けるのもおすすめです。
相手の保険会社とのやりとり
事故を起こしお互い過失ある場合、たとえ自分が保険を使わなくても、相手の保険会社とのやりとりが必要となります。
ここでは、相手の保険会社とのやりとり内容について解説しましょう。
担当者との連絡
まず、相手の保険会社から担当者がきます。
- ・事故発生日時
・事故場所
・事故状況
・人身被害の有無
・車両の損傷状況
事故担当者から聞かれる内容は上記の通りです。
担当者に伝えるべき情報は、正確かつ丁寧に伝えましょう。
「事故証明書」があれば担当者との対応がスムーズになるため、準備しておくことをおすすめします。
修理代金の交渉
修理代金は相手方の保険会社から見積もり提示を受けます。
もし、見積もり内容に納得できない場合は、修理業者に確認したり、弁護士に相談したりして、妥当な金額を交渉しましょう。
また、修理代金以外にも、以下の費用を請求できる場合があります。
- ・人身被害の治療費
・休業損害
・精神的損害
交渉は自分の加入している保険会社が代理で行ってくれる場合もあります。
事故担当者に相談してみてください。
示談交渉
修理代金以外の損害については、相手方の保険会社と示談交渉を行います。
その示談交渉で対象となるのは、以下の2つの補償金です。
- ・休業損害
・慰謝料
示談交渉は、相手方の保険会社との話し合いで行います。
もし、相手との話がこじれてしまった場合は、弁護士特約などが役立つでしょう。
修理代金20万円で保険を使用しない場合の注意点
修理代金が20万円の場合、保険を使わずに自費で修理を済ませようと思う方もいるのではないでしょうか。
しかし、保険を使わない場合、以下の点に注意する必要があります。
想定以上の修理代金を提示される可能性がある
相手の修理に対して、保険を使わずに自腹で修理代金を払った場合、想定以上の修理代金を提示される可能性があります。
高額な見積もりを出して請求してくる人も少なくありません。
あとから追加で請求されても対処できるよう、保険を利用すると安心です。
修理代金以外に代車代金を請求される可能性がある
修理期間中に代車が必要となる場合、代車代金が発生します。
この代車の代金は、保険を使わない場合には自己負担となってしまうのです。
代車代金は、1日あたり数千円~1万円程度かかり、修理期間が長ければ、代車代金も高額になります。
追加で請求される可能性も考慮して、保険を使うか自腹で払うかを検討する必要があるでしょう。
まとめ
この記事では、20万円の修理代金がかかる場合、保険を使うべきか自腹で払うべきかを解説しました。
保険を使うと等級が下がるというデメリットがありますが、それ以上に安心感を手に入れられるでしょう。
相手がいる事故の場合、修理代金や代車代金、通院費などで総額いくら請求されるかは、わからないものです。
しかし、保険を使えば、どれだけ高額な請求にも対応してくれるでしょう。
相手がいる事故の場合、できるだけ保険を使うことをおすすめします。