街乗りにもファミリーユースにも人気のコンパクトミニバン「シエンタ」。
「燃費がよいと聞いたけど、本当に経済的? ほかの車と比べてどうなの?」と、気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、現行モデルと先代モデルの燃費性能を比較し、さらにライバル車とも徹底的に比較検証します。
実燃費についても紹介しますので、車選びの参考にしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
シエンタの基本情報
スペック | |
ボディサイズ (全長×全幅×全高) |
4,260×1,695×1,695〜1,715mm |
室内サイズ (室内長×室内幅×室内高) |
5人乗り:2,030×1,530×1,300mm 7人乗り:2,545×1,515×1,230mm |
エンジンタイプ | ガソリン・ハイブリッド |
駆動方式 | 2WD・E-Four |
総排気量 | 1,490cc |
乗車定員 | 5人・7人 |
燃費(WLTCモード) | ガソリン:18.3〜18.4km/L ハイブリッド:25.3〜28.8km/L |
シエンタの特徴
日常の買い物から家族や友人とのお出かけまで、幅広いシーンで活躍するトヨタのシエンタ。
コンパクトなサイズ感ながらも、室内の広さや快適性、便利な装備、そして運転のしやすさまでバランスよく備えています。
ここでは、そんなシエンタならではの魅力を詳しくご紹介します。
コンパクトミニバンとは思えない広い室内
シエンタの最大の特徴と言えるのが、コンパクトミニバンなのに室内が広いところです。
5人乗りでは2,030×1,530×1,300mmの室内サイズとなっており、これはコンパクトカーより200mmほど大きいサイズです。
また、7人乗りになると、室内長が約500mmアップの2,545mmとなります。
この広さなら、大人が乗っても余裕を持ってゆったりと乗車でき、さらにスライドドア車なため、お子さまや高齢者の乗り降りも楽に行えるでしょう。
手頃な価格で購入でき、装備も充実している
シエンタは200万円台から購入できる、コストパフォーマンスに優れた車です。
燃費もライバル車と比較しても優れている場合が多く、維持費も抑えられます。
また、2022年夏にフルモデルチェンジしたことにより、最新装備や高い安全性能を搭載し、手頃な価格でありながら高性能な車へ進化しました。
コンパクトなのに7人乗車可能
シエンタは5人乗りと7人乗りから選択でき、7人乗りであっても3列目シートを収納できるので、同時に5人乗り仕様に変更可能です。
なお、ホンダのフリードなども7人乗りでき、3列目シートを収納できますが、積載性で比較するとシエンタのほうが優れています。
小回りが利く走行が可能
シエンタはコンパクトカーよりも大きめのサイズにもかかわらず、小回りが利く走行が可能です。
最小回転半径は5.0mとなっており、5.2mのフリードよりも小さく、コンパクトSUVのライズと同等の大きさです。
そのため、狭い道でもスムーズに走れ、車庫入れや縦列駐車も難なく行えるでしょう。
子どもや高齢者が乗り降りしやすい
シエンタは低床かつフラットな床構造を採用しており、小さなお子さまや高齢者でもスムーズに乗り降りできる高さに設計されています。
最低地上高は140mmと低めに設定され、さらに「ハンズフリー電動スライドドア」を搭載することで、スムーズな乗り降りが可能です。
また、室内空間は広く、室内高も1,300mmと高めに設定されているので、室内間での移動のしやすさも魅力と言えるでしょう。
【現行】シエンタの燃費
ここからは、本題であるシエンタの燃費をグレードや駆動方式、エンジンなどに分けて紹介していきます。
グレードやエンジンタイプなどで検討している方は、参考にしてください。
X
シエンタの「X」は、グレードの中でもエントリーモデルとなります。
カタログ燃費は、以下のとおりです。
エンジン | 駆動方式 | 乗車定員 | 燃費(WLTC) |
---|---|---|---|
ガソリン | 2WD | 5人 | 18.4km/L |
7人 | 18.3km/L | ||
ハイブリッド | 2WD | 5人 | 28.8km/L |
7人 | 28.5km/L | ||
E-Four | 5人 | 25.3km/L | |
7人 | 25.3km/L |
Xグレードのカタログ上の燃費は、ガソリン車の場合で20.0km/Lをやや下回る数値です。
一方、ハイブリッド車はどちらの駆動方式も25km/Lを超える数値となっており、優れた燃費性能であることが確認できます。
G
シエンタの「G」は、グレードの中でも中間に位置するミドルレンジモデルです。
カタログ燃費は、以下のとおりです。
エンジン | 駆動方式 | 乗車定員 | 燃費(WLTC) |
---|---|---|---|
ガソリン | 2WD | 5人 | 18.4km/L |
7人 | 18.3km/L | ||
ハイブリッド | 2WD | 5人 | 28.4km/L |
7人 | 28.2km/L | ||
E-Four | 5人 | 25.3km/L | |
7人 | 25.3km/L |
Xグレードと比較すると、ガソリン車は同じ数値で、2WDハイブリッド車のみ数値が下がります。
しかし、0.3〜0.4km/L程度ですので、そこまで差はありません。
Z
シエンタの「Z」は、グレードの中でも最上位に位置するグレードです。
カタログ燃費は、以下のとおりです。
エンジン | 駆動方式 | 乗車定員 | 燃費(WLTC) |
---|---|---|---|
ガソリン | 2WD | 5人 | 18.4km/L |
7人 | 18.3km/L | ||
ハイブリッド | 2WD | 5人 | 28.4km/L |
7人 | 28.2km/L | ||
E-Four | 5人 | 25.3km/L | |
7人 | 25.3km/L |
Zグレードのカタログ燃費は、Gグレードと同じ数値です。
どのグレードもカタログ燃費の違いはほとんどありませんが、エンジンタイプで大きく違うことが分かります。
シエンタの実燃費はどのくらい?
実燃費についても見ていきましょう。
燃費投稿サイト「e-燃費」のデータを参考にした実燃費が次のとおりです。
エンジン | グレード | 駆動方式 | 乗車定員 | 実燃費 |
---|---|---|---|---|
ガソリン | Z/G/X | 2WD | 5人 | 16.66km/L |
7人 | 16.66km/L | |||
ハイブリッド | Z/G/X | 2WD | 5人 | 22.02km/L |
7人 | 22.02km/L | |||
E-Four | 5人 | 22.31km/L | ||
7人 | 22.31km/L |
実燃費はガソリン車で16.66km/Lと、カタログ燃費と比較しても大きく変わりはありませんでした。
一方、ハイブリッド車はグレードや乗車人数による差はなく、3〜6km/L低い22.02〜22.31km/Lとなっています。
どちらの実燃費も大きな差は見られず、シエンタが低燃費で走行できる車種であることが確認できます。
シエンタは街乗りと高速道路ならどちらに向いている?
シエンタだけに限りませんが、街乗りで使うことが多い場合はハイブリッド車のほうが燃費は優れています。
これは、市街地走行では低い速度で走ることが多く、ハイブリッド車は低速時にモーターで走行するため、ガソリンの使用量を減らせるからです。
実際の口コミでも、街乗りが多いハイブリッド車のほうが燃費はよいという声が多く寄せられています。
一方、ガソリン車に関しては高速道路で使用するのに適しています。
その理由は、高速での走行はエンジンの回転数が一定に保たれやすく、無駄な燃料消費を抑えられるからです。
とはいえ、使用方法やメンテナンスの頻度によって、燃費性能は大きく変わってきますので、どちらのエンジンタイプも使い方次第といえます。
【先代モデル】シエンタの燃費
先代モデルである2代目シエンタの燃費についても確認していきましょう。
2代目シエンタは、2015年7月から2022年8月まで発売されたモデルです。
燃費性能は以下のとおりです。
エンジン | 駆動方式 | 燃費 |
---|---|---|
ガソリン | 2WD | 20.2km/L(JC08) |
4WD | 15.4km/L(JC08) | |
ハイブリッド | 2WD | 22.8km/L(WLTC) |
2代目シエンタのエンジンタイプは、ガソリン車に4WDが設定されており、ハイブリッド車は2WDのみです。
現行モデルと燃費数値を比較すると、2WDガソリン車のみ先代のほうが高い数値です。
もし、ガソリン車を選択する場合は、先代2WDのほうが車両価格も抑えられ、燃費も優れているので、先代モデルを選ぶのもおすすめといえます。
シエンタの価格や維持費は?
シエンタの購入を検討するうえで気になるのが、本体価格や購入後にかかる維持費です。
シエンタは新車・中古車ともに選択肢が豊富で、ライフスタイルや予算に合わせやすいのが魅力。
ここでは、新車価格や中古車価格、さらに1年間の維持費について詳しく見ていきましょう。
新車価格
シエンタの新車価格は以下のとおりです。
エンジン | 駆動方式 | グレード | 乗車定員 | 新車価格 |
---|---|---|---|---|
ガソリン | 2WD | X | 5人 | 2,077,900円 |
7人 | 2,117,500円 | |||
G | 5人 | 2,424,400円 | ||
7人 | 2,464,000円 | |||
Z | 5人 | 2,733,500円 | ||
7人 | 2,773,100円 | |||
ハイブリッド | 2WD | X | 5人 | 2,439,800円 |
7人 | 2,479,400円 | |||
G | 5人 | 2,774,200円 | ||
7人 | 2,814,900円 | |||
Z | 5人 | 3,083,300円 | ||
7人 | 3,124,000円 | |||
E-Four | X | 5人 | 2,637,800円 | |
7人 | 2,677,400円 | |||
G | 5人 | 2,972,200円 | ||
7人 | 3,012,900円 | |||
Z | 5人 | 3,281,300円 | ||
7人 | 3,322,000円 |
現行シエンタの新車価格は、ほとんどのモデルが200万円台となっており、E-Fourハイブリッド車の一部のモデルのみ300万円台で販売されています。
中古車価格
エンジン | 駆動方式 | 乗車定員 | 中古車価格 |
---|---|---|---|
ガソリン | 2WD | 5人 | 897,000〜4,180,000円 |
7人 | 180,000〜3,883,000円 | ||
ハイブリッド | 2WD | 5人 | 978,000〜3,749,000円 |
7人 | 498,000〜3,883,000円 | ||
E-Four | 5人 | 2,614,000〜3,759,000円 | |
7人 | 2,449,000〜3,750,000円 |
中古車価格は状態や時期、販売店によって価格が異なる場合もあるので、購入を検討している方は、販売店に問い合わせてみましょう。
シエンタの1年間の維持費
1年間の走行距離を10,000kmと仮定したときの、シエンタの維持費は次のとおりです。
なお、ガソリン代はレギュラー価格170円としています。
項目 | ハイブリッド車 | ガソリン車 |
---|---|---|
燃料費(1L/170円) | 59,859円 | 92,391円 |
自動車税(1年) | 30,500円 | |
自賠責保険(12ヶ月) | 11,500円 | |
合計 | 101,859円 | 134,391円 |
正確な維持費には、駐車場代やメンテナンス費、高速道路代などが含まれますが、基本的な維持費は上記の費用がかかります。
シエンタとライバル車の燃費を比較
シエンタの燃費を調べている方のなかには、ライバル車との比較を知りたい方も多いと思います。
そこで、ここではシエンタの燃費がほかの人気モデルと比べてどの程度なのかをチェックしていきましょう。
【ホンダ】フリード
エンジンの種類 | フリード | シエンタ | |
---|---|---|---|
ガソリン | 2WD | 16.4〜16.5km/L | 18.3〜18.4km/L |
4WD(E-Four) | 14.4〜14.5km/L | – | |
ハイブリッド | 2WD | 25.3〜25.6km/L | 28.2〜28.4km/L |
4WD(E-Four) | 21.1〜21.3km/L | 25.3km/L |
フリードとの燃費を比較すると、エンジンの種類にかかわらず、シエンタのほうが優れた数値です。
【スズキ】ソリオ
エンジンの種類 | ソリオ | シエンタ | |
---|---|---|---|
ガソリン | 2WD | 19.0km/L | 18.3〜18.4km/L |
4WD(E-Four) | 17.8km/L | – | |
ハイブリッド | 2WD | 19.6〜22.3km/L | 28.2〜28.4km/L |
4WD(E-Four) | 18.4km/L | 25.3km/L |
ソリオとの燃費を比較すると、2WDガソリン車のみソリオのほうが高い数値となっています。
【日産】セレナ
エンジンの種類 | セレナ | シエンタ | |
---|---|---|---|
ガソリン | 2WD | 13.0〜13.4km/L | 18.3〜18.4km/L |
4WD(E-Four) | 11.6km/L | – | |
ハイブリッド | 2WD | 19.3〜20.6km/L(e-POWER) | 28.2〜28.4km/L |
4WD(E-Four) | 16.1〜17.0km/L(e-POWER) | 25.3km/L |
セレナとの燃費を比較すると、フリードと同様にシエンタのほうが低燃費で走行できる車種であることが確認できます。
シエンタの燃費をアップさせる5つのポイント
シエンタの燃費を向上させるためには、車の使い方やメンテナンスなどが重要です。
ここで燃費をアップさせる5つのポイントを紹介しますので、維持費を抑えたい方はチェックしてみてください。
急発進を避けて穏やかな加速を意識する
燃料の消費が最も大きいと言われているのが、発進時や加速時です。
アクセルを強く踏んでしまうと、車に必要なエネルギーが多くなることから、燃料消費が通常よりも多くなってしまいます。
そのため、発進や加速の際は緩やかにアクセルを踏むことを意識しましょう。
特にハイブリッド車は、低速時にガソリン消費を抑えてくれますので、アクセルワークは緩やかに行うことが大切です。
一定速度をキープする運転を心がける
走行中にアクセルを踏んだり緩めたりを繰り返す方がいますが、燃費の観点から見ると、燃料消費を早めています。
一つ前の項目でも紹介しましたが、燃料消費が多くなるのは発進時や加速時です。
そのため、走行中も一定の速度をキープすれば、それだけ燃料消費を抑えられます。
エンジンのかけっぱなしは避ける
車はエンジンをかけているだけでも少しずつ燃料を消費しています。
特に夏場や冬場にエアコンを付けている場合は、さらに燃料消費が進みやすくなります。
室内の環境をよくするためにかけっぱなしにする気持ちは理解できますが、燃費や環境の面ではデメリットが大きいため、停車中はエンジンを切ることをおすすめします。
タイヤの空気圧を適正に保つ
実は、燃費性能はタイヤの空気圧によっても変わってきます。
特に毎日車に乗る方は、振動などにより空気圧が下がっている可能性が高いため、定期的なメンテナンスが必須です。
タイヤの空気圧チェックは、ガソリンスタンドやカーショップなどで行えますので、1ヶ月に1回程度は確認しましょう。
定期的なメンテナンスで車の性能を最適に保つ
車の燃費は、車の状態によっても大きく変わってきます。
特にエンジンオイルの劣化は、本来のエンジンの性能を発揮してくれなくなりますので、定期的なチェック、交換をおすすめします。
エンジンオイルの交換時期の目安に関しては、走行距離3,000〜5,000kmごと、もしくは3〜6ヶ月ごととなっています。
まとめ
この記事では、シエンタの燃費性能を中心に、先代モデルやライバル車との比較、さらに燃費を良くするためのポイントを紹介しました。
シエンタはコンパクトミニバンの中でも特に燃費に優れており、経済性の高さが大きな魅力です。
さらに、広い室内空間や使い勝手のよい装備を備えているため、日常の送迎や買い物だけでなく、旅行やレジャーなど長距離ドライブでも安心して使えます。
燃費の良さと快適性を兼ね備えたシエンタは、子育てファミリーにとって頼れる1台と言えるでしょう。