
日産「スカイライン」は、長い歴史を持つ日本を代表するスポーツセダンです。
力強い走りと上質なデザイン、そして先進の安全技術を兼ね備えたプレミアムモデルとして、多くのドライバーに支持されています。
ターボエンジンを搭載した高性能モデルながら、日常走行でも扱いやすい燃費性能を実現しているのも魅力です。
今回は、スカイラインのグレード別燃費やライバル車との比較、さらに燃費を良くするためのポイントについて詳しく解説します。
スカイラインの特徴
スカイラインは、日本の自動車史を語るうえで欠かせない存在です。スポーツセダンとしての鋭い走りと、
高級車らしい快適性をどちらも追求してきた名車であり、今もなお進化を続けています。
ここでは、スカイラインが長年選ばれてきた理由やスカイラインの特徴を詳しく紹介します。
60年以上の歴史あるスポーツセダン
スカイラインは1957年に誕生以来、日本を代表するスポーツセダンとして60年以上にわたり進化を続けてきました。
当時はプリンス自動車工業が開発を手がけており、独創的な設計と走りの良さで高い評価を獲得しました。
その後、1966年の日産との合併によりブランドは継承され、今日までスカイラインの名前は変わらず守られています。
また、スカイラインが長く愛されてきた理由の一つが、時代ごとに変化するニーズを敏感に取り入れながらも、「スポーツセダンの本質」を貫き続けてきた点です。
独自のスタイリングと走りの楽しさは代々のモデルに受け継がれ、現行型でもその哲学が色濃く反映されています。
日本の自動車文化を牽引してきた名車として、今後も多くのファンを魅了し続けることでしょう。
スタイリッシュなデザイン
現行モデルのスカイラインは、力強さと洗練性を融合させたエクステリアが特徴です。
フロントグリルはより大きく造形され、グレードごとに異なるバンパーデザインを採用することで、スポーティさと上質さを巧みに表現しています。
GT Type SPでは立体的で迫力あるデザイン、GT Type Pでは流れるような水平基調デザインが取り入れられ、見る角度によって異なる印象を楽しめます。
リアはLEDコンビネーションランプによりシャープな表情となり、全体の統一感も向上しています。
ボディカラーはスーパーブラックやダークメタルグレーなどの落ち着いたカラーに加え、カーマインレッドやディープオーシャンブルーといった鮮やかな特別塗装色も魅力的です。
快適な室内空間
スカイラインのインテリアは、スポーツセダンでありながら快適性と静粛性に優れた上質な空間が広がっています。
シートや内装素材は細部までこだわり抜かれ、ドライバーはもちろん、同乗者にとってもリラックスして過ごせる設計です。
また、機能的で視認性のよいコクピットレイアウトにより、操作系統も使いやすくまとめられています。
注目したいのは、日産独自の音響技術「アクティブノイズコントロール」と「アクティブサウンドコントロール」の搭載です。
前者は車内にこもる不快なエンジン音を低減させ、静かな空間を演出しています。
後者は走りの状態に合わせて心地よいエンジンサウンドを響かせ、ドライブの楽しさを一段と高めてくれます。
スポーティさと上質な静けさを融合させた室内空間は、スカイラインならではの魅力といえるでしょう。
滑らかなハンドリング
スカイラインの走りを支えているのが、路面状況や車の動きに応じてサスペンションの減衰力を自動制御する「インテリジェント ダイナミックサスペンション」です。
これにより、スポーツセダンらしい引き締まったハンドリングと、長距離移動でも疲れにくいしなやかな乗り心地を両立しています。
ステアリングの応答性も高く、コーナリング時の安定感やハイウェイでの直進性の高さは、プレミアムセダンとしての完成度を示しています。
高い安全性能
スカイラインには、日産が誇る高度な運転支援技術が数多く搭載されており、ドライバーと同乗者を常に守る体制が整えられています。
JNCAP予防安全性能評価で最高ランクを獲得した実績を持つほか、「エマージェンシーブレーキ」「車線逸脱防止支援(LDP/LDW)」「後側方衝突防止支援(BSI)」「アラウンドビューモニター」など、多面的に危険を察知・回避する仕組みを採用しています。
また、日産初の全方位運転支援システムを全グレードに標準装備し、前方だけでなく側方・後方まで総合的にサポートします。
特に、世界初の「前方衝突予測警報(PFCW)」は2台前の車の動きまで検知でき、渋滞時の追突事故を未然に防ぐ効果が期待できます。
これほど包括的な安全技術が搭載されたスポーツセダンは多くなく、スカイラインが安全性の面でも高く評価される理由の1つです。
豊富なドライブモード
スカイラインのドライブモードセレクターは、走行シーンや好みに応じて車の特性を細かく変更できる機能です。
従来の4つのモードに加えて、パーソナライズ可能な「PERSONALモード」を採用し、エンジンレスポンス・ステアリングフィール・トランスミッション制御・サスペンション特性などを個別に調整できます。
これにより、街中では快適で滑らかな走りを、高速道路では安定したクルージングを、ワインディングではキビキビとしたスポーティーな走りを楽しめます。
1台で多彩なキャラクターを持つのがスカイラインの魅力です。
また、アクティブサウンドコントロールもモードに応じて切り替わるため、走りと音の一体感も味わえます。
【グレード別】スカイラインの燃費
スカイラインの現行モデルは、3.0L V6ツインターボエンジンを全車に搭載しています。
ラインアップは以下の通りです。
GT Type P
GT Type SP
400R
400R Limited
ここでは、各グレードの特徴と燃費を詳しく紹介します。
GT Type P
GT Type Pは、スカイラインの魅力である上質な乗り味を重視したグレードで、304馬力を発揮する3.0L V6ツインターボエンジンを搭載しています。
高出力エンジンでありながらWLTCモード燃費は10.0km/Lを確保しており、日常走行でも無理なく扱える効率の良さを備えています。
重量は約1,710kgとラインアップの中では比較的軽量で、滑らかな加速レスポンスとFRらしい安定した走りを楽しめるのが魅力です。
快適装備が充実しているため、ロングドライブをメインに使う方にも適した1台といえるでしょう。
GT Type SP
GT Type SPは、よりスポーティな走行感覚を重視したグレードで、専用バンパーやスポーツシートなど、走りを意識した装備が多数盛り込まれています。
エンジンはGT Type Pと同じ304馬力仕様ですが、装備の違いから車両重量は1,730kgとやや増加しています。
それでも燃費は同じ10.0km/Lを維持しており、動力性能と日常的な扱いやすさのバランスは良好です。
ワインディング走行を楽しみたい方や、スポーティさを求めるユーザーにぴったりのモデルです。
400R
400Rはスカイラインのトップパフォーマンスモデルで、405馬力を誇る3.0L V6ツインターボを搭載したハイパワー仕様です。
圧倒的な加速力と厚みのあるトルクが特徴でありながら、燃費はほかのグレードと同じ10.0km/Lを維持している点は大きな魅力といえます。
車両重量は1,760kgとシリーズ中で最も重いものの、最適化された7速ATと精密な制御技術により効率のよい燃焼とパワーデリバリーを実現しています。
スポーツ走行を楽しみたい方にとって、非常に満足度の高いグレードです。
400R Limited
400R Limitedは現行スカイラインの集大成として誕生した、限定400台の特別モデルです。
ベースとなる「400R」の性能を受け継ぎながら、限定車ならではの特別装備や専用加飾をあしらったスペシャル仕様となっています。
燃費は公表値こそ明記されていないものの、搭載しているエンジンとトランスミッション、車両重量は400Rと同じであるため、実質的には10.0km/L前後と考えてよいでしょう。
希少性の高さはもちろん、スカイラインの完成形として魅力を詰め込んだ価値ある1台といえます。
スカイラインの燃費を向上させる方法
スカイラインは高性能ツインターボエンジンを搭載しているため、日々の走らせ方によって燃費は大きく変わります。
普段の運転習慣を少し見直すだけでも燃費効率は改善できます。
ここでは、スカイラインの燃費を向上させる方法を紹介します。
適切な速度で走行する
一般道で燃費を意識する場合、必要以上にゆっくり走るのがよいと言われることもありますが、スカイラインでは適度な速度を維持することが重要です。
過度に低速だとエンジンの回転が安定せず、逆に燃費を悪化させる原因になります。
一般的には時速50~60km程度の巡航がエンジン効率のよい領域とされ、アクセル操作も穏やかに保ちやすくなります。
また、急激にアクセルを踏み込まず、一定のスピードをキープすることでエネルギー消費を抑え、燃費改善につながるでしょう。
タイヤの空気圧をチェックする
燃費を左右する要因の一つが、タイヤの空気圧です。
空気圧が不足した状態で走るとタイヤが潰れやすくなり、路面との抵抗が大きくなるため、エンジンに余計な負荷がかかってしまいます。
その結果、燃料消費が増え、燃費が落ちてしまいます。
定期的に基準値を確認し、やや高めの空気圧で維持しておくと効率よく転がるようになり、無駄な燃料消費を防げます。
ガソリンスタンドでも簡単に点検できるため、月に1回のチェックを習慣化するのがおすすめです。
「急」が付く運転をしない
燃費を悪化させる代表的な動作が、「急」がつく運転です。
急発進・急加速・急ブレーキはエンジン回転数を一気に上げたり、車体に強い負荷をかけたりするため、燃料を必要以上に消費してしまいます。
まずは無駄な加速を控え、車の流れに合わせてスムーズに加減速することが大切です。
前方の状況を早めに確認しておけば急ブレーキの頻度も減り、安全性も向上します。毎日の運転で意識を変えるだけで、燃費は確実に改善していきます。
荷物を載せすぎない
車に載せる荷物が多いほど車両重量が増え、当然ながらエンジン負荷も大きくなります。
スカイラインはスポーツセダンとして十分なパワーを持ちますが、不必要な荷物を載せ続けると燃費を悪化させる原因です。
例えばゴルフバッグを積みっぱなしにするだけでも、長距離走行では燃料消費に差が出てきます。
普段使わないものは車から降ろし、必要な荷物だけを積む習慣をつけることで、無駄な燃料消費を抑えられます。
スカイラインのライバル車との燃費比較
ここでは、スカイラインのライバル車との燃費を比較していきましょう。
レクサス IS
同じプレミアムスポーツセダンとして比較されることが多いレクサスISは、特にIS350の燃費が注目されています。
IS350のWLTCモード燃費は10.7km/Lで、市街地・郊外・高速といった各モードでもバランス良く数値を確保しています。
スカイラインの10km/Lと比べると0.7km/Lの差があり、カタログ値ではISがわずかに優勢です。
ただし、差はごく小さく、実際の走行環境やドライバーのアクセルワークによっては体感できないケースも多いでしょう。
走行性能と快適性を重視するモデル同士、非常に近い燃費性能といえます。
トヨタ クラウン
上質な乗り味でファンを持つクラウンも、スカイラインのライバルとして比較される1台です。
例としてクラウン アスリート(2.0Lターボ)のWLTCモード燃費は13.4km/Lとされ、スカイラインよりも高い数値を記録しています。
クラウンはダウンサイジングターボを採用することで効率的な燃焼を実現し、街乗りから高速巡航まで幅広い場面で燃費の良さを発揮します。
燃費だけを基準に見ればクラウンが優位ですが、スカイラインは走りの鋭さやハンドリング性能が魅力であり、単純な燃費比較だけでは語れない価値があるでしょう。
まとめ
今回は、スカイラインの特徴や燃費、燃費を良くするためのポイントについて解説しました。
スカイラインは、歴史あるスポーツセダンとしての走行性能と、現代的な快適性・安全性を兼ね備えたバランスのよい1台です。
燃費は全グレード共通で10.0km/Lと安定しており、日常使いから高速走行まで扱いやすい実用性を備えています。
スポーティな走りと上質な移動空間を求める方は、ぜひスカイラインを検討してみてください。





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