
広い室内空間と使い勝手の良さで人気を集めるダイハツ「タント」。
軽スーパーハイトワゴンの代表格として、ファミリー層を中心に高い人気を得ています。
購入を検討している方のなかには「詳しい燃費数値が知りたい」「ライバル車と比べてどうなの?」と気になる方も多いでしょう。
本記事では、タントの現行と旧型の詳しい燃費から、ライバル車との比較や維持費までを詳しく紹介します。
タントの詳しい燃費を知りたい方や、車選びで失敗したくない方は、ぜひ最後までご覧ください。
タントの基本情報
タントの詳しい燃費を紹介する前に、スペックや特徴といった基本情報を紹介していきます。
タントのスペックと特徴
| 車体サイズ(全長×全幅×全高) | 3,395×1,475×1,755mm |
| 室内サイズ(全長×全幅×全高) | 2,125×1,350×1,370mm |
| 車両総重量 | 880~980kg |
| エンジン | 直列3気筒ガソリン / 直列3気筒ターボガソリン |
| 駆動方式 | 2WD・4WD |
| 総排気量 | 660cc |
| 燃費(WLTCモード) | 24.3~26.4km/L |
タントはダイハツが手がける軽スーパーハイトワゴンで、広い室内空間と使いやすさが魅力の人気モデルです。
名前の「タント」はイタリア語で「たくさん」という意味で、その名の通り快適さとゆとりを詰め込まれたところが特徴です。
ボンネットが短く運転しやすいほか、車高が高いため視界が広く、乗り降りもスムーズです。
さらに、室内をフラットにすれば荷物をたっぷり積め、車中泊も可能。
2003年に登場して以来、家族や日常使いにぴったりの車として愛されています。
タントのグレードは5つある
タントのグレードは全部で5つあり、それぞれ特徴の異なるタイプがラインナップされています。
「L」:手に入れやすい価格帯が特徴
「X」:標準装備にパワースライドドアが追加
「Xターボ」:Xグレードにターボエンジン搭載
「カスタムX」:存在感のあるデザイン
「カスタムRS」:タントの最上位モデル
このように5つの異なったグレードがあり、さらにそれぞれ2WDと4WDの駆動方式から選択可能です。
【現行】タントのカタログ燃費と実燃費
ここからは、本題であるタントの燃費を詳しく紹介していきます。
タントの現行モデルは、2019年1月から発売されています。
燃費は、5つのグレードによって異なってくるところが特徴です。
以下に、詳しい数値を紹介していきますので、一緒に見ていきましょう。
現行タントのカタログ燃費
現行タントのカタログ燃費は、次の表のとおりです。
| グレード | カタログ燃費(WLTCモード) | |
| 2WD | 4WD | |
| L | 26.4km/L | 25.1km/L |
| X | 26.4km/L | 25.1km/L |
| Xターボ | 24.3km/L | 18.8~19.6km/L |
| カスタムX | 26.4km/L | 25.1km/L |
| カスタムRS | 24.3km/L | 18.8~19.6km/L |
※全車eco IDLE搭載車
2WDは、すべてのグレードで25.0km/L前後の数値となっており、4WDに関してはXターボとカスタムRSを除き、25.1km/Lとなっています。
なお、タントは2023年4月から「eco IDLE非搭載車」もラインナップされています。
eco IDLE非搭載車とは、アイドリングストップ機能が搭載されていない車のことで、こちらを選択した場合、少し燃費が下がりますので注意しましょう。
現行タントの実燃費
続いて、実燃費を見ていきましょう。
燃費紹介サイト「e燃費」によると、以下の結果が出ています。
| グレード | 実燃費 | |
| 2WD | 4WD | |
| L | 18.59km/L | 15.95km/L |
| X | 18.59km/L | 15.95km/L |
| Xターボ | 15.72km/L | 16.11km/L |
| カスタムX | 18.59km/L | 15.95km/L |
| カスタムRS | 15.72km/L | 16.11km/L |
カタログ燃費と比較すると、2WDはすべてのグレードで8.0〜9.0km/L程度、低い数値となっていました。
一方、4WDはターボエンジンを搭載していない「L」「X」「カスタムX」の3つが、9.0km/L程度低い数値です。
しかし、ターボエンジンを搭載している「Xターボ」や「カスタムRS」に関しては、ターボエンジン非搭載車よりも優れた燃費となっています。
【旧型】タントのカタログ燃費と実燃費
ここからは、旧型モデルの燃費を見ていきましょう。
タントの旧型モデルは、初代が2003年11月〜2006年11月、2代目が2007年12月〜2012年9月、3代目が2013年10月〜2018年12月にそれぞれ発売されていました。
以下に、詳しいカタログ燃費と実燃費を紹介していきますので、参考にしてください。
旧型タントのカタログ燃費
カタログ燃費は、次の表のとおりです。
| グレード | カタログ燃費(JC08モード) | ||
| 2WD | 4WD | ||
| 初代 | 17.6〜18.0km/L | 16.8〜17.2km/L | |
| 2代目 | 25.0km/L | 24.0km/L | |
| 3代目 | 26.0〜28.0km/L | 24.6〜25.8km/L | |
旧型モデルのカタログ燃費を見てみると、2代目から燃費が向上し、25.0km/Lを超えるモデルが誕生しています。
現行モデルとの比較は計測方法が異なりますが、3代目に関しては現行モデルとそこまで大きな差はないともいえます。
旧型タントの実燃費
続いて、実燃費は次のとおりです。
| モデル | 実燃費 | ||
| 2WD | 4WD | ||
| 初代 | 9.88〜11.89km/L | 13.40km/L | |
| 2代目 | 12.11〜14.70km/L | 12.26〜19.64km/L | |
| 3代目 | 14.79〜16.42km/L | 14.41〜17.83km/L | |
旧型モデルの実燃費と比べると、どの世代でも4WD車のほうが燃費はよい傾向にあることが分かります。
もちろん、グレードや走行状況によって差は出ますが、4WDやターボエンジン搭載車を選んだほうが経済的に得を感じられるでしょう。
タントとライバル車との燃費を比較
軽スーパーハイトワゴン市場には、タント以外にもいくつか車種が存在します。
ここでは、主要なライバル車の燃費を比較し、実際にどのモデルが経済的なのかを見ていきましょう。
【ホンダ】N-BOX
ホンダのN-BOXとの燃費を比較した表が次のとおりです。
| エンジンの種類 | N-BOX | タント | |
| ガソリン | 2WD | 20.2〜21.6km/L | 24.3〜26.4km/L |
| 4WD | 18.4〜19.4km/L | 18.8~25.1km/L | |
N-BOXは、タントと同様に通常のガソリン車に加えてターボエンジン搭載車をラインナップしています。
燃費を比較すると、2WDと4WDともにタントのほうが優れています。
【スズキ】スペーシア
スズキのスペーシアとの燃費を比較した表が次のとおりです。
| エンジンの種類 | スペーシア | タント | |
| ガソリン | 2WD | – | 24.3〜26.4km/L |
| 4WD | – | 18.8~25.1km/L | |
| ハイブリッド | 2WD | 21.9〜25.1km/L | – |
| 4WD | 19.8〜22.4km/L | – | |
スペーシアはすべてのグレードにハイブリッドを採用しています。
燃費を比較すると、スペーシアはハイブリッドを搭載していますが、グレードによってはタントのほうが優れていることが分かります。
【日産】ルークス
日産のルークスとの燃費を比較した表が次のとおりです。
| エンジンの種類 | ルークス | タント | |
| ガソリン | 2WD | – | 24.3〜26.4km/L |
| 4WD | – | 18.8~25.1km/L | |
| ハイブリッド | 2WD | 19.3〜21.0km/L | – |
| 4WD | 17.4〜18.8km/L | – | |
ルークスは、スマートシンプルハイブリッド(マイルドハイブリッド)を全車に採用しています。
しかし、燃費を比較してみるとガソリンモデルしかないタントのほうが燃費は優れています。
タントの燃費を向上させるコツ
一つ前で紹介してきたように、タントはライバル車と比べても優れた燃費性能があります。
しかし、車の燃費は運転方法や環境によって大きく左右するため、日頃から丁寧な使い方をすることが大切です。
ここでは、タントの燃費の向上が期待できる4つの方法を紹介していきます。
アクセルやブレーキの踏み方に注意する
燃費を良くするには、アクセルやブレーキの使い方を丁寧に意識することが大切です。
発進や加速の際に急にアクセルを踏むと、エンジンが余分な燃料を使ってしまいます。
ゆっくりと踏み込み、スムーズに速度をあげることで燃費の改善につながります。
また、減速時はできるだけエンジンブレーキを活用し、急ブレーキを避けることもポイントです。
穏やかな運転を心がければ、燃料の節約だけでなく、車への負担も減らせて長持ちにもつながります。
メンテナンスを定期的に行う
燃費を維持するには、車の定期的なメンテナンスが欠かせません。
特にエンジンオイルが古くなると、潤滑性能が低下し、エンジンに負担がかかって燃費が悪化してしまいます。
エンジンオイルは3,000〜5,000km、または3〜6ヶ月ごとを目安に交換すると安心です。
さらに、エアフィルターの汚れも燃焼効率を下げる原因となるため、併せて点検するようにしましょう。
不要な荷物はおろしておく
車の燃費は、重さが増すほど悪化する傾向があります。
普段使わない荷物を積んだままにしておくと、エンジンに余計な負担がかかり、燃料を多く消費してしまいます。
キャンプ用品やスポーツ道具など、重い荷物をよく積む方は、使わないときに降ろす習慣をつけましょう。
車内をスッキリ保つことで、燃費の向上だけでなく、安全運転にもつながります。
エアコンの使い方にも気をつける
暑い日や寒い日につい強めに使ってしまうエアコンですが、実は燃費にも影響します。
エアコンはエンジンの力を使って動くため、設定温度を極端にするとガソリンの消費が増えてしまうのです。
走り始めは窓を少し開けて熱気を逃がすなど、工夫しながら使うことで、燃費を抑えつつ快適にドライブできます。
タントの価格と維持費
タントは燃費が優れている車ですが、購入する際は車両価格や維持費についても確認する必要があります。
以下に具体的な金額を紹介しますので、初期費用や所有にかかる費用を知りたい方は、チェックしてみてください。
タントの新車価格
| グレード | 新車価格 | |
| 2WD | 4WD | |
| L | 1,485,000円 | 1,611,500円 |
| X | 1,617,000円 | 1,738,000円 |
| Xターボ | 1,732,500円 | 1,853,500円 |
| カスタムX | 1,870,000円 | 1,991,000円 |
| カスタムRS | 1,963,500円 | 2,084,500円 |
タントの維持費
| 項目 | 2WD | 4WD | |
| 燃料費(1L/170円) | 64,394〜69,959円 | 67,729〜90,426円 | |
| 自動車税(1年) | 7,200円 | ||
| 車検費用(1年) | 30,000円程度 | ||
| 自賠責保険(12ヶ月) | 8,770円 | ||
| 合計 | 110,364〜115,929円 | 113,699〜136,396円 | |
※免税は含まれていません。
※燃料費は170円、1年10,000kmで計算
※自賠責保険は24ヶ月を1年分にして計算
タントは燃費以上の魅力がある
タントは燃費性能が優れた車ですが、それ以上に豊富な魅力があります。
ここでは、タントの魅力を5つのポイントに分けて紹介していきます。
静粛性に優れた室内空間
タントの魅力の一つが、車内の「静けさ」です。
ドアやボディの構造を工夫し、風の音やタイヤから伝わる走行音を最小限に抑えています。
エンジンの振動も感じにくく、街乗りから長距離ドライブまで快適に過ごせます。
車内で音楽や会話を楽しめるほど静かですので、家族とのお出かけや子どもの送迎にもぴったりな1台と言えるでしょう。
ボディカラーが豊富
タントのボディカラーには、定番のホワイトやブラックに加え、鮮やかなレッドやブルー、柔らかなパステル系まで多彩な色をラインアップされています。
さらに、ツートーンカラーの設定もあり、ルーフやミラー部分の色を変えることで、おしゃれな印象を楽しめます。
タントカスタムには専用のカラーも用意され、自分らしい1台を選びやすい車と言えるでしょう。
乗り降りしやすい設計
タントは、使いやすさを追求したボディ設計によって優れた乗降性を実現しています。
スライドドアとセンターピラーレス構造を組み合わせた「ミラクルオープンドア」により、助手席側は149cmもの開口幅を確保。
荷物の出し入れやチャイルドシートの利用もスムーズです。低床フロア設計と広いドア開口が、快適な使い心地を生み出しています。
荷物の積み下ろしも簡単
タントは、背の高いボディと広い開口部により、大きな荷物でもスムーズに出し入れできます。
リアシートを倒せば荷室がさらに拡大し、自転車やベビーカーなどの大型アイテムも積載可能です。
助手席を前に倒せるスーパーロングスライド機能も備えており、長尺物の収納にも対応できます。
安全機能も充実
タントは「もしも」の状況にも対応できる安全装備を備えているところも魅力の一つです。
前方の歩行者や車を検知して衝突の可能性があると自動でブレーキをかける機能や、アクセルの踏み間違いによる急発進を防ぐ機能を搭載。
さらに、車線逸脱時の警告など、日常で起こりやすいリスクを軽減できます。
スマートアシストが運転をしっかりサポートしてくれるため、安心してドライブを楽しめます。
タントは2026年にフルモデルチェンジ予定!燃費は向上する?
実は、タントは2026年にフルモデルチェンジを予定しています。
次期モデルでは、最新のDNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)の採用を予定しており、より軽量で安定した走行、乗り心地の向上が期待できます。
また、パワートレインにはハイブリッドモデルの追加が予定されており、燃費もさらに向上するでしょう。
具体的な燃費数値については、まだ発表されていませんが、ガソリン車が22.7km/L前後、ハイブリッド車が31km/L前後と予想されています。
まとめ
本記事では、タントの燃費を現行と旧型、ライバル車と比較して解説し、燃費を向上させるコツや車両費用、維持費を紹介してきました。
タントは、軽スーパーハイトワゴンの中でも優れた燃費性能を誇ります。
現行・旧型ともに燃費が良く、ライバル車と比較しても経済性に優れています。
2026年のフルモデルチェンジでは、ハイブリッド搭載によりさらに燃費が向上することが期待され、これからも頼れる1台となるでしょう。





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