13年目以降は車検の費用が高くなるという話を聞いたことはないでしょうか。
はたして本当に車検費用が高くなるのか、またどのような車検を行うのか内訳について解説していきます。
車検費用を安くするコツも紹介しているので、最後までぜひご覧ください。
13年目以降の車検は毎年受ける必要がある?
車検は、初回は3年目、以降は2年ごとに受けますが、10年以上経過した車も同様に2年ごとに車検を受ける必要があります。
かつては10年以上乗る自家用車の場合は毎年受ける必要がありましたが、道路運送車両法の改正により毎年車検を受けるという規則はなくなりました。
13年目以降の車を車検に通すかの判断基準とは?
13年以上の車を車検に通すか、それとも買い替えた方が良いのか判断に悩みますよね。
では、車検に通すべきか買い替えるべきかをどこで判断するのか、詳しく紹介していきます。
故障の有無
車を所有している以上、自動車税を毎年納めなければいけません。
自動車税は、新車登録から13年経過すると重量税が割増となり、多く徴収されてしまいます。
そのため買い替えるか車検に通すかは、故障している箇所の修理費用と、メンテナンス後の費用を考える必要があります。
例えば部品交換のみで済む場合は、車検に通す方が安くなるかもしれません。
しかし車検後、数万円ほどがコンスタントに発生してしまう修理の場合は、買い替えた方が安い可能性もあります。
中古車市場での価値
車検を通す方が安いのか悩んだ際は、一度中古車市場で価値を確認しておくのがおすすめです。
なお就職や進学など新生活を始める方が増えて車の需要もアップするため、1~2月は特に中古車が高く売れる時期となっています。
13年目以降の車検費用が高くなる原因と内訳
13年目以降の車検が、なぜ高額になってしまうのか原因を解説します。
13年目以降の車検費用が高くなる原因
13年目以降の車検費用が高くなる原因は、以下の4つがあります。
- ・グリーン化税制の処置
・整備費用の高額化
・自動車税・自動車重量税が増える
なぜ費用が高額になってしまうのか、理解しておきましょう。
グリーン化税制の処置
13年目以降で車検費用が高くなる原因の1つ目は、グリーン化税制の処置です。
グリーン化税制とは、環境に配慮した行動や投資を促進するために設けられた、税制上の優遇措置や減税制度のことを言います。
環境への影響が少ない車はその排出ガスや燃費性能に応じて税率が軽減しますが、反対に新車登録から一定年数が経った車は、税率が重くなってしまいます。
そのため、維持費が高額になってしまいます。
整備費用の高額化
整備費用の高額化も、車検費用が高くなる原因です。
長く乗っていると車は劣化し、部品の交換・修理が必要になってきます。
13年も乗っていると、多くの車は重要なパーツが交換時期を迎えるため、費用が高額になってしまうのです。
自動車税・自動車重量税が増える
車検の際に支払う必要がある自動車税・自動車重量税は、新車登録から13年で価格が上がります。
自動車税は、以下のように増えていきます。
排気量 |
新車登録~12年目 |
13年目~ |
1,000cc以下 | 29,500円 | 33,900円 |
1,000cc~1,500cc | 34,500円 | 39,600円 |
1,500cc~2,000cc | 39,500円 | 45,400円 |
2,000cc~2,500cc | 45,000円 | 51,700円 |
2,500cc~3,000cc | 51,000円 | 58,600円 |
3,000cc~3,500cc | 58,000円 | 66,700円 |
3,500cc~4,000cc | 66,500円 | 76,400円 |
4,000cc~4,500cc | 76,500円 | 87,900円 |
4,500cc~6,000cc以下 | 88,000円 | 101,200円 |
6,000cc超 | 111,000円 | 127,600円 |
普通車は2,000㏄ほどですが、6,700円もアップしてしまいます。
続いて、自動車重量税も紹介します。
自家用車(軽自動車以外)の自動車重量税 |
|
新車登録~12年目 |
4,100円/0.5トン |
13年~17年目 |
5,700円/0.5トン |
18年目以降 |
6,300円/0.5トン |
13年目で1,600円/0.5トンも増えてしまうため、費用が高額になります。
13年目以降の車検の内訳
13年目以降の車検の内訳は、どのようになっているのでしょうか。
- ・法定費用
・車検基本料
・劣化した部品の交換費用
上記の項目に沿って解説していきます。
法定費用
車検には、以下のような法定費用が必ず発生します。
- ・自賠責保険料
・自動車重量税
・印紙代
自賠責保険料とは車の所有者は必ず入らなければならない保険で、交通事故を起こした際、車の所有者に支払い能力があるか無いかで被害者への保証が左右されないよう定められた保険です。
自動車重量税は、車種と車の重さ、新車登録をしてからの年数に応じて支払額が決まる税金で、印紙代は車の検査、車検証の発行で必要な手数料です。
車検基本料
車検基本料とは、
- ・24か月点検
・測定検査料
・車検代行費
などが含まれています。
車検基本料は業者によって異なるため、複数の業者で比較すると安く抑えられるでしょう。
劣化した部品の交換費用
劣化した部品を交換する、整備する費用も含まれています。
車の状態や希望する整備レベルによって費用が異なる場合があるため、業者のホームページなどをしっかり確認して申し込むようにしてください。
13年目の車検の費用を抑えるためにできる具体的な対策5つ
13年目の車検の費用を抑えるため、どのような対策ができるのか紹介します。
- ・複数の車検業者で見積もりを取る
・不要な整備を省く
・自分でできるメンテナンスを事前に行う
・割引制度やキャンペーンを活用する
・部品の持ち込みを検討する
ぜひ参考にして、13年目の車検の費用を抑えましょう。
複数の車検業者で見積もりを取る
13年目の車検費用を抑えるために、複数の車検業者で見積もりを取ることは重要です。
複数の業者から見積もりを取るメリットは、以下の2つです。
- ・車検費用が比較できる
・依頼する業者を選びやすくなる
車検の見積もりには法定費用や修理代などの基本料金が書かれています。
法定費用はどの車検業者に依頼しても変わりませんが、整備内容は業者によって異なるため基本料金は変わります。
どの項目がある・ないのかを比べ、複数の車検業者から見積もりを取り、より安いところに依頼するのがおすすめです。
不要な整備を省く
不要な整備を省くことも、13年目の車検の費用を抑えるために大切です。
見積り書には実施する予定の整備内容が記載されているので、必ずしなければならない整備・部品交換以外は省くよう依頼しましょう。
しかし予防整備と言って、寿命を長くするために部品交換や修理を行うこともあります。
予防整備を行うと事故や故障のリスクが下がるだけでなく、中古車として売却する際に査定額がアップすることもあるため、車検業者と相談して決めてください。
自分でできるメンテナンスを事前に行う
自分でできるメンテナンスを事前に行っておくと、13年目の車検の費用が抑えられるでしょう。
エンジンオイルの交換やエレメントフィルターをこまめに交換しておくと、車検時にお金がかかりません。
普段から車のメンテナンスを行い、車検の費用を浮かせましょう。
割引制度やキャンペーンを活用する
割引制度やキャンペーンを活用すると、車検の費用が抑えられます。
よくある割引の種類は、以下の通りです。
- ・WEB申し込み限定割
・早期予約割
・リピート割
・友達紹介割
・平日割
通常店舗の窓口で行う車検の予約をWEBから行うことで、窓口対応のスタッフの人件費の節約ができるためその分割引が可能になります。
早期予約割は、車検の受注を確実にしたいために実施する業者が多くあります。
業者によって「いつまでに予約すればどれだけ割引になる」などが異なるため、あらかじめチェックしておきましょう。
もし平日に時間を作ることができる場合は、平日割を利用するのもおすすめです。
自分に合った割引制度があるのかチェックし、利用してみましょう。
部品の持ち込みを検討する
車検の費用を安くするために、部品の持ち込みを検討してみてはいかがでしょうか。
もし部品交換が必要となった場合、中古品やリビルト品を使用すると、新品よりも節約ができます。
リビルト品とは一度分解し洗浄し、消耗部分を交換して組み立てた部品で、しっかり検査を受けたものです。
新品同様の機能ですが新品より安いため、車検費用を節約したいと考える方は検討してみてください。
13年目の車検と買い替えはどちらが安い?買い替えタイミングを紹介
13年目の車検と買い替えの場合、どちらが安くなるのでしょうか。
買い替えのタイミングは、以下を参考にしてください。
- ・車検費用と買い替えコストを比較する
・現在の車の市場価値を確認する
・今後の維持費や修理費用の増加を考慮する
・自動車税や保険料の負担を確認する
・エコカー減税や補助金制度の利用を検討する
ご自身の場合、買い替えか車検どちらの方が安くなるのか確認してください。
車検費用と買い替えコストを比較する
車検の費用と買い替えのコストを比較しておきましょう。
維持することだけを考えると車検の方が安く収まりますが、前述のとおり自動車税・自動車重量税は増えてしまいます。
他にも不具合や故障がよく起こってしまう可能性もあるため、車の安全性や修理費なども考えると買い替えた方が良い可能性もあります。
13年以上の車と比較すると、今の車は安全性能や燃費は大幅にアップしているでしょう。
自分や周囲の人を守るためにも、性能の良い車に乗り続けることも重要です。
現在の車の市場価値を確認する
現在の車の市場価値を確認することも、買い替えか車検を通すかを考える上では重要です。
確認する方法としては、以下の通りです。
- ・ディーラーの公式サイトを確認する
・イエローブックを確認する
・買取相場の価格を参考にする
各ディーラーの公式サイトに、下取りの参考価格のシミュレーションページがあります。
メーカー名や年式、車種を入力するだけで、簡単に下取り価格が分かります。
ただしメーカーや年式、車種の情報のみで参考価格を出すため、走行距離などは加味されていません。
しかし個人情報の入力なしで簡単にチェックできるため、大体の価格が知りたい方はぜひ試してみてください。
今後の維持費や修理費用の増加を考慮する
今の車を乗り続ける場合、今後の維持費や修理費用の増加を考慮する必要があります。
自動車重量税は、18年目で8,000円上がってしまいます。
また不具合や故障も車検の際に見つかりやすくなり、費用が高額になる可能性が高いです。
修理が必要な箇所が多ければ、その分修理や部品交換にかかるお金は高額になり、車検費用が高額になってしまうことがあります。
車検の見積もりをもらい、買い替えを検討してみるのも良いかもしれません。
自動車税や保険料の負担を確認する
13年以上同じ車に乗り続ける場合、自動車税や保険料の負担を確認しておきましょう。
自動車税は、排気量により新車登録から13年で金額が上がります。
また新車登録から10年経った車には、車両保険をつけられないことや車両保険を付けると損してしまうことも多いです。
車両保険を付けないことによるデメリットは以下の通りです。
- ・修理費用を全額自己負担
・自然災害による損害をカバーできない
・当て逃げや無保険車との事故でも補償を受けられない
車両保険を付けられないと自己負担で支払わなければならないため、10年目で買い替えを検討してみるのもおすすめです。
エコカー減税や補助金制度の利用を検討する
もし車を買い替える場合は、エコカー減税や補助金制度の利用を検討しましょう。
エコカー減税は、排出ガス性能や燃費性能が高い車に対する自動車重量税の優遇措置のことを言います。
エコカー減税は新車だけでなく中古車にも対応されるため、乗り換え予定の車が該当するかチェックしておきましょう。
また車の買い替えをすると、場合によっては補助金の対象になることがあります。
- ・サポカー補助金
・CEV(クリーンエネルギー車)補助金
サポカーとは「安全運転サポート車普及促進事業費補助金」や「安全運転サポート車普及促進に係る自動車事故対策費補助金」のことを言い、安全運転サポートの車を購入する補助と、後付けペダルの踏み間違い急発進抑制装置を補助するという2つの種類があります。
両方の補助を利用すると最大で10万円受け取れるるため、サポカーの購入を検討するのもよいでしょう。
またPHV(プラグインハイブリットカー)や、EV(電気自動車)、FCV(燃料電池自動車)、FCEV(燃料電池車)、CDV(クリーンディーゼル自動車)など、クリーンエネルギー自動車の購入費用の補助もあります。
FCEV(燃料電池車)の補助金は255万円となっているため、クリーンエネルギー自動車が気になっている方は調べてみてください。
13年目の車を中古車として買い取ってもらうのは困難
13年目の車を中古車として買い取ってもらうのは、以下の理由から困難と言われています。
- ・中古車買取でも処分費用が発生する可能性がある
・廃車買取業者に依頼する
損をしないよう、最後までしっかり確認しておきましょう。
中古車買取でも処分費用が発生する可能性がある
中古車買取に依頼しても、買取価格は0円に近くなるか処分費用が発生してしまう可能性があります。
前述のとおり、13年目の車は自動車重量税や自動車税が重課されてしまい、故障のリスクも高いためです。
しかし、海外で人気がある車種やコアなファンがいる車種など、プレミア価格がついている場合は、走行距離など関係なく買取価格が付く可能性もあります。
廃車買取業者に依頼しよう
もし買い取ってもらう場合は、廃車買取業者に依頼するのがおすすめです。
廃車買取業者とは再利用可能な部品を取り外して中古パーツとして販売したり、車両ごと海外で売る業者のことをいいます。
そのため、自動車として価値がなくなった車両でも無料・有料で引き取ってもらえるのです。
もし新車ディーラーに依頼をすると、処分費用を請求される可能性があるため、廃車買取業者に依頼をするのがよいでしょう。
まとめ
13年目以降の車検は税制変更や整備費用の増加で高額になってしまうことが分かりました。
費用を抑えるには、複数業者の見積もり取得、不要な整備の省略、自分でのメンテナンス、割引制度の活用が効果的です。また、買い替えも検討することで長期的なコストを節約できるでしょう。
自分に合った方法を見つけ、13年目の車検を乗り越えましょう。