車を所有していると、定期的に車検を受けなければなりません。
車検はさまざまな業者に依頼することができますが、ディーラーで車検を受ける方が多い傾向にあります。
しかし「ディーラーに車検を依頼すると高くなる」と聞いたことがあり、メリットについて分からないという方もいるでしょう。
そこで本記事では、ディーラー車検を受けるメリットや費用を抑える方法を紹介していきます。
ディーラー車検を受けるかお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
ディーラーで車検を受けるユーザー多い
車検を受ける際、ほかのユーザーはどこで車検を受けているのか気になる方も多いでしょう。
実際、安心感や信頼感から車検の依頼先にディーラーを選ぶ方は多くいます。
ほかの選択肢として民間整備工場や車検専門店、中古車販売店なども挙げられます。
ディーラー車検のメリット
車を所持しているユーザーは、ディーラー車検のどのような点にメリットを感じて依頼しているのでしょうか。
ディーラーに車検を依頼するメリットは、主に以下の4つが挙げられます。
- ・整備の品質が高い
・純正部品への交換対応が可能
・車の知識が豊富
・メーカー・ディーラー保証を適応できる
それぞれのメリットについて解説していきます。
整備の品質が高い
1つ目のメリットは、整備の品質の高さです。
ディーラーはメーカーの公式店舗であるため、ブランドイメージを低下させるわけにはいきません。
もしも作業後に問題が発生したとなれば、メーカー全体の責任となってしまうため、念入りなチェックが行われています。
また、ディーラーでは車検点検項目ではない箇所も予防整備を行うのが一般的です。
プロによる点検に加えてコンピューター診断を導入している店舗もあり、他の選択肢と比較してもクオリティが高いといえるでしょう。
純正部品への交換対応が可能
2つ目のメリットは、純正部品への交換対応が可能な点です。
純正部品とは、新車購入時に最初に装備されている部品を指します。
ディーラーは自社メーカーの部品を扱っているため、交換はすべて純正部品を使用します。
安い社外部品を使用する業者と比較すると、安全で信用できるでしょう。
また、社外部品を装備した車に比べて純正部品を使用している車のほうが、売却時に高く買い取ってもらえる傾向があります。
もちろん、年式や走行距離、車の状態などさまざまな要因によって売却金額は変動しますが、純正部品はプラス査定になるケースが一般的です。
安心感だけでなく将来的なリセールも考慮したい方は、純正部品の装着を検討してみましょう。
車の知識が豊富
3つ目のメリットは、ディーラーは車の知識が豊富だからです。
ディーラーは自社メーカーの車種を販売するだけでなく、 整備や修理も行うため知識が求められます。
車種に合わせて異なる特徴や、問題が起きやすい箇所なども理解していることがほとんどです。
特定メーカーの専門的な知識を有したスペシャリストが点検・整備を実施してくれるため、安心して車を任せることができるでしょう。
また、電子化が進む最新車種などは、メンテナンスするための専用設備や診断が必要です。
それらが完備されている点でも、ディーラー車検を受けるメリットは大きいといえます。
メーカー・ディーラー保証を適応できる
4つ目のメリットは、メーカー・ディーラー保証を適応できることです。
ディーラーで新車や中古車を購入すると、メーカー保証やディーラー保証が受けられます。
メーカー保証とは、一定期間内に車の不具合が見つけられた場合、部品の交換や修理に対応してくれるというものです。
また、ディーラーによっては独自のディーラー保証が受けられることもあるため、これらの保証を利用して車検費用を抑えられるケースもあります。
ディーラー車検のデメリット
ディーラー車検のメリットを紹介しましたが、同時にいくつかのデメリットも存在します。
メリットとデメリットのどちらも把握したうえで、自分のカーライフに適した業者に車検を依頼しましょう。
以下では、ディーラー車検のデメリットについて解説していきます。
- ・車検にかかる時間が長い
・車検費用が高い
車検にかかる時間が長い
1つ目のデメリットは、車検にかかる時間が長いことです。
ディーラー車検では予防整備を行うほか、車検の法定点検項目に含まれない箇所までチェックするため、ほかの業者よりも車検に時間がかかる傾向にあります。
車の状態などによっても車検の日数は異なるため、あらかじめ問い合わせておくと安心です。
車検費用が高い
2つ目のデメリットは、車検費用が高いことです。
ディーラーでは、部品を交換する際に純正部品のみを使用したり予防整備を行ったりするため、費用が高くなる傾向です。
とにかく安く車検を受けたいという方には、向いていないでしょう。
ディーラー車検の費用相場
ディーラー車検とほかの業者の費用相場を、以下の表にまとめました。
| 業者 | 値段 |
| ディーラー | 90,000円～ |
| ガソリンスタンド | 50,000円～ |
| カー用品店 | 60,000円～ |
| 整備工場 | 68,000円～ |
それぞれ解説していきます。
ディーラー車検が高い理由
ディーラー車検が高い理由は、以下の4つが挙げられます。
- ・純正部品を使用するから
・整備品質の高いから
・事務手数料がかかるから
・アフターサービスがあるから
1つ目の理由は、純正部品を利用するためです。
車検費用の多くは部品交換代ですが、中古品やリビルド品を利用して安く抑えるのが一般的です。
しかし、ディーラーでは経年劣化による性能低下や、万が一のトラブルを避けるために、新品かつ純正の部品が使用されます。
2つ目の理由は、整備品質の高さです。
ディーラー車検では、車が法定点検項目をクリアするための検査・整備だけではなく、予防整備なども実施しています。
それらの作業はすべて知識豊富な整備スタッフによって行われるため、高い品質が期待できる一方で費用もかかります。
3つ目の理由は、事務手数料がかかるためです。
車検では点検や整備、検査だけでなく、検査の手続きや運輸支局での手続きなどの事務手続きも必要です。
これらの手続きをディーラーに代行してもらうと、手数料が発生します。
事務手数料は業者ごとに異なり、内訳では事務手数料や代行手数料と記載されることが一般的です。
4つ目の理由は、アフターサービスです。
ディーラー車検は、整備に不具合があった際にメーカー保証を受けられます。
ディーラーならではのアフターサービスを受けられるという安心感はありますが、その分の費用も高くなってしまいます。
ディーラーの車検に必要な費用と費用を抑える方法
ここでは、ディーラー車検に必要な費用と、費用を抑える方法について解説していきます。
ディーラー車検に必要な費用
ディーラー車検に必要な費用は、車のタイプにより異なります。
小型自動車
小型自動車とは排気量2,000cc以下で、全長4,700mm×全幅1,700mm×全高2,000mmの車を指します。
小型自動車の法定費用は43,430円で、車検基本料金やその他諸費用を合わせると85,090円です。
中型自動車
中型自動車とは小型自動車・軽自動車・大型特殊自動車および小型特殊自動車以外の自動車を指します。
中型自動車の法定費用が51,630円で、車検基本料金やその他諸費用を合わせると93,730円です。
普通自動車
普通自動車とは車両総重量3,500kg未満で最大積載量2,000kg未満、かつ乗車定員が10人以下の車を指します。
普通自動車の法定費用が44,300円、車検基本料金やその他諸費用を合わせると95,930円です。
大型自動車
大型自動車とは車両総重量11,000kg 以上で最大積載量6,500 kg以上、または乗車定員30人以上の四輪以上の車を指します。
大型自動車の法定費用が59,830円で、車検基本料金やその他諸費用を合わせると106,220円です。
ディーラー車検の費用を抑える方法
ディーラーで車検を希望する場合でも、できる限り費用を抑えたい方が多いでしょう。
ディーラー車検の費用を抑える方法は、以下のとおりです。
- ・見積もりを確認する
・早期予約割引を利用する
・値引きしてもらいやすい時期を狙う
それぞれの方法について解説していきます。
見積もりを確認する
見積もりを見て、費用の内訳や整備の内容に納得できるかを確認しましょう。
ディーラー車検では、必須の点検や整備以外にも予防整備や部品交換が含まれていることが多くあります。
そのため、不明点があれば積極的に質問して判断するのがおすすめです。
早期予約割引を利用する
ディーラー車検の費用を抑えるためには、早期予約割引の活用が効果的です。
一部のディーラーでは早期予約割引を設けており、早めに予約することで車検費用を抑えられるからです。
また、ギリギリに予約すると代車を確保できない場合もあるため、余裕を持って予約することで割引を受けながら代車もスムーズに利用できます。
車検費用を抑えてスムーズに代車を確保するために、早めの予約を心がけましょう。
値引きしてもらいやすい時期を狙う
車検費用を抑えるためには、値引きしてもらいやすい時期を狙うのも有効な方法です。
ディーラーの決算月や中間決算月はとくに値引き交渉がしやすく、費用を抑えられる可能性が高いためです。
たとえば、混雑しがちな土日祝を避けて平日に車検を依頼することで、値引き交渉がしやすくなります。
また、ディーラーごとに開催される車検キャンペーンを活用することで、さらに費用を抑えることも可能です。
車検の費用を少しでも抑えるために、時期を工夫して予約しましょう。
ディーラー以外の車検依頼先
ディーラー以外の車検依頼先は、以下のとおりです。
- ・車検専門店
・整備工場
・ガソリンスタンド
・ユーザー車検
それぞれの車検依頼先について解説していきます。
車検専門店
車検専門店は、費用を抑えたい方におすすめです。
車検に特化しており、必要最低限の整備を効率的に行うため、費用が比較的安くなります。
コストを重視する場合は、車検専門店を選びましょう。
整備工場
整備工場は豊富な経験と知識を持つため、丁寧な整備が期待できるでしょう。
ただし、最新設備を持たない工場では、車種によって車検に対応できない場合もあります。
車両の状態や整備内容に応じて、信頼できる整備工場を選びましょう。
ガソリンスタンド
手軽さを重視するなら、ガソリンスタンドでの車検が便利です。
洗車や給油のついでに車検を申し込め、費用も抑えられるからです。
手軽に車検を済ませたい場合は、ガソリンスタンドでの車検と検討しましょう。
ユーザー車検
費用を最も抑えたい場合は、ユーザー車検を検討しましょう。
事務手数料が省け、必要最低限の整備だけで車検を通せるためです。
ただし、自分で点検や整備を行うための知識が必要であり、平日に運輸支局や軽自動車検査協会へ持ち込む手間もあります。
コスト削減を重視し、自分で整備できる方はユーザー車検に挑戦するのも良いでしょう。
ディーラー車検と民間車検を比較
ここでは、ディーラー車検と民間車検を比較していきます。
どちらを利用しようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
車検費用
車検費用を抑えたい方には、民間車検がおすすめです。
民間車検は、ディーラー車検よりも料金が安く設定されているためです。
車種やメーカー、車の状態によって差はありますが、ディーラー車検と比べて数万円前後の費用差が生じることもあります。
車検費用を抑えたい場合は、民間車検の利用を検討しましょう。
必要な車検日数
車検日数をできるだけ短くしたい方には、民間車検がおすすめです。
ディーラー車検では混雑時に数日から1週間程度かかることがありますが、民間車検ではその日のうちに完了するケースもあるからです。
車検を早く終わらせたい場合は、民間車検が適しているでしょう。
品質
品質を重視する場合は、ディーラーがおすすめです。
ディーラーは自社で取り扱っている車の知識やデータが豊富なうえに、部品交換では純正部品を使用するため高い品質が期待されます。
一方の民間車検は、整備の質は業者によってさまざまです。
もし民間車検を利用する場合は、口コミや評価を調べて慎重に選ぶ必要があります。
まとめ
車検はディーラーやガソリンスタンド、車検専門店、整備工場など複数の依頼先があります。
なかでも車検の依頼先にディーラーを選ぶユーザーが多く、その理由としては品質の高さや安全性などが挙げられます。
しかし、ディーラー車検には費用や時間の面で少なからずデメリットもあります。
何を重視したいか考えながら、車検の依頼先を選ぶと良いでしょう。
メーカー別中古車買取相場ランキング
