車検を受けた際に「エンジンオイルを交換したほうがいい」と提案された人は多いでしょう。
すぐに交換する必要性は感じないものの「断ってしまうと車検に合格しないのではないか?」と不安に思うかもしれません。
本記事では、車検時にエンジンオイルを交換すべきかどうか、また交換費用の目安を解説していきます。
車検時のエンジンオイルについて疑問を解消したい方は、ぜひ参考にしてください。
車検時にエンジンオイルの交換は必要?
車検を受けた際に、エンジンオイルの交換は必要かどうか、解説していきます。
これから車検を迎える方は、事前にチェックしておきましょう。
断っても車検には通る
結論、エンジンオイルの交換を断っても、車検には通ります。
なぜなら、エンジンオイルの交換は法定点検項目に含まれておらず、断った場合でも車検の合否には関係しないからです。
しかし、車検は自動車が安全に走行できる状態を維持するために行うものであり「ただ通過すればいい」わけではありません。
エンジンオイルが極端に劣化している状態を放置して走行していると、エンジンの性能の低下や廃棄ガスの変色、異臭などのトラブルに繋がります。
運転中のエンジントラブルの可能性を減らすためにも、エンジンオイルの交換時期を把握し、適切なタイミングで交換できるようにしておきましょう。
オイル交換の先延ばしはリスクもある
エンジンオイルの交換を先延ばしするのは、以下のようなリスクも伴います。
- ・燃費が悪くなる
・エンジンが焼き付いてしまう
・加速が悪くなる
自動車を安心して長期間乗り続けるためにも、エンジンオイルを定期的に交換しなければいけません。
それぞれのリスクを解説していくため、ぜひ参考にしてください。
燃費が悪くなる
エンジンオイルの劣化は燃費の悪化に繋がります。
なぜなら、劣化したオイルはエンジン内部の部品の摩擦を増加させ、エンジンの作動効率が低下するためです。
その結果、同じ出力を得るために多くの燃料を消費してしまいます。
燃費を維持するためにも、エンジンオイルは定期的に交換しましょう。
エンジンが焼き付いてしまう
交換しないままエンジンオイルを使用し続けると、エンジンが焼き付くリスクがあり危険です。
劣化していないエンジンオイルは、エンジン内部の部品をスムーズに動かし、摩擦や熱を軽減させます。
しかし、オイルの潤滑性能が低下すると、高温下で部品が直接接触する可能性があります。
エンジンが焼き付いてしまった場合は、走行ができなくなる恐れがあり、修理や交換の費用は高額となる場合もあります。
異音や焼け付いた臭いなどの異常を感じたら、エンジンオイルの状態を確認しましょう。
加速が悪くなる
エンジンオイルの劣化は、自動車の加速性能にも悪影響を与えるため、注意が必要です。
交換したばかりのオイルであれば、エンジンもスムーズに動作します。
しかし、エンジンオイルの劣化が進むとピストンやクランクシャフトといったエンジン内部の部品の動きが悪くなり、アクセルを踏んでも十分な加速が得られなくなります。
また、エンジンオイルの劣化に伴って蓄積した不純物も、加速性能が低下する原因のひとつです。
思うようにスピードが出なくなったと感じたら、エンジンオイルの状態をチェックしましょう。
車検時に交換を提案されるオイル3つ
車検の際に交換を提案されるオイルは、主に次の3つです。
- ・エンジンオイル
・ブレーキオイル
・ミッションオイル
それぞれのオイルの特徴を解説していくため、チェックしていきましょう。
エンジンオイル
エンジンオイルは、自動車の性能を維持するために欠かせないオイルです。
エンジン内部の摩擦を減らして摩耗を防ぐほか、エンジンの冷却や燃焼による不純物を除去する役割も担います。
車検時に交換を勧められることが多いオイルですが、前述のとおり必ず交換しなければならないわけではありません。
しかし、車の性能を維持して長期間使用するためには、定期的な交換は不可欠です。
エンジンオイルの交換の目安としては、半年~1年、または5,000km~10,000kmの走行ごとです。
以前に交換をしてから期間が経っている場合は、エンジンの良好な状態を保つためにも、オイル交換を検討するとよいでしょう。
ブレーキオイル
ブレーキオイルは、安全なブレーキ操作を支える重要なオイルです。
ブレーキフルードとも呼ばれ、ブレーキペダルを踏み込んだ力をブレーキキャリパー内のピストンに伝える、重要な役割を果たします。
幅広い条件下で安定したブレーキ性能を発揮する一方で、経年劣化や水分の吸収によって性能が低下します。
ブレーキオイルが劣化すると「ベーパーロック」と呼ばれる、ブレーキの効きが急激に悪化する現象に繋がり危険です。
交換の目安は2年ごとと、エンジンオイルほど頻繁ではありませんが、安全な走行を維持するためにも定期的なブレーキオイル交換を心がけましょう。
ミッションオイル
ミッションオイルは、変速機の円滑な操作を支える重要なオイルです。
変速機内部の摩擦を減らし、ギアチェンジをスムーズに行えるようにしますが、劣化すると変速ショックや異音の原因となります。
車種によって交換頻度は異なりますが、ギアチェンジの際に車内に衝撃を感じる場合は、ミッションオイルの状態をすぐに確認することが推奨されます。
変速機の故障を防ぐためにも、適切なタイミングでミッションオイルの点検と交換を行いましょう。
エンジンオイルの交換は車検前にするべき?
エンジンオイルの交換は車検前にすべきかどうかを、解説していきます。
近いうちに車検を迎えようとしている方は、事前にチェックしましょう。
手間を減らすなら車検時にオイル交換を検討する
自動車のメンテナンスの手間を減らしたい場合は、車検時のエンジンオイル交換がおすすめです。
車検は2年ごとに実施するため、定期的に交換できるでしょう。
しかし、エンジンオイルの交換は半年から1年ごとが推奨されているため、車検のタイミングでは間隔が空きすぎる可能性があります。
エンジンを良好な状態で維持したい場合は、車検とは別に交換するほうが望ましいでしょう。
車検費用を抑えたいなら事前のオイル交換がおすすめ
車検費用を抑えたい場合は、事前にオイルを交換しておくほうが良いでしょう。
車検時にエンジンの不具合を指摘される可能性が減り、追加で費用を支払わなくて済むからです。
オイル交換にかかる費用は比較的安価なため、事前に交換しておくのも、ひとつの方法です。
車検時のオイル交換の費用相場
車検時のオイル交換費用の相場について解説をしていきます。
オイル交換の費用はオイルの種類によって異なりますが、3,000円から10,000円程度と考えて良いでしょう。
もしも交換費用に納得が行かない場合は、次回の車検時に整備業者を変更することも検討してみてください。
オイルの種類ごとに分けて、交換費用の相場を解説していきます。
エンジンオイル
車検時のエンジンオイル交換費用は、3,000円から10,000円程度が目安です。
エンジンオイルの量は排気量に応じて異なるため、排気量が大きい車ほど交換費用も高くなります。
加えてオイルフィルターも交換する場合は、追加で1,000円から3,000円程度がかかります。
オイルフィルターはオイルエレメントとも呼ばれ、エンジンオイルの寿命を延ばすための非常に重要な部品です。
エンジンオイル交換の2回につき1回が交換頻度の目安のため、それほど多くはありません。
エンジンオイルとフィルターの状態を確認しつつ、必要に応じて交換しましょう。
ブレーキオイル
ブレーキオイルの交換費用は、5,000円から10,000円程度が相場です。
ブレーキオイルの規格は車種ごとに決まっており、異なる規格のものを使用するとトラブルの原因となります。
よって、自分の車に適した規格のブレーキオイルに交換しましょう。
ミッションオイル
ミッションオイルの交換費用は、5,000円から30,000円程度が相場です。
AT車とMT車ではオイルの種類が異なり、とくにMT車では交換費用が高くなる傾向があります。
そのため、AT車に乗っている場合は、もう少し費用を抑えられるかもしれません。
ミッションオイルの等級はGL-4とGL-5の2種類があり、GL-4は主に後輪駆動、GL-5は前輪駆動の車に使用されます。
自分の車に適したミッションオイルがわからない場合は、整備業者に相談するのが安心です。
車検前にエンジンオイル漏れしていたら?
車検を受ける前にエンジンオイルが漏れているのを見つけたら、直ちに点検を行うべきです。
もしエンジンに重大な問題が発生していると、走行中の事故にも繋がりかねません。
ここでは、車検前にエンジンのオイルが漏れていた場合に、確認しておくべきことを解説していきます。
エンジンオイル漏れは車検に通らない
エンジンオイルが漏れている状態では、車検に通過できません。
オイル漏れはエンジン内部の部品に悪影響を及ぼし、深刻な故障を招くため、重大な不具合と判断されるからです。
エンジンオイルが漏れた状態で車検を受けると、当然ながら修理のための費用が余計にかかってしまいます。
車検前にオイル漏れを発見したら、早急に業者へ修理依頼をしましょう。
応急処置の方法
エンジンオイル漏れを発見した際の、応急処置の方法を解説していきます。
まずは、オイルレベルの確認を行いましょう。
エンジンが十分に冷えた状態でオイルレベルゲージを使用し、オイルレベルが適切な範囲かどうかを確認します。
もしも、オイルレベルが低すぎる場合は、漏れている箇所の特定を行います。
漏れている箇所を特定できたらシーリング材で応急処置を行い、可能であれば適切な種類のエンジンオイルを補充して、走行中の損傷を防ぎます。
応急処置が済んだら整備業者に向かい、点検と修理を行いましょう。
また、一時的にエンジンオイルの漏れが止まったからといって、修理せず走行し続けるのは避けてください。
修理費用の目安
エンジンオイルが漏れていた場合の修理費用は、状況に応じて大きく変わります。
なぜなら、オイル漏れの程度によって、修理の規模や交換に必要な部品の数が異なるためです。
たとえば、オイルシール交換で済む場合は数千円程度ですが、状態によっては100万円以上かかる場合もあります。
修理を放置すると、車検に合格できないばかりか、深刻な故障に発展するリスクが高まります。
修理費用が高額だからと放置せず、安全のためにも必ず対応しましょう。
修理費用が高額なら乗り換えを検討しよう
エンジンオイル漏れの修理費用が高額な場合は、修理せずに乗り換えを検討するのも、ひとつの選択肢です。
とくにエンジン内部に深刻な問題があると修理費用が高額になりやすく、自動車の年式や状態によっては、乗り換えたほうが経済的に有利な場合があるからです。
自動車は長く乗るほどトラブルが起きるリスクも増すため、エンジンオイル漏れを乗り換えのきっかけにするのもよいでしょう。
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まとめ
エンジンオイルの交換は、自動車の性能を維持し、寿命を延ばすために欠かせない作業です。
エンジンオイルを適切に交換することで、エンジントラブルを未然に防ぎ、加速性能や燃費の維持に繋がります。
車検時にオイルを交換することでエンジンの状態を保てますが、オイル交換の目安は車検の頻度よりも短いため、車検前にも交換するのが理想です。
安全かつ快適に走らせるためにも、エンジンオイルの劣化は放置せず、定期的に交換しましょう。