車で公道を走行するには定期的に車検を受ける必要がありますが、外車は国産車と比較すると車検費用が高い傾向にあります。
そのため、具体的にいくら高いのか気になる方もいるでしょう。
本記事では外車の車検費用が高い理由や費用相場、さらに車検費用を抑える方法を解説していきます。
外車をお持ちでこれから車検を迎えようとしている方は、ぜひ参考にしてみてください。
外車の車検費用が高い理由
外車は国産車と比較すると、車検費用が高い傾向にあります。
外車の車検費用が高い理由は、以下のとおりです。
- ・重量が重い
・部品交換代が高額
・整備費用が高額
・海外から部品を輸入するケースもある
それぞれの理由について解説していきます。
重量が重い
外車は国産車よりも重量が重いことが多く、それに伴い自動車重量税も高いのが特徴です。
国産車は早期から軽くて強度の高い高張力鋼板を導入しており、軽量化と剛性の両立を実現しました。
一方で外車は、安全性の確保や設計の自由度を優先したために高張力鋼板の導入が遅れた結果、車両が重い傾向にあります。
部品交換代が高額
外車は国産車に比べて、部品交換代が高額になる傾向があります。
なぜなら、国内では珍しい部品が使われることが多く、交換部品の調達に手間と時間がかかるためです。
国産車は部品が市場に多く出回っているため、在庫がなくても迅速に調達できることがほとんどです。
しかし外車の場合は、国内に在庫がなければ海外から取り寄せる必要があり、輸送費なども含めると費用が高額になることがあります。
外車の整備を行う際は、部品交換代が高額になる可能性を考慮し、あらかじめ予算に余裕を持ちましょう。
整備費用が高額
外車の整備費用も、国産車よりも高額になることが一般的です。
外車の整備には特殊な工具や専門的な知識が必要であり、整備士が研修や経験を積むためのコストがかかるためです。
国産車の整備は日常的に行われているため、整備士も経験を積む機会が多いですが、外車は整備する機会が限られるため、メーカーの研修を活用する必要があります。
また、メーカーが研修を提供していない場合、各業者が独自に整備士を育成しなければなりません。
このような事情から、外車の整備費用は高く設定される傾向です。
外車を所有する場合は整備費用が国産車よりも高くなることを考慮して、計画を立てましょう。
海外から部品を輸入するケースもある
必要な部品が国内にない場合は、海外から輸入することが少なくありません。
とくに珍しい部品は国内で普及していないため、純正部品を使用するためには、海外から取り寄せる必要があります。
さらに、部品を輸入する際には船舶や飛行機による輸送費が加算されるため、交換費用が高くなるケースがほとんどです。
外車の整備には部品の輸入に伴う費用がかかることを、想定しておきましょう。
外車と国産車の車検費用の相場比較
外車は国産車と同様に、以下で車検を受けることができます。
- ・ディーラー
・車検専門店
・ガソリンスタンド
・中古車販売店・整備工場
車検費用は大きく分けて「法定費用」「車検基本料」「整備費用」の3つに分類されます。
法定費用は車種ごとに国によって定められていますが、車検基本料と整備費用は業者で自由に設定できるため同じ金額ではありません。
ここでは、業者ごとの外車と国産車の車検費用の相場を、比較していきます。
ディーラー
ディーラーの車検は国産車が約7万円~、外車が約9万円~と高額な傾向にあります。
ディーラーはメーカーの公式ブランドのため整備経験や知識が豊富で、保証やアフターフォローも充実していることもあり費用は高めです。
車検にかかる費用よりも、車両に関する安心感と信頼性を重視する方には、ディーラー車検が適しているでしょう。
車検専門店
車検専門店の車検費用は、国産車が約4万円~、外車が約6万円~と比較的安価です。
車検専門店は幅広いメーカーや車種に対応しており、指定整備工場であれば車検の全工程を自社で完結できるため、時間も短縮できるのが魅力です。
ただし、基本的な車検項目以外の整備は行わない場合が多いため、その点には注意が必要です。
費用を抑えつつ迅速な車検を希望する場合は、車検専門店を活用しましょう。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドの車検費用は国産車が約4万円~、外車が約6万円~と手頃な価格です。
基本的に車検基本料は安価に設定しているところが多く、指定整備工場ならばスピーディーに対応してもらえるのもメリットです。
さらに、ガソリン代の割引や洗車のプレゼントなど、お得な特典を受けられる場合もあります。
コストパフォーマンスを重視する方は、ガソリンスタンドでの車検を検討しましょう。
中古車販売店・整備工場
中古車販売店や整備工場の車検費用は、国産車が約6万円~、外車が約7万円~と比較的リーズナブルです。
これらの店舗は少人数体制であるため、混雑時には時間がかかるものの、整備士に直接相談できる可能性があります。
ただし、店舗によって技術力や料金、サービス内容が異なるため、事前に口コミや評価を調べて信頼できる店舗を選ぶことが重要です。
費用を抑えつつ直接整備士に相談したい場合は、中古車販売店や整備工場での車検を検討しましょう。
外車の車検費用を抑える方法
国産車と比較すると車検費用が高額になることが多い外車ですが、工夫することで車検費用をできる限り抑えられます。
外車の車検費用を抑える方法は、以下のとおりです。
- ・複数の業者に相見積もりを取る
・定期的にメンテナンスを行う
・ユーザー車検を利用する
・必要なところだけ修理する
・車の買い替えも検討する
それぞれの方法を解説していきます。
複数の業者に見積もりを取る
車検費用を抑えるためには、複数の業者に見積もりを取ることが効果的です。
業者ごとに車検基本料や整備費用が異なるため、同じ整備内容でも金額に差が出ることがあるからです。
相見積もりを取ることで、各業者の整備内容と費用を比較でき、自分に合った業者を選びやすくなります。
納得のできる業者を選ぶためにも、いきなり1社に絞らずに複数の見積もりを取るのがおすすめです。
費用面とサービス内容を比較しつつ、あなたが納得できる依頼先を見つけましょう。
定期的にメンテナンスを行う
定期的にメンテナンスを行うことで、車検費用の節約に繋がります。
不具合が発見されるたびに分散して修理をしておけば、一度に大きな出費を避けられるからです。
消耗品の交換も車検費用に含まれるため、交換部品が多いほど費用がかさみます。
たとえば、エンジンオイルやウォッシャー液は半年ごとの交換が推奨され、これを怠ると車検時にまとめて交換する必要があり、まとまった出費になる可能性があります。
定期的にメンテナンスを行い、車検時の負担を減らしましょう。
ユーザー車検を利用する
ユーザー車検を利用すると、車検基本料や整備費用を抑えられます。
ユーザー車検とは自分で点検・整備することですが、業者に依頼しないため車検基本料はかかりません。
ただし、ユーザー車検は平日の営業時間内に指定会場で行う必要があり、混雑状況によってはスケジュール調整が難しいこともあります。
また、すべての工程を自分で行う必要があるため手間と時間がかかるだけでなく、車に関する知識や経験も求められます。
車に詳しくない方には難しい可能性があり、車検に不合格になると複雑な手続きが必要になるリスクもあります。
車の知識に自信があって費用を抑えたい方は、ユーザー車検を活用するのも良いでしょう。
必要なところだけ修理する
直す必要がある箇所だけを修理することで、車検費用の抑制に繋がります。
とくに、ディーラー車検では予防整備が推奨されるケースも多く、費用がかさむことがあります。
そのため、修理が必要な箇所とそうでない箇所を見極め、直す必要がないと判断した箇所は省くのも良い選択です。
なお、車検の合否に関係のない箇所の修理は必須ではないため、断っても問題はありません。
しかし、定期的なメンテナンスを怠ると、安全面に影響を与える可能性もあるため注意が必要です。
必要な整備箇所を確認して安全を確保しながら、車検費用を抑えましょう。
車の買い替えも検討する
外車の車検費用が高いと感じる場合は、車の買い替えも検討しましょう。
車は年数の経過とともに劣化していくもので、修理や部品交換が必要な箇所も増えていきます。
また、部品代に加えて作業代も加わるため、車検費用も高額です。
走行距離が長くなるほど故障のリスクも高くなり、メンテナンスに費用がかかります。
1か所修理してもほかの箇所がすぐに修理が必要になるケースもあるため、年式が古い場合は買い替えも視野に入れましょう。
外車が車検に通らない場合はある?
外車や輸入車でも、車検の合格基準は国産車と同じです。
もし合格基準に満たしていない項目があれば、車検には通りません。
車検に合格するまでは、整備と検査を繰り返す必要がありますが、外車の場合、部品の発注から納品までに時間がかかるケースが多くあります。
国産車よりもタイムラグが生じることもあるため、時間を短縮したい場合は事前点検の利用がおすすめです。
事前点検を無料で提供している業者もあり、不合格箇所の確認と概算費用の把握ができるため、準備を整えたうえで車検に臨めます。
外車の車検をスムーズに進めたい場合は早めに予約を行い、事前点検を活用しましょう。
外車の車検を受けるときの注意点
外車の車検も基本的な流れは、国産車と変わりません。
ただし、外車の車検を受ける際にはいくつかの注意点があります。
外車の車検を受けるときの注意点は、以下のとおりです。
- ・外車の車検を受けるときの注意点をご紹介
・部品の入手が困難なケースがある
・国産車よりも時間がかかるケースがある
・車検に合格できないケースがある
それぞれの注意点を解説していきます。
部品の入手が困難なケースがある
外車の車検では部品の入手が困難な場合があるため、注意が必要です。
とくに希少な車や生産が終了した車の場合は必要な部品が手に入りにくく、時間がかかることがあります。
車検を受ける前にどの部品交換が必要か、そして該当部品が入手可能かを確認しておくことで、車検がスムーズに進みます。
部品の調達に時間がかかる可能性を考慮して、早めに確認を行いましょう。
国産車よりも時間がかかるケースがある
外車の車検は国産車よりも時間がかかることが多いため、余裕を持った予約が必要です。
交換部品の調達に時間がかかるだけでなく、整備にも時間がかかることがあるためです。
車検期間ギリギリに依頼すると、車検が完了する前に満了日を迎えてしまうリスクがあります。
外車に限らず、国産車でも満了日ギリギリでの車検は避けたほうが安全ですが、とくに余裕を持って車検を予約しましょう。
車検に合格できないケースがある
並行輸入車は日本の車検に適合しない可能性があるため、注意が必要です。
並行輸入車とは非正規ルートで輸入された車で、海外で販売されている日本ブランドの車も含まれます。
日本の正規ディーラーで販売されている外車は国内の基準に適合していますが、並行輸入車は安全基準や環境基準を満たしていないことがあるため、注意が必要です。
また、並行輸入車の場合は車検に合格するための整備箇所が増え、整備に時間がかかることが多くなり、車検の日数も長引く傾向があります。
並行輸入車の車検を受ける際は、基準に適合するための整備計画を立てて、早めに準備しましょう。
まとめ
外車でもディーラーや車検専門店、ガソリンスタンド、中古車販売店、整備工場などで車検を受けることが可能です。
ただし、国産車に比べて車検費用が高額になる傾向があるため注意が必要で、なかでもディーラーで車検を受けるのが最も高額だとされています。
外車の車検費用を抑えるには、定期的にメンテナンスを行うのがポイントです。
また、ユーザー車検や複数の業者の相見積もりを活用することも、費用の削減には効果的です。
しかし、自分で行うユーザーは車や整備に関する知識が求められるため、不安な方は業者に依頼するほうが良いでしょう。
国産車の車検よりも外車は注意点が多いため、なるべく早めに準備しつつ、さまざまな工夫をして車検費用を抑えましょう。