車検の際にLEDテープを装着している車両は通る?事例や基準を解説!
近年、車のドレスアップにLEDテープを使用するカスタムが人気を集めています。
LEDテープを使うメリットは、車の外観を手軽に個性的に仕上げられることや、夜間の視認性を高めるなど複数ありますが、一方で、車検の際にLEDテープを装着していると問題になる場合があり、基準や注意点を理解しておくことも重要です。
本記事では、LEDテープのカスタムが車検に与える影響について詳しく解説していきます。
LEDテープを取り付ける前に知っておきたいポイントや注意点を把握し、安心して愛車を楽しみましょう。
LEDテープってどのようなテープ?
LEDテープとはどのようなテープなのでしょうか。
ここでは、車に貼るLEDテープについて詳しく解説していきます。
LEDテープとは車のドレスアップパーツのこと
LEDテープは、車の外観をカスタマイズするために使われる人気のドレスアップパーツの1つです。
小さなLEDライトが等間隔に配置されており、従来の単発LEDよりも明るさが増している点が特徴として挙げられます。
また、柔軟性があるため、車のボディラインやパーツに合わせて曲げたり、必要な長さでカットしたりすることができ、自由度の高い加工が可能です。
そのため、装着場所によっては高級感を演出することもでき、特に夜間の走行時に視覚的なアクセントを加えることができるアイテムとして注目されています。
さらに、LEDテープはカラーバリエーションも豊富で、青や白、アンバーなどの色が選べることから、自分の車のスタイルや個性を手軽に引き出せるのも魅力の1つです。
適切な取り付け方と色の選択で車検に通る場合もありますが、条件を満たさない場合は取り締まり対象となることがあるため、取り付けには注意しましょう。
LEDテープを使用したカスタムの事例
車のカスタム例として、特に人気が高いのがヘッドランプ周りへのLEDテープの装着です。
多くのオーナーがヘッドランプの輪郭に沿ってLEDを配置するスタイルを採用していますが、これは純正のLEDを使用してヘッドランプの輪郭を強調する、メーカーのデザインを真似ているのだと考えられます。
メーカーが使用する純正LEDは厳しい安全基準や保安基準を満たした上で設計されており、車検にも問題なく対応できる仕様です。
ただし、個人が後付けでLEDテープを用いて同様のカスタムを施した場合、車検に通過できるかどうかは取り付け場所や色によって左右されます。
たとえば、保安基準上許可されている「青色」であれば、バンパーの開口部内に設置する必要があるなど、細かな規定があります。
ヘッドランプの輪郭を強調するようにLEDを取り付けると、これらの基準に反することが多く、車検には通らない可能性が高いのが現状です。
LEDテープを装着した車両は、車検に通る?
ここでは、LEDテープを装着した車両が通るかどうかについて詳しくみていきましょう。
取り付ける箇所や車検場、検査官によっては通らないケースがある
LEDテープを装着して車検を通過できるかどうかは、取り付け位置や車検場、検査官の判断に大きく左右されることがあります。
特にフロント周りに取り付けた場合、基準に適合していないとみなされることが多く、車検を通らない場合もあるでしょう。
保安基準では、色は白または青、明るさは300カンデラ以下でなければならず、これを超えると違反となる可能性があります。
これらの基準を満たしたとしても、装着位置や使用意図が不適切だと判断されると、車検に通らないこともあるため注意が必要です。
公道を走行すると取り締まりの対象となる
LEDテープを装着した車両で公道を走行する場合、違法改造とみなされるケースもあり、取り締まりの対象になることがある点にも注意が必要です。
特に交通安全週間などの取り締まり強化期間中は、警察に声をかけられる可能性があります。
また、派手なドレスアップは周囲に警戒されることがあり、地域によっては通常時でも取り締まりの対象となるケースが増えています。
公道での使用には慎重さが求められるため、設置場所や使用方法には十分に気を配ることが重要です。
車検に通るための保安基準!
LEDテープを取り付けている車両を車検に通すためには、以下の3つの保安基準を考慮する必要があります。
- ・保安基準としてOKな色は白か青
・300カンデラを超えないこと
・点滅や明度の増減はNG
ここでは、それぞれの基準について詳しくみていきましょう。
保安基準としてOKな色は白か青
LEDテープの色に関して、車検の基準で認められているのは「白」または「青」のみです。
ほかの色、例えば赤やオレンジ、黄色などは、ブレーキランプやウィンカーと見間違われる可能性があるため、使用が禁止されています。
こうした誤認による事故を防ぐためにも、取り付けの際は色の選択に特に注意が必要です。
また、ヘッドライト周りへの装着も禁止されているため、バンパーの開口部やサイドステップなどにLEDテープを取り付けているユーザーが多い傾向にあります。
こうした規定を守ることで、安全かつ合法的にLEDテープを活用することが可能です。
300カンデラを超えないこと
LEDテープを装着したまま車検に通すには、LEDテープの明るさが300カンデラを超えないことが必須条件です。
カンデラとは光の強さを表す単位であり、300カンデラを超えると周囲を走行している車両の妨げとなる恐れがあります。
ほかにも、ハザードランプやブレーキランプと混同されるなどの可能性もあるでしょう。
一般的に市販のLEDテープはこの基準をクリアしていますが、購入時には必ず確認することが大切です。
基準内の光度であれば安全性も確保されるため、ドライバー自身や他の車両にとって快適な環境を維持することができます。
点滅や明度の増減はNG
LEDテープを装着する際、点滅や明るさの増減は保安基準に反するため、車検に通りません。
これは、ウィンカーやハザードランプと誤解される可能性があるからです。
ほかにも、ヘッドライトの点滅に連動するようなタイプや、微妙に明るさに変化を加えるようなカスタムも「問題のある車両」と判断されて検査に通らなくなる可能性が高くなってしまいます。
一定の明るさを保つものを選び、規定を守りながら車のドレスアップを楽しみましょう。
LEDテープはイベントや一時的に取り付けるもの!
LEDテープは車のドレスアップとしての効果が大きく、特に夜間の視認性を高めることで車の印象を大きく変えることができます。
しかし、普段からLEDテープを装着していると車検に通らない可能性が高いため、基本的にはイベント時などの特別なシーンのみでの使用が好ましいでしょう。
さらに、車検基準に適合しないままLEDテープを装着して公道を走ると、整備不良車両とみなされ、取り締まりの対象となるリスクもあります。
簡単に脱着できるように設計しておけば、イベント終了後に速やかに取り外せるため、車検への影響も最小限に抑えることが可能です。
また、LEDテープはフロントバンパーの開口部など、装着が許容されやすい場所に取り付ける方法もありますが、法規制のグレーゾーンが多いです。
現状では、特定の範囲での一時的な装飾としてLEDテープを活用することで、安全に個性を表現することが望ましいでしょう。
LEDテープ以外のカスタムも、車検前に要チェック
車両に施したカスタムが車検基準を満たしているかどうかは、車両の種類を問わずしっかりと把握しておかなければなりません。
LEDテープ以外にも、サイズや外装パーツ、フィルム、ホイールなど細かな基準があり、それらの基準を満たせていないと車検を通過できない可能性があります。
ここでは、車検の際に特に注意が必要なポイントについて詳しくみていきましょう。
車両サイズ
カスタムにより車のサイズが変わった場合、車検に通るためには定められた範囲内に収める必要があります。
具体的には、全長が±3cm、全幅が±2cm、全高が±4cm、最低地上高が9cm以上といった基準があり、これを超えるカスタムが施されている場合は「構造変更申請」を行わなければなりません。
また、車両重量についても、軽自動車や小型車で±50kg、普通車で±100kgまでの許容範囲があるため、車重が増減した場合も同じく「構造変更申請」の手続きが必要です。。
車両の大きさや重さに関する基準を守ることで、安全性が確保され、車検にも問題なく合格できるでしょう。
フィルムやステッカー
車の窓ガラスに貼るフィルムやステッカーも、車検の際に注意が必要です。
フロントガラスには、車検標章以外のステッカーは許可されていません。
また、サイドウィンドウや後部座席に貼るフィルムについても透過率が70%以上であることが求められ、下回ると車検に通らなくなります。
フィルムを貼る場合は、透過率を確認し、基準を満たす範囲で楽しむようにしましょう。
基準を守ることで、快適なドライブ環境を保ちながら、車検への不安も回避することができます。
ホイールサイズ
タイヤやホイールのカスタムも人気ですが、サイズが車両の幅を超える場合や、ボディに干渉するようなカスタムは車検に通りません。
また、タイヤサイズを変更することでスピードメーターに誤差が生じる場合も、基準に適合しないと判断されるため注意が必要です。
ホイール選びの際は、車幅を超えないものや、スムーズな回転を妨げないものを選ぶようにしましょう。
カスタムにこだわる場合でも、こうした基準に沿った選択をすることで、安心して車検に臨むことができます。
エアロパーツ
エアロパーツの装着も車検に影響を与えるポイントです。
バンパーなどのエアロパーツは、テープ以外の方法でしっかりと固定されている必要があり、純正と同等の強度や衝撃吸収力を持っていなければなりません。
また、エアロパーツのエッジ部分は半径5mm以上の丸みがあることが求められ、フェンダーも左右で2cm以内の幅に収まっている必要があります。
こうした基準を守りつつ、ドレスアップを楽しむことで車検への対応もスムーズに行うことが可能です。
マフラー音
車検で特に厳しく検査されるのが、マフラーの排気音です。
車検時には「近接排気騒音」が基準を満たしているかが確認され、具体的には最大96dB以下であることが求められます。
また、加速時の排気音が76dB以下、定常走行時の騒音が72dB以下である必要があり、基準を超える場合は車検に通りません。
音にこだわりたいという方も、市販のサイレンサーを装着すれば騒音レベルを調整できるため、車検に対応する手段のひとつとして検討してみると良いでしょう。
まとめ
LEDテープは、車のドレスアップとして人気のあるパーツですが、装着する際には注意が必要です。
車検に通るための保安基準として、色は白か青、明るさは300カンデラ以下であること、そして点滅や輝度の変動がないことが求められます。
また、装着位置も重要で、ヘッドランプ周りや車幅灯と誤認される箇所に取り付けると車検に通らない可能性があります。
そのため、LEDテープはイベントや一時的な使用に留め、公道での使用は控えると良いでしょう。