車検が完了するまでは車を利用することができません。
車検を急ぎたい場合は、一日で終わらせることは可能なのでしょうか。
本記事では、車検にかかる時間や一日車検について解説していきます。
一日車検のメリットやデメリットについても紹介していくので、車検を短時間で終わらせたいと考えている方は参考にしてください。
一日車検とは
一日車検について詳しく解説していきます。
一日車検の特徴
車検業者に車を引き渡した当日中に検査が終わる車検は、一日車検や即日車検、スピード車検と呼ばれています。
通常の車検は一日で終わることはありません。
ただ、一日車検の場合でも朝から夕方までかかったり、1時間〜2時間の短時間で終わったりと時間に幅があります。
もちろん自分で持ち込んだ車にそのまま乗って帰ることも可能です。
一日で車検が終わる理由
なぜ一日で車検を終わらせることができるのでしょうか。
理由は点検や整備の項目を最低限に抑えているからです。
点検項目を厳選しているため、車検が早く終わります。
また、一日車検では自宅まで車を引き取りに行くサービスは行っていません。
整備士が車検に集中できるので、安定した作業スピードを確保しています。
車検に必要な時間
車検には通常どのくらいの時間がかかるのでしょうか。
一般的な車検の必要時間と、一日車検を提供している業者について解説します。
通常は2日〜3日かかる
通常の車検には2日〜3日程度の日数が必要です。
業者は陸運局での手続きも代行するため、引き渡しまで日数に余裕を持たせています。
特にディーラーは作業が丁寧に行われるため、時間がかかる事が多いです。
車検は年式が浅いほど整備箇所が少ないので、短時間で終わる傾向があります。
一方で古い車や走行距離の長い車は修理や交換が多いので、車検の時間が長引きやすいです。
業者の混雑状況によっては1週間〜10日間かかる場合もありますが、稀なケースと言えるでしょう。
一日車検を提供している業者もある
一日車検のサービスを提供しているのは、主に全国チェーンの車検専門業者です。
全国エリアに展開しているため、どこに住んでいても一日車検を受けることができます。
ガソリンスタンドでも、一日車検を受け付けている店舗であれば依頼が可能です。
繁忙期などの時期によっては作業スタッフが確保できない場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
ただし最低限の検査のみが行われるため、業者によっては車検時に24か月点検を実施しない場合もあります。
24か月点検が行われない場合は、別途で受けなければなりません。
時間や手間がかかることを考慮すると、24ヶ月点検と整備も同時に行なっている業者を選ぶのがおすすめです。
一日車検のメリット・デメリット
忙しい人にとってはありがたい一日車検ですが、本当に安心して任せることができるのでしょうか。
一日車検のメリットとデメリットを紹介します。
一日車検のメリット
一日車検を利用するメリットは、次のとおりです。
- ・車検が早く終わる
・車検費用が安い
・代車が不要になる
メリットの内容をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
車検が早く終わる
一日車検の最大のメリットは、車検完了までのスピードが速いことです。
業者によっては数時間ほどで終わることもあります。
車検をとにかく早く終わらせたい方や、車検の期限が迫っている方にぴったりです。
車検費用が安い
一日車検では作業スピードを上げるために点検項目を最低限にしているため、車検にかかる費用も安く抑えることができます。
たとえばディーラーで2日〜3日かけて車検をした場合の相場は7万円〜10万円ですが、車検専門業者やガソリンスタンドで1日車検を受けた場合の相場は5万円〜6万円です。
車検には関係のない点検整備が行われないため、通常の車検よりも安く済ませることができます。
代車が不要になる
一日車検では当日中に車検が終わるため、基本的には代車が不要になります。
慣れていない車を運転することにストレスを感じる必要はありません。
数時間で車検が終わるのであれば、店舗内で待たせてもらうことが可能です。
ただし朝から夕方までかかる場合は、代車を借りることもできます。
業者によって代車がないケースや有料にしているケースもあるので、事前に確認しておきましょう。
一日車検のデメリット
検査項目が必要最低限になる
作業スピードを重視するため、検査項目が少なくなりやすいのがデメリットです。
費用も安く済みますが、車の不具合や故障を見逃してしまう可能性があります。
数時間ではなく一日かかってもOKな場合は、検査項目や整備内容を増やせないか整備士に相談してみましょう。
車の状態によっては一日で終わらない
実際に車検を行ってみて車に不具合が見つかった場合は、一日で終わらない場合もあります。
交換する部品が欠品している場合は、取り寄せが必要です。
特に古い車や走行距離が長い車の場合は部品が劣化している可能性があるため、一日車検で申し込んでも当日中に終わらない可能性があることを認識しておきましょう。
見積もりが比較できない
車検を急いで終わらせたい場合は、車検の見積もりを取る時間が確保できません。
複数の見積もりが取れないと、他社と費用を比較することができなくなります。
そもそも一日車検に対応している業者は少ないため、比較対象が見つからない場合も考えられるでしょう。
費用の負担を少しでも軽くしたい場合は、時間がなくて焦る前に見積もりを依頼することをおすすめします。
一日車検を受けるまでの流れ
通常の車検と一日車検を申し込む際の手順に違いはあるのでしょうか。
一日車検を受けるときの流れについて解説します。
一日車検を予約する
まずは一日車検に対応している業者を探します。
業者を見つけたら公式ホームページにアクセスしてください。
電話で問い合わせるかフォームを入力して都合の良い日に予約を取ります。
予約が完了したら必要書類の準備をしてください。
車検費用の見積もりは、事前に行う場合と当日に行う場合の2通りです。
業者によって見積もりのタイミングが異なります。
見積もり金額に納得できなければ車検をキャンセルすることも可能です。
ただし、車検当日に見積もりを出す場合はキャンセル料が発生することもあるので事前に確認しておきましょう。
車検を受ける
予約日になったら店舗に車を持ち込んで車検を受けます。
時間に遅れてしまうと、検査を断られる可能性があるので注意してください。
朝から夕方までかかる場合は、自宅に戻って待機することも可能です。
1時間くらいで終わる場合は、店舗内の待合スペースで待つことができます。
最近はフリードリンクやWi-Fiが利用できる店舗もあるので、車検が終わるまでの時間を快適に過ごせるでしょう。
終了後に車を引き取る
車検が終わったら、点検や整備の内容を整備記録簿を確認したり整備士の説明を聞いたりします。
車検費用を支払ったら車検は終了です。
車検証は後日自宅に郵送されるか、店舗に取りに行く必要があります。
仮の車検証が発行されるため、公道を走行しても問題はありません。
一日車検に必要な書類と車検費用の支払い方法
一日車検を受けるためには、以下の書類を準備する必要があります。
- ・自動車検査証
・自動車納税証明書または軽自動車税納税証明書
・自賠責保険証
・車検費用
以前は印鑑を持参する必要がありましたが、2021年3月以降は継続検査申請書に押印する必要がなくなったので不要です。
書類以外では、取り付けている場合のみホイール盗難防止用のロックナットアダプターが必要となります。
用意しておかないと、整備の際にホイールが外せなくなってしまうので忘れないようにしましょう。
自動車検査証や自動車納税書、自賠責保険証を紛失してしまった場合は再発行ができます。
書類の再交付には手数料や手続きが必要です。
一つでも書類に不備があると1日車検が受けられなくなってしまうので注意してください。
車検費用の支払いについて
1日車検の支払い方法は業者によって異なります。
具体的には、以下の支払い方法の中から選択できるケースが多いです。
- ・現金
・銀行振込
・クレジットカード
・電子マネー
・プリペイドカード
・商品券
さらに一部の業者ではローン払いを利用できることもあります。
現金以外の支払い方法を検討している場合は、事前に業者へ確認しておきましょう。
車検費用は車検が終了したタイミングで支払うのが一般的です。
車検費用に含まれる法定費用(自賠責保険料、自動車重量税、印紙代)については、基本的に現金払いとなります。
法定費用のみ前払いとしている業者もあるので注意してください。
一日車検を依頼する際の注意点
最後に、一日車検を依頼する際の注意点について解説します。
見積り書をしっかり確認する
車検を急いでいる場合でも見積書の確認は怠らないでください。
一日車検は費用が安く済むのがメリットですが、相場よりも料金が低い場合は24ヶ月点検が含まれていない可能性が高いです。
24ヶ月点検は法律によって受けることが義務付けられています。
通常車検のタイミングで行われますが、一日車検の場合は作業内容に含まれていないケースがあるので注意が必要です。
別の業者で受けることになると、余計な手間や費用がかかってしまいます。
一日で終わらない場合もある
当日中に車検が終わることが魅力の一日車検ですが、終わらないケースもあります。
整備の際に故障が見つかったり、部品交換が必要になったりした場合です。
部品の在庫がなく取り寄せになってしまうと、2〜3日待たなくてはなりません。
新車に近い状態の車であればこのようなトラブルが起こる可能性は低いですが、古い車や走行距離が長い車は劣化しやすいため注意が必要です。
車に問題があった場合は、1日で終わらない可能性があることを事前に把握しておきましょう。
車検切れに気をつける
1日車検を予約してからキャンセルしてしまうと再予約が困難になる可能性があります。
当日中の車検に対応している業者が限られているため、予約がすぐに埋まってしまうからです。
今日中に受けたくて問い合わせても、予約が取れるのが1か月先ということも珍しくはありません。
予約が取れないままだと車検が切れてしまう可能性があります。
車検切れのリスクを回避するために、せっかく取れた予約を安易にキャンセルするのはやめましょう。
当日に予約が取れるとは限らない
車検満了日当日でも運転して車検業者に車を持ち込むことは可能ですが、予約が埋まっている場合は車検を受けることができません。
手続きが間に合わないと判断された場合は、業者に断られてしまう可能性もあります。
運よく車検を受けられたとしても、車の状態が悪い場合や不具合が見つかった場合は日を跨いでしまう可能性が高いです。
車検に通らない場合は手続きが大変になってしまうので、車検満了日ギリギリに受けるのはやめましょう。
まとめ
今回は一日で終わる一日車検と通常の車検にかかる日数について解説しました。
一日車検をサービスとして提供している業者は限られています。
忙しくて車検を早めに終わらせたい方や、新車登録からあまり時間のたっていない車は一日車検を利用するのがおすすめです。
一日車検は車検が早く終わる、費用が安いなどのメリットがありますが、通常の車検と比べて作業スピードが早いため整備の質が劣るなどのデメリットもあります。
今回解説したデメリットや注意点をよく理解した上で利用を検討しましょう。