車は安全に乗るために定期的に車検を受ける必要がありますが、車検には期限があり有効期間内に更新する必要があります。
期間内にきちんと更新するためにも、車検の有効期間を把握しておくことが大切です。
本記事では車検の有効期間の確認方法や、予約するおすすめのタイミングについてご紹介します。
車検の有効期間を確認したい方は、ぜひ参考にしてください。
車検の有効期間は何年?
車検の有効期間は、一律ではありません。
新車や中古車、また用途などによって有効期間は異なるため、確認しておきましょう。
新車登録時は3年
自家用乗用車の場合、車検の有効期間は新車登録から3年と決められています。
つまり、新車であれば購入してから3年後に、1回目の車検を受けることになります。
新車の場合はメーカーが十分な確認を行っているため、初回に限り3年と定められているからです。
ただし、新車でも一般的な乗用車でない下記の5つは、初回の車検は2年後です。
- ・自家用貨物自動車
・自家用軽貨物自動車
・自家用特殊用途自動車
・大型特殊自動車
・事業用軽貨物自動車
上記の車両タイプは商用車として利用されることが多く、走行距離も増える傾向にあるため、2年後に実施する必要があります。
一般的な乗用車の車検期間と、混同しないように注意しましょう。
初回以降は2年ごと
以前は、車検登録から10年経過した車の車検有効期間は、1年と決められていました。
しかし、1995年の道路交通法の改正により、現在は車齢に関係なく2年ごとに受けることになりました。
中古車の場合は、製造後1年未満の自家用乗用車を除き、2年ごとの車検が必要です。
ただし、購入するタイミングによっては車検の残り月数が少ないこともあり、すぐに車検を受けなければならないケースもあります。
特に車検が切れている中古車を購入した場合は、購入後すぐに車検を受ける必要があります。
そのため、車検が間近な車を購入する際には、交渉次第で購入時に値引きしてもらえる可能性があります。
ただし、購入後すぐに車検を受けなければならないため、数万円の費用が追加でかかる点は理解しておくべきです。
事前に車検費用を見積もり、予算に組み込んでおくことをおすすめします。
車検を受けられる期間
基本的に車検は、車検満了日を過ぎていなければ、いつでも受けられます。
車検満了日とは車検有効期限のことで、満了日を過ぎた場合には車検切れとなります。
車検は有効期間満了日の1日前や当日でも受けられますが、予約が取れずに車検が切れてしまうリスクもあるため、有効期間ギリギリに予約するのは避けたほうが良いでしょう。
満了日を超えて車検切れの状態になっていると、公道を走行することはできません。
車検切れで公道を走行した場合には、道路運送車両法第108条によって、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。
もしも、車検切れで公道を走行したい場合は、仮ナンバーを発行する必要があります。
車検を受けるおすすめのタイミング
ここでは、車検を受けるおすすめのタイミングを解説します。
いつに受けるのが良いか悩む方は、参考にしてください。
有効期間満了日の1か月前
車検を受けるおすすめのタイミングは、有効期間満了日の1カ月前です。
なぜなら、1カ月以上前に車検を受けると満了日の起算日が前倒しされてしまうため、次回の車検満了日が早くなってしまうからです。
車検を早く受ける分には、法律的な問題はありません。
しかし、車検を受ける回数が増えると費用もかかるため、特別な事情がなければ前倒しは避けるのがおすすめです。
令和7年4月からは2か月前に改正
前述したように、現在は車検有効期間満了日の1カ月以上前に車検を受けると、満了日の起算日が前倒しされて次回の車検満了日が早くなっていました。
しかし、令和7年4月からは混雑緩和のために、車検有効満了日の2カ月前から車検の有効期間が変更なく受けられるようになりました。
また、車検の有効期間と整合して自賠責保険の有効期間も、自動車損害賠償保障法施行規則を令和7年4月から改定されます。
車検期間の確認方法
車検は有効期間が切れる前に国から通知が来るものではないため、自分で把握しておく必要があります。
車検期間の確認方法は以下の3つです。
- ・車検証シールを確認する
・車検証をチェックする
・自賠責保険証で調べる
それぞれの方法について解説するので、さっそくチェックしましょう。
車検証シールを確認する
車検の期間を確認する1つ目の方法は、車のフロントガラスに貼られている、車検シールを確認する方法です。
車検シールの表面に記載された数字は、大きな数字が車検期間満了月、小さな数字が年度を年を表しています。
なお、車検期間満了月に記載された数字を見て、月末まで有効期間があると勘違いする方が多いですが、正確ではありません。
車検有効期間の満了日は、車検シール裏面に「〇年〇月〇日」と正確な日付が記載されているので、気を付けましょう。
また、フロントガラスに貼られている、定期点検の丸いシールと間違えないようにしてください。
車検証をチェックする
車検の期間を確認する2つ目の方法は、車検証をチェックする方法です。
車検証に「有効期間の満了する日」と記載されているため、チェックすれば日付まで知ることができます。
車検期間が近づくタイミングで、一度確認しておくと安心です。
自賠責保険証で調べる
車検の期間を確認する3つ目の方法は、自賠責保険証で調べる方法です。
基本的に自賠責保険は車検時に一緒に更新するため、自賠責保険証で車検有効期間満了日を把握することも可能です。
ただし、車検と自賠責保険は有効期間満了時間が異なる場合もあり、一致しているとは限りません。
なぜなら、自賠責保険の保険期間は、車検と比較して長めに設けられているからです。
事情により車検が遅れてしまって車検切れとなった場合でも、自賠責保険だけは未加入状態を避けるために配慮されています。
そのため、自賠責保険証で調べるのは、参考程度に考えておくと良いでしょう。
車検を期間内に受け忘れたときの注意点
車検を期間内に受け忘れたときの注意点は、以下のとおりです。
- ・公道を走ると違反になる
・自賠責保険も切れている可能性がある
それぞれの注意点について解説します。
公道を走ると違反になる
前述のとおり、車検有効期間を過ぎた車が公道を走行すると、道路運送車両法に違反します。
6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられるため、注意してください。
なお、車検が切れている車をけん引することも違反となるため、覚えておきましょう。
自賠責保険も切れている可能性がある
車検が切れている場合は、車検時に一緒に更新することが多い自賠責保険も切れているかもしれません。
なお、自賠責保険の有効期間が過ぎた状態で公道を走行する場合も、自動車損害賠償保障法違反となり、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
また、車検も自賠責保険も切れている状態で、公道を走行した場合には以下の罰則があります。
- ・6点の違反点数の加算
・90日間の免許停止処分
・1年6ヶ月以下の懲役または80万円以下の罰金
1回でも前歴があれば免許取り消しとなり、有効期間が切れてからの期間が長いときや前歴が複数回ある場合には、逮捕に至るケースもあるため注意が必要です。
なお、自賠責保険切れも車検切れと同じく、けん引するのも違反になるため注意してください。
車検を期間内に受け忘れたときの対処法
仕事や家庭の事情などによって、車検を期間内に受け忘れてしまうことも、あるかもしれません。
車検の有効期間を過ぎた状態で公道を走行すると違反になってしまうため、正しい対処法を把握しておく必要があります。
車検を受け忘れたときの対処法は、以下のとおりです。
- ・仮ナンバーを発行する
・キャリアカーで車検場に持ち込む
それぞれの対処法について解説します。
仮ナンバーを発行する
対処法1つめは、仮ナンバーを発行することです。
仮ナンバーとは、未登録や車検切れなどで公道を走行できない車に、一時的に運行を許可するために交付されるナンバーで、自治体の役場で「自動車臨時運行許可」を行うと取得できます。
ただし、自動車の使用の本拠地にかかわらず、臨時運行を行う自治体で申請しなければなりません。
出発地や目的地、経由地にならない自治体では申請できないため、注意が必要です。
貸与日数は最大で5日間で、仮ナンバーの期間内に車検を受けたら、自治体に返却してください。
自治体によって料金は異なりますが、750円程度かかるのが一般的です。
仮ナンバーの申請時には、以下の書類を提出します。
- ・車検証
・1か月以上の有効期間がある自賠責保険証
・申請書
・臨時運行許可申請書
・本人確認書類
役場で配布される申請書や本人確認書類を提出し、出発地と経由地、目的地を記載しましょう。
キャリアカーで車検場に持ち込む
車検切れの車は、エンジンをかけずにけん引して公道を走行しても違反になります。
また、レッカー車などで前輪を持ち上げたり、後輪タイヤだけが公道に接していたりする状態でも、自走とみなされてしまうため注意が必要です。
ただし、車体を荷台に載せて運ぶキャリアカーを使う場合は、違反になりません。
車検切れでキャリアカーを使用したい場合は、車検を受けるディーラーや店舗に手配できるか相談してみましょう。
なお、JAFなどレッカーを手配できるサービスはトラブル支援が対象であるため、車検場への移動は対応していない場合もあります。
車検期間内にやっておくべきこと
車検時に慌てないために、車検期間のあいだにやっておくべきことは、以下のとおりです。
- ・定期的なメンテナンス
・必要書類をそろえる
・余裕を持って車検予約を行う
それぞれ解説します。
定期的なメンテナンス
日ごろから定期的にメンテナンスを行っておくと、車検費用の軽減につながるかもしれません。
なぜなら、車検費用の中でも部品交換代が高額になりやすく、安価な部品でも複数の交換が必要となると、思わぬ金額になるからです。
そのため、交換したほうが良いと判断した部品は、車検前に分散して交換しておくのがおすすめです。
また、オイル交換は業者によって無料になる可能性もあるため、あらかじめ確認しておきましょう。
必要書類をそろえる
車検は必要書類がそろっていないと受けられないため、あらかじめ必要書類をそろえておくと、スムーズに車検が受けられます。
軽自動車の車検に必要な書類は、以下のとおりです。
- ・車検証
・自賠責保険証
・軽自動車納税証明書
・認印
普通自動車の車検に必要な書類は、以下のとおりです。
- ・車検証
・自賠責保険証
・自動車納税証明書
・印鑑
使用者本人ではなく、第三者が車検を依頼する場合には、委任状も必要です。
なお、電子化に伴い納税証明書は原則不要になりましたが、電子化が導入されていない地域はタイミングによってラグが発生します。
運輸支局が納税証明を確認できない場合は提示を求められることがあるため、手元に用意しておくと安心です。
車検を受ける業者に、あらかじめ必要なものを確認しておくと良いでしょう。
余裕を持って車検予約を行う
余裕を持って車検予約を行うのが大切です。
特に土日は平日に車検を受けられないユーザーが集中するため、車検を受けたい日に予約が取れないことも考えられます。
もし車検有効期間満了日までに予約が取れずに車検を受けられなければ、公道を走行できなくなります。
よって、有効期間ギリギリではなく、余裕を持って1カ月程度前から予約しておきましょう。
まとめ
車検は公道を走るためには、定期的に受けなければなりません。
車検の有効期間は新車や中古車、用途によって異なり、基本的に自家用乗用車の場合は新車が3年、初回以降は2年ごとに受ける必要があります。
また、車検は満了日前であればいつでも受けられますが、令和7年3月までは有効期間満了日の1カ月以上前に車検を受けると、満了日の起算日が前倒しされてしまいます。
トータルで車検に行く回数を抑えるためにも、有効期間満了日の1カ月前に受けるのがおすすめです。
また、車検を受け忘れると公道が走行できなくなり、もしも走行した場合は違反になるため、注意が必要です。
車検の有効期間が切れないよう、事前に確認しておきましょう。