車は安全に乗るために、定期的に車検を受けることが義務付けられています。
しかし車検では、さまざまな書類を用意する必要があり、何が必要なのか確認したい方もいるでしょう。
そこで本記事では、車検に必要なものや用意時に確認すべきこと、また紛失した場合の再発行方法をご紹介します。
車検で必要なものを確認したい方や、書類が手元になくて困っている方は、ぜひ参考にしてください。
車検に必要なもの
車検に必要なものは、以下のとおりです。
- ・車検証(自動車検査証)
・自賠責保険証(自賠責保険証明書)
・印鑑
・任意保険証
・発煙筒
・ロックナットアダプター
それぞれ解説します。
車検証(自動車検査証)
車検証とは、前回の車検で保安基準を満たしていることを証明する書類で、車の所有者・使用者、車台番号、車検の有効期限などが記載されています。
公道を走行する際は、車内に常備しておくことが義務付けられており、もしも車検証を所持していなければ、50万円以下の罰金を科せられます。
なお、車検に通ると新しい車検証に更新されるため、再び車内に保管しておくのを忘れないようにしましょう。
自賠責保険証(自賠責保険証明書)
自賠責保険証とは、必ず加入しなければならない自賠責保険の加入証明書です。
一般的に、車検を受ける際に同時に更新します。
自賠責保険証も車検証と同様に、公道を走る際に車内に携帯しておくのが義務です。
もしも、自賠責保険証を所持せずに走行していた場合には、30万円以下の罰金が科せられるため気を付けてください。
印鑑
車検の手続きでは印鑑を求められる場合があるため、持参していくとスムーズに手続きが進められます。
なお、実印である必要はありませんが、ゴム印やシャチハタは認められないため、注意してください。
任意保険証
一般的に、任意保険証は車検時に必要ではありませんが、代車を借りる場合には任意保険証の提示が必要になることがあります。
なぜなら、代車に任意保険がかけられていたとしても、最低限の保障内容となっていることが一般的だからです。
そのため、代車を貸し出す相手が保険に加入しているかどうかを確認する目的で、提出を求めることがあります。
発煙筒
発煙筒は車に常備しておくことが義務付けられているため、発煙筒がなければ車検は通りません。
また、発煙筒は炎が小さくなったり、着火しづらくなったりといった不具合が発生する恐れがあるため、製造から4年間という有効期限も定められています。
もし有効期限が近い場合は、ホームセンターやカー用品店、ネット通販でも購入できるのでチェックしてください。
なお、近年ではLED式の発煙筒も登場しており、有効期限がないため便利です。
車検代行を依頼すると、車内に発煙筒がない場合や有効期限が切れている場合は有償で補充や交換してくれますが、自分で用意した方が安価なため、あらかじめ用意しておくと良いでしょう。
ロックナットアダプター
タイヤの盗難防止のためにロックナットをして固定している場合は、ロックナットアダプターを持っていきましょう。
持参するのを忘れてしまうとホイールを外せず、整備がスムーズに進まないからです。
万が一忘れてしまった場合は、自宅に取りに帰りましょう。
自動車納税証明書や自動車損害賠償責任保険証明書が必要な場合もある
これまで車検を受ける際には、自動車納税証明書の提示が必要でしたが、納税確認の電子化にともない、近年では自動車納税証明書の提示は不要となりました。
しかし、自動車納税証明書は運輸支局等で納税の確認ができるまでに、最大で1ヶ月程度のタイムラグが発生します。
そのあいだに運輸支局等で納税が確認できない場合は、納税証明書を提出しなければなりません。
また、電子化が導入されていない地域も、納税証明書の提示が必要です。
ユーザー車検に必要なもの
ユーザー車検とはディーラーや車検専門店などに代行せず、自ら運輸支局へ車を持ち込んで車検を受けることです。
車の知識は必要となりますが、車検の基本料金を抑えられるため、総額で数万円単位の節約が可能なケースもあります。
ユーザー車検に必要なものは、以下のとおりです。
- ・自動車納税書重量税納付書
・継続検査申請書
・自動車検査票
・定期点検整備記録簿
ユーザー車検を検討している場合は、参考にしてください。
自動車重量税納付書
自動車重量税納付書とは、重量税を納めるための書類です。
住所や氏名などの必要事項を記入し、自動車重量税額に相当する金額の印紙を貼り付けて提出申請します。
継続検査申請書
継続検査申請書とは、車検後に車検証を発行するための書類です。
自動車登録番号や車台番号などの情報を、古い車検証を見ながら鉛筆で記入し、それ以外の氏名や住所などの欄はボールペンで記入します。
運輸支局のコンピュータに入力すると、自動的に記載内容を読み取り、車検証が発行される仕組みになっています。
しかし、ズレたりかすれたりしていると、印刷の状態によっては書類が読み込めない恐れがあるため、注意しましょう。
自動車検査票
自動車検査票とは、検査ラインでの各検査項目の合否を記録し、保安基準を満たしていることを証明するための書類です。
すべての項目で合格できれば総合判定窓口で合格印が押されるため、検査手数料分の印紙を貼り付け、車検証の内容も記載して提出します。
保安基準に満たなかった場合はその内容が記載され、2週間以内に整備すれば、不合格箇所のみ再検査を受けることが可能です。
定期点検整備記録簿
定期点検整備記録簿は、12ヶ月点検や24ヶ月点検などの、法定点検における56項目の点検整備を行う記録用紙です。
過去の点検や整備の記録を確認したり、消耗品の交換時期を判断したりする際に役立ちます。
定期点検整備記録簿があれば、必要な時期にメンテナンスしやすくなるため、故障のリスクを軽減できるでしょう。
委任状は必要?
委任状は本来、当事者が行うべき申請を、誰かに委託する場合に必要な書類であり、自分で行うユーザー車検以外は、委任状が必要かと考える方もいるでしょう。
しかし、業者に依頼する代行車検では、委任状は原則として必要ありません。
書類さえきちんと用意すれば委任状は不要ですが、以下のケースでは委任状が求められます。
- ・業者で作成を求められた場合
・車検証を再発行する
・ナンバープレートを変更する
・構造変更審査を受ける
上記に該当する場合は、事前に必要なものを用意しておきましょう。
車検に必要なものを用意する際に確認すべきこと
車検の準備がスムーズに進むように、確認しておきたいポイントは以下の3つです。
- ・車検更新通知の内容
・納税証明書の内容
・自賠責保険の起源期限
それぞれの確認すべきことについて解説します。
車検更新通知の内容
車検更新通知は、公的機関から通知されることはありません。
もしも、車検の期限が切れてしまうと公道を走行できなくなってしまうため、車検時期は自分で管理する必要があります。
車の購入店や以前車検を受けた業者から、車検の2〜3ヶ月前に車検案内が送られてくるケースもあります。
しかし、住所が変わった場合は通知が届かない場合もあるため、注意してください。
納税証明書の内容
車検前には、自動車税や自動車重量税の納付が済んでいることを確認し、納税証明書も忘れずに準備しておきましょう。
納税証明書がないと車検が受けられない場合があるため、証明書の年度や有効性も確認が必要です。
また、クレジットカードや電子決済で自動車税を支払った場合、データの反映に最大で1か月ほどかかることがあります。
そのため、支払いの時期と車検が重なる場合は、現金での支払いが確実でおすすめです。
自賠責保険の期限
自賠責保険の期限も、確認しておきましょう。
一般的に車検とともに自賠責保険を更新するため、車検満了日がカバーできる期間になっているものの、自賠責保険も有効期限内かどうか確認しておくと安心です。
なお、自賠責保険を携帯せずに運転をすると、30万円以下の罰金が科せられます。
さらに不携帯で運転するだけでなく、自賠責保険にも加入していない場合は、以下の罰則が定められています。
- ・違反点数6点
・1年以下の懲役または50万円以下の罰金
違反点数6点は免許停止のため、厳しい内容であることがわかります。
車検を受けるタイミングが訪れたら、一緒に自賠責保険の有効期限も確認しておきましょう。
車検に必要なものを紛失した際の再発行方法
車検に必要なものの中で紛失したり、破損したりした書類がある場合は、再発行しなければ車検に通りません。
ここでは、以下のものを紛失した際の再発行方法を解説します。
- ・車検証
・自賠責保険証
・自動車納税書
必要なものがないと悩んでいる方は、チェックしてください。
車検証
車検証の再発行を行う場合は、以下の場所で手続きをします。
- ・普通自動車やバイク:運輸支局・自動車検査登録事務所
・軽自動車:軽自動車検査協会の事務所・支所
普通自動車の車検証再発行に必要な書類は、以下のとおりです。
- ・申請書
・理由書
・手数料納付書
・本人確認書類(運転免許証・健康保険証など)
軽自動車の車検証再発行に必要な書類は、以下のとおりです。
- ・申請書
・手数料納付書
申請書は運輸支局や軽自動車検査協会の窓口で配布されますが、運輸支局のホームページからダウンロードできるため、事前に用意しておくことをおすすめします。
理由書は、申請書に再発行する理由を記載してあれば、提出する必要ありません。
手数料納付書は350円で、構内の売店などで販売されている印紙で支払います。
なお、車検証の紛失ではなく破損や汚れにより識別できない場合は、現在持っている車検証も捨てずに持っていきましょう。
ただし、車検証の再発行の受付窓口は月曜日から金曜日の平日のみで、8時45分~11時45分と13時00分~16時00分しか営業していません。
そのため、仕事やプライベートの事情などで行けない場合は、ディーラーや代行業者に依頼して再発行することも可能です。
ディーラーや代行業者に依頼する場合は、先ほどの必要書類に加えて、委任状や代行手数料の支払いが必要です。
車検証の再発行は、必要書類がそろっていれば当日中に交付されます。
所要時間は窓口の混雑状況によって異なりますが、基本的に30分〜1時間程度で手続きは終わります。
自賠責保険証
自賠責保険証を再発行したい場合は、加入している保険会社に直接連絡するか、保険会社の営業所に直接行くなどして再交付の手続きをしてください。
自賠責保険証の再発行に必要な書類は、以下のとおりです。
- ・印鑑
・本人確認書類(運転免許証・健康保険証など)
加入している自賠責保険の保険会社名がわからない場合は、ディーラーや自動販売などで確認すれば判明します。
個人取引で車を購入した場合は、自賠責保険証の確認や名義変更をしなければ、契約した保険会社がわからなくなってしまうため、購入時に必ず確認しておきましょう。
自賠責保険証の再発行は手続きをしてから1週間から2週間程度かかりますが、必要書類を揃えて直接保険会社へ出向くと、即日再発行してもらえるケースもあります。
再発行を急いでいる方は、保険会社へ直接行くのがおすすめです。
なお、自賠責保険証の再発行は代行依頼ができないため、混同しないように注意してください。
自動車納税書
自動車納税書は、普通自動車と軽自動車で再発行場所が異なります。
- ・普通自動車:各都道府県の税事務所
・軽自動車:住んでいる地域の税務課
普通自動車も軽自動車も申請に必要なものは同じで、以下のとおりです。
- ・車検証
・領収書
・本人確認書類(運転免許証・健康保険証など)
納税証明書はオンラインで納税状況を確認できるようになったため、原則として提出は不要です。
しかし、オンライン化が進んでいない地域や、納税確認ができるまでにタイムラグが生じる場合は提出が求められるため、再発行しておきましょう。
まとめ
車検を受ける前には、まずは必要書類を揃えておきましょう。
車検に必要なものは、車検証・自賠責保険証・印鑑・任意保険証・発煙筒・ロックナットアダプターです。
ただし、場合によっては自動車納税証明書も必要なため、用意しておくと安心です。
また、これらの中で紛失したり、破損したりしたものがある場合は、再発行しなければ車検は通りません。
事前に申請すれば再発行できる書類もあるため、必要なものは余裕を持って準備して、車検当日を迎えましょう。