車検が近づくと、車のさまざまなパーツの状態を確認することが必要になります。
中でも、ワイパーゴムは意外と見落とされがちな部分です。
ワイパーゴムは雨の日に視界を確保するための重要な役割を果たしています。
しかし、ワイパーゴムが破れていたり、劣化したりすると、車検に通らない可能性があるため注意が必要です。
本記事では、ワイパーゴムの状態が車検にどう影響するかについて詳しく解説し、自分でできるワイパーゴムの交換方法も紹介していきます。
また、車検時に気を付けたいその他のゴム部品についても触れ、効率的に車をメンテナンスするためのアドバイス情報をお届けします。
ワイパーゴムが原因で車検に落ちる?
ワイパーゴムが原因で車検に落ちることはあるのでしょうか。
ここでは、車検におけるワイパーゴムについて詳しく解説します。
ワイパーゴムが原因で車検に落ちることはある
結論、ワイパーゴムが原因で車検に落ちることは十分にあり得ます。
車検では、ワイパーがフロントガラスに正常に装備されていることが条件です。
ワイパーゴムが劣化している場合や破損して機能を果たさない状態であれば、保安基準に適合しないと見なされることがあります。
ゴムが古くなり亀裂が入っていたり硬化したりしていると、視界確保に影響を与えるため車検に通らないでしょう。
さらに、車検ではワイパーゴム以外にも、ワイパーの動作全般やウォッシャー液の噴射状態、ノズルの詰まりなどもチェックされます。
これらの部分に問題があると、車検に不合格となるリスクがあります。
一方で、リアワイパーに関してはフロントワイパーほど厳しくはなく、取り外していても車検に通ることが多いです。
しかし、地域や検査場によっては例外があるため、リアワイパーが必要とされるケースもあります。
車検に通らないワイパーの特徴と保安基準
フロントガラスのワイパーは、法律で装着が義務付けられており、車検を通過するためには正常に作動していることが求められます。
しかし、物理的にワイパーが付いていれば良いわけではなく、確実に機能を果たすものが装備されている必要があります。
ここでは、車検に通らない可能性があるワイパーの特徴について詳しくみていきましょう。
車検に通らない可能性があるワイパーの特徴
車検に通らない可能性があるワイパーの特徴は以下のとおりです。
- ・ワイパーが作動しない
・ゴムの劣化や破損
・アームが折れている
・ノズルが詰まっている
・リアワイパー
それぞれの特徴について詳しくみていきましょう。
ワイパーが作動しない
フロントワイパーは、ただ取り付けられているだけでは車検を通過できません。
法律で定められている通り、フロントウインドウにはワイパー、または同等の機能を持つ装置が必須です。
そして、それが正常に作動し、雨水や汚れをきちんと拭き取ることが求められます。
もしワイパーが動かない、または動作不良を起こしている場合、車検は通過しません。
特に、ユーザー車検を選んだ場合は、自分で事前にワイパーの作動を確認することが重要です。
問題が発見された場合、車検に持ち込む前に修理しておく必要があります。
ゴムの劣化や破損
ワイパーゴムの劣化や破損も、車検における大きなポイントです。
特に、ワイパーゴムが亀裂や硬化などの劣化を起こしている場合、視界を十分に確保できなくなり、車検に通過できません。
ディーラーでは、劣化の度合いが軽微なものであっても、車検前に予防的に交換が行われることが多いです。
一方、民間の整備工場でもワイパーゴムの状態がチェックされ、ひび割れや動作不良がある場合は交換がすすめられます。
特に、ワイパーを作動させた際にゴムがスムーズに動かない場合や、拭き残しが目立つ場合は、ゴムやブレードの交換が必要です。
アームが折れている
アームが折れていたり、損傷していたりするとワイパーの機能が著しく低下し、車検に通過することはできません。
どの業者で車検を受ける場合でも、アームが折れている状態は必ず修理が必要です。
ワイパーが正常に機能しないことは、運転中に重大な安全リスクを伴うため、早急に対処することが求められます。
ノズルが詰まっている
ウォッシャー液の噴射機能も車検でチェックされる重要なポイントです。
ワイパーが正常に作動していたとしても、ウォッシャー液が適切に噴射されなければ車検に通りません。
ノズルが詰まることでウォッシャー液が十分に噴射されず、ガラスの汚れを除去できなくなるため、視界確保に支障をきたします。
ノズル詰まりの原因としては、水道水をウォッシャー液として使用した際にカルシウム成分が蓄積することや、異物が入り込んで詰まることが考えられます。
こういった不具合は日頃からチェックしていればすぐに分かるため、車検を受ける前に確認して不具合に応じた対処をしておくと良いでしょう。
リアワイパー
雨天時の後方確認に役立つため、安全面を考慮して整備しておくことが推奨されるリアワイパーですが、フロントワイパーほど厳しい基準は設けられていません。
法律上、リアワイパーは装着していなくても車検に通ることはあります。
しかし、リアワイパーを無理やり取り外してしまうと、取り付け部分に残骸が残る・穴が空くなど取り外した痕跡が分かってしまいます。
そうなると、本来の機能が失われていると判断される恐れがあり、車検に通らない可能性も出てきます。
車検に合格するためにリアワイパーを取り外すのではなく、日頃からしっかりとメンテナンスを行い、正常に作動するよう整備しておくことをおすすめします。
車検に受かるための基準
車検に受かるための基準として、ワイパーが正常に作動し、視界が確保できることが求められます。
具体的には、ワイパーゴムが窓ガラスにしっかりと密着し、スムーズに動作するか、ゴムが劣化してひび割れや破損がないかを確認されます。
また、拭き残しがなく、雨天時などに安全な視界を保てることも重要なポイントです。
さらに、ウォッシャー液が正しく噴射され、正常に機能しているかどうかもチェックされます。
ワイパーの役割とワイパーゴムの寿命
ここでは、ワイパーの役割とワイパーゴムの寿命について詳しくみていきましょう。
ワイパーの役割
ワイパーには主に以下の2つの役割があります。
- ・雨の日の運転時に視界を確保する
・雨などの水滴や埃、黄砂や花粉といった汚れを拭き取る
それぞれ詳しく解説します。
雨の日の運転時に視界を確保する
ワイパーの大きな役割の1つが、雨の日の運転時に視界を確保することです。
フロントガラスに水滴が付くと、その大小や分布の違いによって視界が歪んでしまいます。
この主な原因は光の屈折であり、水分が不均一にガラスに付着していることで、外からの光が乱れて見えるのです。
この不均一に付着した水滴を均一に伸ばしながら拭き取り、光の屈折を軽減して安定した視界を確保するのがワイパーの役割です。
そのため、ワイパーが正常に機能しない場合、運転中の視界不良が発生し、事故のリスクが高まることがあります。
雨などの水滴や埃、黄砂や花粉といった汚れを拭き取る
運転時の視界を悪化させる原因は、雨水だけではありません。
埃や黄砂、花粉などもフロントガラスに付着すればガラスの表面が汚れてしまい十分な視界を確保できなくなってしまいます。
ワイパーはこれらの汚れも除去してくれますが、拭き取りの際に負担がかかり、ゴムの部分に傷がつくこともあります。
さらに、夏は強い紫外線でゴムが劣化したり、冬は気温の低下にともないゴムが硬化したり、ワイパーゴムが劣化する原因はさまざまです。
ワイパーゴムの寿命
ワイパーゴムは常に外気にさらされ、使用頻度や気象条件によって次第に劣化していきます。
ワイパーゴムの平均的な寿命は約1年とされており、それ以上使用すると拭き取り性能が低下し、視界確保に支障をきたす可能性が高まります。
特にゴムのひび割れや硬化が見られた場合、早めに交換することが重要です。
雨天時にワイパーの拭き取りが不十分になると、事故のリスクも増加するため、定期的な点検と交換が欠かせません。
ワイパーゴムの交換を依頼できる業者と費用
ワイパーゴムの交換は、以下の業者に依頼できます。
- ・ディーラー
・カー用品店
・ガソリンスタンド
・整備工場
ここでは、各業者の特徴と費用について詳しくみていきましょう。
ディーラー
車を購入したディーラーでワイパーゴムの交換を依頼することは、品質面では非常に安心です。
ディーラーではメーカーの純正部品が使用されるため、耐久性や機能性が高く、交換作業も熟練した整備士が担当します。
そのため、部品の質や取り付け技術にこだわりたい方におすすめです。
しかし、ディーラーでの交換は部品代や工賃が他の業者と比べて高くなることが多いです。
純正品の価格が高めであり、さらに工賃も1,200円程度かかります。
ディーラーは、高品質なサービスを受けられる反面、コストがやや高くなる点に注意しましょう。
カー用品店
カー用品店では、幅広いワイパーゴムの品揃えがあり、リーズナブルな価格で交換できるのが大きなメリットです。
店内で販売されている商品から自分の予算に合わせて選ぶことができるため、コストを抑えたい方にとっては非常に利便性が高いです。
さらに、多くの店舗では作業場(ピット)を併設しており、そこで整備士がワイパーゴムの交換を行ってくれます。
カー用品店の工賃は非常に安く、200〜300円ほどで交換をしてもらえる場合が多く、ディーラーの半額以下になることもあります。
また、会員登録すれば、工賃が無料になるなど特典が受けられることもあり、よりお得に交換できるケースも少なくありません。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドは、給油や洗車のついでにワイパーゴムの交換ができるため、忙しい方にとって非常に便利です。
営業時間が長く、夜遅くや休日にも対応していることが多いため、急いで交換が必要な場合でも交換できます。
ただし、ガソリンスタンドではワイパーゴムの品揃えが少なく、部品が限られています。
そのため、希望するゴムが手に入らないケースもあるでしょう。
工賃は500円程度で、カー用品店よりもやや高めになる傾向があります。
整備工場
街中にある整備工場でもワイパーゴムの交換は可能です。
普段から整備を任せている、付き合いの長いような工場だと依頼することで工賃をサービスしてもらえることがあるかもしれません。
工場の規模によって異なるものの、一般的な工賃は600円ほどで、左右どちらか一方の交換でも柔軟に対応してくれるのが特徴です。
ただし、小規模な整備工場の場合、ワイパーゴムの種類が限られていることがあります。
特定のワイパーゴムを希望する場合は取り寄せが必要です。
それでも、整備工場は丁寧に対応してもらえる点で信頼性が高い業者になります。
ワイパーゴムは自分で交換も可能!
ワイパーゴムは、自分で交換が可能です。
ここでは、ワイパーフレームごと交換する方法とワイパーゴムだけ交換する方法について詳しく解説していきます。
ワイパーフレームごと交換する方法
ワイパーフレームごと交換する方法は以下のとおりです。
- 1.アームとガラスの間にタオルを敷く
2.アームを立てる
3.レームを取り外す
4.新しいフレームを取り付ける
5.動作の確認
ワイパーフレームを交換する際は、まずワイパーアームがフロントガラスに当たらないように、アームとガラスの間にタオルを敷いておくことが重要です。
次に、アームを立てて作業をしやすい状態にします。
ワイパーアームとフレームの接続部にある突起ボタンを押しながら、フレームをゆっくりと手前にスライドさせて取り外します。
その後、新しいフレームを準備し、正しい向きでアームに取り付けます。
最後に、アームを元に戻し、ウォッシャー液を使ってワイパーが正しく動作しているか確認しましょう。
ワイパーゴムだけ交換する方法
ワイパーゴムだけ交換する方法は以下のとおりです。
- 1.アームとガラスの間にタオルを敷く
2.アームを立てる
3.ゴムを引き抜く
4.新しいゴムを差し込む
5.ゴムが正しくはまっているか確認
ワイパーゴムの交換を行う際は、フレームごと交換するのと同様にまずワイパーアームがフロントガラスに当たって傷がつかないよう、タオルを敷いておくことが重要です。
次に、ワイパーアームを手前に引き上げ、ゴムを取り外しやすいように立てます。
これで作業がスムーズに進められるようになります。
そして、片手でワイパーフレームをしっかりと押さえ、もう一方の手でワイパーゴムを慎重に引き抜きます。
ワイパーフレームを取り外す際には、ワイパーアームとフレームが接続されている部分にある突起状のボタンを押しながら、フレームを手前にスライドさせて外します。
その後、新しいフレームを準備し、古いフレームと同じ向きでアームに取り付けましょう。
しっかりと装着されているか確認した後、アームをゆっくり元に戻し、タオルを取り除きます。
最後に、ウォッシャー液を噴射してワイパーが正常に作動するか確認し、フロントガラスにしっかり密着しているかもチェックしてください。
ワイパーゴム以外にも気を付けたい、足回りの「ゴム」について
ワイパーゴムだけでなく、足回りのブーツ(ゴム)も車検の際に重要な検査対象となります。
足回りのブーツは、車のサスペンションや駆動系部品を保護する役割を果たしており、ゴミや水分の侵入を防ぎます。
しかし、ブーツが破れていると内部に異物が入り込み、部品の劣化や故障を引き起こす原因となります。
破損を放置すると、ブーツだけでなく関連する部品も損傷し、修理費用が高額になる可能性があります。
一般的な交換時期の目安は約5年となっており、定期的な点検と早めの交換を徹底しましょう。
車検前に「車を売る」選択肢も!
車検を迎える前に、車を売却し新しい車に買い替えるのも1つの選択肢です。
車検を通す費用や手間をかけるよりも、タイミングよく車を売ることでより良い条件で買い替えが可能です。
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ぜひこの機会に1度、CTNの一括査定を利用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
ワイパーゴムが原因で車検に落ちることは十分に考えられます。
そのため、日頃から定期的にワイパーゴムの状態をチェックし、劣化や破損が見つかった場合は速やかに交換することが大切です。
交換作業は業者に依頼するのが確実で安心ですが、自分で交換することも可能です。
本記事で紹介した手順を参考にすることで、手軽にワイパーゴムを交換することができるでしょう。
安全な運転のために、日常的なメンテナンスを心がけ、必要な時には適切に対応しましょう。