車を所持していると、定期的に車検を受ける必要があります。
しかし、車検はいつから受けられるのか分からない方もいるかもしれません。
また、うっかり車検の有効期間が過ぎてしまうこともあるでしょう。
そこで本記事では、車検はいつから受けられるのか、有効期間の確認方法や切れた際の対処法について解説していきます。
車検をいつ受ければ良いのかお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
車検はいつから受けられる?
まずは、いつから車検を受けられるのかについて解説していきます。
有効期限内であればいつでも可能!
結論、車検は有効期限内であればいつでも受けることが可能です。
車検の有効期限とは、車検満了日までを指します。
車検満了日を超えると車検切れの状態になり、公道を走行できなくなるため注意が必要です。
有効期限が切れる1ヶ月前がおすすめ
有効期限内であれば、いつでも車検を受けることができますが、有効期限が切れる1カ月前に車検を受けるのがおすすめです。
車検は有効期限の30日より前に受けてしまうと、満了日が前倒しされてしまうからです。
車検を受ける回数が多くなってしまうと、手間や時間だけでなく費用もかかってしまいます。
特別な事情がない場合は1か月前に受けることで、満了日が大きくずれるリスクを避けられます。
2025年4月からは残存する有効期間が変更
車検の需要が年末に集中し、自動車ユーザーが車検の予約を取りづらくなっている問題が起きています。
そのため、2025年4月からは残存する有効期間を変更し、車検有効期限の2カ月前から受けても車検満了日が前倒しされることはなくなりました。
また、自賠責保険の有効期間と整合させるため、自動車損害賠償保障法施行規則も改正されました。
したがって、2025年4月からは余裕を持って、2か月前から予約をしておくのも良いでしょう。
車検を受ける間隔や有効期限の確認方法は?
知らないあいだに車検の有効期限が切れていた事態を避けるためには、車検を受ける間隔や有効期限を把握しておく必要があります。
それぞれ解説していくため、チェックしていきましょう。
車検を受ける間隔
車検を受ける間隔は、車によって異なるのが特徴です。
新車登録時は3年
新車の車検は、基本的に登録から3年後に初回車検を受ける必要があります。
ただし、貨物軽自動車や小型・普通キャンピングカーなどは、登録から2年で車検が必要となるため注意が必要です。
さらに、一部の特殊車両には例外的なスケジュールが適用されるため、確認しておくと安心です。
自分の車種に適合したスケジュールを確認して、計画的に車検を受けましょう。
初回以降は2年ごと
初回以降は2年ごとに車検を受ける必要があります。
初回のみ車検有効期間が3年に設定されている理由は、新車はメーカーが十分な確認を行っているからです。
以前は、新車登録から10年経過した車の車検有効期間は1年とされていましたが、現在では登録年数に関係なく初回以降は2年ごとと定められています。
また、中古車の場合も製造後1年未満の自家用乗用車を除き、2年ごとの車検が必要です。
購入するタイミングによっては車検残存期間が少なく、購入後すぐに車検を受けなくてはならないケースもあるため注意しましょう。
なお、車検が切れている状態の車を購入した場合は直後に受けなければいけませんが、値引きしてもらえるケースもあります。
ただし、車検の申し込み手続きなどですぐにまとまった金額が必要になるため、その点を十分に理解して購入しなければなりません。
車検の有効期限の確認方法
車検のタイミングが近づいていると思ったときは、車検の有効期限となる日にちを確認しておきましょう。
車検の有効期限を確認する方法は、以下のとおりです。
- ・車検シールをチェックする
・車検証を確認する
・自賠責保険証で調べる
それぞれの方法について解説していきます。
車検シールをチェックする
1つ目は、車検シールをチェックする方法です。
車検シールとは、フロントガラスの運転手席側に張り付けられている、数字の記載された四角いシールを指します。
記載された数字は大きいほうが「車検満了月」、小さいほうが「年」を表しています。
車検シールの見方がよく分からない方は、車検シール裏面に○年○月○日と正確な日付が記載されています。
表面だけを見て月末まで有効期間があると勘違いする方も多いですが、日付は裏面に記されているため気を付けましょう。
なお、車検証シールの色は軽自動車は黄色、普通自動車は青色です。
フロントガラスには、車検シール以外に定期点検を示すシールが貼り付けられているケースもあるため、間違えないように注意しましょう。
車検証を確認する
2つ目は、車検証を確認する方法です。
車検証は車検を受ける際に必要な書類で、公道を走行する際には所持していることが義務付けられています。
車検証の「有効期間の満了する日」の項目に、車検満了日が記載されているため、確認しておくと安心です。
車検証は、助手席側にあるグローブボックスに保管している方が多いかもしれませんが、車検前に保管場所を確認しておきましょう。
自賠責保険証で調べる
車検の有効期間と自賠責保険の有効期間は、必ずしも同じではありません。
しかし、多くの人は車検と自賠責保険を同時に更新するため、保険証を確認することで車検の有効期間を把握できる場合もあります。
ただし、あくまで参考程度に留め、正確な有効期間は各証明書を個別に確認する必要があります。
車検と自賠責保険の有効期間を確実に把握し、適切なタイミングで更新を行いましょう。
車検期間内にやるべきこと
車検時に慌てないためにも、有効期間内にやっておくべきことがあります。
車検期間内にやるべきことは、以下のとおりです。
- ・定期的なメンテナンス
・必要書類をそろえる
・余裕を持って車検予約を行う
それぞれ解説していきます。
定期的なメンテナンス
車検費用には、検査によって見つかった劣化パーツの交換や、状態の悪い箇所の整備にかかる費用などが含まれています。
パーツの一つひとつが安価であっても、数が多ければ金額も高くなってしまうでしょう。
しかし、交換が必要なパーツや状態が悪化しそうな箇所をこまめにメンテナンスしておけば、車検時にまとまった交換・整備費用を払わずに済みます。
定期的なメンテナンスを心がければ車検費用を抑えられるほか、走行時の安全性も保つことができるためおすすめです。
なお、オイル交換は業者によって無料になることもあるため、あらかじめ確認しておけばさらに車検時の費用を抑えることができます。
必要書類をそろえる
車検を受ける直前に慌てることのないよう、事前に必要書類をそろえておくことも大切です。
軽自動車と普通自動車で必要になる書類が若干異なるため、車を2台所持している方などは間違いのないよう注意しましょう。
また、名義人以外の人が車検を依頼する場合は、委任状など追加の書類も必要になります。
いずれの場合も、必要な書類がそろっていなければ車検を受けることができないため、どの書類が必要なのか事前に確認しておくと安心です。
余裕を持って車検予約を行う
車検の予約は、余裕を持って行うようにしましょう。
車検満了日間近になって車検予約をしようとしても、車検を受けたい日がすでに予約で埋まっており、車検有効期間中に予約が取れない可能性も考えられます。
万が一車検有効期間内に予約ができなければ、車検を受けられず公道を走行することができません。
そのため、余裕を持って予約しておくのがおすすめです。
車検が切れたときの対処法と注意点
うっかりしていたために、車検の有効期間を過ぎてしまったことも考えられるでしょう。
車検が切れてしまったときはどのような対処法をとれば良いのか、何に注意すれば良いのかを解説していきます。
車検が切れたときの対処法
車検が切れた状態では公道を走行することはできないため、以下のような方法で対処する必要があります。
- ・仮ナンバーを発行して車検を受ける
・引き取り車検を依頼する
・キャリアカーで車検場に持ち込む
それぞれの方法について、解説していきます。
仮ナンバーを発行して車検を受ける
車検切れの車で公道を走ることはできません。
しかし、仮ナンバーを取得すれば車検業者の所まで運転して車を持ち込むことができます。
仮ナンバーとは本来公道を走行できない車に、一時的な走行許可を与えるため貸し出されるナンバーです。
走行許可を受けた期間や目的でのみ使用でき、有効期間は最長で5日間と決められています。
仮ナンバーは運行経路に含まれる市区町村の窓口にて、手数料数百円で発行してもらうことができます。
発行手続きの際には車検証以外に、自賠責保険証、運転免許証、印鑑などを持参する必要があります。
なお、自賠責保険の有効期限も切れている場合は先に更新する必要があります。
役所で手続きをする前に、自賠責保険の有効期間が切れていないかも確認しましょう。
自賠責保険の更新は、カー用品店や販売店舗で対応してもらえます。
引き取り車検を依頼する
業者に引き取り車検を依頼するのも、ひとつの手段です。
引き取り車検とは、車検業者に自宅から車を引き取ってもらい、車検を依頼する方法です。
引き取り納車に対応している車検業者を利用すると、時間を節約できる上に、依頼する場所や時間を指定することも可能です。
ただし引き取りから車検、納車まで一括で行うため、仮ナンバーを発行するよりも高額な費用がかかります。
一般的には数万円かかりますが、車検を行う場所までの距離や車種により料金は異なるため、事前に確認しましょう。
キャリアカーで車検場に持ち込む
車検切れの車はエンジンをかけずにけん引した場合でも、違法になります。
また、レッカー車などで前輪を持ち上げて後輪タイヤだけが公道に接している状態でも、公道を走行しているとみなされてしまうため注意しましょう。
そのため、車検場に車検切れの車を持ち込むには、キャリアカーを利用するしかありません。
JAFなどのレッカーを手配できるサービスは、トラブル発生時に出動するものであるため、車検場までの移動には対応していないことがほとんどです。
車検切れでキャリアカーを手配できるか、車検を受けるディーラーや店舗に相談してみましょう。
車検が切れたときの注意点
車検が切れてしまった際、注意すべきポイントがあります。
場合によっては厳しい罰則が課せられることもあるため、以下の2点はチェックしておきましょう。
- ・公道を走らない
・自賠責保険が切れている
それぞれの注意点について解説していきます。
公道を走らない
車検が切れていること自体は問題ありませんが、車検が切れた状態で公道を走行するのは法律違反になり、罰則が科せられるため避けましょう。
公道とは国や地方自治体が建設・管理をしている道路で、一般国道や高速道路、都道府県道、市町村道があります。
車検切れで公道を走行した場合の罰則は、「30日間の免許停止処分」「6点の違反点数の加点」「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」です。
ただし、前歴2以上で違反した場合には、即免許取り消しというさらに厳しい罰則が科せられます。
そのため、車検が切れた状態で公道は走らないようにしましょう。
自賠責保険が切れている
自賠責保険は車検とともに更新する方が多く、車検の有効期限が切れている場合は自賠責保険の有効期限も切れている可能性があります。
どちらも切れている状態で公道を走行した場合の罰則は「90日間の免許停止処分」「6点の違反点数の加点」「1年6か月以下の懲役または80万円以下の罰金」です。
1回でも前歴がある場合は免許取り消しとなるだけでなく、前歴が多い場合や保険の有効期限が切れてからの期間が長い場合には逮捕に至るケースもあります。
車検が切れているよりも厳しい罰則が科せられるため、注意しましょう。
まとめ
車検は車を所有している場合、定期的に受けなければなりません。
車検は有効期間内であれば、いつでも受けることができますが、車検満了日が前倒しにならないために、車検満了日の1カ月前に受けるのがおすすめです。
2025年4月からは車検満了日の2カ月前に受けても前倒しにならないため、余裕を持って予約しておくと良いでしょう。
車検の有効期間がわからない場合は、車検シールや車検証、自賠責保険証を調べることで確認できます。
万が一車検や自賠責保険が切れてしまった場合には、公道を走行すると罰則が科せられるため、注意しましょう。