車の警告灯は、ドライバーに車両の状態を知らせる非常に重要な役割を果たしています。
しかし、運転中に警告灯が点灯すると不安を感じる方も多いでしょう。
警告灯の種類や色によってその意味は異なるため、適切な対応を行うことが大切です。
とくに車検時に警告灯が点灯していると、車検に通らない場合もあるため注意が必要です。
本記事では車の警告灯について、その種類や意味、点灯した際の対処法を詳しく解説していきます。
警告灯の役割や対処法を理解することで、安全なドライブを続けるためのポイントを押さえましょう。
車の警告灯とは?
まずは、車の警告灯と警告灯に関する法律について詳しく見ていきましょう。
警告灯とは
車の警告灯は、車両に何らかの問題が発生した際にドライバーへ警告を与える重要なシステムです。
運転席のメーターパネルには、エンジンを始動した際に一斉に点灯するランプ類が設置されています。
これらの警告灯は、エンジンをかけて数秒後にすべて消灯することが通常の動作です。
しかし、消灯しないまま点灯し続ける場合は、車に異常が発生しているサインであり、早急に点検が必要です。
警告灯の色や点灯の有無は、車両の状態を直接的に反映しています。
たとえば、エンジンが正常に作動していない場合や安全機能に問題がある場合は、点灯してドライバーに認知させます。
とくに赤色の警告灯が点灯した場合、車両に重大な異常がある可能性が高く、ただちに運転を停止して対応する必要があります。
警告灯が点灯している状態での運転は非常に危険であり、放置するとさらなる故障や事故の原因になりかねません。
さらに、警告灯には国際規格(ISO)に基づいた色分けが施されており、ドライバーにわかりやすく危険度を伝えるようになっているのも特徴です。
警告灯に関する法律を知っておこう
日本では、車両の安全性を保つために法律で定められた基準を満たすことが車検の条件となっています。
とくに、車検時には警告灯が正しく機能しているかどうかの確認が行われます。
たとえば、エンジンをかけた際にすべての警告灯が一度点灯し、その後正常に消灯するかがチェックされます。
警告灯が点灯しない、または消灯せずに点灯し続けている場合は、車検に通りません。
また、非常に重要なポイントとして挙げられるのがシートベルトの警告灯です。
法律ではシートベルトの着用が義務化されており、シートベルトの警告灯も必須の装備となっています。
警告灯が点灯しない、もしくは正常に機能していない場合は、車検に合格することはできません。
このように、法律では車両の安全を徹底するために、警告灯や警告システムの機能は厳しくチェックされています。
よって、ドライバーは車検前にこれらが正しく作動しているか確認することが重要です。
警告灯が点灯していると車検は通らない?
車両に異常がある際に点灯するのが警告灯の役割のため、車検に通らない可能性が非常に高いです。
とくに、2017年(平成29年)2月からは、車検の基準が厳しく改定されました。
この改定により、いくつかの重要な警告灯が点灯または点滅している場合には、車検を受けること自体ができません。
具体的には、次のような警告灯が点灯している場合、車両は車検基準を満たしていないとみなされ、検査を受け付けてもらえません。
- ・エアバッグ警告灯(前方および後方のエアバッグに関連する警告灯)
・ブレーキ警告灯(ブレーキシステムの異常を示す警告灯)
・ABS警告灯(アンチロックブレーキシステムの問題を示す警告灯)
・原動機警告灯(エンジンや駆動系の異常を示す警告灯)
車検を受ける前に、これらの警告灯が消灯していることを確認することが非常に重要です。
車検前に知っておくべき警告灯の種類と意味
車の警告灯にはさまざまな種類があり、それぞれのランプが特定の問題や車両の異常を知らせる役割を果たしています。
そのため、事前にどの警告灯がどのような意味を持つのかを理解し、必要な整備を受けることが重要です。
警告灯の種類と意味を把握しておくことで、車検がスムーズに進み、不要なトラブルを避けることができます。
ここでは、車検前に知っておくべき警告灯の種類と意味を詳しく見ていきましょう。
警告灯の色の意味
警告灯には主に以下の3つの色があり、それぞれ意味が異なります。
- ・緑色
・オレンジor黄色
・赤色
まずは、各色について詳しく見ていきましょう。
緑色
緑色の警告灯は、車の機能が正常に動作していることを示す表示灯です。
このランプが点灯している場合はとくに問題はなく、安全に運転を続けられる状態です。
たとえば、ヘッドライトやウインカーの作動状態を示すランプがこれに該当します。
緑色のランプ点灯は、確認するだけで特別な対応は必要ありません。
オレンジor黄色
オレンジまたは黄色の警告灯は、運転をする際に注意が必要な状況です。
緊急ではないものの、早めに点検や修理を受けるべき兆候を示すからです。
たとえば、エンジン警告灯やABS警告灯がこの色に該当し、これらが点灯した場合、車両に軽度の不具合や異常がある可能性が高いでしょう。
警告灯が点灯した際はすぐに運転を止める必要はありませんが、整備工場やディーラーで点検を受けましょう。
赤色
赤色の場合は、緊急性の高い状況です。
車両に重大な異常が発生していることを示しており、ただちに運転を停止し、警告灯の内容を確認する必要があります。
とくにエンジン油圧やブレーキシステムに関する警告灯が赤く点灯している場合、車両の安全が保証されていない状態です。
速やかに整備工場やロードサービスに連絡し、対応しましょう。
代表的な警告灯の種類
ここでは、代表的な警告灯の種類をいくつか見ていきましょう。
エンジン警告灯
エンジン警告灯は、エンジンやトランスミッションに異常が発生した際に点灯します。
この警告灯が黄色やオレンジで点灯していると、エンジンや関連部品に問題がある可能性が高いです。
エンジン警告灯が点灯したまま運転を続けると、深刻なエンジントラブルに発展することがあるため、早めに点検を受けましょう。
ABS警告灯
ABS警告灯は、アンチロックブレーキシステムに異常があると点灯します。
ABSは緊急時に車両がロックするのを防ぎ、制御を助ける重要な安全機能です。
点灯した場合はABSシステムに問題があるため、通常のブレーキングに影響が出る可能性があります。
ABS警告灯が点灯した際は、すぐに整備工場に持ち込み、専門家による点検が必要です。
ブレーキ警告灯
ブレーキ警告灯は、ブレーキシステムの異常やブレーキフルード不足がある場合に点灯します。
ブレーキは車の最も重要な安全装置の1つであり、この警告灯が点灯した場合はただちに運転を中止し、整備を受けることが求められます。
赤色のブレーキ警告灯が点灯していると、車両の安全性が損なわれるため、すぐに点検を受けることが必要です。
エアバッグ警告灯
エアバッグ警告灯は、エアバッグシステムやシートベルトプリテンショナーに問題がある際に点灯します。
エアバッグやシートベルトは事故時の衝撃を軽減するために欠かせない装置です。
エアバッグ警告灯の点灯は、安全システムに何らかの不具合が発生している可能性があります。
すぐに修理工場に持ち込み、システムの異常を確認してもらいましょう。
油圧警告灯
油圧警告灯は、エンジンオイルの油圧が低下した場合に点灯します。
エンジンオイルはエンジン内部の潤滑を保ち、部品の摩耗を防ぐ重要な役割を担っています。
油圧警告灯が赤色で点灯した場合は油圧が機能していないことを示しており、放置するとエンジンが焼き付き、深刻な故障に繋がる可能性があります。
油圧警告灯が点灯した場合は、ただちに運転を中止しオイル交換やオイル点検を依頼しましょう。
水温警告灯
水温警告灯は、エンジンの冷却水温度が異常に高くなった場合に点灯します。
エンジンが過熱すると重大な損傷を引き起こす可能性が十分にあるため、赤く点灯した場合はすぐに停めてエンジンを切りましょう。
なお、一部の車両ではエンジンが冷えている場合に青く点灯することもありますが、異常を示すものではありません。
充電警告灯
充電警告灯は、バッテリーや充電システムに異常が発生した際に点灯します。
充電警告灯が点灯している場合、車両の電源供給が正常に行われていない可能性があります。
これを放置するとバッテリー切れにより、エンジンが始動しないことも少なくありません。
充電警告灯が赤く点灯した際は、整備工場での点検を受けることが必要です。
シートベルト警告灯
シートベルト警告灯は、ドライバーや乗客がシートベルトを着用していない場合に点灯します。
とくに2020年9月以降に製造された車両では、後部座席を含む全座席でシートベルトの着用が義務付けられています。
安全運転のためにも、全員がシートベルトを確実に装着していることを確認しましょう。
タイヤ空気圧警告灯
タイヤ空気圧警告灯は上部が開いたデザインに「!」マークが特徴で、タイヤの空気圧が不足した際に点灯します。
しかし、この警告灯は車種によっては搭載されていない場合もあります。
空気圧の異常だけでなく、センサーの故障や電池切れによっても点灯することがあり、タイヤ自体には問題がなくても警告が出る場合もあります。
この警告灯が点灯した際は、速やかに整備工場で詳しい点検を受け、問題の有無を確認することが重要です。
車検前に警告灯を検査する方法
ここでは、警告灯を検査をする方法について詳しく見ていきましょう。
エンジンを起動してすべて点灯するかどうか
警告灯はエンジンを始動した直後にすべて点灯するように設計されています。
これは、各システムが正常に作動しているかを確認するためのものです。
通常であれば数秒後には消灯しますが、確認できない場合は電気系統や警告灯自体に問題があるとみなされる可能性があります。
車検時には、すべての警告灯が一時的に点灯し、適切に消灯するかが確認されます。
点灯しないランプがあれば、車検に通らない可能性が高いでしょう。
警告灯が正常に機能するかどうか
車検時には、シートベルト警告灯、ブレーキ警告灯、エアバッグ警告灯、ABS警告灯、エンジン警告灯の5つが重点的にチェックされます。
これらはすべて車の安全に関わる重要な警告灯です。
たとえば、シートベルト警告灯はベルトを装着していない限り点灯し続ける必要があり、ほかのランプと一緒に消えてしまうと異常が疑われます。
また、エアバッグやABS警告灯は点灯し続けると安全性に問題があると判断され、車検には通りません。
車検前に警告灯が点いたときの対処法!
警告灯は車のシステムに何らかの異常があることを知らせるため、無視することはできません。
ここでは、警告灯が点いた場合の具体的な対処法を詳しく見ていきましょう。
赤色の場合はエンジンを止めて至急ディーラーや整備工場へ連絡
赤色の警告灯が点灯した場合は、非常に緊急性の高い状態を示しているため、ただちに車を停止し、整備工場やディーラーに連絡する必要があります。
赤色の警告灯は、エンジンやブレーキ、油圧システムなど、車の基本的な機能に重大な問題がある可能性が高いです。
無理に走行を続けることは非常に危険です。
車を路肩や安全な場所に停車させ、エンジンを停止してからディーラーや整備工場に問い合わせましょう。
点いたり消えたりする場合は修理を受ける
エンジン警告灯などが点灯したり消えたりする場合、「一時的なエラーだろう」と考えて放置するのは避けるべきです。
たとえ一度消えたとしても、警告灯が点灯した履歴は車両のコンピューターに記録されており、ディーラーや整備工場でエラーログを確認することができます。
のちに大きな問題に発展する可能性もあるため、再度警告灯が点灯しないうちに点検を受けることが大切です。
自己判断で問題ないと決めつけず早めに専門家に依頼することで、車検時のトラブルも回避できます。
定期的にメンテナンスをしよう
車両の異常を未然に防ぐためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
警告灯が点灯するのを防ぐためにも、オイル交換やタイヤの空気圧チェック、ブレーキパッドの摩耗状態など、定期的に点検しておくことで大きなトラブルを防げます。
車検前だけでなく日常的なメンテナンスを怠らないことで、警告灯の点灯を最小限に抑えて安全で快適な運転を続けることが可能です。
まとめ
車の警告灯は、車両に異常や問題があることを知らせる重要な役割を担っています。
とくに黄色やオレンジ、赤色の警告灯が点灯している場合は車検に通らないどころか、検査自体を受け付けてもらえないこともあります。
そのため、各警告灯の種類や意味を把握しておくことが非常に重要です。
早めに対応することで、重大なトラブルを防ぎ、安全な運転を続けることができます。
この記事を参考に、警告灯が点灯した際の正しい対応方法を理解し、安心して車検を迎えましょう。