ヴォクシーは広々とした室内と使いやすさでファミリー層に人気のあるミニバンです。
2014年にハイブリッドが登場し、さらに2022年のフルモデルチェンジで燃費性能も大きく進化しました。
この記事では、ヴォクシーの実際の燃費数値やライバル車との比較、維持費についてを徹底解説します。
燃費が気になる方や、購入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
ヴォクシーの燃費
ヴォクシーは、現在までに3回のモデルチェンジを繰り返し、2022年に登場した90系が現行モデルとなります。
エンジンタイプには、ガソリンとハイブリッドの2つを展開し、一部のグレードを除いて、それぞれ2WDと4WD(ハイブリッドはE-Four)から選択できます。
グレードは「S-G」「S-Z」の2つがあり、S-Gグレードのみ7名乗車と8名乗車のどちらかを選択可能です。
まずは、現行モデルの詳しい燃費を見ていきましょう。
新型ヴォクシーのカタログ燃費
ヴォクシーのカタログ燃費は、以下の表のとおりです。
エンジンタイプ・グレード | カタログ燃費(WLTCモード) | ||
2WD | 4WD (E-Four) |
||
ガソリン | S-G(7名乗車) | 14.8km/L | 14.1km/L |
S-G(8名乗車) | 14.8km/L | 14.1km/L | |
S-Z | 14.8km/L | 14.1km/L | |
ハイブリッド | S-G(7名乗車) | 23.0km/L | 22.0km/L |
S-G(8名乗車) | 23.0km/L | 22.0km/L | |
S-Z | 23.0km/L | – |
表のとおり、グレードによる燃費の違いはありません。エンジンタイプ別に燃費を比較すると、ガソリンとハイブリッドでは8.8km/Lの差があることが分かります。
新型ヴォクシーの実燃費
次に、実燃費を見ていきましょう。
燃費調査サイト「e燃費」によると、実燃費は以下の結果が出ています。
エンジンタイプ・グレード | 実燃費(WLTCモード) | ||
2WD | 4WD (E-Four) |
||
ガソリン | S-G(7名乗車) | 11.39km/L | 11.72km/L |
S-G(8名乗車) | 11.39km/L | 11.72km/L | |
S-Z | 11.39km/L | 11.72km/L | |
ハイブリッド | S-G(7名乗車) | 16.68km/L | 16.05km/L |
S-G(8名乗車) | 16.68km/L | 16.05km/L | |
S-Z | 16.68km/L | – |
カタログ燃費を比較すると、ガソリン車は3.0〜3.5km/L程度低くなりますが、そこまで大きい低下ではありません。
しかし、ハイブリッドに関しては約6.0km/Lと、ガソリン車の倍近く実燃費が下がっていることが分かります。
ハイブリッドのほうが燃費数値は優れていますが、燃費達成率でみるとやや低調と言えるでしょう。
旧型ヴォクシーの燃費
ヴォクシーは2001年に初代である60系が誕生し、その後2007年に2代目70系、2014年に3代目80系が登場しています。
ヴォクシーの燃費を調査する方のなかには、旧型モデルと比較してみたい方も多いのではないでしょうか。
ここでは、旧型モデルの詳しい燃費を紹介していきます。
旧型ヴォクシーのカタログ燃費
まず、カタログ燃費が次のとおりです。
モデル・グレード | カタログ燃費 | ||
2WD | 4WD | ||
80系 | ZSガソリン (7名乗車) |
16.0km/L | 14.8km/L |
ZSガソリン (8名乗車) |
16.0km/L | 14.8km/L | |
ZSハイブリッド | 23.8km/L | – | |
70系 | TRANS-X (5名乗車) |
13.4km/L | 12.6km/L |
X(7名乗車) | 13.4km/L | 12.6km/L | |
X(8名乗車) | 13.4km/L | 12.6km/L | |
V(8名乗車) | 13.4km/L | 12.6km/L | |
Z(8名乗車) | 13.4km/L | 12.6km/L | |
ZS(7名乗車) | 14.2km/L | 13.4km/L | |
ZS(8名乗車) | 14.2km/L | 13.4km/L | |
60系 | X(8名乗車) | 14.2km/L | 12.6km/L |
Z(8名乗車) | 14.2km/L | 12.6km/L | |
V(8名乗車) | 14.2km/L | 12.6km/L |
旧型モデルと比較すると、60系と70系は大きな差はなく、モデルによっては同じ数値のものもあります。
しかし、3代目である80系になると、ハイブリッドが登場することはもちろん、ガソリン車に関しても燃費が向上しています。
旧型ヴォクシーの実燃費
次に、旧型ヴォクシーの実燃費を見ていきましょう。
こちらも燃費調査サイト「e燃費」を参考にしてみると、以下の結果が出ています。
モデル・グレード | 実燃費 | ||
2WD | 4WD | ||
80系 | ZSガソリン(7名乗車) | 9.86〜10.34km/L | 9.84〜10.35km/L |
ZSガソリン(8名乗車) | 9.86〜10.34km/L | 9.84〜10.35km/L | |
ZSハイブリッド | 14.61〜14.90km/L | – | |
70系 | TRANS-X (5名乗車) |
10.70km/L | 8.60km/L |
X(7名乗車) | 10.70km/L | 8.60km/L | |
X(8名乗車) | 10.70km/L | 8.60km/L | |
V(8名乗車) | 10.70km/L | 8.60km/L | |
Z(8名乗車) | 10.14km/L | 9.44km/L | |
ZS (7名乗車) |
10.14km/L | 9.44km/L | |
ZS (8名乗車) |
10.14km/L | 9.44km/L | |
60系 | X(8名乗車) | 13.54km/L | 9.38km/L |
Z(8名乗車) | 13.54km/L | 9.38km/L | |
V(8名乗車) | 13.54km/L | 9.38km/L |
旧型モデルの実燃費は、カタログ燃費より3.0〜7.0km/L程度低くなります。
しかし、60系のガソリン車に関しては、現行とほぼ同じ燃費数値となっており、優れていることが分かります。
ヴォクシーとライバル車の燃費を比較
ヴォクシーの燃費を知りたい方のなかには、ライバル車と比較したい方も多いのではないでしょうか。
ここで、4車種の燃費を比較しますので、ぜひ参考にしてください。
【日産】セレナ
エンジンの種類 | セレナ | ヴォクシー | |
ガソリン | 2WD | 13.0〜13.4km/L | 14.8km/L |
4WD (E-Four) |
11.6km/L ※オート コントロール4WD |
14.1km/L | |
ハイブリッド | 2WD | 18.4〜20.6km/L | 23.0km/L |
4WD (E-Four) |
16.1〜17.0km/L | 22.0km/L |
セレナと燃費を比較すると、どのエンジンタイプもヴォクシーのほうが優れていることが分かります。
【ホンダ】ステップワゴン
エンジンの種類 | ステップワゴン | ヴォクシー | |
ガソリン | 2WD | 12.5〜13.2km/L | 14.8km/L |
4WD (E-Four) |
11.9〜12.2km/L | 14.1km/L | |
ハイブリッド | 2WD | 19.5〜19.8km/L | 23.0km/L |
4WD (E-Four) |
– | 22.0km/L |
ステップワゴンと比較すると、1.5〜3.0km/L程度ヴォクシーのほうが優れていることが分かります。
ステップワゴンは、一回りサイズが大きいため、その分燃費数値も低くなります。
【トヨタ】ノア
エンジンの種類 | ノア | ヴォクシー | |
ガソリン | 2WD | 14.8〜15.0km/L | 14.8km/L |
4WD (E-Four) |
14.1〜14.2km/L | 14.1km/L | |
ハイブリッド | 2WD | 23.0〜23.4km/L | 23.0km/L |
4WD (E-Four) |
22.0km/L | 22.0km/L |
ノアと燃費を比較すると、どのエンジンタイプも同じ数値であることが分かります。
実は、ノアとヴォクシーは同じプラットフォームで開発された「兄弟車」です。
その違いはエクステリアデザインやターゲット層が違うだけで、そのほかはほとんど同じ作りとなっています。
【トヨタ】シエンタ
エンジンの種類 | シエンタ | ヴォクシー | |
ガソリン | 2WD | 18.3〜18.4km/L | 14.8km/L |
4WD (E-Four) |
– | 14.1km/L | |
ハイブリッド | 2WD | 28.2〜28.4km/L | 23.0km/L |
4WD (E-Four) |
25.3km/L | 22.0km/L |
シエンタと燃費を比較すると、シエンタのほうが燃費は優れていることが分かります。
これは、単純にシエンタのほうが車両サイズや重量が小さいからです。
具体的には、シエンタが1,300kg程度に対して、ヴォクシーは1,600kg程度と300kgほど重量の差があります。
ヴォクシーの燃費が優れている理由
ここまで紹介してきたとおり、ヴォクシーはライバル車と比較しても燃費が優れていることが分かります。
その理由は、以下の要因が挙げられます。
新世代のTNGAプラットフォームを採用
空気抵抗が低減できるアンダーカバー設定
ハイブリッドに「新世代ハイブリッドシステム」を搭載
ガソリン車に「2.0Lガソリンエンジン&Direct Shift-CVT」を搭載
このようにヴォクシーには、燃費を最大限まで高める工夫が豊富に取り入れられています。
ヴォクシーの価格と維持費
ヴォクシーの燃費を調査するなら、車両価格や維持費についても知っておきたいポイントです。
以下に、それぞれの費用をまとめましたので、ご覧ください。
ヴォクシーの新車価格
エンジンタイプ・グレード | 新車価格 | ||
2WD | 4WD(E-Four) | ||
ガソリン | S-G (7名乗車) |
3,246,100円 | 3,444,100円 |
S-G (8名乗車) |
3,246,100円 | 3,444,100円 | |
S-Z | 3,649,800円 | 3,847,800円 | |
ハイブリッド | S-G (7名乗車) |
3,595,900円 | 3,815,900円 |
S-G (8名乗車) |
3,595,900円 | 4,219,600円 | |
S-Z | 3,999,600円 | – |
ヴォクシーの中古車価格
エンジンタイプ・グレード | 中古車価格 | ||
2WD | 4WD(E-Four) | ||
ガソリン | 212,000〜7,100,000円 | 328,000〜4,940,000円 | |
ハイブリッド | 750,000〜6,118,000円 | 3,586,000〜5,855,000円 |
ヴォクシーの維持費
項目 | ハイブリッド | ガソリン |
燃料費(1L/170円) | 73,913〜77,273円 | 114,865〜120,567円 |
自動車税(1年) | 36,000円 | |
車検費用(1年) | 40,000円程度 | |
自賠責保険(12ヶ月) | 8,825円 | |
合計 | 158,738〜162,098円 | 205,392〜211,094円 |
※免税は含まれていません。
※燃料費は170円、1年10,000kmで計算
※自賠責保険は24ヶ月を1年分にして計算
ヴォクシーの維持費は、ハイブリッドのほうが安く済みますが、車両価格はガソリン車のほうが安く設定されています。
全体的な金額で選びたい場合は、使用する期間によって異なってくるため、長く使用する場合はハイブリッド、すぐに乗り換えるなど短期間の使用ならガソリン車がおすすめです。
なお、こちらの金額に任意保険やメンテナンス費用は含まれていませんので、あくまで目安と捉えておきましょう。
ヴォクシーの魅力
ヴォクシーは、同モデルの中でも優れた燃費性能を誇りますが、そのほかにも多彩な魅力が存在します。
選ぶ際の参考になると思いますので、最後までご覧ください。
全席でリラックスできる広々とした室内空間
ヴォクシーはMクラスのミニバンながらも、クラストップレベルの広々とした室内空間があります。
特に2列目シートは、前後に最大745mmスライドができ、3列目シートを使用しない場合は、足を伸ばせるほどリラックスできる空間にできます。
また、多彩なアレンジも可能ですので、家族旅行はもちろん、アウトドアや大きな荷物の積み込み、友人とのドライブなどさまざまなシーンで活躍可能です。
長時間の移動でも疲れにくい快適な走行性能
燃費が優れている理由のところでも紹介しましたが、ヴォクシーは新世代のTNGAプラットフォームを採用し、静粛性が高い快適な乗り心地を実現しています。
また、一つひとつのシートは余裕のある設計となっているので、長時間座っていても疲れを感じさせません。
ハンドリングも操作性が高く、安定感のある走行ができるので、高速道路での長距離移動や渋滞の多い市街地走行でも安定したドライブを楽しめます。
大きなボディながら扱いやすい設計
ヴォクシーは、Mクラスミニバンとして十分なサイズ感を持ちながらも、ドライバーにとって扱いやすい設計に工夫されています。
例えば、両側の三角窓を拡大することで、運転席からの視認性を高めたり、ボディの角を把握しやすいデザインにしたりするなど、取り回しがしやすい設計です。
また、全車に「パノラミックビューモニター」を搭載し、駐車が苦手な方でも安心して操作できる機能が施されています。
誰でもラクに乗り降りできる低床設計
ヴォクシーの最低地上高は140mm(4WD・E-Fourは125mm)と、低めの設計となっています。
低床設計を取り入れることで、子どもやお年寄りが楽に乗り降りでき、ファミリーカーとしての使い勝手が大幅に向上しています。
運転や安全サポートも充実
ヴォクシーは、トヨタの最新安全機能である「Toyota Safety Sense」を全車に搭載しています。
主な機能には、衝突被害軽減ブレーキや車線維持機能、標識読み取り機能などが搭載され、ドライバーの運転をサポートや事故の予防に役立ちます。
リセールバリューも高い
ヴォクシーは、ライバル車と比較してもリセールバリューが高い魅力もあります。
そもそもミニバン自体がファミリーに人気ですので、中古市場でも高値で取引されることが多いのですが、ヴォクシーは人気車種であることから、より高い価格で買取可能です。
特に年式の新しい車種は高値で取引されますので、数年程度で乗り換えたい方におすすめと言えるでしょう。
まとめ
本記事では、ヴォクシーの現行と旧型それぞれの詳しい燃費を紹介し、ライバル車との比較や燃費が優れている理由、維持費についても解説しました。
ヴォクシーはミニバンの中でも高い燃費性能を持ち、家族での長距離移動や日常使いでもコストを抑えられる魅力があります。
燃費で選ぶ場合は旧型モデルも十分選択肢に入りますが、維持費が高くなる可能性があるので、注意が必要です。
購入を検討している方は、本記事を参考に自分に最適なヴォクシー選びを進めてみてください。