車検の依頼先はディーラーやカー用品店、ガソリンスタンドや民間整備工場などが多岐にわたります。
数ある選択肢のなかで、どこで車検を受けるのが良いか分からない方もいるでしょう。
そこで本記事では、おすすめの車検依頼先や選び方、特徴を紹介していきます。
車検をどこで受けようかお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
車検とは
車検とは、車が公道を安全に走行するために必ず受ける必要がある検査です。
車検を通過していない車両で公道を走行すると、厳しい罰則が科されるため適切に受けることが求められます。
車検は、自動車の状態を定期的に点検・整備することで、長く安全に運転できるようにすることが目的です。
また、走行に直接影響する部分だけでなく、マフラーの排気やエアクリーナーの稼働状況も確認されます。
排気系に問題があると燃費の低下や公害の原因となり、環境にも影響を及ぼすため定期的な点検が重要です。
車検の有効期限
一般的な乗用車の車検の有効期限は、新車は初回のみ3年、それ以降は2年ごとに受ける必要があります。
ただし下記いずれかの車両の場合は、初回であっても2年後に車検を受けなければいけません。
- ・自家用貨物自動車
・自家用軽貨物自動車
・自家用特殊用途自動車
・大型特殊自動車
・事業用軽貨物自動車
上記の車両タイプは商用車として利用されることが多く、走行距離も増える傾向にあるため、2年後に実施する必要があります。
車検の有効期間は車の用途などによって異なるため、混同しないように注意しましょう。
車検が切れたら公道を走行できない
車検が切れると、公道を走行できません。
もしも車検切れの状態で公道を走行すると、道路運送車両法第108条によって、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。
車検切れでも公道を走行したい場合には、仮ナンバーを発行するなどの対応が必要です。
車検依頼先のメリット・デメリット
車検依頼先はディーラーやカー用品店、民間の整備工場などがあります。
それぞれにはメリットとデメリットがあり、自分に合った車検依頼先を選ぶことが大切です。
業者の特徴を解説していくため、依頼先で悩んでいる方は参考にしてください。
カー用品店
カー用品店では、タイヤやカーアクセサリーなどの多数の商品を販売しています。
カー用品店では国家資格を持った整備士が配置されていることが多く、車検を受けることが可能です。
カー用品店で車検を受けるメリット・デメリットを紹介していきます。
メリット
カー用品店で車検を受けるメリットは、以下の2つがあります。
- ・交換部品が豊富
・車検費用がリーズナブル
カー用品店では多くの部品を扱っているため、不具合が見つかった場合もすぐに交換ができ、車検がスムーズに進みます。
また、大手カー用品店では専門工場と比べて車検費用を抑えられることが多く、コストを重視する方に向いています。
デメリット
カー用品店で車検を受けるデメリットは、以下の2つです。
- ・すべての店舗が車検に対応していない
・技術力に差がある
すべてのカー用品店で車検を受けられるわけではないため、対応が可能かどうかは事前に確認が必要です。
技術力にばらつきがあることも要注意で、車検専門の工場ではないためスタッフの技術や経験に差がある場合があります。
技術力を重視する方は、事前に信頼できる店舗かどうかをネットや口コミで確認することが大切です。
ディーラー
車検の依頼先としてディーラーを思い浮かべる人も多いでしょう。
ディーラー車検のメリット・デメリットを解説していきます。
メリット
ディーラーで車検を受けるメリットは、以下の3つです。
- ・信頼性が高い
・品質が高い
・アフターフォローが充実している
ディーラーは自社メーカーの公式ブランドのため、知識や経験が豊富です。
また、ブランドイメージにキズが付かないように細心の注意を払って車検に対応するため、信頼性・品質ともに高いといえます。
アフターフォローが充実しているのも魅力であり、車検費用が多少かかっても安心して車を長く乗りたい方におすすめです。
デメリット
ディーラーで車検を受けるデメリットは、以下の2つです。
- ・費用が高い
・日数がかかる
ディーラーでは、車検に通すために必要な点検・整備だけではなく、これから修理が必要になりそうな箇所を見つける予備整備も実施されます。
今すぐ交換する必要がない部品まで交換を提案されることがあるため、費用が高くなる傾向があります。
さらに、車検の法定点検項目に含まれないところまでチェックをするため、ほかの選択肢よりも時間がかかる点に注意しましょう。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドでは洗車や給油サービスを主に展開していますが、車検に対応しているガソリンスタンドが増加しています。
ガソリンスタンドで車検を受けるメリット・デメリットを解説していきます。
メリット
ガソリンスタンドで車検を受けるメリットは、以下の3つです。
- ・手軽に受けられる
・24時間営業している店舗がある
・割引を受けられる可能性がある
ガソリンスタンドでは、洗車や給油のついでに車検の見積もりや予約をすることができるほか、24時間営業の店舗もあるため、利用しやすいのがメリットです。
ガソリン代の値引きやボディコート、洗車などの特典を受けられる可能性があるため、お得に車検を実施できる場合があります。
デメリット
ガソリンスタンドで車検を受けるデメリットは、以下の3つです。
- ・すべての店舗で対応しているわけではない
・技術力に差がある
・代車サービスを行っていない可能性がある
カー用品店と同じく、すべての店舗で車検に対応していなかったり、技術力に差があったりするため気を付けましょう。
代車サービスを行っていないケースもあるため、利便性の悪さを感じてしまう可能性もあります。
車検専門店
車検専門店は車検に関するサービスをメインに提供しており、フランチャイズとして全国展開している店舗が多くあります。
車検専門店で車検を受けるメリット・デメリットを解説していきます。
メリット
車検専門店で車検を受けるメリットは、以下の3つです。
- ・車検を早く終えられる
・費用が安い
・技術力の差が少ない
車検のみを行っている専門店のため効率がよく、短時間で終えられる仕組みを整えています。
また、車検に合格することに特化しているため、ディーラーよりも車検費用が安い傾向にあります。
技術力の差も少ないため店舗によるばらつきがなく、一定の品質の整備を受けられるでしょう。
デメリット
車検専門店で車検を受けるデメリットは、必要以上のサービスを受けられないことです。
車検に合格することだけを目的としているため、余裕を持った消耗部品の交換や徹底した整備は基本的に受けられません。
車検依頼先ごとの車検費用相場
車両依頼先によって、車検費用の相場は大きく異なります。
ここでは、車検依頼先ごとの車検費用の相場について解説します。
ディーラー
ディーラーでの車検費用は、38,000円程度からが相場です。
ディーラーでは予防整備が充実しており、部品交換ではすべて新品の純正部品が使われるため、品質と安全性において信頼できます。
その分、費用は他の選択肢と比較して高くなりがちですが、安全面や品質を重視する方には適した選択肢といえます。
カー用品店
カー用品店での車検費用は、13,000円程度からが相場です。
部品交換の際には社外品やリビルト品が使用されることもあり、ディーラーよりもコストを抑えられるのが特徴です。
コストを抑えつつ、基本的な整備を受けたい方に向いています。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドの車検費用は、カー用品店と同じく13,000円程度からです。
ガソリンスタンドでは割引やポイント付与、洗車サービスなどのキャンペーンを行っている場合もあり、お得に感じられる点が魅力です。
コストを抑えつつ、ちょっとしたサービスも受けたい方にはおすすめです。
民間整備工場
民間整備工場の車検費用は、33,000円程度からが相場です。
ディーラーよりは安く、カー用品店やガソリンスタンドよりは高めの価格設定ですが、柔軟な対応や細やかな整備が期待できます。
地元の工場で、じっくりとした整備を希望する方に向いています。
車検専門店
車検専門店の車検費用相場は、20,000円程度〜です。
店舗によっては即日対応が可能なところもあり、時間とお金どちらも抑えて車検に通したい方におすすめです。
車種ごとの車検費用の相場
車検依頼先だけでなく、車種によっても車検費用は異なります。
ここでは、車種ごとの車検費用の相場について解説していきます。
軽自動車
軽自動車は、排気量660cc以下の小型車で、タントやN-BOXなどが該当します。
軽自動車の法定費用は27,730円で、車検基本料はおおよそ34,000円です。
これらの費用を合わせると、軽自動車の車検費用の相場は60,000円〜120,000円程度になります。
ほかの車種と比較して維持費が抑えられるため、コスト重視の方におすすめです。
小型自動車
小型自動車とは、排気量2,000cc以下で、全長4,700mm×全幅1,700mm×全高2,000mmの車を指し、アクアやフィットなどの車種が該当します。
小型自動車の法定費用は46,310円、車検基本料が約44,000円のため、車検費用の相場は70,000円~150,000円程度です。
軽自動車と比べ、車検費用が10,000円~30,000円ほど高くなる傾向があります。
中型自動車
中型自動車は小型自動車や軽自動車に分類されない一般的な車両で、カローラやノートが該当します。
法定費用は51,630円で、車検費用の相場は90,000円~170,000円程度です。
小型自動車と比べて20,000円程度の差があり、エンジンや車体が大きい分ややコストが上がります。
大型自動車
大型自動車とは、車両重量が1.5〜2tまでの車を指し、ヴォクシーやステップワゴンなどが該当します。
大型自動車の法定費用が59,830円で、車検費用の相場は110,000円~200,000円程度です。
中型自動車とは、20,000円~30,000円程度の差があります。
車検依頼先の選び方
車検依頼先それぞれのメリット・デメリットを解説しましたが、続いて車検依頼先の選び方について解説していきます。
以下4つのポイントを比較して、自身に合った依頼先を選びましょう。
- ・車検費用
・整備のクオリティ
・点検スピード
・アフターケアやオプション
それぞれの選び方について解説していきます。
車検費用
車検費用は以下の3つに分けられます。
- ・法定費用
・車検基本料
・整備費用
法定費用は国や保険会社に支払われる費用で、どの業者でも同じ料金設定です。
一方で車検基本料と整備費用は業者によって異なるため、依頼先で総費用が変わることが多いです。
費用を抑えたい場合は、複数の業者に見積もりを依頼して比較するのが良いでしょう。
整備のクオリティ
車検に合格しても、必ずしも車が万全な状態で整備されているとは限りません。
業者の質によっては最低限の整備のみで終わる場合もあり、国家資格保有者が在籍する業者であっても、実際の整備は別のスタッフが担当することもあります。
整備のクオリティを重視するなら、技術力に定評があるディーラーが安心です。
ディーラー以外の業者を利用する場合は、口コミや評価を確認して信頼できるところを選ぶようにしましょう。
点検スピード
点検スピードも業者によって異なり、とくに「認定工場」と「指定工場」の違いが大きく影響します。
認定工場は車検に必要な最終検査を自社で行えないため、運輸支局などに持ち込むための時間がかかります。
一方で指定工場は自社で最終検査を完了できるため、スピーディーに車検を進められます。
点検スピードを優先する場合は、車検専門店や指定工場を持つ業者に依頼すると良いでしょう。
アフターケアやオプション
車検後のアフターケアオプションも、依頼先を選ぶ際のポイントです。
たとえば、業者によっては車検後のエンジンオイル無料交換やメンテナンス点検を含む特典を、提供しているところもあります。
車検を受けるだけでなくアフターサービスも重視する場合は、依頼先の業者がアフターケアやオプションを提供しているかも、事前に確認すると良いでしょう。
まとめ
車検の依頼先にはディーラーやカー用品店、ガソリンスタンドなど多岐にわたります。
それぞれに特徴やメリット・デメリットがあるため、自分の要望に合った業者を選ぶことが大切です。
ニーズを満たす依頼先を見つけて、安心で快適なカーライフを送りましょう。