車検は車の乗り換えタイミングの判断基準のひとつです。
車検の増税タイミングや税額、交換・修理費用によっては高額になるためです。車検代金額によっては乗り換えたほうが維持費を抑えられるため、増税タイミングは知っておくべきといえます。
本記事では、乗り換えタイミングに悩まれている方に向けて、車検にかかわる重量税と最適な乗り換えタイミングをメインに解説します。損しないタイミングを見極められるようになりましょう。
車検で増税の影響を受けるタイミングは?
車検で増税の影響を受けるのは重量税で、重課されるタイミングが決まっています。
以降では、重量税の概要、増税タイミングと税額、減免制度について解説します。
車検で支払う「重量税」とは?
重量税とは、車両の重さに応じて課せられる、国が定めた税金のことです。
徴収した税金の配分や使用目的が決まっており、3/4は国へ配当されてうち8割は道路整備に充てられます。
残りの1/4は「自動車重量譲与税」として地方へ配当されます。
納税の対象者は、自動車検査証の所有者、もしくは届出軽自動車の所有者です。
自動車検査証をもらうタイミング、もしくは車両番号が指定される前に納付しなければなりません。
納付方法は、自動車重量税印紙を自動車重量税納付書に貼り付けて提出する形です。
基本的には自動車販売会社や車検業者が納付を行うため、個人で納付書を提出することはありません。
最初の増税タイミングは13年|乗用車の税額表
重量税が増税される最初のタイミングは、車両の新規登録から13年経過したタイミングです。
一年あたりの税額は以下のとおりです。
【自家用乗用車:重量税】
時期 | 年間あたりの金額 |
---|---|
新車登録~12年目 | 4,100円/0.5トン |
13~17年目 | 5,700円/0.5トン |
新車登録〜12年目の場合、0.5トンあたりで4,100円が課税されます。
例えば、車重量が1.5トンの場合は4,100円×3=12,300円、2.5トンの場合は4,100円×5=20,500円です。
13〜17年の場合は、0.5トンあたりで5,700円ずつに課税されるため、金額が高くなります。
例えば、車重量が2.5トンの場合は5,700円×5=28,500円です。
【軽自動車:重量税】
時期 | 年間あたりの金額 |
---|---|
新車登録~12年目 | 一律3,300円 |
13~17年目 | 一律4,100円 |
なお、軽自動車は重量に問わず一律の金額となっています。
ただし、13年経過すると4,100円に増税されるため注意が必要です。
次の増税タイミングは18年|乗用車の税額表
次に増税されるタイミングは、車両の新規登録から18年経過したタイミングです。
一年あたりの税額は以下のとおりです。
【自家用乗用車:重量税】
時期 | 年間あたりの金額 |
---|---|
新車登録~12年目 | 4,100円/0.5トン |
18年目以降 | 6,300円/0.5トン |
新車登録〜12年目の場合、0.5トンあたりで4,100円が課税されるのに対し、18年目以降の場合は0.5トンあたりで6,300円と金額が上がります。
例えば、車重量が2トンの場合は6,300円×4=25,200円です。
【軽自動車:重量税】
時期 | 年間あたりの金額 |
---|---|
新車登録~12年目 | 3,300円 |
18年目以降 | 4,400円 |
13年の増税と同様、軽自動車も18年以上経過すると増税があるため注意が必要です。
減免措置について
重量税には減免措置があります。
減免措置の種類は以下の3種類です。
- ・エコカー減税
・バリアフリー特例
・非課税
上記の対象となる車両の条件を詳しく解説します。
<エコカー減税>
車の燃費性能やガス性能が優れ、環境汚染の防止に役立つ車両を対象とした減税措置です。
<バリアフリー特例>
ノンステップバスやリフト付きバス、ユニバーサルデザインタクシーを対象とした減税措置です。
<非課税>
特定の車両において、課税対象とならない免税措置です。
以降からは、改正された基準や非課税対象の詳細を解説します。
エコカー減税の基準が改正
2026年4月30日まで自動車重量税のエコカー減税が延長されること、そして初回基準の基準が引き上がることが決まっています。
改正後の2024年1月1日〜2025年4月30日は、以下のように基準が変更されます。
改正前(初回車検時) | 改正後(初回車検時) |
2030年度基準120%達成で免税 | 変更なし |
2030年度基準90%達成で免税 | 変更なし |
2030年度基準75%達成で50%減税 | 2030年度基準80%達成で50%減税 |
2030年度基準60%達成で25%減税 | 2030年度基準70%達成で25%減税 |
2024年1月1日〜2025年4月30日(初回車検時) | 2025年5月1日〜2026年4月30日(初回車検時) |
2030年度基準120%達成で免税 | 2030年度基準125%達成で免税 |
2030年度基準90%達成で免税 | 2030年度基準100%達成で免税 |
2030年度基準80%達成で50%減税 | 2030年度基準90%達成で50%減税 |
2030年度基準70%達成で25%減税 | 2030年度基準80%達成で25%減税 |
2030年度基準75%達成で本則税率 |
環境性能割の基準が改正
環境性能割の基準は、2025年度まで据え置きになりました。
2024年1月1日〜2025年3月31日の改正後の基準は以下のとおりです。
改正前(初回車検時) | 改正後(初回車検時) |
2030年度基準 85%達成
登録車:非課税 軽自動車:非課税 |
変更なし |
2030年度基準 75%達成
登録車:1%減税 軽自動車:非課税 |
2030年度基準 80%達成
登録車:1%減税 軽自動車:非課税 |
2030年度基準 60%達成
登録車:2%減税 軽自動車:1%減税 |
2030年度基準 70%達成
登録車:2%減税 軽自動車:1%減税 |
上記以外
登録車:3%減税 軽自動車:2%減税 |
変更なし |
環境性能割は、減税されるパーセンテージの数値や非課税は変わらないですが、基準のパーセンテージの数値が変わっています。
非課税対象について
国税庁は、重量税の支払いが不要な対象を以下としています。
(1)大型特殊自動車
(2)車両番号の指定を受けたことがあることが「軽自動車届出済証返納証明書」により明らかにされた届出軽自動車
(3)事故等により著しく構造、装置または性能が保安基準に適合していないと認められた車両に対して行う臨時検査の後に返付を受けた自動車検査証の有効期間の満了日が臨時検査前の有効期間の満了日以前とされる自動車
引用元:No.7192 自動車重量税のあらまし 非課税|国税庁
自動車税も重課対象!最適な乗り換えタイミングは13年未満
車検には影響しませんが、ついでに自動車税の重課についても解説します。
重量税と同じように、13年を超えるタイミングで重課されます。
自動車税は重量税とは異なり毎年支払うものなので、乗り換えの検討は自動車税を重視するのが良いでしょう。
以降では、自動車税や軽自動車税の概要、最適な乗り換えタイミングについて解説します。
そもそも自動車税・軽自動車税とは?
自動車税は都道府県に納付する税金で、軽自動車については「軽自動車税」があり市町村に納付する税金です。
納付対象者は、毎年4月1日のタイミングで車両を所有している方です。
徴収された税金は、行政サービスを提供している地方団体が運営するための財源となります。
自動車税・軽自動車税はかつて「取得課税」「保有課税」に分類されていましたが、現在は「自動車税・軽自動車税環境性能割」「自動車税・軽自動車税種別割」に変更されています。
取得課税について
取得課税とは、車両を取得した際に支払いが発生する税金です。
昭和43年に制定されたもので、都道府県や市町村が管理する道路を整備する費用のために作られました。
しかし、平成21年からは道路以外にも使用できるように変更されています。
消費税が10%に引き上げられたことがきっかけにより取得課税が廃止され、「自動車税・軽自動車税環境性能割」が新しく作られました。
保有課税について
保有課税とは、4月1日時点で車検証が必要な車両を所有している方に支払いが発生する税金です。
もともと明治6年から馬車や人力車に対して課税されていましたが、乗り物が自動車へと変わってからは自動車を対象としています。
取得課税が廃止され自動車税・軽自動車税環境性能割に変わってから、保有課税も「自動車税・軽自動車税種別割」へと変更されました。
重課目的は「環境問題対策」
自動車税が重課されるのは、「環境問題を対策するため」です。
近年問題視されている地球温暖化や大気汚染を対策するために重課措置が導入されました。
車齢13年以上の乗り換えをおすすめしない理由
車齢が13年以上になってから乗り換えすることをおすすめしない理由は以下の2つです。
- ・増税による生活費・維持費の負担が増えるため
・リセールバリューが低下するため
では、ひとつずつ解説します。
増税による生活費・維持費の負担が増えるため
理由のひとつ目は「増税による生活費・維持費の負担が増えるため」です。
新規登録されてから12年までは、重量税・自動車税・軽自動車税のいずれも税額に変動はありません。
しかし、13年以降になるといずれも増税となり、車検費用も5月末までに支払う税金も支払う金額が高くなります。
定年や転職、休職などで収入が減ったにもかかわらず税金が増えれば、収支バランスが崩れて家計が圧迫される恐れがあります。
生活費や固定費の余分なコストをカットしたいなら、車齢が13年を超えるまでに乗り換えるのが賢明でしょう。
リセールバリューが低下するため
おすすめしない理由の二つ目は「リセールバリューが低下するため」です。
車齢が13年を超えると、走行距離は長く、あらゆるパーツに劣化が見られ、故障しやすい状態となっています。
自動車は安全性が非常に重要ですので、劣化や故障リスクがあるものは価値がつきません。
よって、リセールバリューも下がり、下取り金額や買取金額は期待できるものではないでしょう。
リセールバリューが高いほど手元に残る費用が増え、車の買い替えが楽になります。
少しでも車の価値を高めて買い取ってもらいたいなら、12年が経過するまでに乗り換えるのがおすすめです。
すでに13年が経過した車はどうする?
もし、現時点ですでに13年が経過している方もいるでしょう。
そのような方は、場合によっては乗り続けるのも良いです。
例えば、大きな故障がない場合が該当します。
エンジン系統やミッションの故障や劣化がなく交換や修理が不要であれば、消耗品の交換だけで済むため車検費用はそれほどかかりません。
車の買い替えは、数十万円〜数百万円と高額なため、大きな修理やコンスタントな修理が不要なのであれば、無理に買い替える必要はないでしょう。
車の乗り換えは中古車?新車?
車を乗り換える場合、中古車と新車どちらのほうがいいのか悩む方に向けて、それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。
良い点と悪い点を比較して、どちらがご自身に向いているのか確認しましょう。
中古車に乗り換えるメリット
現在乗っている自動車から中古車に乗り換えるメリットは以下があります。
- ・初期費用・車両本体価格が安い
・納期が短い
・生産終了のモデルも購入できる
上記から、中古車はとにかく費用を抑えたい方、早く車に乗りたい方、欲しい車種が生産終了している方におすすめです。
中古車に乗り換えるデメリット
現在乗っている自動車から中古車に乗り換えるデメリットは以下があります。
- ・故障リスクが新車よりも高い
・大幅値引きは期待できない
・減税制度の対象外になりやすい
・経過年数によっては維持費がかかる
・リセールバリューが低い
・保証期間が短い
・燃費性能が下がっている傾向にある
上記から、中古車はデメリットが多いため、メリットの内容と比べてどちらを重視するのか、よく検討する必要があります。
新車に乗り換えるメリット
現在乗っている自動車から新車に乗り換えるメリットは以下があります。
- ・故障リスクが低い
・燃費性能が良い
・大幅な値引き交渉がしやすい
・エコカー減税対象車なら必ず適用される
・新車保証を受けられる
・カラーやオプションなど選択が自由
・安全機能が充実している
上記から、好みのカラーや内装を選びたい方、減税制度や新車保証を受けたい方、安心・安全を重視したい方におすすめです。
新車に乗り換えるデメリット
現在乗っている自動車から新車に乗り換えるデメリットは以下があります。
- ・初期費用・車両本体価格が高い
・納期が長い
・値引きには交渉術が必要
・生産終了モデルは購入できない
上記から、費用を抑えたい方、車に早く乗りたい方、昔のモデルに興味がある方には、新車は向いていません。
まとめ
車検で増税の対象となるのは「重量税」であり、新車登録から13年・18年たったタイミングで金額がアップします。
加えて、自動車税も13年以上で増税されてしまうため、重量税の増税も考慮して乗り換えるなら12年以下がおすすめです。
乗り換えのために現車を売却するなら「CTN車一括査定」の利用がおすすめです。
一度に10社に査定してもらい、最も高値で売れる業者を見つけられます。
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