未経験の車庫証明取得で、手続きに不安がある方も多いと思います。
書類作成はどれだけ慣れていても記入ミスが起きることもありますので、初めて書く書類であればなおさらです。
そこで本記事では、手続き方法や間に合いそうにない場合の対処法と注意点を徹底的に解説していきます。
手続き方法に関しては、各項目や記入欄の記入する際のポイントも具体的に紹介しています。
ぜひ、参考にしてください。
車を購入したら車庫証明の取得が必要
まず、車を購入してしなければならないことが「車庫証明の取得」です。
ここでは、どのような書類なのか、また取得しなければならない理由と取得しなくてもいい場合について紹介していきます。
車庫証明とは
車を保管するための場所を確保できていることを証明する書類です。
自動車を購入するにあたって必ず用意しなければならないものであり、もしなければご自身の車として登録できません。
名称は普通自動車と軽自動車で異なります。
普通自動車の場合は「自動車保管場所証明書」と呼び、軽自動車の場合は「保管場所届出」と呼ばれます。
名称が異なるのは、届出先が異なるためです。
普通自動車は国への「登録」となりますが、軽自動車は自動車検査協会への「届出」といった形となります。
取得しなければならない理由
「車庫法」によって、車庫証明を取得しなければならないと定められています。
車庫法とは、取得した車を道路で保管しないようにするために作られた法律です。
違反すると罰金または懲役刑が課せられる可能性があります。
なお、無届であったり虚偽内容を申請したりして車を購入した場合は、10万円以下の罰金を支払わなければなりません。
取得しなくてもいい場合もある
適用除外地域は手続きが不要となります。
ただし、取得が必要な地域に在住の場合は、駐車場が不要な地域であっても取得しなければならないため気をつけましょう。
適用除外地域は各都道府県で定められているほか、軽自動車か普通自動車かでも対象地域が異なります。
自身で車庫証明を取得しなければならない場合は、警察署や自治体に確認するといいでしょう。
該当地域は、都道府県の警察庁のサイトや、適用除外地域を案内している専用サイトなどで確認できます。
また、個人的なやり取りで売買する場合、新旧オーナーの本拠地の使用する位置に変更がなければ必要ありません。
有効期限に注意!
車庫証明には有効期限があるため注意しなければなりません。
有効期限は、証明した日からだいたい1か月以内と決まっています。
ただし、大きな災害やコロナのような新しい流行病があった場合は、特例措置として延長されることもあります。
車庫証明の取り方と流れ
本章では、車庫登録ができる条件や手続き方法と流れ、記入する際のポイントについてお伝えします。
車庫登録できる条件
車庫とする位置やスペースなどが決められているため、どのような車庫でもいいというわけではありません。
下記のように条件があります。
- 1.自宅や事務所の所在地から直線距離で2km以内であること
2.車庫を使用する法律上の正当な理由があること
3.道路と車庫の出入りに支障がなく、自動車全体が入るスペースが確保できること
なお、上記の条件はすべてクリアする必要があります。
車庫証明取得の手続きは最寄りの警察署で行う
車庫証明取得の手続きは警察署で行います。
申請そのものは、警察署の窓口またはインターネットで行えますので、ご自身がやりやすい方法を選んでください。
ご自身で手続きするのが心配な方は代行手続きがおすすめです。
ディーラーや中古車販売店といった店舗や行政書士に依頼できます。
なお、証明書の発行に必要な費用に加えて代行手数料が必要です。
行政書士に依頼する場合は、5,000円〜1万円を超える費用がかかり、なかには2万円以上する場合もあるようです。
行政書士への依頼は高額ですので、費用を抑えたい方はディーラーに依頼したほうがいいでしょう。
手続きの流れ
手続きの流れは以下のとおりです。
- 1.記入書類を準備する
2.申請する
3.警察が申請場所をチェックする
4.証明書が発行される
5.標章シールを車に貼り付ける
では、各手続き項目の内容を詳しく紹介していきます。
Step1:記入書類を準備する
車庫証明に必要な記入書類は以下があります。
- ・自動車保管場所証明申請書
・保管場所標章交付申請書
・保管場所の所在図・配置図
・運転免許証などの本人確認書類
・保管場所使用権原疎明書面(自己所有の駐車場の場合)
・保管場所使用承諾証明書(家族など他人所有の駐車場の場合)
・共有者全員分の使用承諾書(共同所有の駐車場の場合)
上記の書類は、警察署の担当窓口または警察署のサイトからダウンロードする形で手に入れられます。
加えて、申請する際は下記の書類も必要ですので、同時に準備しておきましょう。
- ・使用の本拠の位置が確認できる書類(住民票・運転免許証・公共料金の領収書など)
・収入証紙代
収入証紙代の用意を忘れる方もいるようなので、忘れないように気をつけてください。
Step2:申請する
申請は、車両を保管場所の住所を管轄する警察署で行います。
申請方法は窓口が基本ですが、警察署によってはインターネット申請も可能です。
なお、郵送は原則不可となっています。
証明書は、別日の発行となるため注意が必要です。
もし、郵送を希望する場合は申請するタイミングで申し出て、郵送費用を支払います。
Step3:警察が申請場所をチェックする
申請が完了すると、警察の担当者が申請場所まで向かい現場チェックをします。
なかには、駐車場スペースに荷物を置いていることでスペースが足りないと思われ、審査が通らないことがあります。
いつチェックしにくるかわからないため、荷物は置かないようにしておきましょう。
Step4:問題なければ証明書が発行される
チェックの結果問題なければ、車庫証明書や保管場所標章番号通知書、保管場所標章が発行されます。
窓口へ取りに行くか、申請時に申し出ていれば郵送で届きます。
2025年に標章シールの貼り付けは廃止に!しばらくは貼り付けが必要
1991年の法改正に伴い、標章シールの貼り付けが義務化されていました。
しかし、警察の管理システムが進み、2024年5月17日に可決され廃止が決まっています。
これからは、ナンバープレートで保管場所を照会し、管理されるようになるとのことです。
なお、施行されるのは1年後となる見通しのため、しばらくはまだ貼り付けなければなりません。
書類を記入するポイント
書類の記入方法に不安を覚えている方に向けて、記入するポイントをお伝えします。
以降では、書類ごとに解説します。
車庫証明交付に関わる書類
車庫証明甲府に関わる書類で記入する箇所は以下のとおりです。
- ・車名
・型式
・車台番号
・車体の大きさ
・自動車の使用の本拠の位置
・自動車の保管場所の位置
・保管場所標章番号
・申請者欄
・管轄の警察署名
・使用権限欄
・新規または代替の丸つけ
・車両番号(代替の場合)
「車両の情報がわからない」と不安な方は安心してください。
車検証には、車名・型式・車台番号・車体の大きさのすべてが記載されています。
覚えていない方は、見ながら書類を記入すれば問題ありません。
「自動車の使用の本拠の位置」に記入する住所は、住民票に登録されている住所です。
「自動車の保管場所の位置」には、保管場所の所在地を記入してください。
「保管場所標章番号」は、車の乗り換えや再取得といった場合のみ記入するものです。
旧自動車の保管場所標章番号を記入します。
番号を持っていなければ記入する必要はありません。
申請者欄には、車のオーナーの情報を記入してください。
使用権限欄は車庫を所有する人の情報を記入します。
他人・自己・共有のいずれかに◯をつけてください。
最後に、初めての申請者は「新規」に◯を、以前交付した車庫をそのまま使用する場合は「代替」に◯を付けます。
なお、車両番号の記入は「代替」を選択した方のみ記入してください。
標章交付にかかわる書類
標章交付にかかわる書類は「保管場所標章交付申請書」です。
「自動車保管場所証明申請書」と1組になっているため、すぐわかるでしょう。
記載内容は「自動車保管場所証明申請書」とほとんど一緒です。
よって、見ながら記入すれば間違えずに書き終えられるはずです。
ただし、申請年月日には注意してください。
普通自動車の場合は年月日2025年以降はこの工程が不要です。
ただし、軽自動車の場合は申請日と同じ年月日を記入してください。
なお、こちらの工程は2025年にシールの貼り付け制度が廃止されると省略されます。
自己所有地の証明書類
自己所有地の証明書類は「保管場所使用権原疎明書面」もしくは「自認書」が該当します。
記入箇所は以下のとおりです。
- ・証明申請または届出の丸つけ
・建物または土地の丸つけ
・管轄の警察署名
・住所
・氏名
・電話番号
「証明申請」または「届出」の丸つけは、所有者のタイプによります。
普通自動車の場合は「証明申請」に◯を、軽自動車の場合は「届出」に◯をつけてください。
建物または土地の丸つけは、車庫情報の記入です。
マンションやアパート、一軒家、事務所などの建物と一体の場合は「建物」に◯を、それ以外の場合は「土地」に◯をつけてください。
氏名・住所・電話番号は「保管場所証明申請書」に記入した情報をそのまま反映させてください。
賃貸駐車場の証明書類
賃貸駐車場を使用する場合は、それを証明する書類「保管場所使用承諾証明書」を準備しましょう。
記入箇所は以下のとおりです。
- ・保管場所の位置
・保管場所の使用者
・保管場所の契約者
・保管場所の使用期間
・駐車場の所有者または管理委託者
保管場所の位置と使用者は「保管場所証明申請書」に記入した情報をそのまま反映させてください。
保管場所の契約者には氏名・住所・電話番号を記入しますが、使用者と同じであれば「上記に同じ」と記入します。
保管場所の使用期間は、車庫の契約期間を記入してください。
駐車場の所有者または管理委託者の欄は、ご自身で書くのではなく署名の依頼が必要です。
所在図と配置図の書類
所在図と配置図の書類は、手書きで地図を記入します。
地図のコピーを添付する方法でも提出は可能です。
車庫証明を取得するタイミングはいつ?費用はいくら?
車庫証明を取得するにあたって気をつけなければならないのが「タイミング」です。
本章では、取得のタイミングと取得にかかる費用についてお伝えします。
取得のタイミング
車の購入を契約してから納車するまでの間に申請を済ませて受け取っておくのがベストです。
納車日までに取得できなければ、新規登録手続きができないためです。
新規登録ができなければ納車ができず、待ってもらうことになります。
ただし、納車までに1か月以上ある場合は早く取得しすぎるのは危険です。
車庫証明の有効期限は1か月程度となっているため、期限切れになると使用できなくなります。
車庫証明は申請してから約3〜4日で発行される傾向ですが、大阪府のように1週間かかるところもあります。
各自治体のサイトで確認し、納車日から逆算して期限が切れないかつ納車に間に合う日に申請して取得しましょう。
取得にかかる費用
窓口で手続きをする際は手数料が2,000円〜2,600円程度かかります。
ただし、都道府県によって金額が異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。
例として、大阪府は2,200円の申請手数料、交付時に500円の手数料が必要です。
北海道は2,200円の申請手数料と交付時に550円の手数料がかかります。
なお、手数料の支払い方法は現金で支払うか、収入証紙を購入して渡す形のどちらかです。
地域によって異なるため確認しておきましょう。
取得タイミングが納車に間に合わない場合はどうする?
車庫証明を取得するにあたって、駐車場契約がスムーズに進まず間に合わないケースもあるでしょう。
納車までに間に合わなそうであれば、納車スケジュールを調整できるか購入先の店舗に確認する必要があります。
もし、駐車場がなかなか見つけられない場合は、インターネットで調べたり、不動産会社に相談したりする方法を試してみてください。
車庫証明を取得する際の注意点
申請する際は、以下のことに気をつけてください。
- ・請しに行く日時に注意する
・自分ですると節約できるがディーラーによる代行が必須の場合もある
・居住地と駐車場の管轄が異なる場合の申請先に注意する
・駐車場を賃貸契約する場合は車庫証明の申請前に契約を済ませておく
・申請場所は必ず使用する駐車場所で申請する
では、一つずつ解説します。
申請しに行く日時に注意する
車庫証明を取得する際は、申請しにいく日時に注意してください。
警察署は24時間体制で勤務をしていますが、車庫証明の窓口は平日で時間も限られているためです。
例えば、兵庫県では月曜日~金曜日の9時00分~17時00分に受付し、年末年始や祝日は受付はしていません。
平日のお休みがなかなか取れない方は、有休を取得して申請しにいくことになるかもしれません。
自分ですると節約できるがディーラーによる代行が必須の場合もある
車庫証明の申請は、ディーラーによる代行が必須の場合もあることを知っておきましょう。
車庫証明の申請から受け取りまでご自身で行うと、代行手数料の約1万円〜2万円を節約できるのがメリットです。
しかし、記入ミスによる申請のしなおしが発生するリスクがあります。
よって、販売店によってはディーラー側が代行し、スムーズに手続きが完了するようにしているところがあります。
ディーラーに代行してもらうと代行手数料はかかりますが、ご自身で手続きをする手間を省け、また確実に納車に間に合わせてくれます。
メリットもあるため、任せても損はないでしょう。
居住地と駐車場の管轄が異なる場合の申請先に注意する
居住地と駐車場の地域が異なる場合、申請先の警察署に注意しましょう。
申請できる警察署は登録する駐車場の所在地となっているため、混同して行き先を間違えると、移動が二度手間になってしまいます。
出発前に整理して、間違えないようにしましょう。
また、県境に位置するところに駐車場がある場合、管轄がどこになるのか警察署に連絡して確認をとっておくと安心です。
駐車場を賃貸契約する場合は車庫証明の申請前に契約を済ませておく
駐車場を賃貸契約する場合は、契約のタイミングに気をつけましょう。
車庫証明の申請前に契約を済ませておく必要があるためです。
車の購入が決まったら早めに下見をして、契約を済ませておくことをおすすめします。
ただし、実際に使用する前から支払いがスタートしてしまうケースもあるため、不動産会社に確認や相談は必要です。
申請場所は必ず使用する駐車場所で申請する
申請場所は、必ず駐車に使用する場所にしましょう。
申請場所とは異なる場所を使用すると「車庫飛ばし」と呼ばれ、罰則を受けることになります。
「3か月以下の懲役または20万円以下の罰金」といった重たい罰則が下ることもあるため、くれぐれもしないようにしてください。
まとめ
今回ご紹介した手続き方法や流れ、ポイントは理解できましたでしょうか。
一つひとつはそれほど難しいことはないため、実際に記入してみればすぐにできるようになるでしょう。
ただし、地域によって手数料が異なったり、申請方法が窓口のみであったりインターネット申請ができたり、受付時間が異なったりします。
このあたりを注意深く確認しながら、手続きを行っていきましょう。