故障車や不動車は、売れないと思っていませんか?
通常の中古車と比較すると価格は下がりますが、適切に業者が選べると故障車や不動車、事故車も売却できる可能性が高いです。
本記事では、故障のレベル別に故障車の買取について解説します。
故障車の買取を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
故障車の定義とは?
故障車は、故障箇所がある車に対して広い意味合いで用いられます。
事故車と故障車の違いは買取価格に深く関わる部分ですが、どういった違いがあるのか知らない方は多いです。
ここでは、故障車の定義を解説します。
あなたが保有している車両がどちらに当てはまるのか、確認してみましょう。
◯故障車とは?
故障車とは、事故車に当てはまらない部分に何らかの故障がある車です。
エンジンがかからない不動車やエアコンに不調がある車、他にもオイル漏れが激しい車なども故障車と定義されます。
故障車とは、骨格パーツ以外に故障箇所がある車です。
一方で事故車は、車の骨格パーツに修復歴がある車を指します。
車の骨格パーツとは、フレームやフロア、ルーフパネルといった車の強度を保つためのパーツです。
骨格パーツに損傷があっても溶接で修復できますが、衝撃への強度が落ちます。
安全への懸念から、事故車の買取は安くなる傾向です。
事故車ではなく故障車である場合、難しい修理でなければ中古車として高額買取してもらえる場合があります。
保有している車両が動かない場合でも、まずは中古車としての価値を確認しましょう。
事故車の定義や買取についてはこちら
◯故障車はなぜ買取してもらうことができるの?
故障車が売れるのは、価値を出せる買取業者が存在するからです。
一般的な中古車販売店では、一般の方から買取した車を点検・整備した後に中古車として再販します。
しかし、度合いは異なるものの故障車と呼ばれるほどであれば整備をしても再販が難しい場合がほとんどです。
それでも業者によっては素材や部品に価値があるため、故障車でも売却できます。
故障車には車としての価値はなくても、素材や部品の再利用は可能なためです。
鉄やレアメタルなどの資源は、年々需要が高まっています。
車を扱う業者間でも車の素材や部品に関する競争は激化しているため、故障車だとしても場合によっては高額買取が可能です。
市場価値が高い素材や部品が使用されている場合、価値は上がります。
◯故障車を買取できる業者は?
ここからは、故障車を買取できる業者を具体的に紹介します。
ディーラー
ディーラーで故障車を手放す場合は、下取りと買取が可能です。
故障車で査定額が0円の場合、かえってお金がかかるため気をつけましょう。
廃車費用は車によって、数千円から8万円までかかります。
買取価格がつかないほど、故障している車であればディーラーに持ち込むのは不向きです。
中古車買取業者
故障車を中古車買取業者に持ち込むのは、故障度合いが小さい場合がおすすめです。
買取業者が修理できる範囲の故障であれば、問題なく買い取ってもらえます。
廃車買取業者
中古車買取業者で査定額がつかなった場合は、廃車買取業者に買取査定の依頼をしましょう。
廃車買取業者は、事故車や故障車を専門に扱っている場合があります。
そのような業者であれば、車のコンディションにかかわらず買取が可能です。
故障の度合いで買取業者を選択しよう
故障車は素材や部品に価値があるといっても、故障の度合いで買取価格が変化するので注意が必要です。
ここでは故障の度合いごとの買取に適切な業者を紹介します。
◯部品交換や軽度の修理で済む場合
部品交換や軽度の修理で済む場合は、中古車買取業者での買取が可能です。
オーディオやエアコンなどの直接走行に無関係な部品交換の場合は、査定額が多少下がる程度で済みます。
日本自動車査定協会(JAAI)によると、減額される金額は以下のとおりです。
- ・オーディオの故障:1万円
- ・カーナビの故障:3万円
- ・エアコンの故障:1〜4万円
直接走行に無関係な部品が欠損していても、大きな減額にはなりません。
部品交換をしてから持ち込むと、かえって交換にかかる費用が高額になる可能性があります。
よって、走行に無関係な箇所の異常であれば、交換や修理はせずにそのまま中古車買取業者に買い取ってもらいましょう。
◯損傷が激しい故障車
損傷が激しい故障車は、中古車買取業者やディーラーでは買取ってもらえない場合が多いです。
損傷が激しい故障車とは、以下の状態が当てはまります。
- ・エンジンがかからない
- ・水没車
- ・ボディに大きな凹みがある
水没については、ダッシュボードまで水没している場合には査定額がつかなくなります。
ボディの凹みは、表面部分までであれば問題ありません。
しかし、車の骨格にまでダメージがある場合は走行支障をきたすため損傷が激しいと判断されます。
中古車買取業者やディーラーが損傷が激しいと判断した場合でも、事故車を専門に扱っている業者なら買取が可能です。
業者に持ち込んで廃車を勧められたとしても、事故車を専門に扱う業者であれば買取を行う可能性があります。
故障箇所により買取価格が変動する
ここからは、さまざまな故障の例で買取価格がどのように変動するのかを紹介します。
具体的な対応方法についても紹介するので、ご参考ください。
◯タイヤのパンク
タイヤのパンクは、タイヤ交換のみで解決できます。
そのため、中古車買取業者に買取を依頼しましょう。
しかし、タイヤがパンクしている車を移動させるのは危険です。
他の箇所の損傷や重大な事故に繋がる恐れもあります。
手放したい車のタイヤがパンクしている場合には、出張買取を行っている買取業者へ依頼しましょう。
◯エアコン機能
エアコン機能の故障は、軽微な修理です。
部品交換するとしても、大事にはなりません。
エアコン機能に不調をきたしている故障車は、中古車買取業者に買取査定を依頼しましょう。
◯バッテリー上がり
バッテリー上がりは、充電または部品交換となります。
バッテリーが上がってしまった車を手放す場合には、中古車買取業者の買取査定に出しましょう。
しかし、本当にバッテリー上がりが原因で故障しているのかどうかを確認しておきます。
長期間動かしていない車であれば、配線の接触不良でエンジンがかからなかった可能性も高いです。
もし自身でわからない場合には、近隣の車整備工場やディーラーに相談しましょう。
車を動かすのが難しい場合には、出張買取を実施している中古車買取業者に相談しましょう。
◯その他パーツ交換、軽度な修理で対応できる箇所
オーディオやカーナビといった走行に直接関係のない箇所であれば、中古車買取業者での買取が可能です。
オーディオやカーナビに不調があっても、修理や交換はせずにそのまま買取査定に持ち込みましょう。
◯傷やへこみ
ボディについた傷やへこみは査定額に多少影響しますが、骨格パーツに達していなければ中古車買取業者へ買取を依頼しましょう。
骨格パーツに影響している場合は、事故車扱いとなるため廃車買取業者へ査定を依頼します。
傷に触れた時に爪が引っかからない程度の浅い傷であれば、査定額には影響しません。
また、傷やへこみがあっても、査定前に修理はしないでください。
修理にかかった費用が査定額に反映されないためです。
傷やへこみがある場合でも、そのまま中古車買取業者の査定に持ち込みましょう。
傷がある車の買取についてはこちら
◯廃車
バッテリー上がり以外でエンジンがかからない場合や走行に深く関わる箇所が壊れている場合は、不動車であることを伝えたうえで査定を依頼しましょう。
そして、査定額がつかなかったり極端に低い場合には事故車の買取を専門に扱う廃車買取業者へ買取を依頼します。
廃車を検討するほどの車であればレッカーで運ぶのが前提です。
査定額だけではなく、レッカー代も考慮して買取業者を選定します。
不動車の買取を行っている業者のなかには、レッカー代が無料の店舗もあります。
総合的に考えたうえで判断しましょう。
廃車買取りに必要な書類についてはこちら
故障車を少しでも高く売却するポイント3選!
ここでは、故障車を高く売却するポイントを3つに絞って紹介します。
◯故障車でも一度複数の買取業者へ査定を依頼する
買取査定で損をしないためにも、一括査定をおすすめします。
中古車の買取で一括査定を依頼する方は多いですが、故障車の場合も同様です。
一つの業者が提示する価格だけでは、相場がよくわかりません。
一括査定は目安ではあるものの、損をしないためには車の価値を相場で知ることは重要です。
ただし、損傷や故障の具合次第では思った通りの査定額にならないことは考慮しましょう。
◯修理をせずに買取へ出す
買取査定額を上げるために、故障車や事故車を修理するのはおすすめしません。
リスクがあるうえに、修理代と見合わない結果になる場合が多いからです。
故障車の部品交換または軽微な修理だとしても、買取査定額が上がる以上の利益は見込めません。
エンジンやフロントガラスなど、走行に関わる激しい損傷がある場合なら修理によって多額の費用がかかる場合があります。
また、骨格に修復歴のある事故車は価値を上げるための修理は不可能です。
事故車であることを隠した場合には告知義務違反となります。
骨格の修復歴は、業者が必ず確認する箇所です。
事故歴を隠して買取査定に出すと、大きなリスクを背負います。
事故車の修理は、絶対にやめましょう。
◯1日でもはやく買取に出す
動かさない車は、経年劣化します。
置いているだけで価値は下がるため、早めに買取に出すほうがお得です。
エンジンを動かしていない車は、エンジンオイルが固まります。
エンジンオイルは人間でいう血液の役割に近いため、動かしていない車が劣化し続けるのは必然です。
また、動かしていない車は置き場所の他に税金もかかります。
購入した時点から車の価値は下がって、一般的な車であれば10年経過すると時価は0円です。
時間が経過するごとに価値が下がることを考慮すると、1日でも早く買取に出すことをおすすめします。
故障車を売却する際の注意点
ここからは、故障車を売却する際の注意点を解説します。
◯買取査定に出す際、車両の状態は隠さない
買取査定に出す際には、車両の状態を隠してはいけません。
なぜなら、瑕疵担保責任に問われる恐れがあるためです。
故障箇所はもちろん、事故車であることを隠して売却すると買取契約の破棄以外にも損害賠償請求を起こされる場合があります。
思わぬトラブルを防ぐためには、曖昧な部分は正直に伝えることも大切です。
中古車で正確な情報がわからない場合には「中古車で購入したからわからない」と業者に伝えましょう。
◯出張査定やレッカー引取ができる業者へ依頼する
自走が不可能な故障車を無理に動かすのは、危険が伴います。
保有している車が動かない場合には、出張査定を行っている業者へ依頼しましょう。
廃車買取業者は、レッカー引取を無料で行っている場合も多いです。
手間やコストを考えると、出張査定やレッカー引取が無料の業者がお得になります。
◯還付金が含まれているか確認する
車を廃車にすると、自動車税と自動車重量税の還付が受けられます。
また、自賠責保険も中途解約であれば返金可能です。
もし廃車にする場合には、還付金の対応をする業者を選びましょう。
優良な業者であれば、いくらの還付金が返ってくるかなど説明をします。
しかし、悪質な業者であれば還付金を戻さない可能性も高いです。
還付金は、合計で数万円になることも珍しくありません。
廃車にする場合には、還付金の存在や査定額に含むのかどうかを確認しましょう。
このような不安を解消するためにも、あらかじめ廃車証明書を郵送してくれる業者を選ぶと安心です。
車を売却した際の税金についてはこちら
◯故障車をディーラーで売却するのはおすすめできない
故障車をディーラーで売却するのは、おすすめしません。
なぜなら、ディーラーだと査定額が0円になりやすいからです。
ディーラーは、新車から新古車までを扱っています。
下取りとして中古車や故障車を仕入れたとしても、高く売却できる販路を持っていません。
そのため、ディーラーに故障車を持ち込んだとしても価値がつきにくくなります。
まとめ
本記事では、故障車の買取について解説しました。
故障の度合いによっては、中古車買取業者で買い取ってもらえます。
中古車買取業者で査定額がつかない場合でも、廃車買取業者なら買取ってもらえる可能性が高いです。
動かない場合でも出張買取を依頼できますので、車の状態に合わせて利用してみましょう。