廃車手続きは、陸運局で手続きを行う必要があります。
しかし、どのように進めて良いのかわからない方が多いのではないでしょうか。
特に廃車の手続きが初めての方にとっては少し複雑と感じることも多いです。
この記事では陸運局での廃車手続きや、必要書類について詳しく解説します。
廃車予定の方や廃車を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
廃車手続きは陸運局で行おう!
廃車手続きを進めるにあたって、まずは手続きの場となる陸運局について知っておくことが重要です。
陸運局とは?
陸運局とは、正式には運輸支局の自動車検査登録事務所とよばれ、自動車の登録や検査、廃車などの手続きを行う行政機関です。
廃車手続きは、車両が登録されている地域の陸運局や、運輸支局で行う必要があります。
ナンバープレートに記載された地域名が管轄する陸運局に訪れ、手続きを行いましょう。
軽自動車は軽自動車検査協会で行う
軽自動車の場合、普通自動車と異なり軽自動車検査協会で手続きを行う必要があります。
軽自動車の廃車手続きの流れは、普通自動車と共通している部分が多いですが、間違えないように注意しましょう。
全国にある陸運局
日本全国には多くの陸運局と軽自動車検査協会が設置されており、それぞれの地域に応じた支局も設けられています。
それぞれの支局が地域の自動車登録や検査、廃車手続きを担当しています。
自分が居住している地域の陸運局や支局の詳細は、以下の各公式サイトで確認することが可能です。
全国運輸支局等のご案内はこちら
軽自動車検査協会 全国の事務所・支所一覧はこちら
陸運局で行える3つの廃車手続き
陸運局で行える廃車手続きは、以下の3つです。
陸運局で行える3つの廃車手続き
- ・一時抹消登録
・永久抹消登録
・輸出抹消仮登録
それぞれ詳しくみてきましょう。
一時抹消登録
一時抹消登録は、自動車の登録情報を一時的に抹消する手続きです。
この手続きは、車検証とナンバープレートを陸運局に返却することにより、自動車の登録を一時的に無効にします。
解体を伴わずに自動車を手元に残しておくことができるため、必要に応じて再登録すると再び走行が可能です。
一時抹消登録中は、自動車税や自賠責保険の支払い義務がないため、車の維持費を抑えることができます。
永久抹消登録
永久抹消登録は、自動車の登録情報を永久に抹消する手続きです。
この手続きは、自動車が事故や故障で使用不能になった場合や、運転を永久にしない場合に行われます。
一時抹消登録とは異なり自動車は解体されてしまうため、再登録することはできません。
これは高齢者の免許返納や事故車の処分など、自動車が完全に不要になった状況で行われる手続きになります。
輸出抹消仮登録
輸出抹消仮登録は、自動車を海外に輸出する際に必要な手続きです。
この登録を通じて、自動車は日本国内の登録から抹消され、海外で走行ができます。
海外転勤や中古車の海外販売など、自動車を国外に持ち出す際に必要です。
輸出抹消仮登録証明書は輸出時の通関手続きに必要なため、紛失しないように注意しましょう。
陸運局で廃車を行う際の流れ
陸運局で廃車を行う際は、以下の手順と流れで行いましょう。
陸運局で廃車を行う際の流れ
- ①名義の確認をする
②必要書類を揃える
③ナンバープレートを返却機または窓口で返却する
④書類を提出する
⑤自動車税の還付手続きを行う
それぞれの手続きについて詳しく解説します。
名義の確認をする
廃車手続きを始める前に、まずは自動車の名義を車検証や運輸支局などで確認することが重要です。
廃車は、基本的にその車の名義人が手続きを行わなければなりません。
特に、ローンで車を購入している場合は、完済しておく必要があります。
名義変更が必要な場合は、廃車手続き前に名義変更を行いましょう。
これにより、手続き中のトラブルを避け、スムーズに廃車を進めることができます。
必要書類を揃える
名義の確認ができれば、廃車に必要な書類を揃えましょう。
廃車に必要な書類は、普通自動車と軽自動車で異なります。
ここでは、それぞれの必要書類について解説していきます。
普通自動車の場合
普通自動車の場合は、以下の書類が必要です。
普通自動車の場合
- ・永久抹消または一時抹消の申請書(運輸支局で取得またはダウンロードで取得可能)
・手数料納付書(運輸支局で取得またはダウンロードで取得可能)
・車検証
・車の所有者の印鑑登録証明書(3カ月以内に発行されたものに限る)
・自動車税申告書(運輸支局で取得またはダウンロードで取得可能)
・ナンバープレート×2枚
・移動報告番号と解体報告記録日が記載された書類(永久抹消の場合のみ)
永久抹消または一時抹消の申請書と手数料納付書、自動車税申告書は運輸支局もしくはダウンロードで取得可能ですが、その他の書類は自分で揃える必要があります。
軽自動車の場合
軽自動車の場合は、以下のとおりです。
- ・車検証
・ナンバープレート×2枚
・軽自動車税申告書(不要な地域もある)
・自動車検査証返納届出書(永久抹消の場合)
・解体届出書(永久抹消の場合)
・使用済自動車引取証明書(永久抹消の場合)
・自動車検査証返納証明書交付申請書
これらの書類を揃えた後、現住所を管轄する軽自動車検査協会で手続きを行いましょう。
ナンバープレートを返却機または窓口で返却する
書類がそろえば、陸運局または軽自動車検査協会でナンバープレートを返却しましょう。
ほとんどの陸運局や軽自動車検査協会には「ナンバー返納機」が設置されています。
この機会にナンバープレートを入れることで自動的に処理が行われます。
自動車登録番号が記載された「返納済みシール」が発行されるので、手数料納付書の指定された欄に貼り付けてください。
また、陸運局によっては手数料納付書に直接スタンプを押すことで返納手続きができる場合もあります。
もし、住所の移転やその他の理由で手数料が発生する場合、必要な印紙を購入し手数料納付書に貼り付けましょう。
書類を提出する
書類に必要事項を全て記入したあとは、陸運局の窓口に提出します。
提出する際は、記入漏れや誤記入がないか再度確認しましょう。
書類に不備がなければ、抹消登録の手続きは完了となります。
また、永久抹消登録を行う場合、車両が廃車になったことを証明する「登録事項等証明書」が必要です。
この証明書は、自賠責保険の解約手続きなどに必要なため、保険がまだ残っている場合は申請しましょう。
一方、一時抹消登録を行った場合は、廃車証明書をその場で受け取ることができます。
この証明書は、将来的に再び車を使用する際に必要となるので、大切に保管しておきましょう。
自動車税の還付手続きを行う
廃車手続きが完了した後、運局敷地内にある自動車税事務所で自動車税の還付手続きを行います。
ここで、「自動車税・自動車取得税申告書」を入手し、必要事項を記入した後に窓口へ提出してください。
手続きが完了すると、自動車税の課税が停止され、翌月から年度末までの自動車税が月割りで還付されます。
また、翌年度からは自動車税の納付書が送られてくることはありません。
廃車手続きを自分で行うのはデメリットが大きい理由とは?
ここまで解説したように、廃車手続きは陸運局や軽自動車検査協会で自分で行えます。
しかし、手続きには多くの時間や労力が必要となり、デメリットも多いです。
ここでは、自分で廃車手続きを行う際のメリット・デメリットを解説していきます。
廃車手続きを自分で行うメリット
自分で廃車手続きを行う最大のメリットは、費用を抑えることができる点です。
直接陸運局に行って手続きを行えば、代行業者に支払う手数料を節約できます。
また、スクラップにする場合でも良い解体業者を見つければ、鉄くず代として少しの金額でも回収できる可能性もあります。
廃車手続きを自分で行うデメリット
自分で廃車手続きを行うデメリットは、手続きが非常に複雑で、多くの書類を扱う必要がある点が挙げられます。
また、ほとんどの陸運局が各都道府県に1か所しかないため、アクセスが悪いことが多く、遠方からだと相当な時間と労力を要します。
さらに、陸運局の営業時間は平日の9時から16時までと限られており、平日に働いてる人にとっては有給などで休暇をとる必要もあるでしょう。
書類に不備があった場合、再度訪れる必要があるため、時間と労力の負担がさらにかかってしまいます。
廃車手続きを自分で行えない場合は?
自分で廃車手続きを行うことが難しい場合、廃車専門業者や中古車買取店、行政書士に依頼する方法があります。
ここでは、それぞれの方法について詳しく解説します。
廃車専門業者
廃車専門業者は、廃車の手続き全体をサポートしてくれる業者です。
車の引き取りから解体、書類の提出まで全て対応してくれます。
廃車専門業者は、自動車のパーツを個別に分解し、鉄や他の金属資源として販売することで収益を上げている業者です。
そのため、動かなくなった車や状態が悪い車でも引き取ってくれることが多く、場合によっては無料で行ってくれる業者もあります。
中古車買取店
中古車買取店は、買い取った中古車の再整備をして再販売することを目的としている業者です。
そのため、価値がないと思われる車でも、買取してもらえる可能性があります。
ただし、大きく損傷している車や自走できない車は、再販売が不可能な場合が多く、代行費用が発生することもあります。
行政書士
行政書士は、行政手続きに特化した専門家であり、書類作成や行政機関への提出代行を行う業者です。
一時抹消登録や簡単な名義変更など、解体を伴わない手続きで依頼することができます。
ただし、行政書士に依頼する場合は費用がかかります。
また、車の解体作業や永久抹消登録のように物理的な処理が必要な手続きについては、行政書士の業務範囲外です。
そのため、これらの作業は他の専門業者に依頼する必要があります。
廃車にする際の最終チェック項目
廃車手続きを進める前には、以下の4つの項目をチェックしてください。
廃車にする際の最終チェック項目
- ・買取できる可能性がないか確認
・残債がないかを確認
・車の所有者について確認
・永久抹消登録の場合にはまずは解体から
・廃車手続きをしても問題ないか再度考える
これらの項目をチェックすることで、トラブルを避けてスムーズに手続きが行えます。
それぞれ詳しくみていきましょう。
買取できる可能性がないか確認
廃車にする前に、車が市場で買取価値を持つ可能性があるかどうかを確認してください。
買取業者による査定を受けることで、予想外の査定額がつくこともあります。
買取が可能であれば、廃車の手続きを進める代わりに、車を売却して利益を得ることができるかもしれません。
また、車の乗り換えを検討するときにおすすめなのは一括査定を利用することです。
CTN一括査定では利用者の登録情報をもとに3社を厳選してご連絡しますので、電話ラッシュで時間や手間を取られることがありません。
またCTN一括査定の大きなポイントは、軽自動車やSUV、輸入車などの専門買取業者などでも比較できることです。
そのうえ車販売店のみならず解体業者や貿易会社とも連携しているため、大掛かりな修理が必要な車などにも対応が可能です。
「きっと値がつかないだろう」と諦めている方もCTN一括査定なら、愛車にぴったりの買取業者を見つけられるかもしれません。
車を高く売りたいと思っている方は、CTN一括査定をぜひご利用ください。
残債がないかを確認
車に関するローンの残債がないかを確認してください。
ローンが残っている場合、車の所有者はローンを提供している信販会社やディーラー中古車販売業者になり、自由に廃車手続きを行うことはできません。
ローンを完済することで、手続きを進めることが可能になります。
車の所有者について確認
廃車手続きは車の登録されている所有者だけが行うことができます。
車の名義が現在の使用者と異なる場合、廃車手続きを進める前に名義変更を完了させる必要があります。
所有者が誰であるかを明確にし、必要な場合は名義変更の手続きを行ってください。
永久抹消登録の場合にはまずは解体から
永久抹消登録を行う場合、車両の解体を行う必要があります。
廃車手続きを進める前に、解体業者を選び、車を解体する手配をしてください。
解体された車の部品はリサイクルされ、再利用されます。
廃車手続きをしても問題ないか再度考える
廃車手続きを行う前は、本当にその車を手放しても問題がないかを再考してください。
家族など共用者がいる場合は、相談してから、共有財産を廃車にすることについての合意を得ましょう。
また、代替となる交通手段の確保など、廃車後の生活の計画も立てておくことが大切です。
まとめ
この記事では、陸運局で廃車手続きを行う際に必要な書類や流れについて解説しました。
廃車手続きは陸運局や軽自動車検査協会で自分で手続きが可能です。
しかし、手続きには多くの書類と時間が必要なため、初めて手続きを行う方や手続きに不慣れな方にとっては、非常に面倒に感じるかもしれません。
そのような場合は、専門業者に依頼することをお勧めします。
専門業者に依頼することで、手間を省き、手続きのミスを防ぐことができます。
また、業者によっては迅速な対応をしてくれるため、手続きが早く終わることも可能です。
自分で行う場合は事前の準備と確認が重要ですが、不安がある場合は専門の業者に相談してみましょう。