軽トラの廃車買取で悩んでいる場合、乗用車の廃車買取とは異なる点がいくつかあるため、注意が必要です。
そこで今回は、軽トラの廃車買取方法や注意点などをご紹介いたします。
軽トラの廃車買取でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
軽トラとは
軽トラとは軽トラックの略称で、名前の通り小型のトラックです。
軽トラは軽自動車に分類され、普通自動車免許で運転することができます。
2021年時点で500万台近くの台数が保有されており、特に運送業や農林業で人気を集めています。
軽トラの定義
軽トラとは運搬を目的として作られた軽貨物車です。
道路運送車両法で定められている軽トラの構造は、以下の通りです。
大きさ | ・長さ:3.4m以下 ・高さ:2.0m以下 ・幅 :1.48m以下 |
車輪数 | 3輪以上 |
エンジンの総排気量 | 660cc以下 |
乗員定数 | 2人以下 |
軽自動車の排気量は660ccまでですが、軽トラは最大の660ccに設定されているのが一般的です。
また、荷台の寸法は、以下の通りです。
長さ | 1,410mm |
高さ | 2,030mm |
幅 | 1,940mm |
フロア幅 | 285~290mm |
このように、軽トラはシンプルな作りをしています。
私用と商用の違いは?
軽トラは私用として使用している方も多い一方で、商用としても多く利用されています。
私用と商用を見分ける方法は、ナンバープレートです。
私用は限定品でない限り黄色のナンバープレート、商用は黒色のナンバープレートをつけています。
ナンバープレートの色が違う理由は、商用の軽トラは貨物軽自動車運送事業登録をしているためです。
貨物軽自動車運送事業登録は宅配便など、車を利用して他人に有償で荷物を運ぶときに使用します。
畑から自宅に野菜などを運ぶなどの無償で使用する場合には、貨物軽自動車運送事業登録は必要ありません。
また、見た目ではわかりませんが、私用と商用では軽自動車税も異なります。
平成27年4日1日に税制改正されてから、商用として新規登録された軽トラは年間6,900円、私用の軽トラは年間10,800円です。
軽トラの廃車買取金額が高い理由
軽トラは廃車買取金額が高いことで知られています。
軽トラの廃車買取金額が高い理由は、以下のとおりです。
- ・海外需要が高いから
・パーツとして販売できるから
・中古車市場での需要が高いから
それぞれの理由について解説いたします。
海外需要が高いから
軽自動車は一般的に日本独自の企画であることから、ほとんど海外へ流通していません。
しかし、そんななかで軽トラは、以下の理由から海外で高く評価されています。
- ・故障が少ない
・性能が高い
・コンパクトなサイズにもかかわらず、エンジンのパワーが大きい
・エンジンが静か
海外では、軽トラは主に商用車、カスタムベース、狩猟、工場内での作業車として使用されています。
軽トラは商用車として使われることが多いため、年式が古かったり、中古車であったりしても、気にしない方が多い傾向にあります。
そのため、日本では購入から10年、走行距離が10万キロを超えたら廃車にする方が多いですが、そのような車でも海外では需要が高いのです。
また、故障が少ないため、商用車としての使い勝手がいいという点で人気です。
さらに、軽トラはコンパクトなサイズでありながら、性能が高く、エンジンのパワーが大きいため、カスタムベースとしても人気があります。
エンジンのパワーが強力でありながら、静かな点も海外で人気のポイントです。
狩猟をする際に、エンジン音が大きいと逃げられてしまいますが、軽トラのような静かなエンジンであれば、近くまで行って獲物を捕まえることができます。
工場内での使い勝手の良さも、海外で人気の理由の1つです。
小回りが効く上に、荷物をたくさん乗せられ、足回りがダンプカーなどの設定もあるため、工場内での作業車に最適なのです。
海外への輸出ルートを持っている廃車買取業者は、査定額が高額になるかもしれません。
パーツとして販売できるから
海外への輸出が難しい場合でも、軽トラの使える部品の再販売が可能です。
また、部品の再販売としては利用できない箇所でも、鉄スクラップにしてリサイクルしています。
鉄スクラップは取引してお金に変換可能です。
たとえ不動車であっても、このように再利用できるため高額買取ができます。
中古車市場での需要が高いから
軽トラの中古車価格は、普通車よりも高額なのが一般的です。
軽トラは農業など仕事で長年使用するケースが多いため、供給が少ない傾向にあります。
市場に出回る台数は少なく、需要と供給の関係で軽トラの中古車相場が高くなっているのです。
また、軽トラは荷物の運搬や商用などに使うことが多く、乗用車と違って見た目を気にしない方が多い傾向にあります。
軽トラは状態が悪くとも、走れば問題ないと考えられることが多く、中古車としての需要が高いのでしょう。
高く買取されやすい軽トラック
高値で買取されやすい軽トラですが、なかでも以下の3車種は高額で買取されやすい傾向にあります。
- ・スバル サンバートラック
・スズキ キャリイトラック
・ダイハツ ハイゼットトラック
上記は日本を代表する軽トラと言われています。
それぞれの軽トラの特徴について解説いたします。
スバル サンバートラック
スバルのサンバートラックの買取相場は、1万2,000円〜93万5,000円です。
スバルのサンバートラックは1961年から販売されており、2023年現在は生産終了しています。
しかし、生産終了した現在でも、根強い人気を集めています。
人気の理由は、以下のとおりです。
- ・エンジンが後ろに搭載されていることによる安定感のある走り
・エンジンがキャビンからの遠さによる静粛性の高さ
・サスペンションが衝撃を吸収することによる積荷の痛み防止
サンバートラックは、6代目モデルが一番人気を集めています。
エンジンが後ろに搭載されているため、荷物を積んでいる場合にはもちろん、荷物を乗せていない状態でも安定感のある走りが可能です。
また、エンジンがキャビンから遠いため静かで、サスペンションは地面の凹凸を吸収してくれるため、積んでいる荷物が傷むのを予防してくれます。
スズキ キャリイトラック
スズキのキャリイトラックの買取相場は、2万5,000円〜91万7,000円です。
人気の理由は、以下のとおりです。
- ・荷台の装備の充実
・荷台の低さ
・シートスライドの幅が広い
・衝突のダメージを軽減するフレーム
スズキのキャリイトラックの魅力は、荷台の装備の充実さです。
また、荷台が低いので作業がしやすくなっています。
シートライドの幅が140mm、広々とした空間を利用して運転できるのもメリットです。
キャビン全体を守るような左右を縦に前から後ろまで走る2本のフレームが衝突の際にダメージを軽減させてくれるでしょう。
ダイハツ ハイゼットトラック
ダイハツのハイゼットトラックの買取相場は、8,000円〜108万円といわれています。
人気の理由は、以下のとおりです。
- ・サビに強い
・耐久性が高い
・予防安全性能を初採用
ダイハツのハイゼットトラックは1960年に誕生し、トラック販売台数で最も売れている車種です。
1ヶ月に平均1万台以上も売れているといわれています。
ハイゼットトラックの特徴は、サビに強く、耐久性が高いことです。
また、軽トラックで初めて予防安全性能を初採用しました。
軽トラの廃車買取で少しでも高く売るための4つのポイント
軽トラの廃車買取で少しでも高く売るためのポイントは、以下のとおりです。
- ・正確な車両情報を伝える
・複数の業者に見積もりを依頼する
・早めに売却する
・外装のメンテナンスを行う
それぞれのポイントを解説いたします。
正確な車両情報を伝える
廃車の査定は、実車の査定が行われず、電話やネットでの情報を頼りにするケースもあります。
そのため、車両の情報を正確に伝えることが大切です。
車両情報は車検証に記載されているため、車検証を用意して話すと良いでしょう。
一方、車検証がなく、車両の正確な情報が分からない場合に、虚偽の情報を伝えると買取を断られることもあるため、ご注意ください。
複数の業者に見積もりを依頼する
廃車買取業者に限らず、中古車買取業者であっても1社のみに見積もり依頼するのではなく、複数の業者に見積もりを依頼しましょう。
1社のみに見積もりを依頼しても相場がわからず、適切な値段であるか判断できません。
また、他者の値段を引き合いに出し、価格交渉することもできます。
早めに売却する
廃車を行うと決めたら、軽トラに限らず、早めに売却するのがおすすめです。
車は時間と共に劣化していくものです。
たとえ使っていない状態であったとしても、劣化は進んでいきます。
その分買取金額も下がってしまうでしょう。
もし車を使っていないのであれば、すみやかに売却するのが良いでしょう。
外装のメンテナンスを行う
外装のメンテナンスを行っておくのも大切です。
査定の前には洗車をしておくのがおすすめです。
外装がきれいにメンテナンスされていると、査定員の印象が良くなるでしょう。
また、外装だけでなくダッシュボードやシートもきちんと確認し、掃除機をかけて落とせる汚れは取り除いておいてください。
軽トラを廃車買取するときの注意点
軽トラを廃車買取するときの注意点は、以下のとおりです。
- ・普通自動車とは出頭先が違う
・廃車のタイミングによって税金が発生することがある
・自動車税の還付金がない
それぞれの注意点について解説いたします。
普通自動車とは出頭先が違う
軽自動車は、廃車手続きを行う場所が普通自動車とは異なります。
普通自動車は運輸支局で廃車手続きを行いますが、軽自動車の場合は軽自動車検査協会です。
必要書類を集めて窓口で提出することで、廃車手続きを進められます。
廃車のタイミングによって税金が発生することがある
軽トラを廃車にするには、タイミングによって税金がかかることがあります。
軽トラは普通車と違い、還付金はありません。
自動車税は1年分を4月に支払うものですが、もし4月に廃車手続きを行うと、1年分の税金を損してしまいます。
廃車は4月1日までに行い、それ以降に廃車するなら年度末にするのがおすすめです。
自動車税の還付金がない
軽トラを含む軽自動車は、普通自動車と違い、自動車税の還付金がありません。
普通自動車であれば、年間の払いすぎた分の換金を受け取れますが、軽自動車は年税であるため、途中で解約しても還付金は受け取れないためご注意ください。
ただし、自動車重量税、自賠責保険、任意保険は還付金があります。
車検の残っている期間分の自動車重量税相当額の還付を受けることが可能です。
自賠責保険と任意保険については、車検の有効期限があり、保険の残存期間が2カ月以上あるときに解約申請を行えば、保険料を使用していない分の還付金が受け取れます。
まとめ
軽トラの廃車買取金額は高い傾向にあり、普通自動車と同じ基準で廃車にすると損をしてしまうかもしれません。
軽トラの廃車買取金額が高い理由は、海外需要の高さ、パーツとして再販売が可能であること、中古車市場での需要の高さが挙げられます。
なかでも、スバルのサンバートラック、スズキのキャリイトラック、ダイハツのハイゼットトラックは日本を代表する軽トラと言われており、高値がつきやすいと考えられます。
軽トラを廃車買取する場合は、普通自動車とは異なり、軽自動車検査協会で廃車手続きを済ませること、廃車のタイミングによっては税金が発生すること、自動車税の還付金がないことに注意して行いましょう。