愛車の買取を行う際に「価格がつかない」と言われた経験はありませんか?
実は廃車にしかならないような車でも鉄くずにすれば、資源として高く売れる場合があります。
この記事では、廃車となった車を鉄くずにするお得な方法を3つ紹介します。
最後まで読んで、価値がない車をお得に買い取ってもらう参考になれば幸いです。
鉄くずとは
車の鉄くずとは、自動車を解体しリサイクルや再使用できる部品、利用できないものに分けることです。
自動車を解体できる設備を所持する専門の業者が、再使用できる部品はそのまま再使用へ、再使用できない部品はプレスにより鉄のかたまりへ、そして利用できないものはリサイクル法に基づき処分されます。
つまり自動車リサイクル作業のことを言います。
しかし、誰でもできるというわけではなく、この後紹介する廃車が必要です。
車の鉄くずと廃車の違いとは
では、車の鉄くずと廃車の違いは、どういったところなのでしょうか。
廃車とは、自動車を処分する際に必要な事務手続きのことです。
管轄の運輸支局にて事務手続きを行えば、自動車を使用不可にできます。
使用不可になることで登録解除された自動車は、公共の道路を走れなくなります。
そして、廃車手続きには、一時的な抹消登録と永久的な抹消登録の2つがあります。
簡単に説明すると、一時的な抹消登録は一時的に車を使用できなくする手続きで、永久的な抹消登録は解体後に車を永久的に使用できなくする手続きです。
つまり、車の鉄くずとは自動車の解体や分別、処理を行うことで、廃車とは車を一時的もしくは永久的に使用不可にする事務手続きのことを言います。
そして、車を廃車と鉄くずにしようとすると、まず一時抹消登録の必要があり、その後鉄くずにし、そして最後に永久抹消登録の事務手続きまでが必要です。
廃車になる車でも鉄くずで買取できる!
通常、一般的な車は中古車として売却できますが、廃車となるような車でもなぜ鉄くずで買取可能なのでしょうか。
また、その鉄くずはどのように役立てられるのでしょうか。
鉄くずになった車は、以下の2つの活用方法があります。
リサイクルして資源として活用
鉄くずはリサイクルして資源として活用できます。
通常、鉄くずは一度電気炉製鋼法(電炉)で溶かされ、新たな鉄製品として生まれ変わります。
そして、生まれ変わった鉄くずは鉄道や建設現場で再利用され役立てられるのです。
また、鉄くずは原料として海外に輸出されています。
日本の鉄くずは、世界でも最高品質の原料供給源として注目を受けており、それだけ鉄くずが高い価値を持っていることを示しています。
中古部品や中古車として再販
車を鉄くずにするといっても、すべて原料になるわけではありません。
車によっては中古部品として再使用できるものもたくさんあります。
たとえば、ボディにへこみや傷がたくさんあっても、室内のスピーカーやカーナビ、タイヤといった部品がまだまだ使用できることはよくあることです。
そういった使用できる部品を買い取ってくれる業者が、部品ごとに値段を査定してくれるため、高値で売れる場合もあります。
また、中古車として海外へ売り出される場合もあります。
業者によっては海外に再販できるところもあり、日本では需要がない車であっても海外では需要があり売れる車もあるのです。
特にアジアやアフリカといった地域では、需要が高い傾向にあり、高値で売買されています。
そういった海外への販路を持っている業者へ売却できたら、高値で買取ってもらえる可能性も高くなります。
車を鉄くずにする3つの方法と注意点
車を鉄くずにする方法は次の3つから選べます。
- ・ディーラー
・廃車買取業者
・スクラップ工場
それぞれの特徴や注意点を紹介します。
ディーラー
ディーラーと聞くと、車の購入や下取りを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、車の鉄くず処理も引き受けてくれます。
さらに、面倒な手続きや車の引き取りも行ってくれるため、手間もほとんどありません。
ディーラーで鉄くず処理のお願いを行う際は、新しい車を買う予定があれば無料で引き取ってくれるところがほとんどです。
しかし、それ以外は費用がかかってしまいます。
そして、その費用は、およそ1〜8万円掛かると言われています。
その内訳は以下のとおりです。
- ・手続き代行費:1〜3万円
・レッカー代:0〜5万円(距離によって変わります)
・解体費:0〜3万円
上記のとおり、ディーラーはめんどうな手続きは必要なく、手間もほとんどかかりませんが、その分費用がかさむ場合があるため、結果的に損してしまう可能性があります。
廃車買取業者
廃車買取業者はその名前のとおり、廃車専門のプロであり、鉄くず処理も引き受けてくれます。
さらに、高い確率で買取をしてくれるため、実際にお金をもらえる可能性も高くなります。また、ディーラーと同じように手続きや引き取りをスムーズに行ってくれるため、手間がほとんどかかりません。
そして、この業者がほかと異なるポイントは、手数料が一切かからないことです。
廃車買取業者は、動かない車でも部品や鉄を再販売できるため、一般の人には価値がないと思える車でも、業者にとっては価値がある場合があります。
そのため、引き取りが0円でも、業者にとっては魅力的な取引となります。
簡単に言えば、手数料が不要で、手続きも簡単、さらには0円以上での買取が期待できる点が大きなメリットと言えます。
スクラップ工場
スクラップ工場は解体のプロと言えるところで、もちろん鉄くず処理も可能です。
ただし、直接工場に持ち込み依頼するのは手間が掛かるというデメリットがあります。
これは、スクラップ工場はあくまで車を鉄くずに変える場所であり、手続きに関しては自分で行わなければならないからです。
具体的な手続きの流れは以下の通りです。
- 1.鉄くず処理可能な工場に問い合わせる
2.運輸支局で一時的な抹消登録を行う
3.工場で鉄くず処理を実施する
4.運輸支局で永久的な抹消登録を行う
以上のような流れとなります。
また、損する場合があるところもデメリットになります。
なぜなら、資源としての料金よりも手続きや解体費などの料金の方が高くなる可能性があるからです。
掛かる費用は、手続き費(交通費除く)やレッカー代、解体費などを含めると、およそ1〜5万円は掛かると思っておきましょう。
さらに、依頼する際は次の3つの注意点があります。
1つ目の注意点が、移動手段の確保が必要というところです。
工場に車を引き取ってもらった後、その場での移動手段がないため、引き取り後の移動手段を確保する必要があります。
協力してくれる家族や友人に頼んで、移動手段を確実にしておきましょう。
2つ目の注意点が、個人からの依頼を受け付けている業者は限られることです。
基本的にスクラップ工場は業者からの解体依頼に応じて処理を行います。
そのため、個人が直接依頼する場合、トラブルを避けるためにも受け付けてくれる工場が限られる可能性がある点に注意しましょう。
3つ目の注意点が、税金の返戻金を受け取るには、永久的な抹消登録が必要なところです。車を廃車にすると還付金がありますが、還付金を受け取るためには、永久抹消登録が必要であり、全ての手続きが終了しないと受け取ることができません。
手続きには時間がかかる上、忘れると還付金がもらえなくなる可能性があるため、注意が必要です。
おすすめは廃車買取業者
上記3つの方法の諸費用や買取金額などを比べてみると以下の表のようになります。
ディーラー | 廃車買取業者 | スクラップ工場 | |
買取金額 | 0円 | 0~3万円 | 0~1万円 |
費用 | 1~8万円 | 0円 | 0~3万円
そのほか運輸支局までの交通費 |
日数 | 1日 | 1日 | 1~3週間 |
手続きの有無 | すべて行ってくれる | すべて行ってくれる | すべて自分で行う必要がある |
上記の表のとおり、鉄くず処理は廃車買取業者にお願いするのがおすすめです。
費用は無料で、面倒な手続きをする必要もありません。
さらに、買取金額は必ず0円以上となるため損はしないと言えます。
車を鉄くずにする必要があるときはどんな状態?
車を鉄くずにする場合、廃車買取業者が1番おすすめできますが、まだまだ走れる車を買取業者に依頼すると損をしてしまう場合もあります。
そこで、ここでは車を鉄くずにする必要があるときはどんな状態なのかを紹介します。
ディーラーで価格がつかなかったとき
ディーラーで車を売ろうとしたとき、価格がつかないと言われた方も多いと思います。
ディーラーはあくまで動く車をきれいにして再販したいと考えているため、年式が古かったり状態が悪すぎたりする車は値段がつかない場合がほとんどです。
そのため、ディーラーで値段がつかないと言われたら、車を鉄くずにしてお得にするようにしましょう。
事故により全損になったとき
事故により車が全損になったときも鉄くずにするのがおすすめです。
当たり前ですが、車が全損になると車としての価値はありません。
そのまま廃車にして0円にするくらいなら、鉄くずにして少しでもお得にするのが良いでしょう。
まったく動かしていない車を処分するとき
まったく動かしていない車を処分するときも、鉄くずにするのがおすすめです。
修理してディーラーへ持っていくと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、そうすると返って損してしまいます。
車検が切れていて、合わせてエンジンが掛からないといった車は、鉄くずするようにしましょう。
反対に車検も残っていてエンジンも掛かる車であれば、売れる可能性があるため、1度ディーラーで査定してもらうのが良いでしょう。
車を鉄くずにしたとき3つの返戻金がある
車を鉄くずにした際のリサイクルや資源代としての料金以外にも、3つの払戻金があります。
損しないためにも確認しておきましょう。
1.自動車税
自動車税は、車を所持している方が払う必要のある税金の1つです。
毎年5月に翌年3月までの料金を支払う必要があり、支払う金額は自動車の種類や排気量によって変わってきます。
※詳しくは国土交通省にて確認できます。
もし、車を処分するといった抹消手続きになった場合、残った月の分だけ払戻金を受け取ることが可能です。
事例を下記にまとめてみました。
- 【乗用車の排気量1.5リットル超~2リットル以下だった場合】
1年に支払うべき金額が3万9500円
1ヶ月に換算すると、3万9500円÷12ヶ月=約3291円12月に車を処分するとなった場合、残った3ヶ月分が戻って来る
3291円×3ヶ月分=9873円9873円が返って来るということです。
ただし、自動車税の払戻金は普通車だけです。
軽自動車には払戻金の制度はありませんので注意しておきましょう。
2.自動車重量税
自動車重量税は、新車購入時や車検のときに支払うべき税金で、自動車税と異なり2年分支払っています。
したがって、登録抹消手続きをした場合、次の車検までの残りの月の数だけ払戻金を受け取ることが可能です。
なお、支払う金額は車両重量、エコカーであるか、そして初年度登録から13年以上もしくは18年以上経っているかによって異なってきます。
※詳しくは国土交通省にて確認できます。
こちらも事例を下記にまとめてみました。
- 【初年度登録から12年以下、車両重量が1〜1.5トン以下の場合】
2年で支払うべき金額が2万4600円
1ヶ月に換算すると、2万4600円÷24ヶ月=1025円車検から1年で処分となった場合、残った1年分が返って来る
1025円×12ヶ月分=1万2300円1万2300円が返って来るということです。
- 【初年度登録から13年以上、車両重量が1〜1.5トン以下の場合】
2年で支払うべき金額が3万4200円
1ヶ月に換算すると、2万4600円÷24ヶ月=1425円車検から1年で処分となった場合、残った1年分が返ってくる
1425円円×12ヶ月分=1万7100円1万7100円が返ってくるということです。
3.自賠責保険
自賠責保険も新車購入時や車検のときに支払うべき税金で、2年分支払います。
自動車重量税と同じで、登録抹消手続きをした場合、次の車検までの残りの月の数だけ払戻金を受け取ることが可能です。
なお、支払う金額は普通車か軽自動車などによって異なってきます。
ご自分の自賠責保険料を確認したい場合は、自賠責保険証明書を見れば確認できます。
計算式は自動車重量税と同じで、『1ヶ月あたりの金額×残自賠責月数』により計算可能です。
車は買取と鉄くずのどちらがお得?
価格のつかない車は鉄くずにするとお得になることは先述したとおりですが、一般的な車の買取と比べるとどちらがお得になるのでしょうか。
ここからは一般的な車の買取と鉄くずにするのは、どちらがお得なのかについて紹介します。
車が動く状態なら買取がお得
まず、結論からお伝えすると、車が動く状態なら一般的な買取がお得です。
理由は、鉄くずにすることは車に価格がつかない場合の最終手段であり、業者によっては買い取ってくれることもあるからです。
また、車自体は買い取ってくれなくても、部品ごとに買取してくれる場合もあり、鉄くずにして買取ってもらうよりも高値になる可能性もあります。
たとえ動かなくなった車や年式が古い車でも売れる場合があるため、まずは相談してみることをおすすめします。
買取不可な場合は鉄くずでの買取
買取業者に車の価格がつかないと言われた場合は、鉄くずでの買取を検討しましょう。
鉄くずは資源としても価値があり、最低でも0円〜3万円程度で買取ってくれる可能性があります。
なるべく負担を減らすためにも、先ほど紹介した廃車買取業者への依頼をおすすめします。
鉄くずの価格は鉄の市場価値や地域によって変わる
鉄の価格は一定ではなく、市場価値や業者によって増減するのを知っていますか。
実は、鉄の値段はそのときの市場価値や形状や性質、重さなどを考慮して決まります。
そのため、一概に価格を決めることはできず、鉄くずの価格はいつも同じとも言えません。また、地域によっても相場が変わるため、鉄の価格相場を確認しておくことをおすすめします。
鉄の価格相場は、日本鉄リサイクル工業会にて確認可能です。
過去数年の価格推移も確認できるため、一度目を通しておくと良いでしょう。
まとめ
今回は、廃車する車をお得に鉄くずにする3つの方法や買取価格などを紹介しました。
車の価値がないと言われても、どうにかお得に買取したいと思うものです。
鉄くずは資源として価値があるため、お得に買取できます。
紹介したように、車を鉄くずとして依頼できるところは、ディーラー、廃車買取業者、スクラップ工場の3つあります。
その中でも廃車買取業者への依頼がおすすめです。
費用や手続きなどもかからないため、負担がなく1番お得に買取できます。
無料査定してもらうことも可能なため、まずは気軽に相談してみましょう。