近年、世界的な経済の変動や半導体不足が、中古車市場に大きな影響を与えています。
このような状況が中古車の価格動向にどのように作用しているのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、中古車買取価格の状況と今後の市場予想について解説します。
中古車を購入予定の方や車を売却予定の方は、ぜひ参考にしてください。
中古車買取価格が高い理由
中古車価格が高騰していることに伴い、中古車買取価格も高くなっています。
この状況の背後には複数の要因が絡んでおり、中古車市場に影響を及ぼしているのです。
ここでは、中古車買取価格が高い理由についてみていきましょう。
中古車買取価格が高い理由は、以下のとおりです。
中古車買取価格が高い理由
- ・新車納期が遅れている
・新車価格の高騰
・国内自動車メーカーによる不正発覚
・エネルギー価格の高騰
・世界中の車の需要の増加
・海外への輸出の増加
それぞれ詳しく解説します。
新車納期が遅れている
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、海外の工場の稼働停止が相次ぎ、新車の生産に遅れが生じました。
その結果、新車よりも納車の早い中古車の人気が高くなっている状況です。
また、コロナ禍によってリモートワークが急速に普及したことで、半導体の供給が追いついかず、あらゆる業界で半導体不足に陥っていることも要因に挙げられます。
リモートワークに必要なPCやタブレット、また巣ごもり需要により、ゲームやその他電化製品の需要が急増したのです。
自動車メーカーも半導体を始めとした部品調達に苦労しており、生産や納車の遅れが出ています。
新車価格の高騰
新車価格が高騰したことで、中古車の需要が高まっています。
新車価格の高騰には、半導体不足だけではなく、人件費や輸送費の価格が上がっている影響も受けている状況です。
また、輸入車も円安の影響で、2〜10%の値上げが行われているケースもあります。
国内自動車メーカーによる不正発覚
ダイハツやトヨタなど日本の自動車メーカーによる不正が発覚し、さまざまな車種の生産・出荷が停止しています。
その結果、本来新車で購入予定のユーザーが中古車市場に流れ、中古車価格が高騰している状況です。
また、他のメーカーにも影響が出ており、ライバル車種の納車が遅れてしまっています。
順次、生産と出荷が再開される予定ですが、納期が安定するには時間がかかる見込みです。
エネルギー価格の高騰
エネルギー価格も高騰していることで、低燃費車に乗り換える方が増えています。
特に中古車の燃費の良い軽自動車やハイブリッド車に人気が集まっている状況です。
ハイブリッド車の代表的なモデルであるプリウスは昨年から今年にかけてモデルチェンジが行われました。
しかし、モデルチェンジ前の車両でも燃費性能が高いことから、中古車の人気が高く、買取価格も高いです。
世界中の車の需要の増加
世界中で車の需要が増えていることも中古車買取価格が高い理由です。
特に人口が増加しているインドや中国などの新興市場では、経済成長とともに中産階級の拡大が進み、車の需要が高まっています。
また、コロナが流行していた期間中に公共交通の利用が減少し、個人の移動手段として車が重視されるようになったことも、需要を後押ししました。
新車のみならず中古車市場においても価格上昇を招いており、世界的に見ても中古車の価値が高まっているのです。
海外への輸出の増加
日本の中古車は、東南アジアやアフリカ、東ヨーロッパ市場で需要が高まっており、輸出台数も年々増加傾向にあります。
特に2022年以降のロシアとウクライナの情勢が原因で、ロシア向けの中古車輸出も拡大しました。
これは、あらゆる国の経済制裁により、高級車の輸出規制が行われ、手頃な価格で購入できる日本の中古車に需要が偏ってしまったからです。
その結果、中古車価格が高騰し、それに伴い中古車の買取価格も高くなっています。
中古車買取価格に影響を及ぼす5つの要因
中古車買取価格には、具体的にどのような要因が影響を及ぼすのでしょうか。
ここでは、中古車買取価格に影響を及ぼす5つの要因について詳しく解説します。
以下の5つの要因を理解し、中古車の売却に役立ててください。
中古車買取価格に影響を及ぼす5つの要因
- ・需要と供給のバランス
・車両の状態
・車種
・走行距離
・時期
それぞれ詳しくみていきましょう。
需要と供給のバランス
市場の基本原則である需要と供給のバランスは、中古車買取価格に大きく影響します。
たとえば、特定の車種に対する需要が供給を上回る場合、その車種の買取価格は高くなります。
反対に、市場に出回る車の数が需要を超えた場合、価格は下がるでしょう。
この原理は、経済状況や季節的な要因などで変動するため、売却時にはタイミングを見極めることが重要です。
車両の状態
車両の状態は、中古車の買取価格を決定する最も重要なポイントです。
外装や内装に傷や凹みがないか、エンジンや電気系統に大きな問題がないかなど、車の状態が査定されます。
古い車でも、メンテナンスされている車両であれば、高い買取価格がつくこともあります。
しかし、比較的新しい車で、メンテナンスがされていない車両は買取価格が低いです。
特に修復歴がある車は、将来的な問題発生のリスクが高いとみなされるため、買取価格が大幅に下がります。
車種
買取相場は、車種によっても大きく異なります。人気車種は、経済の影響を受けにくいです。
たとえば、「日産 GT-R」や「トヨタスープラ」など人気車種は、中古市場でも価値が下がりにくいでしょう。
反対に、人気が低下している車種や流行が過ぎ去った車種は、買取価格が低くなる傾向です。
しかし、生産が終了した車種の中には、コレクターや愛好家の間で人気が高く、長い間高い買取価格が維持されるものもあります。
走行距離
走行距離は、中古車の買取価格に大きな影響を及ぼします。
一般的に、走行距離が少ないほど車の消耗が少ないと考えられ、買取価格が高くなりやすいです。
しかし、走行距離が多い車両でも定期的にきちんとメンテナンスがされており、整備記録も残っている場合は、一定の買取価格がつくこともあります。
さらに、非常に人気のある車種や限定モデルの車種なども、高く買取してもらえることが多いです。
時期
中古車の売却時期も価格に影響します。
たとえば、1〜3月は新学期や新年度の開始に合わせて自動車の需要が高まるため、買取価格が上がりやすいです。
また、「7〜9月」は夏のボーナス期間後で、消費者の購買力が高まり中古車市場でも価格が上がります。
反対に、年末年始やお正月などは出費がかさみ、高額な買い物を避ける方が多いため、買取価格も低くなりやすいです。
車の中古車を高く売るためのコツ
ここまで、中古車価格が高騰に伴い買取価格も高い傾向ですが、さらに以下の5つのコツを押さえておくことで高く売ることができます。
車の中古車を高く売るためのコツ
- ・車検前に売却する
・売却に最適な年式・走行距離で売却する
・車両情報を万全に整備しておく
・フルモデルチェンジする前に行う
・一括査定に申し込む
それぞれ詳しく解説します。
車検前に売却する
車検が近い車を売却する場合、車検前に売ると良いでしょう。
車検を通すと法定費用や基本料金、整備費用などさまざまな費用がかかります。
これらの費用は車を売却する際の査定額に反映されにくく、車検に出したからといって高い買取価格が期待できません。
そのため、車検が切れる前に車を売却することで、余計な車検費用をかけず売却ができます。
車種や車両状態にもよりますが、普通自動車では4〜10万円以上の費用を抑えることも可能です。
売却に最適な年式・走行距離で売却する
中古車の買取価格は、年式と走行距離に大きく左右されます。
一般的に、年式が新しく、走行距離が少ない車ほど高く売れる傾向です。
車は1年間におよそ1万km走るとされており、この基準を大幅に超えると査定額が下がりやすいです。
たとえば、5年落ちの車両で50,000km未満の走行距離であれば、高い価値があるとみなされます。
しかし、5年落ちの車両で100,000kmを超えるような場合は大幅に低くなるでしょう。
そのため、年式と走行距離のバランスを考慮して、売却することが重要です。
車両情報を万全に整備しておく
車の中古車を高く売るためには、車両を綺麗な状態に保つことが重要です。
洗車を行いボディをきれいにしておくことで、査定時の印象を良くし、査定額を上げることが可能になります。
また、内装においてもシートやフロアマットを掃除し、ほこりや髪の毛、その他のゴミを除去しておくと良いでしょう。
車内の臭いにも注意し、必要であれば消臭剤や芳香剤を置いておくと効果的です。
さらに、メンテナンス記録や修理履歴を揃えておくことで、しっかりと管理されていることが証明できます。
フルモデルチェンジする前に行う
フルモデルチェンジ前に売却することで、車を高く買取してもらうことが可能です。
一般的に車はおよそ6年ごとのサイクルで行われ、新型モデルが登場することで旧型モデルの市場価格が下がります。
そのため、フルモデルチェンジが予定されている場合は、販売される前に売却することでより高く売ることが可能です。
一括査定に申し込む
一括査定は、複数の買取業者から同時に見積もりを取ることができ、それぞれの査定額を比較して一番条件の良い業者を選ぶことが可能です。
また、時間と労力を割く事ができ、効率よく車を売ることもできます。
インターネットで簡単に申し込みができ、現在の愛車の市場価値を知ることができるため、一度申し込んでみましょう。
車の乗り換えを検討するときにおすすめなのは一括査定を利用することです。
CTN一括査定では利用者の登録情報をもとに3社を厳選してご連絡しますので、電話ラッシュで時間や手間を取られることがありません。
またCTN一括査定の大きなポイントは、軽自動車やSUV、輸入車などの専門買取業者などでも比較できることです。
そのうえ車販売店のみならず解体業者や貿易会社とも連携しているため、大掛かりな修理が必要な車などにも対応が可能です。
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車を高く売りたいと思っている方は、CTN一括査定をぜひご利用ください。
中古車買取相場が変動するタイミング
中古車買取相場が大きく変動するタイミングがあります。
以下のタイミングを知ることで、ベストな買取時期が選べるでしょう。
中古車買取相場が変動するタイミング
- ・決算前
・円安と円高
・ボーナス時期
それぞれ詳しく解説します。
決算前
中古車の買取相場は、決算期の前に変動が起こりやすくなります。
このタイミングは、多くの買取業者が車両の在庫を増やすため、積極的に車を買い取ることが多いです。
その結果、買取価格が一時的に上がり、車を売るのに適したタイミングとなります。
円安と円高
中古車市場においても、為替の影響は無視できません。
円高の時は、国外への輸出が減るため、国内の中古車市場に車が溢れて買取価格が下がることがあります。
一方で、円安の際は輸出が活発になり、国内の在庫が減少するため中古車の相場は上がりやすいです。
そのため、円安の際に車を売ると、高く買取してもらえる可能性が高くなるでしょう。
ボーナス時期
ボーナス時期は、消費者が一時的に手持ち資金が増えるため、中古車市場に大きな動きがみられるでしょう。
ボーナスが支給されると、多くの方が新しい車の購入を考え始めるため、中古車への需要が高まります。
買取業者もこの機会を逃さず、積極的に車を買い取って在庫を確保し、買取価格が高くなりやすいです。
今後の中古車買取市場の展望について
ここでは、今後の中古車買取市場の展望についてみていきましょう。
今後の見通しは不明確
中古車の買取価格が高い状況がいつまで続くかは、市場関係者の間でも明確な見通しは立っていません。
しかし、一部では新車の部品供給の安定化と生産が追いつくことができれば、中古車市場の価格が安定するともいわれています。
高年式車は値下がり傾向にある
新車の納期は、コロナ禍に比べると正常に戻りつつあり、中古車への需要が減少しはじめています。
この変化により、市場に下取りされる車の数が増えて中古車不足が解消されつつあります。
その結果、中古車市場は供給過多となり、高年式車を中心に価格が下がり始めている状況です。
今後もこの傾向は続くと見られており、中古車の購入者にとってはより良い条件で車を選べるようになるでしょう。
半導体不足は回復傾向にある
今後の半導体不足の状況は回復傾向にあります。
各国で新しい半導体の工場の新仲通り熱が予定されており、回復の見通しが立っている状況です。
半導体の供給が安定すれば新車の生産遅れが解消されて、中古車市場も安定するでしょう。
ただし、完全に安定するにはまだまだ時間がかかるとされています。
まとめ
この記事では、中古車買取価格の状況と今後の市場予想について解説しました。
中古車の買取価格は、さまざまな経済情勢や需要と供給のバランスに大きく影響されます。
また、車両の状態や年式、走行距離といった要素も買取価格に大きく影響する要因です。
そのため、売却する際には、市場の動向をしっかり見極めて早めに査定を受けることが大切です。