車の買取金額は、売却するタイミングによって変わることをご存知でしょうか。
車検のタイミングを考えて売却を検討する方は多いかもしれません。
ただ、車検のタイミングよりも、モデルチェンジの前後で買取金額は大きく変わります。
この記事では、モデルチェンジの前後で買取金額が変わる理由について解説します。
また、車検や自動車税課税のタイミングでの買取金額についても解説するので、少しでも高く車を売却したい方は参考にしてください。
車のモデルチェンジの種類
車のモデルチェンジといっても、車両の変更規模によって種類が分けられています。
モデルチェンジの種類は、大きく分けると「マイナーチェンジ」と「フルモデルチェンジ」の2つです。
この2つのモデルチェンジについて解説します。
マイナーチェンジ
マイナーチェンジとは、車両の基本設計は変えずに内装デザインやオプションの標準化など、車両の一部のみを改良することです。
また、このマイナーチェンジでは、問題点の改良や、行政の規制に合わせるための細かな修正なども行われます。
新聞などで「一部改良」と発表されるのは、このマイナーチェンジのことです。
マイナーチェンジのタイミングは、メーカーや車種によって異なりますが、1年〜2年ほどの周期で行われます。
このマイナーチェンジ前後で、「前期型」と「後期型」と区別されて呼ばれることもあります。
フルモデルチェンジ
フルモデルチェンジとは、車両の基本設計から内装デザインや外装デザインまで大幅な変更が加えられることです。
エンジンやプラットフォームなどの車両の根幹となる設計から変更されるため、最新の技術も搭載されます。
フルモデルチェンジでは走行性能や燃費も改良されるのが一般的です。
また、新聞やテレビなどで「全面改良」と発表されるのは、このフルモデルチェンジのことを指します。
フルモデルチェンジのタイミングは、メーカーや車種によって異なりますが、4年〜6年ほどの周期です。
このフルモデルチェンジ前後で、「旧型」と「新型」と区別されて呼ばれることもあります。
モデルチェンジ前後で買取査定額に差が出る理由
車の買取価格は、モデルチェンジの前後で差が出ます。
特に、フルモデルチェンジの前後では大きく価格に差が出ます。
フルモデルチェンジ前に比べて、後の買取査定額は大きく下がるのが一般的です。
その理由は、次の2つが挙げられます。
- ・新型モデルに人気が集中し現行モデルの中古価格が下落する
- ・現行モデルが中古市場に出回り価格が下落する
それぞれについて解説します。
新型モデルに人気が集中し現行モデルの中古価格が下落する
フルモデルチェンジ後に現行モデルの価格が下落する理由として、新型モデルに人気が集中することが挙げられます。
中古車探しの条件は、価格や走行距離などさまざまですが、「新型モデル」を条件として探している方も一定数います。
そのため、需要の高い新型モデルの価格は上がりますが、旧型となる現行モデルは需要が低くなり、価格が下落するということです。
ただし、一部の車種ではフルモデルチェンジ後でも中古価格が変わらない、もしくは逆に中古価格が上がるものもあります。
その理由は、メーカーが抱えていた未使用車が中古市場に出回るからです。
しかし、このようなケースを予測するのは難しいため「フルモデルチェンジ後には現行モデルの中古価格は下落する」と考えておいたほうがよいでしょう。
現行モデルが中古市場に出回り価格が下落する
フルモデルチェンジ後に現行モデルの価格が下落する2つめの理由として、現行モデルが中古市場に出回ることが挙げられます。
フルモデルチェンジで新型車が発売されると、現行モデルから新型車へ乗り換える方が増えます。
つまり、現行モデルが下取りや買取業者への売却などによって、中古市場に大量に流出するということです。
また、ディーラーのショールームに展示されていた車両や、試乗車なども中古市場に流れます。
さらに、レンタカーも新型車への入れ替えが行われるため、これまで使われていた車は中古車として市場に放出されるでしょう。
このように、中古市場に多くの現行モデルが出回ることによって、需要と供給のバランスが崩れ、中古車の価格は下落します。
フルモデルチェンジ前とマイナーチェンジ前のどちらを狙うべき?
ここまで、モデルチェンジの種類と、モデルチェンジ後で買取価格に差が出る理由について解説してきました。
では、フルモデルチェンジとマイナーチェンジでは、どちらのタイミングを狙えばよいのでしょう。
フルモデルチェンジ前に売却するのがおすすめ
結論からいうと、車を売却するならフルモデルチェンジ前がおすすめです。
マイナーチェンジは一部の内装デザインやオプションなどの小規模な変更のみのため、中古市場の価格にそれほどのインパクトは与えません。
一方、フルモデルチェンジは車両の基本設計から見直され、このタイミングで「新型モデル」となるため中古車市場に与えるインパクトが大きくなります。
車の売却を検討している方は、フルモデルチェンジの時期を見極めて、その前に売却するようにしましょう。
フルモデルチェンジの情報だけで買取査定額に影響が出る
車の買取査定額に大きな影響が出るのは、フルモデルチェンジ後の新型モデルが店頭に並ぶタイミングです。
多くの一般の消費者が新型モデルを認識するのが、店頭に並んでいる新型モデルを見るタイミングだからです。
ただし、「フルモデルチェンジが行われる」という情報だけでも買取査定額に影響が出ます。
なぜなら、新型モデルの発売で査定額が下落することが分かっている方が、早めに現行モデルを売却し出すからです。
メーカーによって、フルモデルチェンジの発表時期は異なりますが、1年以上前に発表されるケースもあります。
車の売却を検討している方は、このフルモデルチェンジの情報を確認しておくようにしましょう。
モデルチェンジの時期を調べる方法
モデルチェンジの時期は、正式にはメーカーから発表されます。
ただし、メーカー側にはモデルチェンジの予定を発表する義務がないため、正確に把握するのは困難です。
そのため、自分で予測を立て、情報収集をするしかありません。
まず、自分が乗っている現行モデルの過去のモデルチェンジの時期を把握しましょう。
フルモデルチェンジは4年〜6年ほどの周期で行われることが多いので、もし3年前にフルモデルチェンジがあったなら、早ければあと1年で次のフルモデルチェンジが来るという予測を立てられます。
過去のモデルチェンジの履歴は、メーカーの公式サイトから閲覧できることが多いので確認しましょう。
また、直接ディーラーの営業担当者に聞くのもひとつの方法です。
関係性が築けていれば、事前に情報を教えてくれるかもしれません。
車買取に最適なタイミングは?
車買取での売却には、モデルチェンジの前後以外にも考慮すべきタイミングがあります。
ここでは、なるべく高値で車を売却するタイミングについて解説します。
決算期にあたる1月~3月
車買取業者は、決算月の3月に向けて1月から3月に買取を強化します。
そのため、少し高い査定額をつけてでも、できるだけ多くの車を買い取ろうとするのです。
また、この時期には新生活に向けての準備が始まるため、中古車の需要も高まります。
決算期に向けての買取強化と、新生活スタートによる中古車需要の高まりが重なる1月から3月の間は、車買取での売却におすすめの期間といえます。
車検を受ける直前
車を査定に出す場合、車検の有効期限が多く残っているほうが高額査定になると思っている方もいるかもしれません。
確かに、多少のプラス査定にはなりますが、プラス査定額はせいぜい数千円程度です。
さらに、車検の有効期限が4か月を切っている場合、プラス査定額はつきません。
そのため、余計な車検費用を払わないで済むよう、車検を受ける直前に売却することをおすすめします。
自動車税の課税前
車を売却するときには、自動車税の課税タイミングも意識しましょう。
自動車税の課税は、毎年4月1日時点の所有者に課税されます。
そのため、自動車税の負担を減らすためには、この4月1日より前までになるべく早く売却手続きを完了させる必要があります。
また、なるべく早く売却するメリットが自動車税の還付です。
自動車税は月割りで返金されるため、車両の売却額とは別で自動車税の還付も受けられます。
自動車税の課税前である4月1日を意識して売却を進めましょう。
走行距離が大台に乗る前
車の査定額を左右する要因としては、傷やへこみなどの車の外観状態もありますが、走行距離が大きく影響します。
走行距離が長ければ長いほど、査定額は低くなります。
そのひとつの基準といえるのが「走行距離10万km」です。
10万km以上か、それ未満かによって査定額も変わるため、走行距離が10万kmに近づいている車は、大台に乗る前に売却をしたほうがよいでしょう。
査定額に影響するチェックポイント
車を売却するタイミングとは別で、査定額に影響するチェックポイントも理解しておきましょう。
チェックポイントは次の4つです。
- ・年式、走行距離、車種
- ・外装
- ・内装、エンジンルーム
- ・純正オプション、付属品
これらを意識して高額査定を目指しましょう。
年式、走行距離、車種
まず分かりやすいチェックポイントとして年式、走行距離、車種が挙げられます。
一般的には、年式が新しく高グレードの車が高額査定になりやすい傾向にあります。
また、人気の車種の場合でも買取価格は大きくなるでしょう。
先述したように走行距離も査定に大きく影響します。
経過年数と走行距離によって、査定基準はありますが、経過年数も走行距離も長ければ査定額は下がります。
これらを対策して査定額をあげることは難しいかもしれませんが、査定時にチェックされるポイントとして覚えておきましょう。
外装
外装に傷やへこみがないかもチェックポイントのひとつです。
傷の大きさや深さ、種類などによっても査定額に影響してきます。
再塗装で済むのか、板金が必要かによって減額される査定額も変わってきます。
また、チェックされる箇所としては、フロント、リア、ルーフなどボディ全体です。
そのため、査定前に全体的に傷やへこみの状態を確認しておきましょう。
ただし、事前に傷やへこみがあったとしても修理してから査定に出すことはおすすめしません。
修理費用を考えると、減額されてもそのまま査定に出すほうがよい場合が多いです。
内装、エンジンルーム
内装の状態も査定に影響します。
座席やトランクルームは、事前に掃除と消臭をしておきましょう。
特に、タバコやペットの臭いは大きな減点対象となります。
できるかぎり消臭しておくことをおすすめします。
ただし、芳香剤などの臭いも減点になるので、芳香剤でほかの臭いをごまかすのはやめましょう。
エンジンルームのチェックも重要です。
エンジンを始動したときに異音がないか、オイルやプラグの状態に問題がないかを事前に確認しておきましょう。
エンジンルームの掃除もできるかぎり行うことをおすすめします。
純正オプション、付属品
純正オプションがついていることはプラス査定になります。
特に、後から取り付けることが難しい、安全装置や純正ナビはプラス査定の対象になるので、事前に純正オプションの有無を確認しておきましょう。
車検証や自賠責保険証明書、取扱説明書などの付属品も、査定額に影響するので事前に用意しておきます。
また、整備記録簿は必須ではありませんが、査定額が上がる可能性があるので、もしあれば準備しておきましょう。