車を購入する際には消費税がかかりますが、気になるのは車買取してもらう場合の消費税の扱いです。
「車を売却する時にも消費税はかかる?」という疑問をお持ちではないでしょうか。
本記事では、車を買取に出したときの消費税について徹底解説します。
この記事を最後までご覧いただくと、車買取にあたって消費税の納税義務が誰に当たるかも理解できます。
車買取の税金に関しての注意点も解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
消費税とは?
消費税とは日本国内で消費される商品やサービスの消費に対して課税される間接税です。
間接税とは税を負担する人と納める人が異なる税金のことです。
そのため商品やサービスを購入した場合、国へ消費税を納めるのは販売した事業者となりますが、負担するのは消費者となります。
消費税は一般的に10%が課税されますが、取引内容によっては8%課税となる場合があります。
また、消費者が負担する消費税は商品やサービス代金に上乗せされて請求されるため、消費者が事務負担なく納税できる仕組みです。
取引内容によっては消費税が免税となることもありますが、基本的には商品やサービスの消費には税金が発生することを認識しましょう。
使用目的別の消費税の扱いとは?
車の買取において消費税が課税されるかは、売却希望車両の使用目的によって異なります。
主な車の使用目的は以下の通りです。
- 1.通勤用として使用している車
- 2.レジャー用として使用している車
- 3.業務用として使用している車
車の使用目的によっては買取時に消費税が発生しない場合があります。
売主や車買取店における消費税の扱いを詳しく解説します。
1.通勤用として使用している車
通勤用として使用している車を買取してもらう場合は、消費税は非課税です。
国税庁では、「一般的な個人の用途の範囲内で使用されていた車の売却は課税対象とはならない」とあります。
そのため、個人使用の車を売却する際に消費税は発生せず非課税扱いとなります。
通勤で使用している車も個人使用として認められるため、売却した場合でも消費税は発生しません。
2.レジャー用として使用している車
レジャー用として使用している車も個人の使用用途としてみなされるため、売却時に消費税は発生せず非課税です。
普段の生活では必ずしも必要のない使用用途で利用されている車がレジャー用の車両という扱いです。
具体的には、家族で遊びに出かけたりドライブする車のことを指します。
注意点としてはレジャーの他に、通勤や通学・買い物などで使用している車はレジャー用の車とは言えません。
そのため、遊びに出かけたりするための専用車両がある場合はレジャー用の車となり、売却時には消費税は発生しません。
3.業務用として使用している車
業務用として使用している車を売却する際は、事業用車両となるため消費税の納税義務が発生します。
法律で業務用の車の定義や決まりはありませんが、事業で利用している場合は業務用車両という扱いです。
そのため、売却する車両の価値や生活に必要な車などを問わず、事業者が事業として行う取引とみなされます。
業務用車両を売却する場合は、消費税の納税義務が生じるので注意しましょう。
消費税は誰が負担するの?
消費税は商品やサービスを購入する消費者が負担する税金です。
車の買取における消費税の取り扱い方は、以下2つの取引方法によって異なります。
- 1.買取業者へ車を売却する場合
- 2.個人売買する場合
車を売却する先が買取業者もしくは個人で消費税の扱い方が変わってきます。
ここからは「買取業者へ車を売却する場合」と「個人売買する場合」の消費税の負担について詳しく解説します。
1.買取業者へ車を売却する場合
車を買取業者へ売却する際は売主が個人である場合、売主に消費税は発生しません。
消費税は課税売上高が1000万円を超える事業者が納める税金なので、個人は事業者ではないことから売却金額に消費税は課税されないのです。
一方で買取業者へ売却する車が法人名義である場合は、事業取引とみなされ売却金額に消費税が含まれます。
法人名義で売却する車両は売却金額に含まれる消費税を売主が納める必要があるのです。
では、車買取業者においてはどうでしょうか。
車買取業者における車買取は商品の仕入れと考えられるため、買取金額に消費税を含めなければなりません。
そのため、車買取業者は買取金額に課税されている消費税を別途納める必要があります。
車買取業者に車を売却する場合は、売主が個人の場合は売主側が消費税を納める必要はありませんので安心してください。
売主が事業者の場合や、車買取店は買取金額に消費税が課税されるので注意しましょう。
2.個人売買する場合
車を個人売買する際は、売る側も買取る側も個人であるため買取金額に消費税は発生しません。
消費税は課税売上1000万円を超える事業者に発生するため個人間での売買の場合、課税対象ではなく消費税を納める必要がないのです。
そのため、売却する側も買取る側も消費税を納める手続きは発生しないため安心して取引ができます。
個人売買における消費税の取り扱いは課税対象となることがないので「どちらが消費税を負担するの?」と考える必要がありません。
車買取時に消費税が重要な理由とは?
車買取業者は車買取時の消費税が利益を出すうえで重要になってきます。
ここでは税込価格の仕組みを知っておきましょう。
車買取店が車を買取する場合、一般的には税込価格で買取をします。
具体例を出すと、車買取店が100万円で車を買取する際は、100万円の金額内に消費税が含まれていることになります。
そして100万円で買取した車を次のユーザーに再販する際に、同じ金額の100万円税別として販売が可能です。
これを税込にすると110万円です。
買取価格と同じ金額で販売したとしても税込価格の仕組みから、車買取店は消費税分を利益として計上できます。
このように、車買取店は税込価格の仕組みを上手く利用し利益の最大化を狙っているのです。
そのため、車買取店の立場で考えると買取における消費税は重要な役割を果たします。
車買取で消費税を交渉に使うことはできる?
車買取で消費税を交渉に使うことは可能です。
消費税を交渉に使うためには、車買取店に提示された買取価格が「税込」か「非課税」かで異なります。
税込価格の買取価格を提示された場合には、消費税分の金額を上乗せしてもらえるように交渉が可能です。
例えば、100万円税込で提示された場合は税別にすると909,091円となるので、車買取店は消費税の計算上909,091円で買取をしたことになります。
そのため税込金額なのであれば「100万円税別で買取してほしい」など税別計算から買取金額の交渉が可能です。
一方で車買取店が「非課税」として買取価格を提示された場合は、消費税を理由にして価格交渉を行えません。
買取価格における消費税の仕組みをよく理解していることがわかるため、安心して取引を任せられます。
車買取店から買取価格の提示が「税込」もしくは「非課税」で交渉できる内容も異なるので、よく理解しておきましょう。
消費税に関する注意点
消費税に関する注意点は以下の2つです。
- 1.リサイクル料金に対する消費税の扱い
- 2.個人売買
特に個人売買のときの注意点を理解しておかなければ、売却後に大きなトラブルになる可能性があります。
大切に乗った車を「欲しい」と言ってくれる人に売却できたのに、トラブルになっては後味が悪くなってしまいます。
売主として売却時の消費税や個人売買の注意点を理解しておくことで、トラブルは防げるので、ぜひ参考にしてください。
1.リサイクル料金に対する消費税の扱い
車売却時にはリサイクル料金に対する消費税の扱いに注意しましょう。
リサイクル料金は以下2つの費用から成り立っています。
- ・自動車メーカーや輸入事業者が「シュレッダーダスト」「エアバッグ類」「フロン類」を適正に処理する費用
- ・自動車リサイクル促進センターによる自動車リサイクルシステムの運営に要する費用
どの車両を購入する際でも上記2点から構成されるリサイクル料金を支払う必要があります。
車を売却する場合のリサイクル料金は税制上、金券債権として扱われるため非課税扱いです。
一方で車を廃車する場合は、リサイクル料として支払った金額に対して「廃車」というサービスが発生することから、消費税が課税されます。
リサイクル料金の消費税に関しては購入時や売却時ではなく、廃車する場合に消費税が発生するので注意しましょう。
2.個人売買
個人売買において税金に関する注意点を理解し、トラブルを未然に防ぐ必要があります。
車の個人売買においての消費税やその他税金の注意点は以下の通りです。
- ・税金の負担先
- ・売却時期によっての自動車税
車の売買では消費税だけでなく、さまざまな税金が発生しますが、個人売買であれば売主も購入者も消費税は発生しません。
また、個人売買にあたって先に払い込んだ税金の負担先を明確にすることで、売買後に大きなトラブルに発展することもありません。
これから解説する内容を参考にしていただき、売却時のトラブルを未然に防ぎましょう。
税金の負担先
車の個人売買での注意点は税金の負担先です。
消費税だけでなく車には年間で支払う自動車税や、車検で納める重量税があります。
自動車税や重量税は年間分もしくは次回車検までの期間分を先にまとめて支払います。
税金の支払い後に車を売却する場合、先払いしている自動車税や重量税についての負担先を明確にしておきましょう。
一般的な車の買取の際は、自動車税や重量税は還付されません。
自動車税については次項で詳しく解説します。
重量税については還付対象の税金ではないため、売却の際に購入者へ請求するのは難しいでしょう。
売却前にあらかじめ念書を用意し「購入者が未経過分の重量税を支払う」という約束を交わす方法はありますが、一般的ではありません。
しかし、あくまで個人売買のため、売主や購入者が金額や内容に納得していれば問題ないことから、税金の負担先だけ明確にしておきましょう。
売却時期によっての自動車税
車の個人売買での注意点として自動車税の取り扱いがあります。
自動車税は4月1日時点の車の所有者が翌月5月中に納める税金です。
そのため、車を売却する際は3月31日までに名義変更を完了させておかなければ、翌年度の自動車税が請求されます。
売却時期によって自動車税では以下のトラブルが考えられます。
- ・3月に売却したが名義変更が4月になり自動車税が請求された
- ・4月に売却したが5月に自動車税が請求された
- ・自動車税の振込み用紙が届かない
名義変更や売却が3月中に完了せず4月になってしまった場合は、自動車税の負担先を明確にしなければなりません。
自動車税の請求は4月1日時点での所有者へいきますので、4月2日以降の所有者へは振込用紙が届かないのです。
「売却したから関係ない」や「振込用紙が来てないから前の所有者が払ってくれるだろう」では、最悪のケースでは税金滞納で車検も通せなくなります。
そのため、売却時期によっての自動車税の扱いをよく理解し、4月を過ぎて名義変更する場合は自動車税分を買取金額に含めるなどして、トラブルにならないようにしましょう。
まとめ
車買取時の消費税の扱いについて詳しく解説してきました。
結論から言うと個人で使用していた車を買取店に売却する場合、消費税は課税されません。
売主は消費税を別途納めることもありません。
車買取店については商品の仕入れに該当することから、消費税が課税されます。
さらに、車の個人売買では消費税は発生しませんが、注意点も多くあります。
車買取の消費税について理解しておくことで、買取価格の交渉にも役立てられることがあるので、税金についてよく把握しておきましょう。