車の売却や買い替えを考えたとき、手続きや引き渡し方法について不安を感じる人も多いのではないでしょうか。
今回は、買取契約後の車の引き渡しまでの期間や、スムーズな手続きを行うためのポイントを解説します。
車の売却を検討している方やこれから手続きを始める方はぜひ参考にしてみてください。
車を買取業者へ引き渡すまでの期間はどのくらい?
車を買取業者へ引き渡す期間は、業者や買取パターンによってさまざまです。
まずは、引き渡しの流れやパターン、おおよその期間について確認しましょう。
車両を引き渡すまでの流れ
最初に、車両を引き渡すまでの流れについて詳しく解説します。
どのような流れで車両を引き渡すのか事前に把握しておくことで、手続きをよりスムーズに進めることができるようになるでしょう。。
①買取業者を決める
まず最初に車の買取業者を調査しましょう。
ネットで買取業者を調べるとたくさん出てきます。
どの買取業者に依頼すればいいか迷った場合は、以下の3点を押さえながら決めるのがおすすめです。
- ・PUC(一般社団法人日本自動車購入協会)が認定する“適正買取店”かどうか
- ・取引実績が多い業者かどうか
- ・良い評価が多い業者かどうか
各買取業者によって買取価格は異なりますので、慎重に選択しましょう。
②必要な書類を準備する
買取業者が決まったら、必要な書類を揃えましょう。
車買取において最も手間がかかる部分は書類の手配でしょう。
費用や時間的に、自分で手続きを行うのが難しいと感じる場合は、司法書士や手続き代行業者を利用することも検討してみてください。
③査定を受ける
必要な書類が揃ったら、実際に査定を受けましょう。
高価買取してもらうためには、以下の点を押さえるのがポイントです。
- ・洗車や室内の掃除など、自分で行える手入れは事前に済ませる
- ・事故歴、修復歴、損傷などは必ず伝える
査定額アップの可能性を高めるため、できる限り掃除やメンテナンスをしておきましょう。
ただし、損傷や修復歴を隠して高額で売ろうとするのは良い印象を与えませんので、正直に伝えましょう。
また、車には複数の収納スペースがあり、物をしまったままうっかり忘れてしまうことがよくあります。
CDやDVD、洗車カードなどを挿入したまま査定に出さないようにしましょう。
④売却先の決定と手続き
複数の業者を比較して判断し、売却先を決定したら電話やインターネットを通じて申込みを行い、手続きを開始しましょう。
⑤自賠責保険と任意保険の手続き
自賠責保険の契約期間中に車を売却する場合、月割りで返戻金を受け取ることができます。
早期に解約すれば、売却額が増加したり、査定にプラスになることがあります。
任意保険は、車を手放す場合のみ解約となり、新しい車を購入する場合は「車両入替」という手続きを実施します。
新たに購入する車種によっては、金額の変更などで契約内容が変わることもあるため、保険会社に確認しておきましょう。
⑥買取業車に車両引き渡す
引き渡し日までは、できるだけ車に乗らないようにしましょう。
査定額は査定時点での価格が基準となっており、引き渡しまでに車を使用すると価値が下がる可能性があります。
さらに、査定後に新しい傷が付いたり事故を起こしたりするとトラブルの原因となりますので、必要でない限り運転を控えることが望ましいです。
引き渡しまでに必要な書類を揃え、手続きを完了させ、引き渡し当日に車とキーを渡して手続きを終えましょう。
また、引き渡しは、「査定後にそのまま引き渡す」「買取業者が引き取りに来る」「買取業者へ引き渡しに行く」という3つのパターンに分けられます。
引き渡しの際は、どのパターンなのかも必ずチェックしましょう。
⑦入金確認
引き渡し後、入金予定日になると指定された口座への入金が行われるので、その確認を行います。
一般的には引き渡し日から一週間前後で入金が完了します。
入金日が知りたい場合は、入金がいつになるのかを事前に確認しておくといいでしょう。
車を売るときの流れや手順についてはこちら
車の引き渡しパターン
車の引き渡しには、以下の3パターンがあります。
- 1.査定後にそのまま引き渡す
- 2.買取業者が引き取りに来る
- 3.買取業者へ引き渡しに行く
ここでは、それぞれのパターンの特徴やメリットデメリットについて解説します。
1.査定後にそのまま引き渡す
1つ目は、査定が終わったその場で車を引き渡すパターンです。
こちらは手続きがすぐに完了し、待ち時間がないのが特徴となっています。
とにかく手間や時間がかからず、すぐに手続きが完了できる点がメリットと言えるでしょう。
デメリットとしては、次の車の手配や代替手段を考える時間が限られてしまうことが挙げられます。
2.買取業者が引き取りに来る
2つ目は、買取業者が指定した場所まで車を引き取りに来るパターンです。
このパターンでは、自宅や職場など、引き渡し場所を指定することができます。
自分で買取業者の店舗に行く必要がなく、場所や時間を指定して、自分の都合に合わせられることがメリットと言えるでしょう。
デメリットは、買取業者によっては、出張費用が発生する場合があるということです。
また、業者が来るまで待ち時間が発生することもあります。
3.買取業者へ引き渡しに行く
3つ目は、買取業者の店舗まで車を持って行って引き渡すパターンです。
このパターンでは、事前に手続きが済んでいる場合、スムーズに引き渡すことができます。
メリットとしては、業者と直接対面して引き渡しの手続きができるため、安心感があるということが挙げられます。
また、引き渡し時に質問や相談ができる点もメリットと言えるでしょう。
デメリットは、自分で買取業者まで車を運ぶ手間がかかることです。
また、業者までの移動時間や引き渡し後の帰りの交通手段を考慮する必要もあります。
車を引き渡すまでの期間とは?
ここでは、それぞれのパターンの車を引き渡すまでの期間について解説いたします。
1.査定後にそのまま引き渡す
このパターンでは、査定が行われたその日に車を直接引き渡します。
そのため、事前に必要な書類が揃っていることが前提ですが、引き渡しまでの期間が最も短いパターンとなっています。
2.買取業者が引き取りに来る
このパターンでは、買取業者が指定の場所まで車を引き取りに来るため、査定日から引き渡しまでの期間は査定後のスケジュール次第です。
通常、数日から1週間程度かかるのが一般的とされています。
3.買取業者へ引き渡しに行く
このパターンでは、車を直接買取業者の店舗や指定の場所まで運んで引き渡します。
査定後、自分の都合に合わせて引き渡し日を設定できるため、こちらも引き渡しまでの期間は個人のスケジュール次第です。
車を引き渡す際に必要な書類とは
ここでは、車を引き渡す際に必要な書類について紹介します。
普通自動車と軽自動車では少し異なるため、書類を揃える際には注意しましょう。
普通自動車の場合
- ・自動車検査証(車検証)
- ・自賠責保険証明書
- ・リサイクル券
- ・自動車税納税証明書
- ・印鑑証明書
- ・実印
- ・委任状(買取業者が用意)
- ・譲渡証明書(買取業者が用意)
- ・振込口座情報
軽自動車の場合
- ・自動車検査証(車検証)
- ・自賠責保険証明書
- ・リサイクル券
- ・軽自動車税納税証明書
- ・印鑑(認印でOK)
- ・振込口座情報
車を引き渡すまでの注意点
車を引き渡す際には、いくつかの注意点があります。
トラブルを避け、取引をスムーズに済ませるため、以下のポイントを押さえておきましょう。
車の写真を撮っておく
車を売却する際には、事前に車の写真を撮っておくのがおすすめです。
車の全体像を把握できるような角度から、正面・側面・後面の写真や、車に傷や凹みがある場合は、それらの箇所をアップで撮影しておきましょう。
売却前に車の写真を撮っておくと、査定時の状態を証明できるうえに、万が一トラブルが発生した場合にも役立ちます。
査定時の状態を維持する
査定後、車に新たな傷や故障が発生しないよう、注意して運転しましょう。
できるだけ車を使用せず、査定時の状態を保つことが重要です。
万が一、運転して事故を起こしてしまったり、傷をつけてしまった場合は、査定額が一気に下がるだけではなく、最悪の場合、買い取ってもらえなくなる可能性もあります。
車を売却した際の代車問題についてはこちら
ガソリンの残量を確認しておく
引き渡し前にガソリンの残量を確認しておきましょう。
適切な残量を保つことで、無駄なガソリン代を節約できます。
エンプティラインギリギリか、1メモリほど残しておけば問題ありません。
車売却時の最適なガソリン残量はどのくらいなのかについてはこちら
査定後の洗車は行わない
査定後に洗車を行うと、車の状態が変わってしまい、査定額が変動する可能性があるため、査定後は洗車を控えましょう。
車内の忘れ物に気を付ける
最期に、引き渡す前に車内に忘れ物がないか、事前に確認しておきましょう。
特に現金や貴重品、個人情報が記載された書類などが残っていないかを注意深くチェックしてください。
車の引き渡しに関するトラブルと対処法
車の引き渡しでは、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。
事前にリスクを把握し、適切な対処法を知っておくことが重要です。
引き渡す前に事故歴や不具合が発覚した場合
引き渡す前に事故歴や不具合が発覚した場合は、査定額の見直しや新たな査定の実施が必要になる場合もあるため、すぐに買取業者に連絡しましょう。
嘘をついたり隠したりすると、後でトラブルの原因になることもあります。
もちろん、事故車の場合でも買い取ってもらうことができます。
事故車というと、「事故を起こした車」を思い浮かべるかもしれませんが、買取価格に影響するのは事故歴よりも修復歴です。
車体のフレームやフロントクロスメンバー、フロントインサイドパネル、ピラー、ダッシュパネルなどの部分が一度でも交換・修復されていた場合、事故車とみなされます。
事故車は一部だけではなく全体が変形している可能性が高いため、修理した車は、点検整備記録簿に記載され、安全性にかける、故障リスクが高いということになり買取相場が低くなります。
ちなみに事故歴がある車は、一般の買取相場の半分程度が目安となります。
事故車の買取についてはこちら
買取契約後の減額についてはこちら
車を引き渡す前に事故を起こしてしまった場合
車を引き渡す前に事故を起こしてしまった場合、まず冷静に対処することが重要です。
以下のステップで対処しましょう。
①警察への連絡
事故の現場で警察への連絡と適切な対応を行ってください。
怪我人がいる場合は救急車を要請し、自身の安全確保や状況把握を怠らないようにしましょう。
②事故現場の撮影
事故現場の写真を撮影し、事故の状況や損傷の具体的な内容を記録しておきます。
これは後の保険会社や買取業者との交渉に役立ちます。
③買取業車への報告
買取業者に事故を報告し、状況を説明してください。
査定額の変更や引き渡し日程の変更が必要になるかもしれませんが、隠すことは避けましょう。
④保険会社への連絡
自動車保険会社に事故の報告を行い、必要な手続きを進めます。
保険適用範囲や修理の方法について確認しましょう。
⑤修理業車の選定
修理が必要な場合は、買取業者と相談しながら修理業者を選びます。
修理後の査定額や引き渡し日程については再度調整が必要です。
また、事故を起こしてしまった場合でも、適切な対応と誠実な報告を行うことで、引き渡しまでの手続きを円滑に進めること ができます。
引き渡し日の変更
引き渡し日の変更が必要になった場合は、できるだけ早く買取業者に連絡して事情を説明しましょう。
柔軟に対応してくれる業者も多いですが、急な変更に対応できない場合もあります。
変更が不可避の場合は、新たな引き渡し日を調整し、再度手続きを進めることになります。
まとめ
今回は、買取契約後に車を引き渡すまでの期間についてや引き渡すまでの注意点をご紹介しました。
車を引き渡すまでの期間やパターンはさまざまですが、買取査定の流れや注意点を頭に入れておくことが大切です。
ぜひ今回の記事を参考に、ミスやトラブルがないようにスムーズに買取手続きを進めていただければと思います。