車を売却する際に業者ではなく、家族や友人、フリマサイトなどを使って個人で売買したいという方も多いです。
近年、フリマサイトなどが発展しており、気軽に個人で車の売買ができるようになりました。
しかし、この方法には特有のリスクや手続きがあり、知識がないと失敗する可能性もあります。
そこで今回は、個人売買する際のメリット・デメリットや注意点、方法について徹底解説します。
車を個人売買で売却しようと検討している方は、ぜひ参考にしてください。
車を個人で売買する3つの方法や手順について
車を個人で売買するには以下の3つの方法があります。
- ・友人や知人と直接やりとりを行う
・オークションサイト・フリマサイトでやりとりを行う場合
・仲介サイトを利用する場合
それぞれの方法と手順について解説します。
友人や知人と直接やりとりを行う
車の個人売買で最も一般的なのは、友人や知人、家族間での取引です。
この方法は気軽で便利ですが、契約書の作成や名義変更などの公式手続きを軽視するとトラブルの原因になることがあります。
そのため、正式な契約書を取り交わし、必要な手続きを適切に行うことが重要です。
信頼関係があるからこそ、きちんとした手続きを行い、双方の利益と安心を確保しましょう。
手順
友人や知人との直接取引における車の個人売買は、以下の手順に沿って進められます。
- 1.車の状態・価格の確認と合意
売り手とのコミュニケーションを通じて、写真や現車を確認します。
車の状態や価格を交渉し、双方が合意に至ります。2.契約の締結
売り手が用意した契約書をもとに、取引内容を確認し、契約を締結します。
契約書には車の詳細、価格、支払い条件などを明記しましょう。3.代金の支払い
取り決めに基づいて、売り手に対して代金を支払います。
支払い方法は事前に話し合い、両者が納得するものを選びます。4.車両の引き渡し
代金の支払いが完了したら、車両を受け取ります。
受け取り時に車両の状態を再確認することが重要です。5.保険の名義変更
購入者は、売り手から必要書類を受け取り、保険の名義変更手続きを行います。
このプロセスは車両の安全と法的な保護を確保するために不可欠です。
これらの手続きが完了すれば、売買成立となります。
フリマサイト・オークションでやりとりを行う場合
フリマサイト・オークションでやりとりを行う場合は、インターネットの普及に伴い一般的になりました。
この方法の最大のメリットは、24時間365日、自分のペースで出品や手続きが行える自由度です。
一方で、デメリットとしては、トラブルが発生しやすい環境と、商品が必ずしも売れるとは限らない点が挙げられます。
また、一部のサイトでは安全保障制度を提供しているものの、訴訟沙汰に発展するリスクがあるため、注意が必要です。
手順
フリマサイト・オークションでよりとりをする個人売買は、以下の手順に沿って進められます。
- 1.フリマサイト・オークションに車を出品
適正な価格設定を行い、車の写真を撮影し、詳細情報を提供して出品します。2.落札希望者あるいは購入希望者との対応
落札希望者あるいは購入者からの質問に回答し、詳細な情報提供で不安を解消し、条件を調整します。3.契約書の作成と締結
購入者と合意に達したら、契約書を作成し、双方で署名し契約を締結します。4.代金の入金確認と管理
購入者からの支払いが完了したことを確認します。5.車両の引き渡し
支払いが完了次第、速やかに車両を引き渡し、購入者に車両状態の確認をしてもらいます。6.各種保険の名義変更
必要書類を準備し、購入者に渡し、名義変更の手続きを行います。7.任意保険の解約手続き
売却した車の任意保険を解約し、新しい車両への保険の手続きを行います。
これらの手続きが完了すれば、売買成立となります。
仲介サイトを利用する場合
仲介サイトを利用する場合は、手続きの一部をプロに委ねることが可能です。
フリマサイト・オークションよりも経費は若干高いものの、トラブルのリスクが減少し、中古車販売店に比べ手間と費用が抑えられます。
安全性と利便性のバランスが良く、初心者の方や忙しい方に適した方法です。
手順
仲介サイトを利用する際の手順は以下のとおりです。
- 1.適切な仲介サイトの選択
信頼できる仲介サイトを選びます。2.車両情報の登録
車の写真、状態、走行距離などの詳細情報をサイトに登録します。3.価格設定と出品
仲介業者のアドバイスを受けながら、適切な価格を設定し出品します。4.購入希望者とのやり取り
仲介サイトを通じて、購入希望者からの問い合わせに対応します。5.契約の締結
購入希望者と合意に達したら、仲介サイトのガイダンスに従って契約を締結します。6.代金の取り扱い
仲介サイトを通じて安全に代金の支払いを行い、売上の受け取りを確実に行います。7.車両の引き渡し
契約成立後、仲介サイトの指示に従って車を購入者に引き渡します。8.名義変更と各種保険の手続き
名義変更と各種保険の解約手続きを行います。
仲介サイトや関連する業者が、手続きをサポートします。
これらの手続きが完了すれば、仲介サイトでの売買成立となります。
個人売買のメリット・デメリット
個人売買すると、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
ここでは、車の個人売買におけるメリット・デメリットについて詳しく解説します。
個人売買のメリット
まずは、個人売買のメリットについてみていきましょう。
高く売れて安く購入できる
車の個人売買の最大のメリットは、買取側は安く、売却側は高く売買ができる点です。
買取専門店やディーラーの下取りでは、再販売を目的としているため一定の手数料や利益が上乗せされます。
これにより、買取価格は市場価格よりも低くなりがちです
しかし、個人売買では、買い手と売り手が直接交渉するため、手数料が発生しません。
その結果、市場価格に縛られず双方にとってWin-Winの合理的な価格で取引が可能になります。
この柔軟性が個人売買の魅力の1つと言えるでしょう。
売却する相手が選べる
車の個人売買における大きなメリットは、愛車を引き継ぐ相手を自分で選べることです。
長年乗り続けた車には、多くの方が特別な感情を抱きます。
そのため、売却する際には、車を大切に扱ってくれる方に引き継ぎたいと考えるのは自然なことでしょう。
買取専門店やディーラーの下取りでは、車が最終的にどのような手に渡るのかをコントロールすることはできません。
一方で、個人売買では、直接取引することで売却する相手を自由に選ぶことが可能になります。
このように、個人売買は車に対する感情的な価値を重視する人にとって理想的な選択肢となるでしょう。
個人売買のデメリット
続いて、デメリットについてみていきましょう。
車の状態が分かりにくい
個人売買の大きなデメリットは、車の現状が把握しにくい点です。
個人間取引では業者による点検や整備を行わずに車を売却するため、見た目では分からない不具合が後に発覚する可能性があります。
引き渡しでは、安全性や基本機能に関わる問題以外でのクレームや返品は難しく、不具合があった場合には修理費用が必要です。
このため、購入者は慎重に車の状態を確認することが大切になります。
手続きに時間がかかる
個人売買においては、車の名義変更などが必要なため、手続きに時間がかかります。
個人売買では運輸支局や市役所へ訪問し、必要書類を作成するなど時間と労力が必要です。また、手続きが適切に行われないリスクもあり、車が適切に登録されずに使われる可能性もあります。
さらに、個人間取引であっても、契約書の作成は必須です。
契約書は業者が用意するものですが、個人売買では売り手がこれを自分で準備する必要があり、売却経験がない場合には手間がかかることがあります。
原則一括払い
車の個人売買では、支払いは原則一括で行われます。
知り合い間の取引では分割払いのような融通が利くこともあります。
しかし、ローンや分割に対応しているのは、ローン会社と提携している販売業者のみで、個人間取引ではこれを利用することはできません。
ローンで支払いたい場合は、銀行などで別途ローンを組み、資金で車を購入する形になります。
このため、個人売買を検討する際は支払い方法についても検討が必要です。
個人売買を行う場合に注意しておくこと
ここでは、車の個人売買を行う場合に注意しておくことを5つ紹介します。
お金が一切振り込まれない
個人売買における一般的なトラブルは、約束された金額が振り込まれないことです。
支払いの遅延、車を渡した後の支払い拒否、虚偽の支払い主張があり得ます。
これらを防ぐためには、売買契約書で支払いのタイミングと車の引き渡し条件を明確にすることが重要です。
取引の証拠として領収証を発行し、控えを保管することも効果的になります。
きちんとお金を支払ってもらうための準備をしておきましょう。
書類不足で名義変更ができない
車の個人売買では、名義変更のための書類が不足していると手続きが進みません。
双方が必要書類を用意しても、運輸支局に行くのが遅れることがトラブルの原因にもなります。
運輸支局への来局は、委任状があれば片方だけで可能ですが相手が協力しない場合は手続きが滞ってしまうでしょう。
このため、売買契約時には名義変更の期限を設け、守られない場合の取り決めを明確にしておくことが重要です。
車両の配送ができない
個人売買において車の配送は非常に重要です。
引き渡しのタイミングは売り手と買い手の合意で決定され、名義変更前後で引渡し方法が異なります。
特に名義変更前の車の輸送では、事故やトラブル時の責任範囲を明確にしておくことが必要です。
また、輸送業者の利用時には、距離や車種により輸送費が高額になることもあります。
輸送費の負担者を事前に決定しておかないと、車の引き取りが遅れたり取引のキャンセルにつながる恐れがあるでしょう。
輸送費や責任の取り決めは、事前にしっかりと行うことが重要です。
買った車がすぐに故障した
個人売買で、売却後に車が故障すると、買い手は「故意に隠して売ったのでは」と疑うことがあります。
これを避けるため、売り手は販売前に車の状態をチェックし必要な修理を済ませてから売ることが重要です。
しかし、良好なコンディションの車でも急に故障することはあります。
トラブルを防ぐためには、売買契約時に車の状態を両者で確認し、引き渡し後の瑕疵担保責任についても合意することが必要でしょう。
この取り決めがあれば、予期せぬ故障が発生した場合の対応がスムーズになり、トラブルの回避につながります。
買った車が盗難車だった
ごく稀ですが、個人売買で購入した車が盗難車であることが判明する場合があります。
このような事態になると、車は元の持ち主に返還され購入者は時間と労力を無駄にすることになります。
重要なのは、取引前に車検証の所有者が売り手と一致しているか確認することです。
また、盗難車の場合、売り手との連絡が取れなくなり、購入代金が返金されないリスクもあります。
状態や年式に比べて異常に安い価格の車は疑わしい取引の可能性があるため、そのような車の購入は慎重に行いましょう。
車の個人売買がおすすめな方とおすすめでない方
ここまで個人売買の方法や手順、注意点などを解説しましたが、実際にどのような方が個人売買がおすすめなのでしょうか。
ここでは、車の個人売買がおすすめな方とおすすめでない方について紹介します。
車の個人売買がおすすめな方
まずは、車の個人売買がおすすめな方についてみていきましょう。
自分で手続きができる自信がある方
自分で手続きができる自信がある方は、個人売買がおすすめです。
個人売買では、名義変更、契約書の作成、保険の更新など、多くの手続きが必要になります。
これらの手続きは、適切な書類の準備が必要です。
たとえば、名義変更には運輸支局への来局や必要書類の提出が必要で、契約書作成には取引条件の正確な記載が求められます。
これらの手続きを自分で確実に行える自信がある方は、個人売買をスムーズに進めることができるでしょう。
車を少しでも高額で売却したい方
車を少しでも高く売却したい方は、個人売買が適しています。
個人売買では、ディーラーや買取専門店を通さないため、中間マージンが発生しません。
そのため、車を市場価格に近い、またはそれ以上の価格で売却できる可能性があります。
特に、車の状態が良く市場での需要が高いモデルであれば、個人売買により高価格での取引が期待できるでしょう。
また、自分の車に関する詳細な情報を直接購入者に伝えることができるのも個人売買のメリットです。
これにより、車の価値を最大限に伝え、適正な価格での売却が可能になります。
車の個人売買がおすすめでない方
続いて車の個人売買がおすすめでない方について解説します。
すぐに現金化したい方
個人売買では、買い手を見つけるのに時間がかかることが多いです。
市場での需要、価格設定、広告の掲載、そして買い手との交渉といった各段階には、それぞれ時間を要します。
特に、車の種類や状態によっては、求める価格での買い手がすぐには見つからないこともあるでしょう。
急いで現金化を望む方には、買取専門店の利用やディーラーでの下取りなどの他の選択肢が適しているといえます
面倒な手続きが苦手な方
面
個人売買には、名義変更、契約書の作成、保険の更新といった複雑な手続きが伴うため、面倒な手続きが苦手な方には適していません。
これらの手続きは、適切な知識と対応力が必要なため、手続きに自信がない方や面倒を感じる方には向いていません。
また、書類の不備や手続きの遅れはトラブルの原因にもなります。
手続きの煩わしさを避けたい方は、手続きを代行してくれる業者を利用するか、他の方法で売買しましょう。
まとめ
個人売買は高値での売却が可能ですが、手続きの煩雑さやトラブルのリスクが伴います。
これらを回避するためには、事前の準備と適切な取引方法で売買をしましょう。