車は高価な買い物ですが、新車を買ったばかりにも関わらずすぐに売却してしまう方もいます。
売却の動機は個人によって異なりますが、新車を短期間で売却する際のメリットについて興味を持つ方も多いでしょう。
そこで今回は、新車を短期間で売却するメリットやデメリット、売却するのにおすすめのタイミングについて解説します。
新車を早い段階で手放そうと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
新車を短期間で売却するメリット
新車を短期間で売却するメリットは、以下のとおりです。
- ・メンテナンス費用がかからない
・高額査定が期待できる
・常に新しい車に乗れる
・メーカー保証が受けられる
・自動車税や保険料の節約になる
それぞれのメリットについて解説いたします。
メンテナンス費用がかからない
短期間で新車を売却する場合、メンテナンス費用がほとんどかかりません。
車を長く安全に乗り続けるには新車購入から3年後、それ以降は2年おきに車検を受けるなどのメンテナンスが必要です。
しかし、1年などの短期間であれば、車検を受ける必要もなく、故障するリスクも少ない傾向にあります。
万が一トラブルが起こったとしても、メーカー保証を使って無料または安価に修理可能です。
高額査定が期待できる
車はプレミアや数量限定などの特別な理由がない限り、購入から時間が経てば経つほど、乗れば乗るほど査定額は下がっていきます。
そのため、新しければ新しいほど高額査定が期待できるでしょう。
特に軽自動車やコンパクトカーは需要が高いため、査定額が高くなりやすい傾向にあります。
常に新しい車に乗れる
短期間での売却を繰り返せば、常に新しい車に乗ることができます。
マイナーチェンジやフルモデルチェンジ、新型車登場など、さまざまなニュースで溢れかえっていますが、そのようなトレンドの変化にも乗ることが可能です。
ただし、新車を購入してから納車までに数ヶ月〜1年程度かかるケースも珍しくありません。
短期間での売却を考えている場合は、乗り換え後の新車の納期がいつになるのかを念頭に置いた上で購入する必要があります。
メーカー保証が受けられる
新車を購入すると、メーカー保証が受けられます。
たとえば、トヨタの一般保証を受ける条件は購入から3年以内または走行距離6万km以内、ホンダの一般保証を受ける条件は3年以内です。
メーカーによって保証の条件や内容は異なりますが、新車購入後1年などの短期間で売却する場合、メーカー保証の対象外になることはほとんどありません。
メーカー保証を利用することで、お得に車に乗れるでしょう。
自動車税や保険料の節約になる
1年などの短期間で売却する場合、自動車税や保険料の節約になるケースがあります。
新車は故障のリスクが少ないため、古い車と比べると保険料は安く設定されています。
また、令和5年度税制改正により、一定の基準を満たすエコカーは自動車重量税が減額されることが決まりました。
次の車をエコカーにすることで、税金を抑えられる上に、ガソリン代も安く済むでしょう。
新車を短期間で売却するデメリット
新車を短期間で売却することはメリットがある一方で、以下のようなデメリットも生じます。
- ・新車価格では売却できない
・購入手続きが面倒
それぞれのデメリットを解説いたします。
新車価格では売却できない
限定車や希少価値の高い車を除いて、購入した車を新車価格では売却できません。
車は購入した時点で中古車扱いになるため、たとえ納車した日に売却したとしても、購入時と同じ価格では売却できないことが多いのです。
特に新車の減額率は高く、1年で20〜30%程度価値が下がるといわれています。
新しければ新しいほど査定額は高くなるものの、新車を短期間で売却する経済的な負担は大きいといえるでしょう。
購入手続きが面倒
車を売却するには、名義変更、所有権の移転手続き、ナンバープレートの返納などのさまざまな手続きが必要です。
多くの場合はディーラーや中古車買取業者が手続きを代行してくれるものの、必要な書類を揃えたり、申請したりするにも手間や時間がかかります。
必要書類の取得先や申請先のほとんどは、平日しか空いていないことが多いため、仕事を休まなければならない方もいるでしょう。
また、乗り換える車のローンや保険も再度契約しなければなりません。
短期間で車を売却する場合は、その度に手続きが必要であるため、人によっては面倒だと感じるでしょう。
新車を高く売却するコツ
新車を短期間で売却する場合、少しでも高く売却したいと思う方が多いでしょう。
新車を高く売却するには、以下の3つのコツをおさえましょう。
- ・綺麗な状態を保つ
・リセールバリューが高い車種を選ぶ
・買取業者を選ぶ
それぞれのコツについて解説いたします。
綺麗な状態を保つ
新車を高く売却するには、綺麗な状態を保って乗るように心がけましょう。
車の汚れは査定額には直接関係しないといわれていますが、綺麗にしておくことで査定担当者の印象は変化します。
売却する前には、車内のダッシュボードやシート、ドリンクホルダー、床など、あらゆる部品を外して細かい部分まで拭き掃除や掃除機をかけて綺麗にしておくのがおすすめです。
ただし、もし傷や凹みができてしまった場合には、査定額アップを目的として修理をする必要はありません。
修理にかかる費用ほど査定額がアップする可能性は低いため、傷や凹みはそのままにして査定に出しましょう。
また、車内の汚れは査定額に関係しないものの、においは査定額にも影響します。
消臭には時間がかかるため、ペットを車に乗せていたり、香りの強い芳香剤を使用している場合、車内で喫煙していた場合には、消臭剤などを使って早めから手入れしておくのがおすすめです。
リセールバリューが高い車種を選ぶ
短期間で新車を売却することを想定して購入する場合は、リセールバリューが高い車種を選ぶのがおすすめです。
近年では、以下のような車がリセールバリューが高いといわれています。
- ・SUVなどの人気のボディタイプ
・モデルチェンジしたばかりの車
・入手するのが難しい車種
・ホワイト、ブラックなどの定番カラー
・根強いファンがいる車種
このような点を意識して車を選ぶと、高いリセールバリューが期待できるでしょう。
買取業者を選ぶ
新車を少しでも高く売却するには、ディーラーの下取りではなく、買取業車に依頼しましょう。
ディーラーは主に車の販売に焦点を当てており、買取においては高額な査定を期待しにくい傾向があります。
一方、買取業車であれば、買取を専門に行っているため、細かい部分まで査定に反映させてくれるでしょう。
特に、オークションで転売することを目的にしている買取業車ではなく、自社で買取と中古車販売を行い、自社の在庫にすることを目的にしている業者は、店頭に出せる最低限の値段で査定してくれることもあるためおすすめです。
また、査定依頼をする場合には、一社のみではなく、複数の業者に依頼することで、相場が分かり、納得した金額で売却できるでしょう。
おすすめの新車売却先
新車を売却するときには、売却する理由によって売却先を分けるのがおすすめです。
新車の売却先には、「ディーラーの下取り」「オークション」「中古車買取業者」があります。
どんな売却理由でどんな方法を取るのが適切なのか解説いたします。
ディーラーの下取り
新車を売却する方法として、ディーラーの下取りがあります。
引越しや転勤などで時間がない方や新しい車の購入を決定している方は、ディーラーで下取りに出すのがおすすめです。
ディーラーで下取りに出す場合、売却金額を新車購入の代金として使用できることや新車の値引き材料になること、新車への乗り換えがスムーズにできることの3つのメリットがあげられます。
一方で、下取りの場合はオークションや中古車買取業者に依頼するよりも売却金額は少なくなってしまうでしょう。
オークション
オークションは、新車を売却する方法の1つです。
オークション方法は、個人向けオークションと中古車専門の業者が取引するオートオークションがあります。
オートオークションは個人では利用できないため、個人向けオークションに出品しましょう。
オークションサイトに出品し、最終的な落札価格または販売価格を指定します。
入札者が価格を提示し、最も高い金額で入札した方や販売価格で購入したい希望者が現れたら、取引が可能です。
自由に出品できることや売却する金額を設定できること、買取業者を介さないため買取相場よりも高い金額で売却できることがメリットとしてあげられます。
一方で、入庫や納車などすべての手続きが自己責任になるため、個人間のトラブルが発生しやすいこと、手間や時間がかかることがデメリットです。
中古車買取業者
新車の売却先として、中古車買取業者があげられます。
ライフスタイルの変化や免許の返納により車がいらなくなった場合は、中古車買取業者に売却するのがおすすめです。
中古車買取業者に売却するメリットは、ディーラーの下取りよりも高値で売却できることがあげられます。
売却金額を比較するために、ディーラー下取りと中古車買取業者の両方に見積もりを依頼するのも良いでしょう。
新車を売却するのにおすすめのタイミング
同じ条件の新車を売却する場合でも、タイミングによって売却金額は大きく異なります。
車の需要と供給のバランスによって、世の中のあらゆる物の値段は変化しますが、車も同様です。
車の需要が高まるタイミングで売却金額が高くなります。
ここでは、新車を売却するのにおすすめのタイミングと避けた方が良いタイミングを解説いたします。
新車の売却は1~3月がおすすめ
新車の売却には、車の需要が高まる1〜3月がおすすめです。
1〜3月は就職、就学、転勤、転職が多く、そのタイミングで車を購入しようと考える方が増えるため、売却金額も高くなります。
新成人や新社会人など、若者世代の需要が増加するため、中古車が新車よりも手頃な価格で購入できるとして、1年で最も需要が高まります。
7月・12月も比較的高額査定が望める
新車を売却する際は、7月・12月も比較的高額査定が望めるでしょう。
車は新車でも中古車でも大きな出費が伴いますが、7月・12月にはボーナスを支給される方が多いことから、購入意欲が高まるといわれています。
年末には何かと出費が多くなるため、避けた方が良いという意見もありますが、年内に買い替えることで年式が1年得するため、12月に購入を考える方も多い傾向にあります。
4月・10月の売却は避けよう
4月・10月に新車を売却するのは、おすすめではありません。
中古車買取業者は繁忙期を終えると、中古車のラインナップを充実させるため、同じ条件の車であったとしても、1〜3月や7月、12月に比べると、買取金額が下がってしまう傾向にあります。
特に、4月は買取金額の下落幅が大きいため、3月中に売却してしまうのがおすすめです。
まとめ
新車を短期間で売却する場合、メンテナンス費用や自動車税、保険料を考えると節約になる反面、新車の減額率は高く、大きな負担にもなります。
また、常に新しい車に乗り続けられるという優越感に浸れるものの、短期間で何度も煩雑な手続きをしなければならないというデメリットもあります。
メリットとデメリットのどちらも考慮した上で、短期間で売却するべきかどうかを検討しましょう。
新車を売却する際はタイミングによって買取金額が大きく変化するため、売却のタイミングを図ることも重要です。
1〜3月、7月、12月の車の需要が高まる時期に売却し、需要が低くなる4月と10月の売却は避けるのが良いでしょう。