名義が異なる車の買取依頼について「車の名義が本人以外でも車は売れる?」「車の買取に必要な書類はや注意点は?」「所有権が違う車の買取に名義変更は必要?」など疑問に思う事があるかと思います。
結論、他人名義の車は、所有者の同意がある場合のみ代理で買取依頼を行うことができます。
しかし代理で車の買取依頼を行う場合、さまざまな書類が書類が必要です。
また名義によって必要書類が異なるので手続きに手間がかかることも多いでしょう。
この記事では、代理で車の買取依頼をする際の名義別対応や必要書類、注意点から気になる疑問についても解説します。
他人名義の車買取依頼をスムーズに行えるよう、ぜひ参考にしてください。
所有者が本人以外の車は買取できる?
車を買取に出せるのは原則として所有者のみです。
車検証の所有者欄に記載されている人物が、車の所有権を持っており、車の売却や廃車手続きを行う権利を持っています。
そのため、所有者本人以外が買取手続きを行う場合、所有者本人が手続きを行うよりも労力や時間がかかることが多いです。
代理人なら所有者でなくても買取は可能
何らかの理由で車の所有者が買取手続きが難しい場合、本人以外でも代理人という立場で名義の異なる車の買取依頼を行うことができます。
また、代理人が買取依頼する場合は所有者の同意が必要になり、依頼することを証明する書類・委任状が必要です。
売却代金は本人のもの
代理人としてあなたと所有権の異なる車を売却した場合、手続きは車の所有者本人が行った時と同様に処理されます。
そのため、売却代金は車の所有者である本人のものです。
たとえ所有者が親、代理人が子であったとしても、売却代金の受取人は親であるため受取人、代金振込先は所有者にしておく必要があります。
本人以外が名義人の車買取で必要な書類は?
車の売却に必要な書類は、主に6種類です。
- ・自動車検査証(車検証)
- ・自賠責保険証明書
- ・自動車リサイクル券
- ・自動車納税証明書
- ・実印・印鑑証明書
- ・譲渡証明書
誰がどの書類を用意しなければならないのかについて解説します。
1.車の所有者が用意する必要書類
2.代理人が車を売却する際の必要書類
3.名義人が預かる書類は車検証の内容によって異なる
車の所有者が用意する必要書類
車の所有者が用意する必要書類について説明します。
- ・自動車検査証(車検証)
- ・自動車損害賠償責任保険証明書
- ・自動車リサイクル券
- ・自動車納税証明書
- ・実印
- ・印鑑証明書
- ・譲渡証明書
- ・委任状
自動車検査証(車検証)
自動車検査証(車検証)は、自動車が保安基準に適合していることを証明する書類です。
自動車を運転する際、車検証の携帯義務があるので、車のグローブボックスに保管したまま、しっかり目を通したことがない人もいるかもしれません。
自動車リサイクル券
リサイクル券とは、2005年1月に施行された「自動車リサイクル法」で定められたリサイクル料の預託を行ったことを証明する書類です。
そのため新車を購入する際にディーラー等から発行されます。
リサイクル券を無くしてしまった場合、原則再発行はできません。
その代わり、リサイクル権の代用となる委託証明書「自動車リサイクル料金の預託状況」を自動車リサイクル促進センターのホームページで取得し利用しましょう。
自動車納税証明書
自動車税を払ったことを証明するための書類です。
売却時に車検証などと一緒に自動車納税証明書を提出することで、査定額を上げることができます。
万が一紛失してしまった場合は、再発行が可能です。
実印・印鑑証明書
普通自動車を売却する際に、実印と印鑑証明が必要です。
印鑑証明は2枚必要な場合があるので注意しましょう。
ですが、軽自動車を売却する場合は、印鑑証明は不要です。
また、印鑑証明書には有効期限があるため、期限が残り少ないと買取り業者が受け付けてくれないケースもあります。
有効期限に余裕を持って用意をしましょう。
譲渡証明書
譲渡証明書も、車売却時に譲渡や譲受する際の「移転登録」に必要な書類です。
用紙は、陸運支局の窓口、または国土交通省のホームページからダウンロードできます。
買取店が用意してくれる場合もありますので、記入して実印を押します。
委任状
委任状は車の所有者の権限を委任し正当な代理人であると証明する書類です。
車が自分でも他人名義であっても必要になります。
委任状には決められたフォーマットはありません。
車買取業者が用意してくれることがほとんどですが、「車委任状 PDF」と検索すると簡単にデータをダウンロードが可能です。
代理人が車を売却する際の必要書類
代理人が車を売却する際は、車の所有者名義の6種類の書類に加え、委任状と身分証明書が必要になります。
身分証明書
代理人が車の買取依頼を行う場合は身分証が必要です。
運転免許証やマイナンバーカード、パスポートや健康保険証などの公的なものが挙げられます。
保険証など顔写真なしの身分証明書を提示する場合は、公共料金の支払い書を合わせて提示しなければならない場合もあります。
名義人から預かる書類は車検証の内容によって異なる
代理人として名義人から預かる書類は、車検証の内容によって異なり必要書類が増える場合もあるので注意が必要です。
例えば、引っ越し等で車検証や自賠責保険の発行時から住所が変わったけれど、申請していないなどが挙げられます。
一例を紹介するので参考にしてください。
住民票
車検証や保険の更新時期までの期間中に1回引っ越しを行っている場合、現在の住民票(発行から3ヶ月以内)が必要となります。
住民票と住民票の除票
車検証や保険の更新時期までの期間中に2回以上引っ越しを行っている場合、住民票と住民票の除票(発行から3ヶ月以内)が必要となります。
戸籍謄本
結婚などで苗字が変わった場合や、故人の車を売却する際に戸籍謄本が必要になることがあります。
車検証に記載されている車の所有者名、住所は一致していなければなりません。
そのため、購入後に氏名が変わった場合、車の所有者と同一人物であることを証明する必要があります。
また、故人の車を本人以外が売却することができません。そのため名義変更を行う場合に必要になります。
車買取に関する必要書類等は下記リンクに詳細がありますので、ぜひ合わせて参考にしてください。
本人以外が名義人の車買取例
代理人として本人以外の車買取依頼を行う場合、さまざまなケースが考えられます。
- ・名義人が親
- ・名義人が認知症
- ・名義人が故人
- ・名義人がローン会社
- ・名義人が海外にいる
本人以外が名義人の買取事例によくある5つの事例を紹介します。
名義人が親
親が名義人の場合の必要書類は以下の通りです。
- ・車検証
- ・自賠責保険証明書
- ・自動車納税証明書
- ・リサイクル券
- ・印鑑証明書(親のもの)
- ・譲渡証明書(親の実印が必要)
- ・委任状(親の実印が必要)
- ・自分の印鑑身分証明書
高齢になった親の代わりに乗らなくなった車を売る、親が買ってくれた車を売る時などが考えられます。
親が健在であれば、必要書類を用意し所有権を子に譲渡すればスムーズに売却が可能です。
名義人が認知症
車の所有者である親が認知症になってしまった場合は、委任状があっても車買取は行えません。
なぜなら、判断力が低下し正常な判断が行えないとして法律で行為を制限されてしまい、委任状は効果を持たないからです。
名義人が認知症の場合は、成年後見人を立ててから車の売却を進めなければなりません。
成年後見人を立て買取依頼を行う際、用意する必要書類は、成年後見人の印鑑証明書や実印で対応できます。「成年後見人であることの証明書」が必要となるので用意しておきましょう。
名義人が故人
名義人が親で既に亡くなっている場合、最初に陸運支局で所有権の移転をしなければなりません。
所有権の移転をし自分名義に変更後、買取依頼を行います。
移転登録に必要な書類は以下の3つです。
- ・遺産分割協議書
- ・相続人全員の印鑑証明書
- ・被相続人との血縁関係が分かる戸籍謄本
故人が他人である場合、遺言状が必要です。
配偶者や個人の子に車が相続されたあと、自分に譲渡をしてもらい、その後は親の場合と同じ流れで手続きを行ってください。
名義人がローン会社
ローン会社が名義人の場合、ローン会社名義の車を自分名義にする所有権留保解除が必要です。
ローンの残金がある場合、ローン完済を繰り上げ返済する方法や、買取業者に仲介してもらい売却価格をローンの返済にあてる方法があります。
ローンを完済しても自動的で所有権は自分のものにならないで、早めにローン会社に連絡をしておきましょう。
名義人が海外にいる
名義人が海外にいる場合は、必要書類「所有者の印鑑証明」が取得できません。
そのため所有者に居住国の大使館に出向き、「所有者の署名か拇印」と「所有者の署名か拇印の証明書」を大使館の担当者の前で作成し、書類を送ってもらいます。
書類が揃うのに時間がかかるため、車の売却を決めたら早めに対応すると良いでしょう。
売却前に名義変更は必要なのか
売却前に名義変更は必ずしもした方がいいというわけではありませんが、名義変更した方が買取依頼がスムーズに行えるケースがあります。
- ・通常は名義変更しなくてもよい場合
- ・名義変更したほうがいい場合
- ・車の相続がはっきりしていない場合
それぞれのケース別について解説します。
通常は名義変更しなくてもよい
名義人が親の場合は名義変更せずに売却ができます。
親が購入し子にプレゼントした車や、親が免許返上し不要になった車など、親名義の車を子が売却するケースは多いです。
買取業者やディーラーも慣れているので、不信感を持たれることなくスムーズに買取依頼が行えます。
名義変更したほうがいいケース
自身と名義人に血縁関係がない他人の場合は、名義変更してから売却をした方が無難です。
家族名義の車の売却は珍しくありませんが、他人名義の車は犯罪やトラブルの可能性を疑われかねません。
車を相続するのがはっきりしていない場合は?
車を誰が相続するのかはっきりしていない場合には、遺産分割協議を行い車を相続する人を決め買取依頼を行います。
必要な書類は以下の通りです。
- ・遺産分割協議書
- ・相続人全員の印鑑証明書
- ・被相続人との血縁関係が分かる戸籍謄本
遺産分割協議が長引くと買取依頼も当然時期が遅くなってしまいます。
相続に関することは親が高齢になって来たら考えるようにするといいでしょう。
名義変更しないと起こりうる車買取のトラブル
名義変更せずに個人で売買したり悪徳業者の利用したりするのはお勧めできません。
名義変更しないと起こりうる代表的なトラブルを紹介します。
自動車税の納税通知が来る
車の所有者には、毎年4月1日に自動車税納付書が届きます。
そのため、名義変更をしないまま売却してしまうと、車がなくても自動車税の納付を義務付けられてしまうのです。
売却した車の所有者と連絡が取れない場合、自動車税を払うことになります。
売った車が犯罪に使われてしまう
打った車が犯罪に使われてしまうリスクも否めません。
名義変更しなかった車が犯罪に使われた場合、共犯者と見做される恐れもあります。
名義変更のトラブルを避けるには、信頼できる買取業者に依頼をしましょう。
買取業者に依頼することで、アドバイスをもらったりスムーズに手続きを行うことができますよ。
まとめ
この記事では、車の所有権が本人以外で買取依頼を行う際の必要書類や手続きの注意点について解説してきました。
所有者の同意がある場合のみ、代理人として親や他人の名義でも買取依頼が可能です。
また、名義変更をしてから売却をするかは、名義人との関係によります。
代理で買取依頼を行う場合は、本人が買取を行うよりも必要書類が増えるのでしっかりチェックしましょう。
自分名義以外の車の買取依頼はわからないことや不安も多いと思いますので、信頼できる買取業者に依頼しましょう。